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第1225回 前走圧勝馬と前走辛勝馬の次走を考える

2018/6/18(月)

先週の重賞2レースは、着差という点では対照的な結果となった。先に行なわれた函館スプリントSは、セイウンコウセイが2着に0秒0差のハナ差勝ち。一方のユニコーンSは、ルヴァンスレーヴが2着に0秒6差で3馬身半をつける圧勝だった。そこで今回は「2着と0秒0差の辛勝だった馬の次走」および「2着に0秒5差以上をつけて圧勝した馬の次走」について調べてみたい。集計対象は平地戦のみで、集計期間は2015年1月4日〜2018年6月17日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

2018/6/17 函館11R 函館スプリントステークス(G3) 1着 1番 セイウンコウセイ 2018/6/17 東京11R ユニコーンステークス(G3) 1着 14番 ルヴァンスレーヴ

2018/6/17 函館11R 函館スプリントステークス(G3) 1着 1番 セイウンコウセイ

2018/6/17 東京11R ユニコーンステークス(G3) 1着 14番 ルヴァンスレーヴ

■表1 「0秒0差1着馬」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
昇級戦 181- 186- 187-2145/2699 6.7% 13.6% 20.5% 66% 67%
同クラス 49-  41-  37- 257/ 384 12.8% 23.4% 33.1% 67% 84%
降級戦 0-   0-   0-   2/   2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は「0秒0差で1着だった馬」について、次走が「昇級戦」「同クラス」「降級戦」となる場合の成績をそれぞれ調べたものである。現行の規定では、条件戦1着の次走は必ず昇級戦となるが、ちょうど今の時期のように夏の降級をまたぐ場合は次走も同クラスとなることがある。また、最上位クラスであるオープンを勝った場合も、次走は同じオープンとなる。なお、勝って降級戦となることは滅多にないが、2、3歳限定のオープンを勝った馬が次走で古馬混合戦に出走する場合で稀に起こりうる。

表1を見ると、昇級戦の場合で単勝回収率67%、同クラスの場合で単勝回収率66%となっており、「0秒0差で1着だった馬」の次走は全体に苦戦の傾向が見受けられる。タイム差なしの1着となると展開の助けがあったことも十分に考えられ、その次走で苦戦に陥るケースが多いのも仕方がないかもしれない。

■表2 「0秒0差1着馬」「昇級戦」の次走人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 45-  16-  21-  55/ 137 32.8% 44.5% 59.9% 92% 82%
2番人気 32-  32-  21-  92/ 177 18.1% 36.2% 48.0% 79% 79%
3番人気 22-  31-  28- 144/ 225 9.8% 23.6% 36.0% 57% 70%
4番人気 21-  18-  27- 163/ 229 9.2% 17.0% 28.8% 70% 65%
5番人気 15-  22-  14- 195/ 246 6.1% 15.0% 20.7% 60% 56%
6番人気 15-  17-  14- 182/ 228 6.6% 14.0% 20.2% 86% 71%
7番人気 6-  10-  21- 230/ 267 2.2% 6.0% 13.9% 42% 61%
8番人気 9-  11-   9- 198/ 227 4.0% 8.8% 12.8% 83% 67%
9番人気 6-   9-   9- 183/ 207 2.9% 7.2% 11.6% 72% 67%
10番人気〜 10-  20-  23- 703/ 756 1.3% 4.0% 7.0% 58% 67%

表2は「0秒0差1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走人気別成績。全体的に物足りない数字にとどまっているが、そのなかで数字が比較的いいのは、単勝回収率92%の1番人気。前走が辛勝だったのに1番人気となると手を出しづらいシチュエーションかもしれないが、思った以上にやれているようだ。

■表3 「0秒0差1着馬」「昇級戦」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
500万下 50-  48-  59- 779/ 936 5.3% 10.5% 16.8% 70% 57%
1000万下 59-  71-  49- 610/ 789 7.5% 16.5% 22.7% 66% 76%
1600万下 33-  40-  45- 310/ 428 7.7% 17.1% 27.6% 73% 98%
オープン特別 21-  15-  18- 194/ 248 8.5% 14.5% 21.8% 48% 47%
G3 15-  11-  12- 152/ 190 7.9% 13.7% 20.0% 72% 66%
G2 3-   1-   3-  75/  82 3.7% 4.9% 8.5% 56% 28%
G1 0-   0-   1-  25/  26 0.0% 0.0% 3.8% 0% 9%

