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第1205回 オープン好走馬が穴を開ける!? アーリントンCを分析する

2018/4/9(月)

皐月賞ウィークの今週は土曜阪神でこの時期に開催を移した3歳マイル重賞のアーリントンCが行われる。今年からNHKマイルCのトライアルとなり、上位3着以内馬に優先出走権が与えられる。近年の優勝馬からはミッキーアイル、レインボーライン、昨年のペルシアンナイトなど古馬となってからも活躍した馬を輩出し、出世レースともいえる一戦だ。今回は2013年以降の近5年のデータから好走馬や穴を開けるタイプの特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 アーリントンC近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 800m通過 レース上がり
2017
(良)
1 ペルシアンナイト 1分34秒1 1 9 34秒0 47秒2 35秒0
2 レッドアンシェル 3馬身 6 10 34秒3
3 ディバインコード 1馬身1/4 3 4 35秒2
2016
(良)
1 レインボーライン 1分34秒1 4 5 34秒6 46秒7 35秒0
2 ダンツプリウス ハナ 9 5 34秒6
3 ロワアブソリュー ハナ 7 12 34秒1
2015
(良)
1 ヤングマンパワー 1分35秒9 9 5 34秒7 48秒1 35秒1
2 アルマワイオリ クビ 5 12 33秒9
3 マテンロウハピネス ハナ 7 1 35秒1
2014
(良)
1 ミッキーアイル 1分34秒0 1 1 35秒2 46秒7 35秒2
2 タガノグランパ 3馬身1/2 3 2 35秒0
3 フェルメッツァ 1馬身 6 10 34秒5
2013
(良)
1 コパノリチャード 1分34秒8 1 2 34秒0 48秒3 34秒1
2 カオスモス 1馬身1/2 2 3 34秒0
3 レッドアリオン クビ 4 6 33秒9

2017/2/25 阪神11R アーリントンカップ(G3) 1着 8番 ペルシアンナイト

まず表1はアーリントンC近5年の上位3着以内馬一覧。勝ち馬のうち、2着に差をつけて勝利したコパノリチャード、ミッキーアイル、ペルシアンナイトの3頭は後にG1を優勝。接戦を制したヤングマンパワー、レインボーラインも古馬になって重賞を制しており、将来性があるタイプが勝利する出世レースといえるだろう。

勝ちタイムはスローペースだった13年・15年を除くと、1分34秒0〜1におさまっている。今年も良馬場で平均以上のペースになれば、1分34秒前後の勝ちタイムとなりそうだ。また、4角通過順では近4年で4角10番手以下から差してくるタイプが人気薄で穴を開けている。昨年は1番人気に推されたペルシアンナイトが3馬身差の快勝。2着には後方から追い込んだ6番人気レッドアンシェルが2着に好走している。

人気面では1番人気馬が昨年のペルシアンナイトら3勝をあげているが、勝った3頭はいずれも1倍台〜2倍台前半の断然人気となっていた。逆に4着以下に敗れた2頭は4倍台と混戦の中での1番人気馬だった。1番人気馬のオッズには注目しておきたい。また、近4年は昨年のレッドアンシェルら6番人気以下の伏兵が1頭は好走している。抜けた1番人気がいない時は混戦で、波乱が起きやすい一戦といえそうだ。

■表2 アーリントンCの枠番別成績(近5年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2枠 0- 0- 2- 4/ 6 0.0% 0.0% 33.3% 0% 50%
3枠 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0% 76%
4枠 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 113% 91%
5枠 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6枠 3- 1- 0- 4/ 8 37.5% 50.0% 50.0% 486% 141%
7枠 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 52%
8枠 1- 1- 2- 6/10 10.0% 20.0% 40.0% 14% 116%

表2は枠番別成績。6枠に入った馬が昨年のペルシアンナイトら過半数の3勝をあげ、連対率・複勝率50%と優秀だ。大外の8枠も14年ミッキーアイルが勝利し、昨年2着のレッドアンシェルなど近4年続けて3着以内馬が出ている。これら外目の馬が優勢となっている。内目の馬も2〜4枠は複勝率が高いものの、最内の1枠からは3着以内馬が出ていなかった。ちなみに先週の競馬でも阪神牝馬Sの1・2着が7枠、桜花賞を勝ったアーモンドアイも7枠と外目の枠に入った馬が勝利していた。

