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第1275回 波乱の牝馬重賞・ターコイズSの狙い方

2018/12/10(月)

今週、中山競馬場で行われるターコイズSは、今年で重賞昇格4回目。オープン特別時代から荒れるレースとして有名だったが、重賞昇格1回目の2015年も、上位3頭すべて2桁人気という大波乱。以降も難解なレースが続いている。いったいどんな馬が狙いになるのか、過去の傾向を探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 重賞昇格後のターコイズSの結果

馬名 年齢 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順 主な配当
2015 シングウィズジョイ 3 53 11 1 秋華賞 15 10 馬連:5万4690円
ダンスアミーガ 4 53 16 2 キャピタルS 16 16 3連複:54万6240円
オツウ 5 52 15 3 キャピタルS 12 15 3連単:295万4680円
2016 マジックタイム 5 56 1 1 マイルCS 8 8 馬連:1910円
レッツゴードンキ 4 56.5 6 2 JBCレディスC 4 2 3連複:4050円
カフェブリリアント 6 55 3 3 府中牝馬S 6 6 3連単:1万7140円
2017 ミスパンテール 3 53 5 1 清水S(1600万) 4 1 馬連:2570円
フロンテアクイーン 4 53 3 2 ユートピアS(1600万) 1 2 3連複:1万6580円
デンコウアンジュ 4 55 7 3 エリザベス女王杯 13 13 3連単:9万4580円

2017/12/16 中山11R ターコイズステークス(G3) 1着 8番 ミスパンテール

表1は、重賞昇格後3回の結果をまとめたものである。「4歳」「ハンデ53キロ」、そして「前走G1」がそれぞれ好走馬4頭を数えるが、前走の人気や着順、このレースの人気は「バラバラ」という印象が強い。この3回から狙いを導き出すのもなかなか難しそうなため、オープン特別時代(暮れの中山開催2日目に、同コースで施行)の2008年〜14年も含めた過去10年の結果も見つつ、その傾向を探ってみたい。

■表2 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年 同複勝率
1 2-1-1-6/10 20.0% 30.0% 40.0% 78% 71% 1-0-0-2/3 33.3%
2 1-1-1-7/10 10.0% 20.0% 30.0% 37% 51% 0-0-0-3/3 0.0%
3 2-3-1-4/10 20.0% 50.0% 60.0% 119% 129% 0-1-1-1/3 66.7%
4 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 50% 0-0-0-3/3 0.0%
5 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 126% 40% 1-0-0-2/3 33.3%
6 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 123% 132% 0-1-0-2/3 33.3%
7 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 61% 0-0-1-2/3 33.3%
8 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 42% 0-0-0-3/3 0.0%
9 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 257% 67% 0-0-0-3/3 0.0%
10 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 66% 0-0-0-3/3 0.0%
11〜 2-2-2-42/48 4.2% 8.3% 12.5% 285% 159% 1-1-1-15/18 16.7%

まずは人気別成績から。1〜2番人気は過去10年の合計で【3.2.2.13】複勝率35.0%と、信頼性は今ひとつ。重賞昇格後にかぎると、16年の優勝馬・マジックタイム以外はすべて馬券圏外に終わり、複勝率は16.7%にとどまる。上位人気の中でまずまず信頼できそうなのは3番人気。過去10年で複勝率60.0%、単複の回収率も120%前後を記録し、重賞昇格後の3回では勝ち馬こそ不在ながら、3頭中2頭が馬券に絡んでいる。 一方で、過去10年、過去3年ともに不振なのは8〜10番人気。過去10年では複勝率10.0%、重賞昇格後は好走馬が1頭も出ていない。穴なら中途半端にこのあたりを狙うよりは、さらに人気薄の11番人気以下を買ったほうが、高配当を手にするチャンスは広がってくる。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年 同複勝率
3歳 3-6-3-39/51 5.9% 17.6% 23.5% 79% 95% 2-0-0-15/17 11.8%
4歳 4-4-3-25/36 11.1% 22.2% 30.6% 130% 148% 0-3-1-3/7 57.1%
5歳 3-0-3-37/43 7.0% 7.0% 14.0% 287% 100% 1-0-1-13/15 13.3%
6歳 0-0-1-14/15 0.0% 0.0% 6.7% 0% 14% 0-0-1-8/9 11.1%
7歳 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 該当馬なし

