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第1231回 ヨハネスブルグ産駒の母父別芝・ダート成績を分析

2018/7/9(月)

2018/3/3 中山7R 3歳500万下 1着 1番 トウカイパシオン

唐突ながら今回はヨハネスブルグ産駒についてスポットを当ててみたい。そのきっかけになったのは、先日(7月1日)福島で行われたさくらんぼ特別でのこと。1000万クラスの芝1200mのレースで、1番人気に支持されてシンガリの13着に敗れたトウカイパシオンがヨハネスブルグ産駒だった。同馬はデビューから2戦2勝だったが、ダートの短距離で勝利したもの。芝のレースは初めてだった。3月の中山以来の実戦で、ひと息入っており、当日の馬体重はプラス30キロ。そのあたりの影響もあったかもしれないが、レースっぷりを見ると芝への適性そのものが怪しかった可能性がある。芝・ダートの適性は走ってみないとわからないことも多いのだが、事前に推測する材料として血統は無視できない。

■表1 ヨハネスブルグ産駒の芝・ダート成績(2013年以降) 

  1着 2着 3着 4着 5着 着外 勝率 連対率 複勝率
86 55 59 82 63 629 8.8% 14.5% 20.5%
ダート 73 69 74 66 74 538 8.2% 15.9% 24.2%

まずはヨハネスブルグ産駒の芝・ダート成績を見ておくことにする(表1参照)。産駒がJRAでデビューした2013年から今年の7月1日開催終了時点までの成績を集計している。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

平地の芝の勝ち鞍が86で、ダートの勝ち鞍が73。若干芝の方が多いが、出走頭数も芝の方が少し多い。したがって、勝率は芝が8.8%に対し、ダートは8.2%となっている。同じように連対率を見ると芝は14.5%、ダートは15.9%。複勝率は芝が20.5%、ダートが24.2%となっており、ほぼ互角の成績となっている。よって、一般的にヨハネスブルグ産駒は、芝・ダート兼用という見方をしてもいいように思える。

無論、個体差があるので兼用タイプもいれば芝、ダートどちらかに適性が振れているタイプもいる。同じように距離適性にも違いが出てくる。こうした違いを考える際、大きな判断材料となるのが母父の存在だ。

■表2 ヨハネスブルグ産駒の母父別芝成績 

順位 母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 サンデーサイレンス 14- 11- 1- 83/109 12.8% 22.9% 23.9% 141 63
2 アグネスタキオン 9- 6- 8- 64/ 87 10.3% 17.2% 26.4% 47 61
3 サクラバクシンオー 7- 3- 4- 39/ 53 13.2% 18.9% 26.4% 112 78
4 ダンスインザダーク 6- 2- 4- 61/ 73 8.2% 11.0% 16.4% 96 94
5 ダンシングブレーヴ 5- 3- 4- 15/ 27 18.5% 29.6% 44.4% 155 104
6 タイキシャトル 5- 1- 2- 33/ 41 12.2% 14.6% 19.5% 107 61
7 エルハーブ 4- 1- 1- 13/ 19 21.1% 26.3% 31.6% 51 48
8 カコイーシーズ 3- 4- 2- 21/ 30 10.0% 23.3% 30.0% 61 71
9 スペシャルウィーク 3- 3- 4- 47/ 57 5.3% 10.5% 17.5% 13 111
10 エルコンドルパサー 3- 2- 6- 26/ 37 8.1% 13.5% 29.7% 36 81
11 マーベラスサンデー 3- 2- 2- 27/ 34 8.8% 14.7% 20.6% 56 65
12 ホワイトマズル 2- 4- 3- 18/ 27 7.4% 22.2% 33.3% 54 85
13 バブルガムフェロー 2- 1- 1- 14/ 18 11.1% 16.7% 22.2% 54 38
14 ロドリゴデトリアーノ 2- 1- 0- 9/ 12 16.7% 25.0% 25.0% 235 288
15 グランデラ 1- 2- 1- 3/ 7 14.3% 42.9% 57.1% 37 252
16 フジキセキ 1- 2- 0- 28/ 31 3.2% 9.7% 9.7% 9 13
17 ルション 1- 1- 3- 5/ 10 10.0% 20.0% 50.0% 20 108
18 デザートキング 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 75 73
19 Seeking the Gold 1- 1- 1- 10/ 13 7.7% 15.4% 23.1% 25 70
20 マヤノトップガン 1- 1-? 0-?10/? 12 8.3% 16.7% 16.7% 12 26

表2はヨハネスブルグ産駒の母父別芝成績。芝のレースに特化し、母父ごとの成績を見てみることにする。冒頭に述べたトウカイパシオンは母父がタイキシャトルである。母父タイキシャトルの芝成績はというと、【5.1.2.33】で勝ち鞍数は6位。悪くない成績である。ちなみに勝率は12.2%、連対率は14.6%、複勝率は19.5%。良くもないが悪くもないといったところか。

