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第1228回 ハンデ戦でも上位人気が好成績を残すCBC賞

2018/6/28(木)

福島・中京競馬が開幕し、本格的な夏競馬のスタートとなる中央競馬。今週は福島でラジオNIKKEI賞、そして中京ではCBC賞の2重賞が行われる。今回はこのうち、サマースプリントシリーズの第2戦・CBC賞を取り上げる。シリーズの行方はもちろん、秋のスプリンターズSをもにらむこの一戦を制するのはどの馬か、過去の傾向から探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜た を利用した。集計期間は、現在の時期に移動し、サマースプリントシリーズに組み込まれた12年以降とする。

■表1 人気別成績 

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 1-1-1-3/6 16.7% 33.3% 50.0% 60% 80%
2 3-1-1-1/6 50.0% 66.7% 83.3% 255% 170%
3 1-1-2-2/6 16.7% 33.3% 66.7% 125% 151%
4 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 158% 48%
5 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7 0-2-0-4/6 0.0% 33.3% 33.3% 0% 131%
8 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 86%
9 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 125%
11〜 0-1-0-34/35 0.0% 2.9% 2.9% 0% 28%

2017/7/2 中京11R CBC賞(G3) 1着 7番 シャイニングレイ (2番人気)

ハンデキャップ競走で行われるCBC賞だが、過去6年の優勝馬はすべて4番人気以内。中でも2番人気は複勝率83.3%で、着外は14年・ルナフォンターナの8着のみと、抜群の安定感を誇っている。3番人気も同66.7%と、この2〜3番人気が好成績だ。1番人気は単勝3倍を割ると【0.0.0.2】、3倍以上は【1.1.1.1】と、あまり人気を集めないほうがかえって好結果を出している。5〜6番人気の好走はなく、穴なら7番人気以下の2〜3着になる。

■表2 ハンデ別成績

性別 斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡・セン馬 〜49kg 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
49.5〜51kg 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
51.5〜53kg 0-0-0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
53.5〜55kg 0-1-1-19/21 0.0% 4.8% 9.5% 0% 43%
55.5〜57kg 2-1-3-15/21 9.5% 14.3% 28.6% 62% 118%
57.5〜59kg 2-1-1-3/7 28.6% 42.9% 57.1% 115% 97%
牝馬 〜49kg 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
49.5〜51kg 0-1-0-5/6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 78%
51.5〜53kg 1-0-0-14/15 6.7% 6.7% 6.7% 63% 19%
53.5〜55kg 0-2-0-5/7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 80%
55.5kg 1-0-1-0/2 50.0% 50.0% 100.0% 255% 185%

ハンデ別では、牡牝とも斤量が重いほど好走確率は高くなる。軽ハンデは、牡・セン馬の53キロ以下は計【0.0.0.14】とまったく好走がなく、55キロ以下も2頭だけ。特に牡・セン馬はハンデが重めの馬を重視したい。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 牝馬のみ
3歳 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5/5
4歳 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 36% 0-0-0-4/4
5歳 5-4-4-18/31 16.1% 29.0% 41.9% 104% 148% 2-2-1-8/13
6歳 1-1-1-25/28 3.6% 7.1% 10.7% 12% 28% 0-1-0-6/7
7歳以上 0-0-0-16/16 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2/2

年齢別では5歳馬が断然の成績で、特に牝馬は好走した6頭中5頭が5歳馬だった。また、3歳馬は10頭中9頭が古馬との初対決で、10頭すべて圏外に敗退。また、7歳以上のベテランも好走なしに終わっている。

■表4 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜4番人気
1枠 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2/2
2枠 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 52% 0-0-0-3/3
3枠 1-0-1-9/11 9.1% 9.1% 18.2% 46% 31% 1-0-1-0/2
4枠 1-2-1-8/12 8.3% 25.0% 33.3% 47% 73% 1-2-1-1/5
5枠 0-1-0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 39% 該当なし
6枠 1-0-1-10/12 8.3% 8.3% 16.7% 79% 39% 1-0-1-1/3
7枠 1-2-1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 53% 120% 1-1-1-3/6
8枠 2-1-1-10/14 14.3% 21.4% 28.6% 57% 98% 2-0-0-1/3

枠番別の成績を見ると、内の1〜2枠が【0.0.1.19】の不振で、表1で好走の多かった4番人気以内に推された馬も5頭いたがすべて着外。特に2枠は16年エイシンブルズアイ9着、17年メラグラーナ10着と、1番人気がここ2年連続で期待を裏切る結果になっている。3〜8枠では、5枠が2着1回のみだが、該当する全馬が5番人気以下だったため、特に気にする必要はないだろう。

