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第1242回 夏競馬最大のレース・札幌記念を展望する

2018/8/16(木)

夏競馬最大のレースである札幌記念は、今週末の開催。今年もダービー馬マカヒキ、エリザベス女王杯を勝ったモズカッチャンという2頭のG1馬に、過去2年の覇者であるネオリアリズムとサクラアンプルールなど、格の高さにふさわしい好メンバーが出走を予定している。G2のなかでも賞金が高く、定量戦という条件から「スーパーG2」とも呼ばれる一戦を、過去10年のデータから占ってみたい。ただし、函館で行なわれた2013年は除外し、札幌開催の9年分を集計対象とする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績    

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2- 5- 1- 1/ 9 22.2% 77.8% 88.9% 60% 110%
2番人気 1- 0- 2- 6/ 9 11.1% 11.1% 33.3% 41% 56%
3番人気 0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 17%
4番人気 1- 0- 3- 5/ 9 11.1% 11.1% 44.4% 137% 124%
5番人気 3- 2- 0- 4/ 9 33.3% 55.6% 55.6% 453% 158%
6番人気 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 221% 47%
7番人気 1- 0- 2- 6/ 9 11.1% 11.1% 33.3% 313% 176%
8番人気 0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 90%
9番人気 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 1- 0-46/47 0.0% 2.1% 2.1% 0% 22%

表1は人気別成績。1番人気は2勝どまりも、複勝率88.9%と安定感抜群。しかし、2、3番人気は凡走も目立ち、さほど信用を置けない。むしろ、4番人気や5番人気の成績がよく、6、7番人気も各1勝を挙げるなど、中穴クラスの馬が好調だ。ただし、9番人気および10番人気以下から好走したのは2着の1頭だけで、極端な人気薄には期待しづらい。

■表2 枠番別成績   

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 0- 1-10/12 8.3% 8.3% 16.7% 165% 58%
2枠 1- 2- 1- 9/13 7.7% 23.1% 30.8% 216% 157%
3枠 1- 2- 5- 7/15 6.7% 20.0% 53.3% 16% 150%
4枠 1- 2- 0-14/17 5.9% 17.6% 17.6% 72% 27%
5枠 2- 1- 0-14/17 11.8% 17.6% 17.6% 95% 44%
6枠 1- 1- 2-14/18 5.6% 11.1% 22.2% 61% 72%
7枠 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 95% 17%
8枠 1- 1- 0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 16% 14%

表2は枠番別成績。好走率が高いのは、複勝率53.3%の3枠や、複勝率30.8%の2枠。また、1枠から勝ったのが6番人気だった17年のサクラアンプルール、2枠から勝ったのも7番人気だった09年のヤマニンキングリーと、ダークホースが内枠から勝っている点も見逃せない。このことを踏まえると、やや内枠有利と言えるのではないか。

■表3 牡牝・年齢別成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
性別 牡馬・セン馬 7- 8- 7-89/111 6.3% 13.5% 19.8% 84% 60%
牝馬 2- 1- 2-12/17 11.8% 17.6% 29.4% 94% 81%
年齢 3歳 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 37% 52%
4歳 2- 1- 0-20/23 8.7% 13.0% 13.0% 176% 47%
5歳 3- 4- 5-24/36 8.3% 19.4% 33.3% 62% 57%
6歳 3- 0- 1-24/28 10.7% 10.7% 14.3% 155% 58%
7歳 0- 1- 2-12/15 0.0% 6.7% 20.0% 0% 102%
8歳 0- 2- 0- 9/11 0.0% 18.2% 18.2% 0% 116%
9歳以上 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は、牡牝別と年齢別の成績を示したもの。なお、セン馬は牡馬に含めている。まずは牡牝別の成績を見ると、好走率、回収率ともに牝馬が優勢ということがわかる。ただし、好走した5頭の内訳を確認すると、うち4頭はブエナビスタやハープスターなどG1馬で、残る1頭も重賞3勝を挙げていたフミノイマージン。牝馬優勢とはいえ、相応の実績を持つ牝馬でなければ好走できないのも事実である。

