第1788回 【チューリップ賞 × 過去データ分析】前走G1上位馬を信頼!|競馬情報ならJRA-VAN

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【チューリップ賞 × 過去データ分析】前走G1上位馬を信頼!

2025/2/27(木)

今週は阪神競馬場がリニューアルオープン。開幕週には桜花賞トライアル・チューリップ賞が組まれている。1994年の重賞昇格以降、長く土曜日の重賞として親しまれてきたレースだが、今年は初めて日曜日に行われる。今回はそのチューリップ賞について、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して分析したい。

1、2番人気が好成績も、穴馬にも要注意

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 過去3年
1 5-1-1-3/10 50.0% 60.0% 70.0% 1-0-0-2
2 1-1-5-3/10 10.0% 20.0% 70.0% 0-0-2-1
3 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 0-0-0-3
4 1-1-1-7/10 10.0% 20.0% 30.0% 0-0-0-3
5 2-0-0-8/10 20.0% 20.0% 20.0% 1-0-0-2
6 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0-1-0-2
7 1-2-1-6/10 10.0% 30.0% 40.0% 1-0-0-2
8〜 0-2-2-68/72 0.0% 2.8% 5.6% 0-2-1-24

(表1 人気別成績)

過去10年、1番人気が【5.1.1.3】で勝率50.0%、複勝率70.0%。2番人気も複勝率は70.0%で並び、この1、2番人気が好成績だ。ただ、2022年以降は3着以内の好走馬9頭中6頭を5番人気以下の馬が占めており、今年も穴馬には注意したい。

前走はG1組、リステッド競走組が中心

前走クラス 2015〜18年 2019〜24年
着別度数 複勝率 着別度数 複勝率
新馬 0-1-0-2/3 33.3% 0-1-1-3/5 40.0%
未勝利 0-0-0-4/4 0.0% 0-1-1-13/15 13.3%
1勝 0-0-1-14/15 6.7% 1-0-1-23/25 8.0%
OPEN(非L) 1-0-0-16/17 5.9% 0-0-0-0/0
OPEN(L) 0-0-0-0/0 2-2-1-9/14 35.7%
G3 0-3-0-2/5 60.0% 0-0-0-14/14 0.0%
G1 3-0-3-5/11 54.5% 4-1-2-7/14 50.0%

(表2 前走クラス別成績)

※競走除外も前走扱いとする

前走クラス別の成績を調べると、2018年以前と19年以降で傾向が異なることがわかった。2019年はエルフィンSや紅梅Sがリステッド競走になった年で、この年を境に前走G3組の好走がなくなり、かわってリステッド競走組が台頭。このリステッド競走組と、10年通して好成績のG1組が主力になっている。また、該当馬は少ないが新馬戦組も軽視禁物だ。

前走G1なら4着以内馬

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1着 3-0-2-0/5 60.0% 60.0% 100.0%
2着 1-0-3-1/5 20.0% 20.0% 80.0%
3着 1-1-0-3/5 20.0% 40.0% 40.0%
4着 2-0-0-2/4 50.0% 50.0% 50.0%
5着 0-0-0-0/0
6着以下 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0%

(表3 前走G1組の前走着順別成績)

前走G1組について前走着順別の成績を調べると、4着以内だった馬が【7.1.5.6】複勝率68.4%をマークするのに対し、6着以下だった馬は【0.0.0.6】(前走5着は該当なし)。G1の強敵相手に4着以内に入っていた馬は安定しており、特に前走連対馬はかなり信頼性が高い。

リステッド競走組は前走1番人気馬か2〜3着馬

馬名 チューリップ賞 前走
人気 着順 レース 人気 着順
2019 ノーブルスコア 7 3 エルフィンS 2 3
2021 エリザベスタワー 3 1 1 9
2023 コナコースト 6 2 4 2
2024 スウィープフィート 5 1 3 2
セキトバイースト 9 2 紅梅S 3 2

(表4 前走オープン特別(リステッド競走)からの好走馬)

前走リステッド競走組は該当する14頭すべてがエルフィンSまたは紅梅Sに出走していた。このうち3着以内の好走馬は表4の5頭で、エルフィンS組が4頭、紅梅S組が1頭。前走で1番人気の支持を受けていたか、2〜3着に入っていたことが共通点だ(前走1着馬は【0.0.0.2】)。

新馬戦組なら中9週以上

馬名 チューリップ賞 間隔 新馬戦
人気 着順 人気 着順
2017 ミスパンテール 7 2 中30週 3 1
2022 ピンハイ 13 2 中20週 7 1
2023 ペリファーニア 2 3 中9週 1 1

(表5 前走新馬戦からの好走馬)

最後に表5は前走新馬戦組の好走馬。前走距離は芝1400m、1500m、1600mが1頭ずつで、前走人気やチューリップ賞での人気はまちまちだが、3頭とも前走から中9週以上のゆったりした間隔で出走していた。前年のうちに新馬戦を勝ち上がっていることが好走条件になる。

【結論】

阪神ジュベナイルフィリーズ2着のビップデイジーが有力!

以上のデータから、今年のチューリップ賞登録馬ではビップデイジーが有力だ。新馬戦、紫菊賞と2連勝していながら前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは8番人気にとどまったが、中団から脚を伸ばして2着に好走。表3で触れたように前走G1で連対していた馬は信頼性が高く、今回2番人気以内に支持されそうなこともプラス材料になる(表1)。

また、ここ3年は穴馬の好走が目立つことから、前走で新馬戦を勝ち上がったメイショウタマユラにも注目したい。新馬戦組の好走馬3頭はすべて中9週以上で(表5)、今年該当するのはこの馬1頭だ。

その他では、前走の阪神ジュベナイルフィリーズで5着だったスリールミニョン。前走がG1で5着だった馬は過去10年出走がないため判断は難しいが、好走馬が出ている前走4着以内と同じグループと考えれば軽視はできない。また紅梅Sを勝ってきたナムラクララも、リステッド競走組の好走条件を「前走2〜3着」ではなく「前走3着以内」とすれば候補に挙げられる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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