■表3 ヨハネスブルグ産駒の母父別ダート成績 

順位 母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 アグネスタキオン 8- 4- 4-46/62 12.9% 19.4% 25.8% 166 148
2 シンボリクリスエス 8- 3- 3-13/27 29.6% 40.7% 51.9% 233 111
3 タイキシャトル 7- 5- 2-28/42 16.7% 28.6% 33.3% 78 148
4 サンデーサイレンス 5- 6- 8-54/73 6.8% 15.1% 26.0% 45 96
5 ケイムホーム 5- 3- 9-31/48 10.4% 16.7% 35.4% 58 78
6 ダンスインザダーク 4- 2- 2-34/42 9.5% 14.3% 19.0% 233 162
7 スピニングワールド 2- 3- 2-12/19 10.5% 26.3% 36.8% 59 64
8 アフリート 2- 3- 0- 4/ 9 22.2% 55.6% 55.6% 67 205
9 Silver Charm 2- 2- 2- 4/10 20.0% 40.0% 60.0% 32 143
10 サクラバクシンオー 2- 2- 1-31/36 5.6% 11.1% 13.9% 23 23
11 Sadler's Wells 2- 2- 1-14/19 10.5% 21.1% 26.3% 164 95
12 ナリタトップロード 2- 2- 1-11/16 12.5% 25.0% 31.3% 226 124
13 オース 2- 1- 0- 3/ 6 33.3% 50.0% 50.0% 201 188
14 フジキセキ 2- 0- 3-26/31 6.5% 6.5% 16.1% 18 45
15 タニノギムレット 1- 3- 5- 4/13 7.7% 30.8% 69.2% 23 193
16 サツカーボーイ 1- 3- 3-17/24 4.2% 16.7% 29.2% 10 104
17 Empire Maker 1- 3- 0- 3/ 7 14.3% 57.1% 57.1% 40 115
18 ワイルドラッシュ 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 32 67
19 エルハーブ 1- 2- 1- 6/10 10.0% 30.0% 40.0% 16 78
20 ブライアンズタイム 1- 2- 0-14/17 5.9% 17.6% 17.6% 14 125

ではヨハネスブルグ産駒の母父別ダート成績(表3参照)はどうなっているだろうか。注目のタイキシャトルは勝ち鞍数で総合3位。勝率は16.7%、連対率は28.6%、複勝率は33.3%となっている。比較すると明らかにダートの方が芝よりも良い。よって、冒頭述べたトウカイパシオンのダート→芝替わりは、母父だけみると好材料ではなかったことがうかがえる。

表2と表3をあらためて見ると、特徴の違いはハッキリとわかる。サンデーサイレンスアグネスタキオンは芝でもダートでもあまり大きな差はない。産駒の出世頭であるネロ(母父サンデーサイレンス)は京阪杯連覇に加え、東京スプリント(大井)で3着に入るなどダートグレードでも善戦する走りを見せている。

2017/11/26 京都12R 京阪杯 1着 4番 ネロ

しかし、母父シンボリクリスエスは明らかにダート向き。勝率29.6%、連対率40.7%、複勝率51.9%のハイアベレージで、なおかつ回収率も高い(勝ち鞍の大半がエイシンバッケンだが)。芝ではトップ20にランクインすらしておらず、ダート戦でのみ狙うべきだろう。

逆の意味では母父ダンシングブレーヴに注目。芝では総合5位で連対率なども優秀だ。しかし、ダートでは圏外の成績となっている。あと、気になるのは母父フジキセキの存在。芝・ダートともにトップ20にランクインはしているが、好走率がかなり低い。芝では連対率が9.7%、ダートでは連対率が6.5%と低調。スピードが持ち味の血統ではあるが、父ヨハネスブルグとの相性は良くないようだ。

最後にヨハネスブルグと同じ系統(父ヘネシー)で、最近産駒の活躍が目立つヘニーヒューズにも触れておきたい。デビューしてまだ年数が経っていないため2017年6月以降の集計になるが、表4のような成績となっている。

■表4 ヘニーヒューズ産駒の芝・ダート成績(2017年6月以降) 

  1着 2着 3着 4着 5着 着外 勝率 連対率 複勝率
6 12 10 6 7 83 4.8% 14.5% 22.6%
ダート 44 35 44 34 29 217 10.9% 19.6% 30.5%

芝よりもダートの出走がかなり多い。そして勝率や連対率もダートの方がややいい。ただ、同じ系統なのでヨハネスブルグと同じように芝でもる出世馬が出てきてもおかしくないだろう。

■表5 ヘニーヒューズ産駒の母父別成績(芝・ダート) 

順位 母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 フジキセキ 7- 1- 3-23/34 20.6% 23.5% 32.4% 85 62
2 デヒア 4- 2- 2- 5/13 30.8% 46.2% 61.5% 544 212
3 ネオユニヴァース 2- 4- 3-13/22 9.1% 27.3% 40.9% 25 78
4 タイキシャトル 2- 3- 4-22/31 6.5% 16.1% 29.0% 39 83
5 ダンスインザダーク 2- 3- 1-27/33 6.1% 15.2% 18.2% 32 171
6 サンデーサイレンス 2- 2- 1-23/28 7.1% 14.3% 17.9% 12 40
7 Running Stag 2- 2- 0- 2/ 6 33.3% 66.7% 66.7% 53 73
8 Kingmambo 2- 2- 0- 2/ 6 33.3% 66.7% 66.7% 73 98
9 ワイルドラッシュ 2- 1- 1- 1/ 5 40.0% 60.0% 80.0% 102 166
10 キングヘイロー 2- 1- 0- 9/12 16.7% 25.0% 25.0% 70 36

また、ヘニーヒューズ産駒の母父別成績(芝・ダート)を見ると興味深い。今のところ母父フジキセキが7勝と他を圧倒。好走率も悪くない。父ヨハネスブルグとは相性が悪かったフジキセキだが、ヘニーヒューズとは相性がいいようだ。こうした違いを見つけるのも、競馬を観る上で非常に面白い。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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