【レパードS×過去データ分析】前走のクラス、着順、4角通過から好走馬が見える!?
2025/8/7(木)

真夏の3歳ダート重賞といえば新潟のレパードS。昨年の勝ち馬ミッキーファイトのように、その後飛躍を遂げる馬は現れるか。過去10年のデータからレース傾向を解析していきたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
前走地方戦は出走数と好走率が好バランス
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
| 1勝 | 0- 3- 2-32/37 | 0.0% | 8.1% | 13.5% | 0 | 80 |
| 2勝 | 2- 2- 2-36/42 | 4.8% | 9.5% | 14.3% | 58 | 51 |
| 3勝 | 1- 0- 1- 1/ 3 | 33.3% | 33.3% | 66.7% | 396 | 310 |
| オープンクラス | 5- 1- 0-32/38 | 13.2% | 15.8% | 15.8% | 162 | 53 |
| 地方 | 2- 3- 4-16/25 | 8.0% | 20.0% | 36.0% | 275 | 142 |
| 海外 | 0- 1- 1- 1/ 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% | 0 | 333 |
(表1 前走クラス別成績)
表1はレパードSの前走クラス別成績。なお、地方および海外のレースはクラスを分けず、一括して集計している。出走数が多い順に、前走2勝クラス、オープンクラス(重賞を含む)、1勝クラスとなるが、いずれも複勝率13〜15%ほどで好走率としてはもうひと息にとどまる。となると、出走数が4番目に多く、好走率も高い前走地方戦出走馬は有力な存在になってきそう。そのほか、前走3勝クラス、海外戦はいずれも複勝率66.7%と優秀だが、今年の登録馬には該当する馬がいない。
前走地方出走馬は前走4角6番手以内で
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走着順 | 前走1〜5着 | 1- 3- 3-11/18 | 5.6% | 22.2% | 38.9% | 13 | 112 |
| 前走6〜9着 | 1- 0- 1- 2/ 4 | 25.0% | 25.0% | 50.0% | 1657 | 387 | |
| 前走10着〜 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| 前走4角 | 1〜6番手 | 2- 3- 3- 8/16 | 12.5% | 31.3% | 50.0% | 430 | 213 |
| 7番手〜 | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 16 | |
(表2 前走地方戦出走馬に関するデータ)
前走地方戦出走馬は基本的に好成績だが、10着以下から巻き返した例はなく、前走着順はひとケタには入っておきたい。また、前走4角通過順も顕著な傾向が出ており、好走馬9頭のうち8頭は前走の4角を1〜6番手で回っていた。
前走オープンクラスは前走4角の傾向にひと癖
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走着順 | 前走1〜5着 | 3- 0- 0-12/15 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 181 | 52 |
| 前走6〜9着 | 2- 1- 0- 9/12 | 16.7% | 25.0% | 25.0% | 289 | 102 | |
| 前走10着〜 | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| 前走4角 | 1〜3番手 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 4〜11番手 | 5- 1- 0-16/22 | 22.7% | 27.3% | 27.3% | 281 | 91 | |
| 12番手〜 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
(表3 前走オープンクラス出走馬に関するデータ)
前走オープンクラス出走馬も前走10着以下から巻き返した例がないのは同様。そして、前走4角通過順の傾向にはひと癖あり、この組の好走例は前走4角4〜11番手だった馬に限られる。対して、前走4角1〜3番手および12番手以降だった計16頭は全滅に終わっている。
前走2勝クラスは前走4角2番手に好走例が集中
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走着順(タイム差) | 前走1着(0.4秒差〜) | 2- 1- 1- 5/ 9 | 22.2% | 33.3% | 44.4% | 271 | 117 |
| 前走1着(〜0.3秒差) | 0- 0- 0-13/13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| 前走2着〜 | 0- 1- 1-18/20 | 0.0% | 5.0% | 10.0% | 0 | 55 | |
| 前走4角 | 1番手 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 2番手 | 2- 1- 2- 6/11 | 18.2% | 27.3% | 45.5% | 221 | 183 | |
| 3番手〜 | 0- 1- 0-27/28 | 0.0% | 3.6% | 3.6% | 0 | 5 | |
(表4 前走2勝クラス出走馬に関するデータ)
前走2勝クラス出走馬も前走4角通過順の傾向が面白い。この組の好走馬6頭のうち、5頭までもが前走4角を2番手で回っていたのだ。また、好走6頭中4頭を占める前走1着馬については、タイム差も確認しておきたい。前走の2勝クラスで0秒4以上の差をつけて勝っていれば【2.1.1.5】と好成績だが、勝ってもタイム差が0秒3以下だった場合は【0.0.0.13】と好走例がないからだ。
前走1勝クラスの好走は大半が前走同距離
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走距離 | 今回延長 | 0- 0- 0-13/13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 同距離 | 0- 3- 1-11/15 | 0.0% | 20.0% | 26.7% | 0 | 164 | |
| 今回短縮 | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 55 | |
| 前走4角 | 1〜3番手 | 0- 2- 2-19/23 | 0.0% | 8.7% | 17.4% | 0 | 118 |
| 4番手〜 | 0- 1- 0-13/14 | 0.0% | 7.1% | 7.1% | 0 | 16 | |
(表5 前走1勝クラス出走馬に関するデータ)
前走1勝クラス出走の場合、前走1着であることは前提条件となる。この組の好走馬は過去10年で5頭おり、うち4頭は前走でも同距離の1800mに出走していた。また、前走4角通過順に関しては、4角1〜3番手だった馬が好走馬5頭中4頭を占める。このふたつのファクターに注目したい。
【結論】
前走地方戦出走馬の好走条件満たすジャナドリア
前走地方戦出走馬は1頭。そのジャナドリアは前走の羽田盃で4角2番手から3着に入っており、好走条件をどちらも満たす。
前走オープンクラス出走馬は5頭おり、いずれも前走1〜9着の条件を満たす。そこで前走4角通過順に着目すると、この組の条件である前走4角4〜11番手に合致するのは、前走ユニコーンSで4角8番手だったテスティモーネしかいない。強いてもう1頭挙げるとすれば、今回が初ダートで未知の魅力があるヴィンセンシオということになるか。
前走2勝クラス出走馬は7頭。この組は前走4角2番手だった馬の好走が多く、登録馬ではドンインザムード、ルグランヴァン、ロードラビリンスが該当する。ただし、ルグランヴァンとロードラビリンスは、この組で過去10年好走例がない2着とのタイム差0秒3以下の前走1着馬にも当てはまる。となれば、前走6着のドンインザムードを狙ってみる手はある。
前走1勝クラス出走馬は10頭。そして、この組で好走例が多い前走同距離に当てはまる馬は6頭いる。この6頭のなかから、前走4角1〜3番手にも合致するシャルクハフト、タガノマカシヤ、チュウジョウ、メイショウソウセキの名前を挙げておく。
なお、上記のうちテスティモーネ、ドンインザムード、シャルクハフト、タガノマカシヤ、チュウジョウ、メイショウソウセキは抽選対象となっており、確定後の出馬表を改めてご確認いただきたい。
ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


