【スプリンターズS×過去データ分析】近年は先行抜け出しが勝ちパターン
2026/9/24(木)

今週日曜日に中山競馬場でスプリンターズSが行われる。今春の高松宮記念を制したサトノレーヴが先日引退したこともあり、国内の芝短距離路線は大混戦模様。昨年のスプリンターズSを制したウインカーネリアンは今年も健在だが、手強いライバルが多数出走を予定しており、絶対的な存在ではない。その分、馬券的にも非常に楽しみな一戦となった。今回もいつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析する。
好走馬の決まり手が2021年から一変
| 年 | 馬場 | 頭数 | 前3F | 後3F | 1着決手 | 2着決手 | 3着決手 | 1着4角 | 2着4角 | 3着4角 |
| 2016年 | 良 | 16 | 33.4 | 34.2 | 差 | 逃 | 先 | 7 | 1 | 4 |
| 2017年 | 良 | 16 | 33.9 | 33.7 | 差 | 差 | 逃 | 10 | 7 | 1 |
| 2018年 | 稍 | 16 | 33.0 | 35.3 | 差 | 先 | 先 | 8 | 2 | 4 |
| 2019年 | 良 | 16 | 32.8 | 34.3 | 差 | 逃 | 差 | 8 | 1 | 8 |
| 2020年 | 良 | 16 | 32.8 | 35.5 | 追 | 先 | 追 | 15 | 4 | 16 |
| 2021年 | 良 | 16 | 33.3 | 33.8 | 先 | 先 | 差 | 2 | 4 | 5 |
| 2022年 | 良 | 16 | 32.7 | 35.1 | 先 | 差 | 追 | 2 | 9 | 12 |
| 2023年 | 良 | 16 | 33.3 | 34.7 | 先 | 先 | 差 | 2 | 4 | 7 |
| 2024年 | 良 | 16 | 32.1 | 34.9 | 先 | 差 | 追 | 3 | 6 | 12 |
| 2025年 | 良 | 16 | 33.7 | 33.2 | 先 | 逃 | 差 | 2 | 1 | 9 |
(表1 スプリンターズS好走馬の決まり手と4角位置、過去10年)
スプリンターズSの好走馬の決まり手が2021年を境に一変している。特に1着馬が顕著で、2016年から2020年は「差」4頭、「追」1頭だったが、2021年以降はすべて「先」となっている。このようになった理由は定かではないが、ペースの問題ではなさそうだ。と言うのも、スプリンターズSは10年中8年で「前半3F < 後半3F」の前傾ラップを描いているように、基本的にハイペースで推移する。決まり手は変化しているにもかかわらず、ハイペースの傾向は一貫しているのだ。
前半3F33秒7、後半3F33秒2となった昨年は異例のスローペースだった。しかしながら、勝利したのは4コーナーを2番手で通過したウインカーネリアンであり、勝ち馬の決まり手傾向は変わらなかった。
よって、データは過去10年分を見るが、近5年の傾向を重視したい。近5年の2着馬の決まり手は「逃」1頭、「先」2頭、「差」2頭。3着馬の決まり手は「差」3頭、「追」2頭だった。3着馬の決まり手が特徴的で、末脚を生かして好走するパターンとなっている。
馬体重500〜539kgが好成績
| 馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
| 420〜439kg | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 127 |
| 440〜459kg | 0- 0- 2- 15/ 17 | 0.0% | 0.0% | 11.8% | 0 | 102 |
| 460〜479kg | 3- 3- 6- 34/ 46 | 6.5% | 13.0% | 26.1% | 33 | 85 |
| 480〜499kg | 1- 3- 1- 35/ 40 | 2.5% | 10.0% | 12.5% | 12 | 46 |
| 500〜519kg | 4- 2- 1- 27/ 34 | 11.8% | 17.6% | 20.6% | 221 | 91 |
| 520〜539kg | 2- 1- 0- 12/ 15 | 13.3% | 20.0% | 20.0% | 225 | 82 |
| 540〜 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 スプリンターズSの馬体重別成績、過去10年)
次に馬体重別成績を調べたところ、500〜519kg(勝率11.8%、連対率17.6%、単回値221)と520〜539kg(勝率13.3%、連対率20.0%、単回値225)が好成績だった。540kg以上は好走例がない(ただし、対象馬はわずか4頭)が、500kg以上の大型馬が有利なレースと言えそうだ。少なくとも460〜479kg(複勝率26.1%)ぐらいの馬格が欲しいところで、459kg以下の馬は割引が必要だ。
4歳馬の成績が優秀
| 年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
| 3歳 | 1- 2- 1- 15/ 19 | 5.3% | 15.8% | 21.1% | 27 | 103 |
| 4歳 | 4- 4- 4- 26/ 38 | 10.5% | 21.1% | 31.6% | 101 | 96 |
| 5歳 | 2- 4- 1- 37/ 44 | 4.5% | 13.6% | 15.9% | 27 | 44 |
| 6歳 | 1- 0- 3- 28/ 32 | 3.1% | 3.1% | 12.5% | 10 | 52 |
| 7歳以上 | 2- 0- 1- 24/ 27 | 7.4% | 7.4% | 11.1% | 260 | 115 |
(表3 スプリンターズSの年齢別成績、過去10年)
年齢別成績を調べたところ、4歳(勝率10.5%、連対率21.5%、複勝率31.6%)の成績が優秀だった。7歳以上は勝率と単・複回収値が高かった。3歳と5歳の比較をすると、勝率・連対率・複勝率すべてにおいて前者が良い。5歳と6歳を比較すると連対率に大きな差がある。基本的には若い馬が強く、7歳以上の一発がたまにあるという傾向が読み取れる。
【結論】
今年有力な先行・抜け出しタイプはこの馬たちだ!
今年のスプリンターズSは、展開の鍵を握るピューロマジックをはじめ昨年のスプリンターズS出走馬が多数出走を予定している。昨年のスプリンターズSはピューロマジックが控えたことでペースが遅くなったが、今年「何が何でもハナへ」という姿勢で挑むのであれば先行争いは激化し、ペースは確実に速くなると考えられる。しかし、それでも近年の勝ち馬のトレンドである「2〜3番手から抜け出して勝利」というシーンを想定し、以下の馬を推奨馬としたい。
「先行」、「馬体重500kg以上」、「4歳馬」という3つのキーワードにすべて合致するのはフリッカージャブ。圧倒的なスピードと安定した立ち回りを武器に、芝1200mに転向して8戦6勝という凄まじい成績を挙げている。今年のオーシャンSで僅差ながら6着と敗れている点がどうかだが、スプリンターズSを勝ちやすいタイプという印象だ。
ルガルは2024年のスプリンターズSを4コーナー3番手から抜け出して勝利している。3走前のオーシャンS(3着)の馬体重は528kgで、今回の出走馬の中では最も巨漢。2走前のアルクオーツスプリント(UAE・G1・芝1200m)はクビ差の2着と惜しい競馬で、昨年ウインカーネリアンが同レースで2着だった点も強調材料だ。
ウインカーネリアンは連覇がかかる一戦。今年9歳だが衰えを全く感じさせないのが凄い。国内の芝1200mではかなり安定した成績を残しており、今年も上位争いが期待できそう。
先行馬以外では、今年の桜花賞馬(3歳馬)スターアニスと、馬体重500kg以上で4歳馬のレイピアの末脚に注目してみたい。
ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