表3は、「0秒0差1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走クラス別成績。全クラスにわたって苦戦の傾向が見られ、なかでも苦しいのがG1やG2。特にG1は26走で3着が1回のみとなっている。重賞でもG3までならまだしも、タイム差なしの1着だった馬が昇級戦でG1やG2に出走するというのは、かなり厳しいシチュエーションといえそうだ。

■表4 「0秒0差1着馬」「同クラス」の次走人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 17-  9- 11- 22/ 59 28.8% 44.1% 62.7% 78% 86%
2番人気 14-  9-  7- 29/ 59 23.7% 39.0% 50.8% 107% 85%
3番人気 11-  6-  4- 39/ 60 18.3% 28.3% 35.0% 120% 70%
4番人気 3-  4-  7- 37/ 51 5.9% 13.7% 27.5% 49% 70%
5番人気 2-  5-  1- 15/ 23 8.7% 30.4% 34.8% 96% 136%
6番人気 1-  5-  1- 24/ 31 3.2% 19.4% 22.6% 38% 76%
7番人気 0-  0-  4- 20/ 24 0.0% 0.0% 16.7% 0% 65%
8番人気 1-  0-  0- 20/ 21 4.8% 4.8% 4.8% 80% 19%
9番人気 0-  2-  0- 11/ 13 0.0% 15.4% 15.4% 0% 88%
10番人気〜 0-  1-  2- 40/ 43 0.0% 2.3% 7.0% 0% 133%

表4は「0秒0差1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走人気別成績。上位人気の成績に特徴があり、2番人気や3番人気の単勝回収率が高い点に注目したい。前走がタイム差なしの辛勝だったために、本来はもうすこし人気に推されるべき馬でも若干人気を落とすのかもしれない。また、5番人気も優秀だ。なお、1番人気の成績は若干勝率が低いものの、ほぼ標準レベルといえる。

■表5 「0秒0差1着馬」「同クラス」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
500万下 13-  7-  4- 61/ 85 15.3% 23.5% 28.2% 66% 60%
1000万下 9-  4-  5- 29/ 47 19.1% 27.7% 38.3% 77% 60%
1600万下 2-  2-  3-  6/ 13 15.4% 30.8% 53.8% 44% 93%
オープン特別 6-  5-  4- 14/ 29 20.7% 37.9% 51.7% 152% 121%
G3 6- 11-  6- 52/ 75 8.0% 22.7% 30.7% 53% 65%
G2 6-  5-  8- 33/ 52 11.5% 21.2% 36.5% 39% 95%
G1 7-  7-  7- 62/ 83 8.4% 16.9% 25.3% 66% 118%

表5は「0秒0差1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走クラス別成績。目につくのはオープン特別で、これは絶好の狙い目となりそうだ。また、G1やG2の好走例も少なからずあり、特にG1では複勝回収率118%と2、3着に穴馬が突っ込んでくるケースに注意したい。なお、500万下や1000万下は数字が振るわないように見えるが、1〜3番人気に限れば合わせて【21.8.7.37】、勝率28.8%、単勝回収率113%と、上位人気に限れば狙っていくことができる。

■表6 「0秒5差以上1着馬」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
昇級戦 23-  13-  12-  41/  89 25.8% 40.4% 53.9% 73% 82%
同クラス 184- 152- 110- 829/1275 14.4% 26.4% 35.0% 71% 73%
降級戦 0-   0-   0-   0/   0          

表6は「0秒5差以上で1着だった馬」について、次走が「昇級戦」「同クラス」「降級戦」となる場合の成績をそれぞれ調べたもの。同じことを「前走0秒0差で1着だった馬」について調べた表1と比較すると、好走率はこちらのほうが明確に高い。ただし、好走率の上昇幅に比べて、回収率の上昇幅はそれほどでもなく、前走圧勝となるとそのぶん人気にも推されるのだろう。

