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第1277回 暮れの短距離決戦! 阪神カップを分析する

2018/12/17(月)

日曜に有馬記念が行われる今週は土曜にも中山大障害、阪神カップと注目の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは、短距離界を締めくくる芝1400m重賞の阪神カップをピックアップ。過去10年のデータから好走が期待できるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神カップの人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 47% 50%
2番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 80% 77%
3番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 161% 110%
4番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 98% 31%
5番人気 0-  3-  2-  5/ 10 0.0% 30.0% 50.0% 0% 188%
6番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 1-  2-  2-  5/ 10 10.0% 30.0% 50.0% 160% 224%
8番人気 3-  0-  0-  7/ 10 30.0% 30.0% 30.0% 519% 142%
9番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気以下 0-  3-  2- 80/ 85 0.0% 3.5% 5.9% 0% 62%
※2009年は2着同着。

2017/12/23 阪神11R 阪神カップ(G2) 1着 2番 イスラボニータ

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は2009年キンシャサノキセキの1勝のみで、連対率20%・複勝率30%と低い。2番人気馬は昨年のイスラボニータら2勝。以下、8番人気馬が最多の3勝、3番人気馬が2勝、4・7番人気馬が1勝ずつ。勝ち馬はすべて8番人気以内だが、2・3着馬は下位人気まで幅広く分布している。

連対率・複勝率では黄色で強調した5番人気、7〜8番人気馬が優秀で、複勝回収率でも100%を大きく超えている。10番人気以下も2着3回、3着2回となっており、人気薄の激走に注意が必要だ。上位人気馬に安定感が見られず、人気薄でも狙える混戦のレースといえるだろう。

また、過去10年の阪神カップでは、牝馬が【0.0.0.21】とすべて4着以下に敗れていた。

■表2 阪神カップの所属別成績(過去10年)

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 8-  6-  2- 41/ 57 14.0% 24.6% 28.1% 120% 109%
栗東 2-  5-  7-104/118 1.7% 5.9% 11.9% 32% 61%

続いて表2は出走馬の所属別成績。美浦所属の関東馬が昨年のイスラボニータら大半の8勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれも関西馬を圧倒している。出走数は少ないものの、毎年1頭は3着以内に入っている

出走数が多い栗東所属の関西馬は一昨年のシュウジら2勝と勝ち星が少ない。毎年安定して好走馬を輩出している関東馬を積極的に狙っていきたい。

■表3 阪神カップの前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
マイルCS 4- 5- 5-35/49 8.2% 18.4% 28.6% 63% 108%
スワンS 2- 0- 1- 8/11 18.2% 18.2% 27.3% 131% 176%
京阪杯 1- 2- 1-23/27 3.7% 11.1% 14.8% 81% 45%
スプリンターズS 1- 1- 0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 133% 66%
キャピタルS 1- 0- 0-11/12 8.3% 8.3% 8.3% 120% 40%
オーロC 1- 0- 0-15/16 6.3% 6.3% 6.3% 51% 17%
CBC賞 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 160%
フェブラリーS 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 490%
JBCスプリント 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 360%
チャレンジC 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 330%
アンドロメダS 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1960%
その他のレース 0- 0- 0-42/42 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は前走レース別成績。マイルCS組が昨年のイスラボニータら最多の4勝をあげており、複勝率28.6%と高い。昨年は1・3着馬が該当している。スワンS組は11年サンカルロら2勝で、連対率・複勝率ではマイルCS組に迫っている。

京阪杯組は08年マルカフェニックス、スプリンターズS組は一昨年のシュウジがそれぞれ勝利している。他にはキャピタルS組・オーロC組が1勝ずつだが、これら前走オープン特別組はのべ【2.0.1.45】で連対率4.2%・複勝率6.3%と不振傾向にある。

■表4 阪神カップの前走着順別成績(過去10年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 2-  1-  0- 18/ 21 9.5% 14.3% 14.3% 61% 49%
前走2着 0-  3-  1-  9/ 13 0.0% 23.1% 30.8% 0% 57%
前走3着 0-  0-  1-  6/  7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 22%
前走4着 2-  0-  0- 12/ 14 14.3% 14.3% 14.3% 184% 52%
前走5着 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 262% 90%
前走6〜9着 2-  1-  1- 25/ 29 6.9% 10.3% 13.8% 76% 52%
前走10着以下 2-  6-  5- 68/ 81 2.5% 9.9% 16.0% 23% 103%