次に年齢別の成績を見ていくと、好走率が高いのは3歳や5歳だが、6歳が3勝、4歳も2勝を挙げており、これらも十分にチャンスあり。また、7歳や8歳には1着こそないものの、好走率は決して悪くなく、複勝回収率はいずれも100%以上で侮れない。9歳以上になるとさすがに苦しいが、8歳までなら年齢だけで軽視しないほうがよさそうだ。

■表4 出走間隔別成績

出走間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
連闘 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中1週 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中2週 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 206% 36%
中3週 1- 1- 2-20/24 4.2% 8.3% 16.7% 52% 37%
中4〜8週 4- 3- 2-32/41 9.8% 17.1% 22.0% 103% 81%
中9週〜 3- 5- 5-33/46 6.5% 17.4% 28.3% 93% 79%

表4は前走からの出走間隔別成績。複勝率ベースで見ると、出走間隔が開いた馬ほど数値が高いことがわかる。逆に、連闘や中1週の計11頭には好走例がなく、出走間隔が詰まった馬は苦戦している。少なくとも中2週は開けたいところで、出走間隔が開くことはむしろ歓迎材料と考えていいだろう。

■表5 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000万下 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
オープン特別 0- 0- 0-14/14 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G3 6- 2- 3-52/63 9.5% 12.7% 17.5% 160% 64%
G2 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 115%
G1 3- 4- 6-16/29 10.3% 24.1% 44.8% 31% 104%

表5は前走クラス別成績。最初に指摘しておきたいのが、前走が条件戦やオープン特別だった馬では厳しいということで、計20頭で好走例は皆無となっている。したがって、前走で重賞に出走していることは必須。そのなかでも前走G1なら複勝率44.8%と高い確率で好走しており、軸馬として有力な選択肢となりそうだ。ただし、前走G1が3勝なのに対し、前走G3は倍の6勝を挙げており、勝率もほとんど差がない。こと1着という点においては、前走G3組も互角と言っていいだろう。

■表6 前走G1出走馬の各種データ

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 1着 0- 2- 0- 0/ 2 0.0% 100.0% 100.0% 0% 110%
2着 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 123% 83%
3着 1- 0- 1- 0/ 2 50.0% 50.0% 100.0% 120% 135%
4着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 1- 0- 1- 5/ 7 14.3% 14.3% 28.6% 42% 60%
10着〜 0- 1- 4- 6/11 0.0% 9.1% 45.5% 0% 170%
年齢 3歳 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 52% 74%
4歳 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 63%
5歳 2- 2- 3- 2/ 9 22.2% 44.4% 77.8% 60% 112%
6歳 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 230%
7歳以上 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 107%

表6は前走G1出走馬の、前走着順別成績と年齢別成績を示したもの。前走のG1で1〜3着に入っていた馬が出てくると、合わせて【2.3.1.1】と優秀な成績を残しており、かなり有力な存在となる。また、6着以下に敗れていた馬が巻き返した例も多く、前走G1の場合、着順はそれほど気にしなくてよさそうだ。

むしろ注目したいのは年齢で、3歳と5歳の好走率が高いのに対して、4歳は意外なほどに振るわない。しかも、出走した6頭の4歳馬はすべて5番人気以内、うち4頭は1〜3番人気に推されていただけに、見た目以上に深刻なデータといえる。なお、6歳や7歳以上の好走は3着まで。先に見た表3の年齢別成績では6歳馬が3勝を挙げていたが、これはすべて前走G2・G3に出走していた馬のものだった。

