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第1211回 1番人気11連敗中の新潟大賞典で狙えるタイプは?

2018/4/30(月)

今週は土日に3重賞。このうちG1・NHKマイルCも大きく荒れる年が見られるレースだが、同じ日曜のハンデ重賞・新潟大賞典も1番人気馬が11連敗を喫するなど、馬券ファンとしては見逃せない一戦だ。そこで月曜掲載分の今回は、その新潟大賞典を取り上げたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 45%
2 2-1-1-6/10 20.0% 30.0% 40.0% 100% 78%
3 3-2-0-5/10 30.0% 50.0% 50.0% 157% 93%
4 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 48%
5 3-0-0-7/10 30.0% 30.0% 30.0% 292% 101%
6 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 122% 148%
7 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 47%
8 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 48%
9 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 40%
10〜 1-5-0-62/68 1.5% 8.8% 8.8% 28% 86%

冒頭で触れたように、新潟大賞典は11年連続で1番人気馬が敗退しており、過去10年では【0.1.2.7】となる。ただ、10番人気以下の勝利は1頭だけで、優勝馬10頭中9頭は2〜6番人気。相手候補には穴馬も悪くないが、1着候補をあまりヒネりすぎるのは良くない。

■表2 単勝オッズ別成績

単勝オッズ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2.0〜2.9 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 65%
3.0〜3.9 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 46%
4.0〜4.9 1-2-0-9/12 8.3% 25.0% 25.0% 38% 42%
5.0〜6.9 4-1-1-3/9 44.4% 55.6% 66.7% 234% 130%
7.0〜9.9 1-1-3-12/17 5.9% 11.8% 29.4% 49% 72%
10.0〜14.9 3-1-3-17/24 12.5% 16.7% 29.2% 137% 117%
15.0〜19.9 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 194% 102%
20.0〜29.9 0-0-0-15/15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
30.0〜49.9 0-3-0-23/26 0.0% 11.5% 11.5% 0% 93%
50.0〜99.9 0-2-0-20/22 0.0% 9.1% 9.1% 0% 131%
100.0〜 0-0-0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2017/5/7 新潟11R 新潟大賞典(G3) 1着 2番 サンデーウィザード (3番人気・5.5倍)

人気が割れやすいハンデ戦ということで、単勝オッズ別の成績も見ておこう。優勝馬を出しているのは単勝4倍〜19.9倍のゾーン。表1で2桁人気馬の1着があったが、該当馬・16年のパッションダンスは10番人気でも単勝は19.4倍。単勝20倍を超えるような馬は1着候補に据えづらい。また、単勝5〜6倍台や、10倍台が高回収率。特に単勝5.0〜6.9倍は複勝率66.7%にもなるため、該当する馬がいれば逃さず候補に加えたい。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜5番人気
4歳 2-3-2-24/31 6.5% 16.1% 22.6% 48% 49% 2-2-2-12/18
5歳 3-1-4-26/34 8.8% 11.8% 23.5% 65% 82% 2-0-2-8/12
6歳 3-4-2-27/36 8.3% 19.4% 25.0% 52% 118% 3-2-0-3/8
7歳 1-2-2-27/32 3.1% 9.4% 15.6% 33% 100% 1-0-1-9/11
8歳 1-0-0-12/13 7.7% 7.7% 7.7% 149% 42% 0-0-0-1/1
9歳以上 0-0-0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

年齢別では、4歳〜6歳の複勝率はほぼ互角、連対率はやや6歳が高い。また、複勝の回収率も4歳より5歳や6歳のほうが高い傾向だ。そしてここで注目したいのは、表の右に記した1〜5番人気馬の成績。6歳で5番人気以内に推されれば【3.2.0.3】で連対率62.5%と非常に安定しており、今年も見逃さないようにしたい。

■表4 ハンデ・増減別成績

ハンデ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
今回 〜53kg 0-0-0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
54〜55kg 2-4-1-51/58 3.4% 10.3% 12.1% 30% 58%
56〜57kg 8-5-9-47/69 11.6% 18.8% 31.9% 99% 126%
57.5〜59kg 0-1-0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 15%
前走比(全馬) 今回増 1-5-4-20/30 3.3% 20.0% 33.3% 16% 170%
増減無し 7-4-4-62/77 9.1% 14.3% 19.5% 84% 73%
今回減 2-1-2-46/51 3.9% 5.9% 9.8% 31% 31%
前走比(ハンデ戦のみ) 今回増 1-2-3-5/11 9.1% 27.3% 54.5% 45% 229%
増減無し 3-3-1-52/59 5.1% 10.2% 11.9% 37% 35%
今回減 0-0-1-11/12 0.0% 0.0% 8.3% 0% 10%

2016/5/8 新潟11R 新潟大賞典(G3) 1着 9番 パッションダンス (57キロ)

ハンデは56キロ〜57キロが好走30頭中22頭と圧倒的。53キロ以下は好走なし、57.5キロ以上も2着1回にとどまるため、まず54〜57キロの中から選びたい。また、前走比で好走が多いのは「増減なし」の馬だが、連対率や複勝率が高いのは「今回増」の馬。特に前走もハンデ戦に出走していて「今回増」になった馬は、複勝率54.5%を記録する。勝ち切れないため1着候補には不向きだが、2〜3着候補としては注目したい。

