第1797回 【天皇賞(春) × 過去データ分析】京都改修後近2年の前走傾向から狙い馬を絞る|競馬情報ならJRA-VAN

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【天皇賞(春) × 過去データ分析】京都改修後近2年の前走傾向から狙い馬を絞る

2025/5/1(木)

今週は土曜に京都でユニコーンS、東京で京王杯スプリングC、日曜に京都で天皇賞(春)と3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは日曜に京都芝3200mを舞台に行われる天皇賞(春)をピックアップ、京都競馬場の改修後2023年以降近2年のレース傾向を中心に今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

4コーナー4番手以内の馬が2頭ずつ好走

年(馬場/頭数) 着順 馬名 性齢 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F
2024
(良/17頭)
1 テーオーロイヤル 牡6 3分14秒2 1 2 35秒0
2 ブローザホーン 牡5 2馬身 5 12 34秒6
3 ディープボンド 牡7 1/2馬身 6 1 35秒6
2023
(稍重/17頭)
1 ジャスティンパレス 牡4 3分16秒1 2 4 34秒9
2 ディープボンド 牡6 2馬身1/2 5 2 35秒6
3 シルヴァーソニック 牡7 1馬身 6 9 35秒1

(表1 天皇賞(春)近2年の3着以内馬一覧)

表1は京都競馬場改修後に行われた2023年以降近2年の3着以内馬一覧。稍重で行われた一昨年は2番人気ジャスティンパレスが優勝。昨年は良馬場でテーオーロイヤルが1番人気に応えて勝利している。またディープボンドが一昨年2着、昨年3着。同馬は阪神開催の21年・22年にも2着と好走している。過去10年ではフィエールマン、キタサンブラック、テーオーロイヤル、ディープボンド、シュヴァルグラン、カレンミロティックの6頭が複数年で好走しており、リピーター傾向があるレースといえる。また、近2年は6歳馬、7歳馬が2頭ずつ好走している点にも注意しておきたい。

4角通過順では4番手以内の馬が一昨年、昨年と2頭ずつ好走。4コーナー4番手以内の2頭と中団から差してきた1頭という構図になっている。好走馬の上がり3Fも最速で34秒台後半となっており、4コーナーで前めの位置につけてゴールまで流れ込めるスタミナのある馬が好走しやすい傾向となっている。

前走阪神大賞典1着馬が近2年連続優勝

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
阪神大賞典 2- 2- 1-11/16 12.5% 25.0% 31.3% 44 88
(前走1着) 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 355 150
(前走2着) 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走3着) 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0 125
(前走4着) 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走5着) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 370
(前走6〜9着) 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0 98
(前走10着以下) 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
RTH 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 400
その他のレース 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表2 天皇賞(春)近2年の前走レース別成績)

表2は前走レース別成績。前走阪神大賞典組が近2年の3着以内馬6頭中5頭を占めている。阪神大賞典組の前走着順別成績では、前走1着だったジャスティンパレス、テーオーロイヤルが2年連続で勝利している。これは近2年だけの傾向ではなく、過去10年でも前走阪神大賞典1着馬は【4.2.2.1】と安定して好走している。長距離レースが少ない現在のレース体系では本番に近いメンバーが揃う阪神大賞典を勝ったアドバンテージが大きいのだろう。昨年2着ブローザホーンは前走阪神大賞典3着から、ディープボンドは一昨年が阪神大賞典5着から本番2着、昨年は同7着から3着と巻き返している。

阪神大賞典組以外は一昨年3着シルヴァーソニックが前走サウジアラビアのレッドシーターフハンデキャップ(RTH)1着からの参戦だった。

前走3着以内で継続騎乗の馬が好成績

前走騎手から 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
継続騎乗 2- 2- 1-12/17 11.8% 23.5% 29.4% 41 77
(前走1〜3着) 2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 78 105
(前走4着以下) 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0 46
乗り替わり 0- 0- 1-16/17 0.0% 0.0% 5.9% 0 28

(表3 天皇賞(春)近2年の前走から継続騎乗か乗り替わりかの比較)

表3は前走から騎手が継続騎乗か乗り替わりかの比較で、継続騎乗の場合は前走1〜3着と前走4着以下の成績も示している。前走から継続騎乗の馬が好走馬6頭中5頭を占めており、なかでも前走1〜3着だった馬が連対率33.3%・複勝率44.4%と非常に高い。継続騎乗の馬で前走4着以下から好走したのは一昨年2着のディープボンドのみとなっている。乗り替わりの馬で好走したのは昨年3着のディープボンドのみと厳しい。

先週の京都芝は好走馬の大半が4角7番手以内

4角位置 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
4角1番手 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 74 38
7番手以内 6- 6- 6-34/52 11.5% 23.1% 34.6% 48 61
10番手以下 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 616 83

(表4 先週(4/26~27)における京都芝レースの4角位置別成績)

※1勝クラス以上の計7レースが対象。

表4は先週(4/26~27)の京都芝レース7鞍における4角位置別成績。4コーナー1番手の馬は1着2回のみだったが、7番手以内となると6勝、3着以内馬21頭中18頭と大半を占めていた。一方、4コーナー10番手以下となると1着1回のみと後方からでは厳しい。

2回京都開催の開幕週だった先週は逃げ馬天国というわけではなく、先行・中団でレースを進めた馬が好走馬の大半を占めていた。今週も先行、中団馬が中心になると想定される。

【結論】

阪神大賞典快勝のサンライズアースを中心視!

今年の天皇賞(春)の注目馬は表5のとおり。

馬名 前走成績
サンライズアース 阪神大賞典 1着
ショウナンラプンタ 阪神大賞典 4着
ジャスティンパレス 大阪杯 6着
ハヤテノフクノスケ 阪神RO記念(3勝クラス) 1着
ビザンチンドリーム RTH 1着
ブローザホーン 阪神大賞典 3着
ヘデントール ダイヤモンドS 1着
マイネルエンペラー 日経賞 1着

(表5 今年の天皇賞(春)の注目馬)

※4/30時点。フルゲート18頭。

近2年のレース傾向から前走阪神大賞典組が中心、なかでも近2年連続で勝利している前走1着馬のサンライズアースを中心視する。格上挑戦だった前走はレース前半逃げていたところを交わされて2番手に控え、残り6ハロンからペースを上げて直線早め先頭から2着に6馬身差をつけた。それまでは2400mまでの距離を使われてきたが、3000mのレースで強さを発揮。2番手で勝利できたのは大きな収穫で、今回も前走に引き続き池添謙一騎手が騎乗予定なのも歓迎材料。直線早め先頭からの押し切りに期待したい。

ヘデントールは前走ダイヤモンドSで4馬身差の快勝。前走戸崎騎手から今回レーン騎手への乗り替わり予定だが、前走ダイヤモンドS組、乗り替わりともにマイナス材料で、強調できない。

他ではリピーター傾向から昨年2着・前走阪神大賞典3着のブローザホーン、一昨年3着シルヴァーソニックと同じ前走レッドシーターフハンデキャップ1着からの参戦となるビザンチンドリームを狙ってみたい。なお、ジャスティンパレスは一昨年優勝時が前走阪神大賞典だったのに対して、今年は前走大阪杯から大幅距離延長となる。それでも地力が上の可能性はあるが、上記2頭からは一枚割り引いて考えたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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