新種牡馬(2018年世代)
この当歳セクションに20頭も上場されているのが、ドゥラメンテの産駒たちだ。
ドゥラメンテ
「社台スタリオンステーションとしても、5頭のチャンピオンサイアーが配合された血統馬であり、牝系も約50年に渡って、社台グループで育んできた血統となります。それぞれの配合種牡馬の長所が出ていますが、サンデーサイレンスやトニービンから受け継がれた『しなり』とも言える柔らかさを、父であるキングカメハメハの背腰や骨格の良さが、その『しなり』を上手く締めている印象があります。産駒を見ても、父譲りと言える力強さと伸びやかさ、そして切れとなっていきそうな瞬発力に加え、この牝系ならではと言える、気持ちの強さも持ち合わせています」(社台スタリオンステーション・徳武英介氏)
ドゥラメンテと同じく、この当歳世代が初年度産駒となるモーリスは16頭の産駒を上場させることになった。
モーリス
「2歳時の早い時期から頭角を現していましたが、緩さが解消された古馬となってからが、モーリスの真骨頂だったと思います。産駒もしっかりとしてくるまでは時間を要することになるかもしれませんが、母父にフジキセキやフレンチデピュティといった、マイル色が強くて、骨格に恵まれた繁殖牝馬との相性が良さそうであり、その中からは瞬発力に秀でた産駒も出てきそうです。国際的な知名度がありながらも、これぞ日本産馬と言える血統ですし、今後のセレクトセールでは、日本の血統を世界に発信してくれるような存在であってもらいたいです」
ミッキーアイルは4頭の産駒を当歳セクションに上場。モーリスと同じく、昨シーズンはシャトルサイアーとしてオーストラリアで繋養されており、今年もオファーに応える形で2年連続でのシャトルが決定している。
ミッキーアイル
「他のディープインパクト産駒よりも前向きな気性をしており、それは種牡馬となっても変わっていません。産駒は父を彷彿とさせるようなパワフルさだけでなく、その前向きな気性も受け継がれたからか、マイルだけでなく、スプリント適性も高そうですし、こうした条件が多い2歳戦が向いているのは間違いなさそうです。今後はセレクトセール、そしてシャトル種牡馬としても、ディープインパクトの名前を世界に広めてくれるでしょう」
今年も見どころが多いセレクトセールだが、社台スタリオンステーションでは繋養種牡馬を紹介するブースを出しており、そこには徳武氏も常駐している。スタリオンサイドから見た産駒の特徴や、上場馬の配合についての話も聞かせてもらえそうなだけに、セリの合間にでも、皆さまぜひ一度ご覧になってはいかがだろうか。