【宝塚記念×過去データ分析】前走着順×前走クラス×年齢で有力馬をあぶりだす
2026/6/11(木)

史上初となる「春の古馬三冠」制覇に注目が集まる今年の宝塚記念だが、例年にも増して豪華なメンバーが集結した。梅雨を吹き飛ばす熱戦必至の一戦を、過去10年のデータから分析する。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
クロワデュノールは父を超えられるか
| 年 | 馬名 | 年齢 | 着順 | ||
| 大阪杯 | 天皇賞・春 | 宝塚記念 | |||
| 17年 | キタサンブラック | 5 | 1 | 1 | 9 |
| 18年 | スマートレイアー | 8 | 9 | 7 | 10 |
| 25年 | ジャスティンパレス | 6 | 6 | 6 | 3 |
| 26年 | クロワデュノール | 4 | 1 | 1 | ? |
(表1 同一年に春の古馬三冠を走破した馬の一覧)
大阪杯がG1に昇格した17年以降、春の古馬三冠にフル参戦した馬は3頭しかいない。惜しかったのは17年のキタサンブラックで、G1昇格初年度の大阪杯を勝ち、天皇賞・春も制したものの、宝塚記念では9着に崩れた。そのキタサンブラックを父に持つのがクロワデュノール。G1を3連戦するタフなローテーションだけに、父より1歳若い4歳で挑むことは利点と思われる。
前走1着で勝った2頭はいずれも4歳馬
| 前走1着 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 全体 | 2- 3- 4-16/25 | 8.0% | 20.0% | 36.0% | 22 | 86 | |
| 前走クラス | 3勝 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| G3 | 0- 2- 0- 4/ 6 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 151 | |
| G2 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| G1 | 1- 1- 4- 5/11 | 9.1% | 18.2% | 54.5% | 38 | 104 | |
| 海外 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 32 | 27 | |
| 年齢 | 4歳 | 2- 0- 4- 3/ 9 | 22.2% | 22.2% | 66.7% | 61 | 122 |
| 5歳 | 0- 3- 0- 9/12 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 89 | |
| 6歳〜 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
(表2 前走1着馬に関するデータ)
表2〜5では前走着順、前走クラス、年齢のデータを利用する。なお、今年は外国馬や地方馬の参戦がないこともあり、中央馬に限って集計した。
「前走1着」は【2.3.4.16】、勝率8.0%、複勝率36.0%という成績で、好走率としては悪くないが、2〜3着までというケースも少なくない。「前走1着」の2勝はいずれも4歳馬が挙げており、この“前走1着の4歳馬”は複勝率66.7%と安定して走ってくる。一方、5歳は2着3回が最高と勝ち切れず、6歳以上の好走例は過去10年なかった。
前走2着の5歳は前走1着より好成績
| 前走2着 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 全体 | 4- 2- 1-12/19 | 21.1% | 31.6% | 36.8% | 202 | 101 | |
| 前走クラス | G3 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| G2 | 1- 0- 1- 1/ 3 | 33.3% | 33.3% | 66.7% | 836 | 380 | |
| G1 | 2- 1- 0- 8/11 | 18.2% | 27.3% | 27.3% | 105 | 50 | |
| 海外 | 1- 1- 0- 1/ 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% | 60 | 73 | |
| 年齢 | 4歳 | 1- 1- 0- 1/ 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% | 136 | 96 |
| 5歳 | 3- 1- 1- 7/12 | 25.0% | 33.3% | 41.7% | 286 | 135 | |
| 6歳〜 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
(表3 前走2着馬に関するデータ)
「前走2着」は【4.2.1.12】、勝率21.1%、複勝率36.8%という成績で、単複の回収値を含めて「前走1着」を上回る数値を記録している。「前走2着」の4歳馬の複勝率66.7%は「前走1着」の4歳馬と同じで期待十分。また、「前走2着」の5歳馬も3勝、複勝率41.7%の好成績で、これは「前走1着」の5歳馬を凌駕する。しかしながら、このケースでも6歳以上の好走例はない。
苦戦気味ながらチャンスはある
| 前走3〜5着 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 全体 | 3- 1- 1-39/44 | 6.8% | 9.1% | 11.4% | 67 | 32 | |
| 前走クラス | G3 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| G2 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| G1 | 1- 1- 0-16/18 | 5.6% | 11.1% | 11.1% | 72 | 35 | |
| 海外 | 2- 0- 1- 9/12 | 16.7% | 16.7% | 25.0% | 140 | 67 | |
| 年齢 | 4歳 | 1- 0- 0- 9/10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 114 | 37 |
| 5歳 | 2- 0- 1-13/16 | 12.5% | 12.5% | 18.8% | 115 | 51 | |
| 6歳〜 | 0- 1- 0-17/18 | 0.0% | 5.6% | 5.6% | 0 | 13 | |
(表4 前走3〜5着馬に関するデータ)
「前走3〜5着」は過去10年で3勝を占めるが、複勝率11.4%にとどまり、3着以内に入る確率としては「前走1着」や「前走2着」と比べてだいぶ下がる。そんな「前走3〜5着」のポイントは、好走例が前走G1(海外を含む)に限られること。また、6歳以上は2着に入った例が1回あるものの、複勝率5.6%にとどまり、やはり苦戦傾向は否めない。
前走6〜9着からの巻き返しは多くがG1馬
| 年 | 着順 | 馬名 | 主な実績 |
| 17年 | 1 | サトノクラウン | 16年香港ヴァーズ |
| 2 | ゴールドアクター | 15年有馬記念 | |
| 3 | ミッキークイーン | 15年オークス、秋華賞 | |
| 20年 | 2 | キセキ | 17年菊花賞 |
| 3 | モズベッロ | 20年日経新春杯 | |
| 22年 | 3 | デアリングタクト | 20年牝馬三冠 |
| 24年 | 2 | ソールオリエンス | 23年皐月賞 |
| 25年 | 3 | ジャスティンパレス | 23年天皇賞・春 |
(表5 前走6〜9着の宝塚記念1〜3着馬)
「前走6〜9着」は【1.3.4.34】、勝率2.4%、複勝率19.0%という成績で、2〜3着には結構来る。該当する好走馬8頭をまとめたのが表5のとおり、該当する好走馬8頭中7頭はG1馬(海外を含む)であり、「前走6〜9着」からの巻き返しを期待するなら格を重視したい。なお、「前走10着以下」は【0.0.0.19】と好走例がなかった。
【結論】
実績上位馬がきっちり好走条件を満たしてきた
以上の分析に基づいた好走データ合致馬を紹介していこう。まず、複勝率66.7%の「前走1〜2着の4歳馬」に該当するのはクロワデュノール(前走天皇賞・春1着)、ミュージアムマイル(前走有馬記念1着)、マイユニバース(前走日経賞1着)、ミクニインスパイア(前走日経賞2着)。昨年のクラシックホース2頭と、上昇中の2頭という内訳だ。
「前走2着の5歳馬」も有力で、該当するのはメイショウタバル(前走大阪杯2着)。昨年に続く連覇はなるか。そのほか、「前走3〜5着」では前走G1出走のダノンデサイルとレガレイラをピックアップ。「前走6〜9着」からの巻き返しに期待するならG1馬だが、これに該当する存在は見当たらない。
ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