■表7 前走G2・G3出走馬の各種データ

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走人気 1番人気 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 470% 105%
2番人気 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3番人気 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 41%
4番人気 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 471% 151%
5番人気 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 248% 44%
6〜9番人気 2- 1- 0-16/19 10.5% 15.8% 15.8% 170% 45%
10番人気〜 0- 2- 0-18/20 0.0% 10.0% 10.0% 0% 94%
前走着順 1着 0- 1- 2- 5/ 8 0.0% 12.5% 37.5% 0% 180%
2着 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 313% 70%
3着 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 158% 70%
4着 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 4- 1- 0-14/19 21.1% 26.3% 26.3% 326% 120%
10着〜 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は前走G2およびG3出走馬の、前走人気別成績と前走着順別成績を示したもの。前走人気から見ていくと、前走1番人気はまずまずの成績だが、気をつけたいのが前走2、3番人気。合わせて【0.0.1.13】と不振で、なかでも、その前走で3着以下だった場合は【0.0.0.11】と好走例がない。反面、前走4番人気や5番人気、あるいは6〜9番人気だった馬の成績はなかなか優秀だ。さらには前走10番人気以下から2着に食い込んだ例も2回あり、全体的に前走であまり人気がなかった馬も侮れない成績を残している。

前走着順でも興味深い傾向が出ている。上から見ていくと、前走1〜3着だった馬はまずまず手堅く走っているのだが、4、5着だった馬は合計して【0.0.0.10】と思わぬ不振。ところが、前走6〜9着だった馬は4勝して勝率21.1%と、1〜3着だった馬以上の成績を収めている。さすがに前走10着以下だと厳しいが、前走G2・G3で6〜9着だった馬の巻き返しには警戒が必要だ。

■表8 過去1年の芝2000m重賞1着実績の有無

実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 5- 0- 4-16/25 20.0% 20.0% 36.0% 266% 102%
なし 4- 9- 5-82/100 4.0% 13.0% 18.0% 43% 55%

表8は、過去1年以内に芝2000m重賞の1着実績を持つ馬と、持たない馬の成績を比較したもの。やはり、この実績を持つ馬のほうが高い好走率を記録しており、勝った5頭のうち4〜7番人気で勝った馬が4頭とダークホースの勝利も多い。このデータを見る限り、直近の1年で札幌記念と同じ芝2000m重賞を勝った実績を持つ馬には敬意を払ったほうがいいだろう。

【結論】

2016/5/29 東京10R 日本ダービー(G1) 1着 3番 マカヒキ 2017/8/20 札幌11R 札幌記念(G2) 1着 1番サクラアンプルール

先に見た通り、札幌記念では前走で重賞以外のレースに出走していた馬は好走例がない。また、例年は函館記念を筆頭とする前走G2・G3出走馬が多いのだが、今年は5頭。対して前走G1出走馬は7頭と、通常とは逆転しているのも特徴といえる。

まずは7頭いる前走G1出走馬から見ていこう。今年は前走G1で3着以内だった馬の出走はなし。そこで年齢に着目すると、好走率が高い3歳にはゴーフォザサミットと、5歳にはクロコスミアマカヒキの計3頭がいる。このなかではやはり、復活を期すマカヒキに注目してみたい。

一方、過去の傾向では分の悪い4歳馬のサングレーザー、ミッキースワロー、モズカッチャンの3頭は、いずれも好走して不思議のない実力の持ち主で、なんとかデータを覆したいところだ。昨年の覇者ネオリアリズムは7歳になったが、3着なら好走例がある。

続いて、前走G2・G3出走馬を見ていく。この組は前走2、3番人気かつ3着以下だった馬は苦戦しており、これに合致するのがスズカデヴィアスとマルターズアポジー。また、前走10着以下だった馬も苦しく、サウンズオブアースも推しづらい。そこで、残ったサクラアンプルールナイトオブナイツをこの組の有力馬としたい。特に昨年の覇者である前者は、過去1年以内の芝2000m重賞勝ち馬にも合致する。1着例のない7歳馬だが、2、3着の可能性は十分にあるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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