アドマイヤマーズ
徳武氏 「昨年の当歳セッションではミリオン越えの産駒も誕生しました。ダイワメジャー産駒の中でもトップクラスの競走成績を残していたこともさることながら、自身や産駒の馬体を見ると、無骨さの残る父とは違い、シルエットが美しい馬も多かったことが評価の高さにも繋がったように思います」
今後、更なる発展が期待されるダイワメジャー系の種牡馬ですが、その中心となっていくのはアドマイヤマーズとなっていきそうですね。
徳武氏 「短距離馬への評価が高い南半球から、シャトル種牡馬としてのオファーが来ていることもまた、アドマイヤマーズに対する評価の高さの裏付けと言えます。1歳を迎えた初年度産駒も、当歳時と同様に馬体だけでなく脚元も綺麗で、『精巧なサラブレッド』との印象を持っていただけると思います」
サートゥルナーリア
徳武氏 「昨年の当歳セッションでは、馬体、血統とまさにセレクトされた産駒を上場させたこともありますが、それでも平均価格の9000万円越えは想像以上でした。それも産駒は筋肉質の馬体にも表れている力強さだけでなく、柔らかさやしなやかさも備えていることも評価されたと思います」
母にシーザリオを持つ種牡馬はエピファネイア、リオンディーズと優秀な産駒成績を残していますし、それもまた、サートゥルナーリアの評価の高さに繋がったように思います。
徳武氏 「兄2頭との比較ではロードカナロアの後継種牡馬だけに、マイル色が強くなりそうな印象もありますが、そこはシーザリオの力でクラシックを沸かすような産駒が出てきても不思議ではありません。受胎率も優秀であり、今年の当歳セッションにも多くの産駒が上場を見込まれています。今年のセレクトセールでも売却価格、落札率などで優秀な結果が望めそうですし、産駒のデビュー後も安定した成績を残していくという、数字に強い種牡馬となってくれるでしょう」
シスキン
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(JRA-VAN Ver.World)
徳武氏 「昨年と同様に、初年度産駒の数が少ないだけに1歳セッションに上場される産駒はそれほどいないかもしれませんが、昨年は83頭の繁殖牝馬に配合をしており、今年の当歳セッションにはまとまった数の上場が望めそうです。産駒を見ていると父の馬体が良く出ているというのか、遺伝力の強さも感じられます」
シスキン自身は2歳時から連勝を重ねてフィニークスSと、3歳時にも無敗で愛2000ギニーを優勝。こうした仕上がりの早さも産駒には期待できそうです。
徳武氏 「2歳時からスピード能力を証明してくれていましたし、ゆくゆくはマイルやスプリント路線で、そのスピードを生かした活躍馬が出てくるはずです。また母系はアーモンドアイと一緒であり、よく見たら顔が似ているのではと思うときもあります」
ナダル
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(JRA-VAN Ver.World)
徳武氏 「ナダルはシスキンと正反対の種牡馬とでもいうのか、現時点では670キロほどの雄大な馬格がありながら、大型馬特有の重苦しさは全くありません。動きは非常に俊敏で、手先の軽さも感じられるあたりは、メジャーリーグやNFLで活躍しているような一流のアスリートの姿を彷彿とさせます」
これほどのスケール感がありながらも、性格は人懐っこくて、スタリオンスタッフからも人気のある種牡馬だそうですね。
徳武氏 「自身の馬体の良さだけでなく、性格の良さも産駒には遺伝されるでしょう。順調に使えていたのなら、その年のケンタッキーダービーでも一番人気を背負った馬だと思いますし、今から産駒のデビューが楽しみになってきます」
ルヴァンスレーヴ
徳武氏 「現役の印象から、ダート種牡馬との印象を持たれている方は多いかと思いますが、芝での活躍馬を多く送り出している母系や、母父に入ったネオユニヴァースの影響もあってか、今、流行りと言える、芝とダートで「二刀流」の活躍を見込める産駒も出てくると思います」
父のシンボリクリスエスもバラエティに富んだ産駒、そして、後継種牡馬を送り出しているだけに、種牡馬として「二刀流」となる可能性はありそうですね。
徳武氏 「受胎率もいいので、今年の1歳セッション、当歳セッションにも多数の産駒が上場が見込まれます。取引馬の中からは地方競馬でデビューしていく産駒も多いかと思いますが、その中からダート三冠路線を沸かせる産駒も期待できそうです」
ライタープロフィール
北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。