■表7 「0秒5差以上1着馬」「昇級戦」の次走人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 90-  49-  34- 129/ 302 29.8% 46.0% 57.3% 66% 74%
2番人気 36-  36-  24- 102/ 198 18.2% 36.4% 48.5% 72% 73%
3番人気 24-  21-  19- 114/ 178 13.5% 25.3% 36.0% 80% 73%
4番人気 17-  11-   9- 102/ 139 12.2% 20.1% 26.6% 82% 64%
5番人気 8-   9-   7-  74/  98 8.2% 17.3% 24.5% 89% 74%
6番人気 3-   6-   8-  78/  95 3.2% 9.5% 17.9% 52% 66%
7番人気 1-   9-   4-  70/  84 1.2% 11.9% 16.7% 19% 70%
8番人気 3-   4-   2-  56/  65 4.6% 10.8% 13.8% 138% 82%
9番人気 1-   1-   3-  34/  39 2.6% 5.1% 12.8% 102% 83%
10番人気〜 1-   6-   0-  70/  77 1.3% 9.1% 9.1% 33% 82%

表7は「0秒5差以上1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走人気別成績。ここで注目したいのは1〜5番人気の単勝回収率だ。1番人気は単勝回収率66%、2番人気も単勝回収率72%にとどまったのに対し、3〜5番人気はいずれも単勝回収率80%以上となっている。つまり、前走圧勝かつ昇級戦で1、2番人気となると過剰人気の疑いがあるということ。このシチュエーションでは、3〜5番人気のほうが馬券としては狙いやすいようだ。

■表8 「0秒5差以上1着馬」「昇級戦」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
500万下 81- 74- 57-435/647 12.5% 24.0% 32.8% 61% 68%
1000万下 51- 32- 29-205/317 16.1% 26.2% 35.3% 77% 75%
1600万下 19- 16-  7- 54/ 96 19.8% 36.5% 43.8% 80% 82%
オープン特別 18- 14- 12- 53/ 97 18.6% 33.0% 45.4% 125% 88%
G3 11- 11-  4- 66/ 92 12.0% 23.9% 28.3% 46% 73%
G2 4-  5-  1- 12/ 22 18.2% 40.9% 45.5% 134% 81%
G1 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表8は「0秒5差以上1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走クラス別成績。全体的な傾向としては、上のクラスになるほど数字がいい。出走例が少ないG1は別として、1600万下やオープン特別、G2では狙っていてよさそうだ。ただし、G3は数字があまりよくないので、ここはしっかりと見極めたい。また、500万下の数字も意外と振るわない。新馬戦や未勝利戦を圧勝してきた馬が500万下に出走してきた場合は、前走を鵜呑みにせず、確実に取捨をしていきたい。

■表9 「0秒5差以上1着馬」「同クラス」の次走人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 19- 9- 6- 9/43 44.2% 65.1% 79.1% 92% 100%
2番人気 1- 3- 2- 7/13 7.7% 30.8% 46.2% 23% 69%
3番人気 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 24%
4番人気 3- 1- 2- 2/ 8 37.5% 50.0% 75.0% 281% 183%
5番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 160%
9番人気 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表9は「0秒5差以上1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走人気別成績。これはハッキリとした傾向が出ており、1番人気に推された馬は信頼できる。しかし、2番人気以下にとどまった馬は、4番人気を除いてパッとしない。前走圧勝で同クラスという有利なシチュエーションでも1番人気に推されなかった馬は、なにか大きな不安材料を抱えていると考えたほうがいいようだ。

■表10 「0秒5差以上1着馬」「同クラス」の次走クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
500万下 7- 1- 4-20/32 21.9% 25.0% 37.5% 66% 55%
1000万下 6- 1- 1- 1/ 9 66.7% 77.8% 88.9% 233% 120%
1600万下 0- 0- 0- 0/ 0          
オープン特別 2- 2- 1- 3/ 8 25.0% 50.0% 62.5% 40% 82%
G3 4- 3- 5- 4/16 25.0% 43.8% 75.0% 64% 138%
G2 2- 3- 0- 4/ 9 22.2% 55.6% 55.6% 40% 62%
G1 2- 3- 1- 9/15 13.3% 33.3% 40.0% 38% 70%

表10は「0秒5差以上1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走クラス別成績。圧倒的に優秀な成績を収めているのが1000万下で、これは積極的に狙っていきたい。オープン特別やG1〜G3も好走率は高いが、回収率は低め。注目度の高いクラスなので、前走圧勝馬は必要以上に人気を集めてしまうのかもしれない。また、ここでも意外と振るわないのが500万下。かなり有利なシチュエーションにも思えるのだが、前走圧勝の同クラス出走馬を過信しないほうがいいようだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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