セレクトセール2018

新種牡馬(2017年世代)

 昨年のセレクトセール当歳セクションでは13頭が上場され、うち11頭が売却されたキズナの産駒たち。今年のセレクトセールでも1歳セクション、当歳セクション共に10頭の産駒が上場を予定している。

キズナ

キズナ

ディープインパクトの後継種牡馬の中でも、キズナに対する産地の期待は大きいですね。父の産駒の中でも馬格や骨格に恵まれていますが、産駒にもこの馬体の良さが遺伝されているだけでなく、成長を重ねながら更に逞しさを増している印象があります。ゆくゆくは自身のようなクラシックでの活躍だけでなく、このパワフルな馬体で、マイルやダートもこなしてしまうような産駒も出てきそうです」(社台スタリオンステーション・徳武英介氏)

 そのキズナとは三冠クラシックを戦ったライバルであるエピファネイア。昨年のセレクトセール当歳セクションでは、16頭の産駒が上場され、うち15頭が売却という驚異的な売り上げを記録。今年のセレクトセールにも1歳セクションに16頭、当歳セクションに7頭の産駒が上場を予定している。

エピファネイア

エピファネイア

「父のシンボリクリスエス、そして母父のスペシャルウィーク共に恵まれた馬体をしており、双方の特徴とも言える首の太さや骨格の良さも産駒に反映されています。この馬体からしても、父のようにパワフルな先行力を持った産駒が数多く出てきそうですし、短い距離でも好スタートを決めると、あとはポテンシャルの違いで押し切ってしまいそうです。この馬体や父の産駒の競走成績からして、ダートでも勝ち馬を量産できるのではないでしょうか」

 フェノーメノは昨年の当歳セクションに上場された1頭が売却。今年は1歳セクションに2頭、当歳セクションに1頭が上場を予定している。

フェノーメノは母父のデインヒルが出ているのか、ステイゴールド産駒らしくない大型馬ですが、性格は父を彷彿とさせます。現役時は『芝の長距離砲』といったイメージがありましたが、血統背景や体型からすると、短距離適性も備わっていたはずです。産駒も配合次第では短い条件から活躍する馬も出てきそうですし、何よりもステイゴールド産駒らしい気性の強さも、競馬で生かされそうです」

 ディープインパクト産駒のスピルバーグリアルインパクトも、1歳セクションと当歳セクションの双方に産駒を上場させる。

リアルインパクト

リアルインパクト

スピルバーグは全兄のトーセンラーだけでなく、ディープインパクト産駒としても、また違った伸びやかな馬体をしており、安定感すら感じさせる産駒は、距離適性も広くなりそうです。リアルインパクトはオーストラリアでもマイルG1を勝利したこともあり、シャトル種牡馬としても人気を集めています。数年後はセールの取引馬だけでなく、南半球で誕生した産駒の動向にも注目してもらいたいですね」

スピルバーグ

スピルバーグ

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。

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