表4は前走着順別成績。前走1着馬は15年ロサギガンティア(前走オーロC1着)ら2勝をあげているが、連対率・複勝率14.3%と高くない。前走2着馬の連対率・複勝率こそ高いものの、前走3着以内馬の好走はそれほど多くないのが特徴だ。

対して、前走4着以下と馬券圏外だった馬が大半の8勝をあげている。特に前走10着以下だった馬は13年リアルインパクト(前走マイルCS10着)ら2勝をあげ、3着以内数13回と半数近くを占めている。この13頭のうち8頭が7番人気以下で、前走10着以下・今回7番人気以下というタイプは複勝回収率も100%を超えている。

前走4着以下、特に前走10着以下と大敗している人気薄の巻き返しを狙うのも馬券作戦としては面白いといえそうだ。

■表5 阪神カップの種牡馬別成績(過去10年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
シンボリクリスエス 2- 1- 0- 3/ 6 33.3% 50.0% 50.0% 295% 193%
フジキセキ 2- 1- 0-12/15 13.3% 20.0% 20.0% 82% 39%
ディープインパクト 2- 0- 3- 9/14 14.3% 14.3% 35.7% 212% 127%
Fuji Kiseki 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 430% 200%
ダンスインザダーク 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 245% 100%
キンシャサノキセキ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 800% 210%
マンハッタンカフェ 0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 170%
アルデバラン2 0- 2- 0- 1/ 3 0.0% 66.7% 66.7% 0% 233%
サクラバクシンオー 0- 1- 2- 7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 95%
ダイワメジャー 0- 1- 1-12/14 0.0% 7.1% 14.3% 0% 49%
タイキシャトル 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 122%
アドマイヤベガ 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 270%
Kingmambo 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 70%
デュランダル 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 705%
スターオブコジーン 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1960%
その他の種牡馬 0- 0- 0-81/81 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2014/12/27 阪神11R 阪神カップ(G2) 1着 8番 リアルインパクト

表5は種牡馬別成績。最上位のシンボリクリスエス産駒の成績はすべてサンカルロによるもの。フジキセキ産駒がFuji Kiseki表記(マル外キンシャサノキセキの父)を合わせると最多の4勝をあげている。これらサンデーサイレンス後継種牡馬の産駒とその他のヘイルトゥリーズン系種牡馬の産駒の好走が非常に目立っている

特に黄色で強調したディープインパクト産駒は13年・14年にリアルインパクトが連覇を達成し、一昨年フィエロ、昨年サングレーザーがともに3着に入っている。3着以内に好走した5頭はすべて牡馬で、牝馬は4頭すべて4着以下に敗れていた。

■表6 阪神カップの馬体重別成績(過去10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
400〜419kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
420〜439kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
440〜459kg 0-  2-  1- 12/ 15 0.0% 13.3% 20.0% 0% 68%
460〜479kg 0-  3-  1- 29/ 33 0.0% 9.1% 12.1% 0% 104%
480〜499kg 1-  3-  4- 45/ 53 1.9% 7.5% 15.1% 7% 69%
500〜519kg 7-  1-  1- 39/ 48 14.6% 16.7% 18.8% 150% 66%
520〜539kg 2-  1-  2- 17/ 22 9.1% 13.6% 22.7% 137% 75%
540kg以上 0-  1-  0-  1/  2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 245%

最後に表6は阪神カップ出走時の馬体重別成績。黄色で強調したように500kg以上の大型馬が一昨年のシュウジら大半の9勝と勝ち切る傾向が強い。特に500〜519kgの馬が7勝と集中している。

対して、500kg未満の馬は昨年のイスラボニータの1勝のみで、2・3着に敗れるケースが多い。勝ち馬を見極める際には馬体重の重い大型馬を狙うのが過去の傾向に則しているといえるだろう。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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