第1808回 【函館2歳S × 過去データ分析】前走脚質とレース間隔がカギを握る!|競馬情報ならJRA-VAN

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【函館2歳S × 過去データ分析】前走脚質とレース間隔がカギを握る!

2025/7/17(木)

今週は早くも夏の福島、小倉、函館開催の最終週。このうち小倉では小倉記念、函館では函館2歳Sが行われる。キャリア豊富な古馬勢が激突する小倉記念のほうがデータ分析はしやすそうだが、今年から施行時期がひと月近く繰り上がったため過去の傾向が通用するかどうかは不透明だ。一方でキャリアが浅い馬の対戦になる函館2歳Sは出走馬をデータで切り分けるのが難しい印象もあるが、今回はこの函館2歳Sに挑戦してみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

4番人気以内が中心も、穴馬の激走に注意

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1 3-1-0-6/10 30.0% 40.0% 40.0%
2 2-2-1-5/10 20.0% 40.0% 50.0%
3 1-2-2-5/10 10.0% 30.0% 50.0%
4 2-1-2-5/10 20.0% 30.0% 50.0%
5 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
6 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0%
7 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0%
8 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
10 2-0-2-6/10 20.0% 20.0% 40.0%
11〜 0-1-2-43/46 0.0% 2.2% 6.5%

(表1 人気別成績)

人気別の成績は、1〜4番人気と10番人気が複勝率40.0〜50.0%。優勝馬は4番人気以内から8頭、10番人気から2頭が出ている。単勝オッズでは8倍以下が目安で、10番人気の2勝は29.8倍と47.3倍だった。5〜9番人気が【0.3.1.46】と中位人気勢が苦戦気味のため、人気サイドを中心に据えつつ穴馬も絡めて組み立てたいレースだ。

「逃げ」しか経験のない馬は勝利なし

前走脚質 前走新馬戦 前走未勝利戦
着別度数 勝率 複勝率 着別度数 勝率 複勝率
逃げ 0-3-5-31/39 0.0% 20.5% 1-0-0-8/9 11.1% 11.1%
先行 7-6-4-42/59 11.9% 28.8% 2-1-1-12/16 12.5% 25.0%
中団 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0-0-0-3/3 0.0% 0.0%
後方 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0-0-0-1/1 0.0% 0.0%

(表2 前走脚質・クラス別成績)

※脚質はTarget frontier JVによる分類

前走クラス別では新馬戦組が【7.9.9.79】複勝率24.0%、未勝利戦組が【3.1.1.24】同17.2%で、地方競馬組は【0.0.0.13】。新馬戦組と未勝利戦組について前走脚質別にみると、前走新馬戦で「逃げ」だった馬は【0.3.5.31】と勝利なし。また、前走未勝利戦で「逃げ」だった馬は【1.0.0.8】で、2019年の優勝馬・ビアンフェは前走を逃げ切っていた。ただ、同馬は新馬戦では道中4番手から2着に入っていたため、「逃げ」しか経験のない馬は勝てていないことになる(脚質はTarget frontier JVによる分類)。

未勝利戦組なら前走函館芝1200m1番人気馬

馬名 函館2歳S 前走 2走前
人気 着順 コース 人気 着順 着順
2017 カシアス 1 1 函芝12 1 1 2
2018 カルリーノ 3 3 函芝12 2 1 4
2019 ビアンフェ 4 1 函芝12 1 1 2
2021 ナムラリコリス 3 1 函芝12 1 1 2
2023 ナナオ 6 2 函芝12 1 1 2

(表3 前走未勝利戦からの好走馬)

好走馬の傾向は新馬戦組よりも未勝利戦組のほうが掴みやすい。未勝利戦組は前述のように複勝率こそ劣勢ながら、勝率では新馬戦組(6.7%)を上回る10.3%を記録しているため軽視はできない。