■表5 前走クラス別成績(前走平地)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万下 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 0-1-1-7/9 0.0% 11.1% 22.2% 0% 71%
OPEN特別 3-1-2-41/47 6.4% 8.5% 12.8% 38% 64%
G3 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G2 2-2-0-5/9 22.2% 44.4% 44.4% 145% 92%
G1 1-2-2-17/22 4.5% 13.6% 22.7% 20% 48%
地方 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
海外 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 190%

前走クラス別で好走がもっとも多いのはオープン特別、好走確率が高いのはG2組。ただ、今年は登録馬の多くが前走オープン特別のため、その中で買える馬をまず探したいところだ。

■表6 前走オープン特別からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 距離 人気 着順 重賞実績
14 ニンジャ 10 3 安土城S 芝14 6 3 北九州記念2着
15 ウリウリ 2 1 安土城S 芝14 1 1 京都牝馬S1着
16 レッドファルクス 3 1 欅S ダ14 5 1  
17 シャイニングレイ 2 1 安土城S 芝14 6 1 ホープフルS1着
セカンドテーブル 13 2 安土城S 芝14 5 10 京王杯2歳S1着
アクティブミノル 8 3 鞍馬S 芝12 8 9 セントウルS1着

表6は前走オープン特別からの好走馬6頭で、昨年は1〜3着を独占した。昨年の2〜3着馬は前走10、9着から巻き返したものの、勝ったシャイニングレイは安土城Sの優勝馬。その他の3頭も前走1〜3着だけに「オープン特別組の中で最先着するのは前走馬券圏内」だった馬ということになる。また、その安土城S組4頭を含む、計5頭が1400mからの距離短縮で、同距離だったのは昨年3着のアクティブミノルだけ。加えて、6頭中5頭が重賞好走実績を持っていた点にも注目したい。

■表7 前走1600万条件からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 距離 人気 着順
13 サドンストーム 3 3 水無月S 芝12 1 1
16 ラヴァーズポイント 7 2 水無月S 芝12 1 6

今年は前走オープン特別以外の登録馬が極めて少ないが、そんな中で次位になるのは1600万組(3頭)。好走馬は2頭しかいないため「傾向」と言うには頼りないものの、1200m戦で1番人気か1着だった馬、というあたりは目安になるだろうか。なお、サドンストームは前走が降級戦で、それ以前にはオープン勝ちや、中京のファルコンS3着などの実績があった。そしてラヴァーズポイント(牝6)は4年前の小倉2歳S3着馬。前走こそ6着も、4〜2走前は1600万で3、2、3着と好走を重ねていた馬だった。

【結論】

CBC賞はハンデ戦でも上位人気が安定し、過去6年の優勝馬はすべて4番人気以内。重ハンデ馬の好走確率が高く、特に牡・セン馬の53キロ以下は苦しい。年齢別では5歳馬が群を抜く好成績。前走オープン特別組なら、重賞実績を持つ距離短縮馬。また、オープン特別組の中で最先着を果たすなら、前走で馬券に絡んでいることが必要だ。枠順確定後には、1〜2枠を引いた馬は減点対象としたい。

2018/5/27 京都10R 安土城ステークス 1着 2番 ダイメイフジ

今年の登録馬でまず注目したいのは、好走の多いオープン特別・安土城Sを勝ってきたダイメイフジだ。この1着で、数多いオープン特別組の中から最先着する条件はクリア(表6)。上位人気(表1)必至で、今回のハンデも56キロ(表2)なら悪くない。加えて、3走前のオーシャンSで3着と重賞好走歴を持つことも好材料だ(表6)。4歳の年齢だけはプラスにならないが、好成績の5歳勢が今年は他の傾向から今ひとつだけに、この馬が中心でいいだろう。

その5歳勢は複勝率41.9%。出走予定3頭なら1頭は絡んでくる確率だけに、他に不安材料があったとしても全馬を軽視もしづらい。オープン特別で勝ってきたことを重くみればダイメイプリンセスペイシャフェリシタ、重賞実績ならワンスインナムーン。ほかには、10歳馬でもハンデ58キロ(表2)がプラス材料になるスノードラゴン。そして6歳牝馬・1600万で好走してきたナガラフラワーは、デビュー2戦目にオープン(重賞)で馬券圏内がある点からも、16年2着・ラヴァーズポイントにやや近いところがある。ただ、いずれにせよ各馬とも他の減点材料が目につき、過去の傾向からはダイメイフジが一歩、二歩とリードしている印象になる今年のCBC賞だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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