■表3 アーリントンCの前走レース別成績(近5年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
シンザン記念 3- 1- 1- 3/ 8 37.5% 50.0% 62.5% 126% 95%
ジュニアC 1- 1- 1- 3/ 6 16.7% 33.3% 50.0% 580% 226%
白梅賞(500万下) 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 55% 27%
朝日杯FS 0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 63%
なずな賞(500万下) 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 110%
新馬 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 113%
きさらぎ賞 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 235%
500万下 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 50%
その他のレース 0- 0- 0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は前走レース別成績。シンザン記念組が昨年のペルシアンナイトら過半数の3勝をあげており、連対率50.0%・複勝率62.5%と非常に高い。ジュニアC組も15年ヤングマンパワーが勝利し、昨年3着ディバインコードなど近3年続けて3着以内馬を出している。 他では白梅賞組から13年コパノリチャードが勝利している。意外にも前走G1組からは勝ち馬が出ていない。

3着以内馬15頭中11頭は前走オープン・重賞を使われており、500万下組はやや苦戦傾向にある。開催時期は1か月ほど移動したものの、前走オープン・重賞組を中心視した方が良いだろう。

■表4 アーリントンCの前走距離別成績(近5年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1200m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1400m 0- 1- 2-10/13 0.0% 7.7% 23.1% 0% 70%
1600m 5- 4- 2-22/33 15.2% 27.3% 33.3% 142% 83%
1800m 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 67%
2000m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2400m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走距離別成績。黄色で強調したように前走1600m組から勝ち馬5頭すべて出ており、連対率27.3%・複勝率33.3%と優秀だ。昨年も上位3着以内馬が該当しており、やはり前走1600m組を中心視すべきだろう。他では前走1400m組が複勝率23.1%で前走1600m組に迫っている。

■表5 アーリントンCの前走人気別成績(近5年)

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1人気 3- 1- 2- 9/15 20.0% 26.7% 40.0% 36% 69%
前走2人気 0- 1- 1- 2/ 4 0.0% 25.0% 50.0% 0% 115%
前走3人気 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 78%
前走4人気 1- 2- 1- 6/10 10.0% 30.0% 40.0% 348% 160%
前走5人気 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 1- 0- 0-11/12 8.3% 8.3% 8.3% 56% 23%
前走10番人気以下 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 54%

表5は前走人気別成績。前走1番人気だった馬が昨年のペルシアンナイトら3勝をあげ、複勝率40%と高い。以下、前走3番人気馬はやや低調なものの、黄色で強調した前走4番人気以内だった馬から好走馬の大半が出ている。例外は一昨年1着レインボーライン(前走シンザン記念7番人気6着)、15年2着アルマワイオリ(前走朝日杯FS14番人気2着)の2頭だけだった。

■表6 6番人気以下で好走した馬のオープン実績(近5年)

年度 馬名 人気 着順 過去のオープン実績
2017 レッドアンシェル 6 2 もみじS 1着
2016 ダンツプリウス 9 2 ジュニアC 1着
ロワアブソリュー 7 3 なし
2015 ヤングマンパワー 9 1 ジュニアC 3着
マテンロウハピネス 7 3 なし
2014 フェルメッツァ 6 3 萩S 3着

2015/2/28 阪神11R アーリントンカップ(G3) 1着 8番 ヤングマンパワー

最後に表6はアーリントンCを6番人気以下で激走した馬の過去のオープン実績。6頭中過半数の4頭がオープンで3着以内に入った実績があった。9番人気で勝利したヤングマンパワーは新馬戦1着後、2戦目の前走ジュニアCでタイム差なしの3着に入っていた。

オープン実績がなかったロワアブソリュー、マテンロウハピネスの2頭はキャリア2・3戦と浅かった。なお、これら6頭ともにサンデーサイレンスの血を持っていた。

過去にオープンで3着以内と好走実績がありながら、人気を落としているタイプが穴として狙い目といえるだろう。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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