年齢別での注目は4歳馬だ。過去10年では【4.4.3.25】で複勝率30.6%などの好成績をマーク。過去3年でも、表1で挙げたように最多の4頭が好走しており、複勝率は57.1%にものぼる。ただし、この4頭はすべて2〜3着。オープン特別時代の7回では過半数の4勝を挙げており、1着候補に据えられるかどうかの判断は難しいが、少なくとも3連複の軸候補として有力なのは間違いない。

■表4 ハンデ別成績

ハンデ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年 同複勝率
48kg 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1/1 0.0%
49kg 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 該当馬なし
50kg 1-1-1-9/12 8.3% 16.7% 25.0% 214% 145% 0-0-0-1/1 0.0%
51kg 1-0-1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 877% 173% 0-0-0-1/1 0.0%
52kg 1-1-1-20/23 4.3% 8.7% 13.0% 29% 87% 0-0-1-7/8 12.5%
53kg 3-5-2-28/38 7.9% 21.1% 26.3% 102% 111% 2-2-0-10/14 28.6%
54kg 2-1-1-26/30 6.7% 10.0% 13.3% 58% 77% 0-0-0-12/12 0.0%
55kg 1-1-4-12/18 5.6% 11.1% 33.3% 27% 95% 0-0-2-5/7 28.6%
55.5kg 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 該当馬なし
56kg 1-0-0-6/7 14.3% 14.3% 14.3% 41% 18% 1-0-0-2/3 33.3%
56.5kg 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 320% 0-1-0-0/1 100.0%

ハンデ別では、53キロが3着以内に計10頭と好走馬の3分の1を占め、連対率21.1%など、好走確率や回収率も上々だ。重賞昇格後も連対馬6頭中4頭がこの53キロから出ており、引き続き有力と考えたい。また、牝馬としては重ハンデとなる55キロ以上も、過去10年で計【2.2.4.19】複勝率29.6%。過去3年では【1.1.2.7】同36.4%と、安定した結果を残す。一方、重賞昇格後に苦戦を強いられつつあるのは、52キロ以下の軽ハンデ馬。08年〜14年には7頭が馬券に絡んでいたが、過去3年では【0.0.1.10】と、15年3着のオツウ(52キロ)以外は圏外だ。

■表5 前走クラス別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年 同複勝率
1000万下 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 28% 該当馬なし
1600万下 6-3-2-38/49 12.2% 18.4% 22.4% 354% 112% 1-1-0-4/6 33.3%
OPEN特別 0-1-2-26/29 0.0% 3.4% 10.3% 0% 100% 0-1-1-10/12 16.7%
G3 0-0-0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-7/7 0.0%
G2 0-0-2-9/11 0.0% 0.0% 18.2% 0% 58% 0-0-1-6/7 14.3%
G1 4-5-3-19/31 12.9% 29.0% 38.7% 120% 166% 2-0-1-11/14 21.4%
地方 0-1-0-3/4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 80% 0-1-0-1/2 50.0%

前走のクラス別で優勝馬を出しているのは、1600万条件組と、中央G1組のみ。この2つで3着以内の好走馬30頭中23頭を占め、好走確率や単複の回収率でも、オープン特別組やG3、G2組とは差がついている。重賞昇格後もそれぞれ2連対を記録しており、この傾向に大きな変化はないようだ。 この1600万組、中央G1組を除いた全馬の成績は、【0.2.5.61】で連対率2.9%、複勝率10.3%と、特に連対候補としては苦しい。該当する68頭について調べると、馬体重が前走比でマイナスだった馬は【0.0.0.24】、増減なしは【0.0.2.10】と、ともに連対なしに終わっていた。プラス体重でも【0.2.3.26】と良くはないが、もし狙うのであれば、当日プラス体重の馬から考えたい。なお、出走全馬の馬体重増減別成績は、マイナス【5.2.2.43】、増減なし【2.2.4.21】、プラス【3.6.4.53】となる。

■表6 前走G1組の今回人気、前走タイム差別成績

条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
今回人気 1番人気 2-0-1-1/4 50.0% 50.0% 75.0% 195% 130%
2番人気 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 80%
3番人気 1-2-0-2/5 20.0% 60.0% 60.0% 136% 142%
4〜5番人気 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気以下 1-2-2-11/16 6.3% 18.8% 31.3% 142% 235%
前走タイム差 負0.3〜0.5 2-0-1-2/5 40.0% 40.0% 60.0% 156% 104%
負0.6〜0.9 1-3-2-9/15 6.7% 26.7% 40.0% 152% 181%
負1.0〜1.9 1-1-0-6/8 12.5% 25.0% 25.0% 85% 207%
負2.0〜 0-1-0-2/3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 86%

