【NHKマイルC×過去データ分析】前走G2組・G3組は穴狙いも有力
2025/5/8(木)
今週日曜日にNHKマイルCが行われる。昨年のレースは朝日杯フューチュリティS1着・皐月賞3着のジャンタルマンタルが1着、阪神ジュベナイルフィリーズ1着・桜花賞2着のアスコリピチェーノが2着と、クラシック好走馬が高い地力を見せつけた。今年はそこまで図抜けた実力馬はいないので、多くの馬にチャンスがありそうだ。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。
皐月賞組と桜花賞組が強い
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
皐月賞G1 | 3- 1- 0- 9/13 | 23.1% | 30.8% | 30.8% | 104 | 58 |
桜花賞G1 | 2- 3- 0-13/18 | 11.1% | 27.8% | 27.8% | 45 | 54 |
ニュージG2 | 2- 2- 2-38/44 | 4.5% | 9.1% | 13.6% | 79 | 56 |
アーリンG3 | 1- 0- 5-26/32 | 3.1% | 3.1% | 18.8% | 22 | 219 |
ファルコG3 | 1- 0- 2-19/22 | 4.5% | 4.5% | 13.6% | 134 | 61 |
弥生賞G2 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 123 | 50 |
毎日杯G3 | 0- 2- 0- 6/ 8 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 187 |
フラワーG3 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 86 |
アネモネ | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 950 |
スプリンG2 | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 25 |
(表1 NHKマイルCの前走レース別成績、過去10年)
過去10年の前走レース別成績を調べたところ、皐月賞【3.1.0.9】と桜花賞【2.3.0.13】の好走率が高かった。NHKマイルCのトライアルであるニュージーランドトロフィー【2.2.2.38】は好走馬を6頭出しているが、皐月賞や桜花賞に比べると勝率・連対率・複勝率いずれも劣っている。アーリントンCやファルコンSの好走率もニュージーランドトロフィーとあまり変わらない。むしろ弥生賞や毎日杯が高く、クラシック路線組の方が明らかに優勢だ。
前走JRA・G1組は当日3番人気以内
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1〜3人気 | 5- 3- 0- 3/11 | 45.5% | 72.7% | 72.7% | 197 | 129 |
4〜 人気 | 0- 1- 0-22/23 | 0.0% | 4.3% | 4.3% | 0 | 13 |
(表2 前走JRA・G1組の当日人気別成績、過去10年)
前走JRA・G1組の当日人気別成績を調べたところ、1〜3番人気【5.3.0.3】が勝率45.5%、連対率・複勝率72.7%と非常に優秀だった。冒頭に述べたジャンタルマンタルやアスコリピチェーノを含め、上位人気馬が期待に応えている傾向だ。4番人気以下で好走したのは21年2着ソングライン(7番人気)だけだった。
前走JRA・G2組は当日6番人気以下でも
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1〜5人気 | 1- 1- 1-11/14 | 7.1% | 14.3% | 21.4% | 26 | 45 |
6〜 人気 | 2- 1- 2-39/44 | 4.5% | 6.8% | 11.4% | 79 | 50 |
(表3 前走JRA・G2組の当日人気別成績、過去10年)
続いて前走JRA・G2組の当日人気別成績を調べたところ、1〜5番人気【1.1.1.11】が勝率7.1%、連対率14.3%、複勝率21.4%とあまり良くなかった。6番人気以下【2.1.2.39】も好走率は低いが、好走馬5頭を出し、単回収値79、複回収値50だった。その好走馬5頭には23年1着シャンパンカラー(9番人気)、2着ウンブライル(8番人気)などが該当した。
前走JRA・G3組も当日6番人気以下が面白い
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1〜5人気 | 1- 2- 2-14/19 | 5.3% | 15.8% | 26.3% | 37 | 61 |
6〜 人気 | 1- 1- 5-44/51 | 2.0% | 3.9% | 13.7% | 58 | 176 |
(表4 前走JRA・G3組の当日人気別成績、過去10年)
前走JRA・G3組も1〜5番人気【1.2.2.14】は勝率5.3%、連対率15.8%、複勝率26.3%と平凡だった。6番人気以下【1.1.5.44】は複勝回収値176と配当的な妙味があった。前哨戦のチャーチルダウンズC(旧アーリントンC)やファルコンSの勝ち馬の成績があまり良くないのが、こうした結果の要因になっていると考えられる。
前走JRAのG2・G3で5着以内ならば
前入線順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
前走1着 | 1- 1- 1- 26/ 29 | 3.4% | 6.9% | 10.3% | 24 | 27 |
前走2着 | 3- 3- 3- 18/ 27 | 11.1% | 22.2% | 33.3% | 170 | 131 |
前走3着 | 1- 0- 2- 16/ 19 | 5.3% | 5.3% | 15.8% | 116 | 70 |
前走4着 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 254 |
前走5着 | 0- 0- 2- 10/ 12 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0 | 89 |
前走6〜9着 | 0- 0- 1- 21/ 22 | 0.0% | 0.0% | 4.5% | 0 | 10 |
前走10着〜 | 0- 0- 1- 13/ 14 | 0.0% | 0.0% | 7.1% | 0 | 341 |
(表5 前走JRAのG2組・G3組の前走着順別成績、過去10年)
前走JRAのG2組・G3組の前走着順別成績を調べたところ、前走1着【1.1.1.26】よりも前走2着【3.3.3.18】や前走3着【1.0.2.16】の方が好走率は高かった。前走4着や前走5着でも期待でき、前走6着以下の場合は厳しいという印象だ。
ざっくりまとめると、前走JRA・G1組は前走着順が良く、レース当日も上位人気の馬を素直に狙えばよい。一方、前走JRAのG2組・G3組は前走5着以内かつ、レース当日あまり人気がない馬を狙うのが面白い。
【結論】
今年は混戦模様か
今年は皐月賞組が前走6着のマジックサンズだけ。桜花賞組は4頭の登録があり、この中では前走4着のマピュースが人気を集めそうだ。ただ、彼らがNHKマイルC当日3番人気以内に支持されるかは微妙なところだ。昨年と違い、今年は皐月賞組と桜花賞組が強力ではないので混戦模様だろう。
そんな中、上位人気になりそうなのは朝日杯フューチュリティSの勝ち馬アドマイヤズーム、チャーチルダウンズCの勝ち馬ランスオブカオス、ニュージーランドトロフィーを制したイミグラントソングあたりか。彼らも有力馬に含まれるが、馬券的に期待したいのは前走JRAのG2・G3で5着以内、かつレース当日あまり人気がない馬。
前走共同通信杯でマスカレードボールの5着だったサトノカルナバル、2走前のジュニアCでファンダム(次走毎日杯1着)と0.1秒の2着かつ前走ファルコンS2着のモンドデラモーレ、前走チャーチルダウンズC3着(上がり3ハロン1位)のミニトランザットあたりに注目してみたい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。