■表5 前走クラス・レース別成績(レースは出走10頭以上)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1600万下 0-1-1-10/12 0.0% 8.3% 16.7% 0% 43%
OPEN特別 5-2-4-40/51 9.8% 13.7% 21.6% 77% 83%
G3 2-3-4-47/56 3.6% 8.9% 16.1% 30% 51%
G2 2-4-1-29/36 5.6% 16.7% 19.4% 29% 114%
G1 1-0-0-2/3 33.3% 33.3% 33.3% 646% 183%
中日新聞杯(3月) 2-1-0-16/19 10.5% 15.8% 15.8% 90% 39%
福島民報杯 3-0-3-17/23 13.0% 13.0% 26.1% 114% 86%
大阪杯(G2) 1-1-1-11/14 7.1% 14.3% 21.4% 38% 105%
大阪―ハンブルクC(24) 0-2-1-12/15 0.0% 13.3% 20.0% 0% 122%

前走クラス別では、オープン特別組の好走が多く、複勝率でもトップ。ただ好走馬の前走は16レースに分散している上、大阪杯のG1昇格や、中日新聞杯の時期変更など、ステップは近年の変化が激しい。引き続き同時期に行われている福島民報杯も16年までは別定、17年からハンデ戦に変わっているため、あまり参考にしづらい感がある。

■表6 前走クラス・着順別成績

前走クラス 前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
OP特別 1着 2-0-4-4/10 20.0% 20.0% 60.0% 185% 198%
2着 2-2-0-4/8 25.0% 50.0% 50.0% 191% 265%
3着 1-0-0-3/4 25.0% 25.0% 25.0% 137% 42%
4着 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 0-0-0-14/14 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10着〜 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G3 1着 0-0-1-3/4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 62%
2着 0-1-2-2/5 0.0% 20.0% 60.0% 0% 180%
3着 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4着 2-0-0-1/3 66.7% 66.7% 66.7% 573% 180%
5着 0-1-0-2/3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 63%
6〜9着 0-0-1-12/13 0.0% 0.0% 7.7% 0% 17%
10着〜 0-1-0-23/24 0.0% 4.2% 4.2% 0% 32%
G2 1着 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2着 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 540% 220%
3着 0-0-0-0/0
4着 0-1-0-3/4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 45%
5着 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 52% 167%
10着〜 0-2-1-14/17 0.0% 11.8% 17.6% 0% 120%

そこで、あまり細かくは見ず、単純に前走クラス・着順別の成績を見たのが表6である。前走G3やG2ではあまりはっきりした傾向はなかったが、前走オープン特別組なら、好走できるのはそこで3着以内だった馬。特に連対馬の成績は素晴らしいので、オープン特別連対馬がいれば、まず候補には加えたい。 なお、表に挙げなかった1600万組の好走2頭は、いずれも2000m戦を勝ってきた馬だった。また、前走G1の1頭はパッションダンス(16年)で、ダートのフェブラリーS16着以来という特殊なステップ。ただ、同馬は既に13年本競走や、15年の新潟記念を制したコース実績馬だった。

■表7 前走G3組の今回人気別、前走G2組の前走人気別成績

前走クラス 条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
G3 今回1〜6番人気 2-2-4-14/22 9.1% 18.2% 36.4% 78% 95%
今回7番人気以下 0-1-0-33/34 0.0% 2.9% 2.9% 0% 22%
G2 前走1〜5番人気 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 2-3-0-13/18 11.1% 27.8% 27.8% 58% 162%
前走10番人気以下 0-1-1-9/11 0.0% 9.1% 18.2% 0% 108%

表6から前走G2、G3組は前走着順ではなく、別の視点で切り分ける必要がある。そこで、前走人気や今回の人気の成績を調べると、まず前走G3組は今回の人気がカギ。過去10年、7番人気以下の馬は9頭が好走していたが(表1)、前走G3組はそのうち1頭のみで、【0.1.0.33】。G3組なら狙いは6番人気以内に推される馬だ。 一方、前走G2組は、前走で5番人気以内だった馬が【0.0.0.7】に終わっている。前走がG2で5番人気以内なら、G3のここでは引き続き上位人気に推される馬が多く、7頭はすべて今回6番人気以内。しかし、中山記念を2番人気で勝ってきたナカヤマナイトが、1番人気で5着に敗退するなど、まったく馬券に絡んでいない。G2組なら前走で人気がなかった馬のほうがここではチャンスがある

以上、新潟大賞典の傾向をざっとまとめてみた。本稿執筆段階ではハンデ未発表だが、特別登録馬を見ると、マイスタイルが前走オープン特別(福島民報杯)2着で、出走してくれば表6から有力な候補。また、前走G2で人気薄(表7)だったナスノセイカンの一変も期待できる。ほかに、前走G3組の中から今回上位人気に推される馬も絡めつつ、ハンデや当日の人気、オッズも踏まえて判断したい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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