2016/12/17 中山11R ターコイズステークス 1着 10番 マジックタイム

表6は、表5で好走確率が高かった前走中央G1組について、本競走での人気と、前走タイム差別の成績を調べたものである。まず人気では、1〜3番人気に推された馬が計【3.3.1.4】で複勝率63.6%、単複の回収率132%、126%の好成績。表2ではやや不振だった1、2番人気も、前走中央G1組にかぎれば問題なさそうだ。また、前走のタイム差では、勝ち馬から1秒未満だった馬が計【3.3.3.11】で複勝率45.0%、単複の回収率153%、162%をマークする。 ただ、表5にあったように、前走中央G1組は全馬トータルでも好成績を記録している。あくまで好走確率も踏まえて「1〜3番人気」や「前走タイム差1秒未満」が良いというだけで、これに合致しない馬でも回収率重視なら狙いは立つ。

■表7 前走1600万条件組の年齢、レース間隔別成績

条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
年齢 3歳 1-1-1-9/12 8.3% 16.7% 25.0% 105% 67%
4歳 4-2-1-11/18 22.2% 33.3% 38.9% 260% 147%
5歳 1-0-0-15/16 6.3% 6.3% 6.3% 713% 128%
6歳 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7歳 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
間隔 連闘 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中1週 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 110%
中2週 1-0-0-7/8 12.5% 12.5% 12.5% 153% 37%
中3週 4-2-1-22/29 13.8% 20.7% 24.1% 512% 148%
中4〜8週 1-1-0-4/6 16.7% 33.3% 33.3% 210% 113%
中9週〜 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて表7は、過去10年で過半数の6勝をマークする前走1600万条件組。こちらは年齢とレース間隔ではっきりとした傾向が出ている。年齢では4歳馬が、複勝率38.9%、単複の回収率260%、147%を記録した。表3にあったように、4歳馬は過去10年で4勝を挙げているが、その4頭すべてが、この前走1600万条件組から出ている。また、レース間隔は中3〜8週が計【5.3.1.26】で複勝率25.7%、単複の回収率460%、142%となる。詰めて使ったり、休み明けだったりする馬よりは、適度な間隔をとって出走してきた馬を狙いたい。

■表8 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年 同複勝率
1枠 1-0-2-12/15 6.7% 6.7% 20.0% 32% 55% 0-0-1-5/6 16.7%
2枠 1-1-1-13/16 6.3% 12.5% 18.8% 42% 46% 0-0-0-6/6 0.0%
3枠 0-2-1-15/18 0.0% 11.1% 16.7% 0% 76% 0-0-0-6/6 0.0%
4枠 4-2-2-11/19 21.1% 31.6% 42.1% 247% 140% 1-1-0-4/6 33.3%
5枠 2-3-0-15/20 10.0% 25.0% 25.0% 76% 116% 1-1-0-4/6 33.3%
6枠 0-0-2-18/20 0.0% 0.0% 10.0% 0% 27% 0-0-0-6/6 0.0%
7枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 103% 0-1-2-3/6 50.0%
8枠 2-1-0-17/20 10.0% 15.0% 15.0% 684% 211% 1-0-0-5/6 16.7%

最後に、このレースは「外枠不利」とされる中山芝1600mで行われるため、枠順別の成績も見ておきたい。過去10年では4枠が複勝率42.1%、5枠が同25.0%をマークし、重賞昇格後もそれぞれ2連対と、この4、5枠は狙えそうだ。一方、このコースでは不利とされる外枠も、7、8枠から計6頭が馬券に絡んでいる。特に7枠は、好走馬3頭すべてが過去3年から。重賞昇格後はむしろ「内枠不振」で、1〜3枠からの好走馬は、16年の3着馬・カフェブリリアント(1枠1番)1頭しか出ていないことには注意したい。

以上、ターコイズSの傾向を、オープン特別時代も含めた過去10年と、重賞昇格後の過去3年を比較しつつ調べてみた。過去10年、過去3年に共通して良さそうだったのは、3番人気、4歳馬、ハンデ53キロと55キロ以上、前走1600万条件組と中央G1組、そして4、5枠。このあたりに複数該当する馬がいれば、ぜひ注目したい。一方、52キロ以下の軽ハンデ馬や、1〜3枠を引いた馬は、重賞昇格後に成績を落としている。ただ、こちらはまだ過去3回のデータしかなく、この傾向だけで消してしまうのは危険な感もある。取捨に悩んだ際のマイナス材料、というくらいにとどめるのが妥当だろう。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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