未勝利戦組の好走馬は表3の5頭。このうちカルリーノを除く4頭に共通するのは、前走でも函館2歳Sと同じ函館芝1200m戦に出走し、1番人気で勝ち上がっていたこと。この条件を満たす馬は【3.1.0.9】で勝率23.1%・連対率30.8%になる。また、2走前の新馬戦で2着に入っていたことも4頭の共通点だ。

新馬戦組なら中3週がベスト

条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率
間隔 連闘 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0%
中1週 1-3-2-14/20 5.0% 20.0% 30.0%
中2週 1-1-2-23/27 3.7% 7.4% 14.8%
中3週 4-1-3-19/27 14.8% 18.5% 29.6%
中4〜8週 1-4-2-17/24 4.2% 20.8% 29.2%
騎手 同騎手 6-6-6-51/69 8.7% 17.4% 26.1%
乗り替わり 1-3-3-28/35 2.9% 11.4% 20.0%

(表4 前走新馬戦組の騎手乗り替わり、レース間隔別成績)

多くの好走馬を出す新馬戦組は、特に「1着候補」になるかどうかという点でレース間隔および前走との騎手比較がカギを握る。まずレース間隔では、優勝馬7頭中4頭が新馬戦から中3週での出走だった。連対候補、3連複の候補としてなら中3週にこだわる必要はなさそうだが、1着候補としては中3週の馬を重視したい。また、騎手が前走から乗り替わりで出走した馬は【1.3.3.28】と好走しても2〜3着止まりが多く、前走から継続騎乗であることが1着候補としては望ましい。なお、前走新馬戦から中3週かつ騎手が継続騎乗だった馬は計【4.1.2.13】複勝率35.0%。さらに表2にあった前走「先行」の条件も加えると【4.0.2.5】複勝率54.5%になる。

馬単・3連単では枠順も要チェック

枠番 着別度数 勝率 2着率 3着率 連対率 複勝率
1枠 1-0-3-11/15 6.7% 0.0% 20.0% 6.7% 26.7%
2枠 0-0-2-15/17 0.0% 0.0% 11.8% 0.0% 11.8%
3枠 1-3-3-11/18 5.6% 16.7% 16.7% 22.2% 38.9%
4枠 0-2-2-15/19 0.0% 10.5% 10.5% 10.5% 21.1%
5枠 2-2-0-14/18 11.1% 11.1% 0.0% 22.2% 22.2%
6枠 2-2-0-16/20 10.0% 10.0% 0.0% 20.0% 20.0%
7枠 1-1-0-17/19 5.3% 5.3% 0.0% 10.5% 10.5%
8枠 3-0-0-17/20 15.0% 0.0% 0.0% 15.0% 15.0%

(表5 枠番別成績)

最後に枠番別の成績も見ておきたい。好走馬の多い枠と少ない枠が着順によって異なるのが特徴だ。優勝馬は10頭中8頭が5〜8枠、2着馬は10頭すべて3〜7枠(9頭は3〜6枠)、そして3着馬は10頭すべて4枠以内から出ている。似たような戦績の馬が多く決め手に欠ける場合は、枠番別の成績も参考に買い目を考えるといいだろう。

【結論】

新馬戦「先行」から中3週のブラックチャリスが最有力か

今年のメンバーで新馬戦から中3週で参戦するのはクラディスティーナ、スターオブロンドン、ブラックチャリス。いずれも前走は「先行」で、騎手も継続騎乗が予定されている。中では4番人気以内に確実に入りそうなブラックチャリスが最有力だろうか。クラディスティーナも上位人気の一角には推されそうで、2頭とも4番人気以内なら枠も踏まえて1着候補を考えたい。新馬がダート戦だったスターオブロンドンは穴での注目馬になる。

未勝利戦組ではトウカイマシェリが前走1番人気で1着だった。ハナを切った新馬戦ではブラックチャリスのいい目標になってしまい2着敗退も、函館2歳Sは前走未勝利戦組のほうが新馬戦組より勝率が高く、前走のような控える競馬で逆転の余地もありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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