【チューリップ賞 × 過去データ分析】前走G1上位馬を信頼!
2025/2/27(木)
今週は阪神競馬場がリニューアルオープン。開幕週には桜花賞トライアル・チューリップ賞が組まれている。1994年の重賞昇格以降、長く土曜日の重賞として親しまれてきたレースだが、今年は初めて日曜日に行われる。今回はそのチューリップ賞について、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析したい。
1、2番人気が好成績も、穴馬にも要注意
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 過去3年 |
1 | 5-1-1-3/10 | 50.0% | 60.0% | 70.0% | 1-0-0-2 |
2 | 1-1-5-3/10 | 10.0% | 20.0% | 70.0% | 0-0-2-1 |
3 | 1-1-0-8/10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% | 0-0-0-3 |
4 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% | 0-0-0-3 |
5 | 2-0-0-8/10 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 1-0-0-2 |
6 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0-1-0-2 |
7 | 1-2-1-6/10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% | 1-0-0-2 |
8〜 | 0-2-2-68/72 | 0.0% | 2.8% | 5.6% | 0-2-1-24 |
(表1 人気別成績)
過去10年、1番人気が【5.1.1.3】で勝率50.0%、複勝率70.0%。2番人気も複勝率は70.0%で並び、この1、2番人気が好成績だ。ただ、2022年以降は3着以内の好走馬9頭中6頭を5番人気以下の馬が占めており、今年も穴馬には注意したい。
前走はG1組、リステッド競走組が中心
前走クラス | 2015〜18年 | 2019〜24年 | ||
着別度数 | 複勝率 | 着別度数 | 複勝率 | |
新馬 | 0-1-0-2/3 | 33.3% | 0-1-1-3/5 | 40.0% |
未勝利 | 0-0-0-4/4 | 0.0% | 0-1-1-13/15 | 13.3% |
1勝 | 0-0-1-14/15 | 6.7% | 1-0-1-23/25 | 8.0% |
OPEN(非L) | 1-0-0-16/17 | 5.9% | 0-0-0-0/0 | … |
OPEN(L) | 0-0-0-0/0 | … | 2-2-1-9/14 | 35.7% |
G3 | 0-3-0-2/5 | 60.0% | 0-0-0-14/14 | 0.0% |
G1 | 3-0-3-5/11 | 54.5% | 4-1-2-7/14 | 50.0% |
(表2 前走クラス別成績)
※競走除外も前走扱いとする
前走クラス別の成績を調べると、2018年以前と19年以降で傾向が異なることがわかった。2019年はエルフィンSや紅梅Sがリステッド競走になった年で、この年を境に前走G3組の好走がなくなり、かわってリステッド競走組が台頭。このリステッド競走組と、10年通して好成績のG1組が主力になっている。また、該当馬は少ないが新馬戦組も軽視禁物だ。
前走G1なら4着以内馬
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1着 | 3-0-2-0/5 | 60.0% | 60.0% | 100.0% |
2着 | 1-0-3-1/5 | 20.0% | 20.0% | 80.0% |
3着 | 1-1-0-3/5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
4着 | 2-0-0-2/4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
5着 | 0-0-0-0/0 | … | … | … |
6着以下 | 0-0-0-6/6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表3 前走G1組の前走着順別成績)
前走G1組について前走着順別の成績を調べると、4着以内だった馬が【7.1.5.6】複勝率68.4%をマークするのに対し、6着以下だった馬は【0.0.0.6】(前走5着は該当なし)。G1の強敵相手に4着以内に入っていた馬は安定しており、特に前走連対馬はかなり信頼性が高い。
リステッド競走組は前走1番人気馬か2〜3着馬
年 | 馬名 | チューリップ賞 | 前走 | |||
人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | ||
2019 | ノーブルスコア | 7 | 3 | エルフィンS | 2 | 3 |
2021 | エリザベスタワー | 3 | 1 | 1 | 9 | |
2023 | コナコースト | 6 | 2 | 4 | 2 | |
2024 | スウィープフィート | 5 | 1 | 3 | 2 | |
セキトバイースト | 9 | 2 | 紅梅S | 3 | 2 |
(表4 前走オープン特別(リステッド競走)からの好走馬)
前走リステッド競走組は該当する14頭すべてがエルフィンSまたは紅梅Sに出走していた。このうち3着以内の好走馬は表4の5頭で、エルフィンS組が4頭、紅梅S組が1頭。前走で1番人気の支持を受けていたか、2〜3着に入っていたことが共通点だ(前走1着馬は【0.0.0.2】)。
新馬戦組なら中9週以上
年 | 馬名 | チューリップ賞 | 間隔 | 新馬戦 | ||
人気 | 着順 | 人気 | 着順 | |||
2017 | ミスパンテール | 7 | 2 | 中30週 | 3 | 1 |
2022 | ピンハイ | 13 | 2 | 中20週 | 7 | 1 |
2023 | ペリファーニア | 2 | 3 | 中9週 | 1 | 1 |
(表5 前走新馬戦からの好走馬)
最後に表5は前走新馬戦組の好走馬。前走距離は芝1400m、1500m、1600mが1頭ずつで、前走人気やチューリップ賞での人気はまちまちだが、3頭とも前走から中9週以上のゆったりした間隔で出走していた。前年のうちに新馬戦を勝ち上がっていることが好走条件になる。
【結論】
阪神ジュベナイルフィリーズ2着のビップデイジーが有力!
以上のデータから、今年のチューリップ賞登録馬ではビップデイジーが有力だ。新馬戦、紫菊賞と2連勝していながら前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは8番人気にとどまったが、中団から脚を伸ばして2着に好走。表3で触れたように前走G1で連対していた馬は信頼性が高く、今回2番人気以内に支持されそうなこともプラス材料になる(表1)。
また、ここ3年は穴馬の好走が目立つことから、前走で新馬戦を勝ち上がったメイショウタマユラにも注目したい。新馬戦組の好走馬3頭はすべて中9週以上で(表5)、今年該当するのはこの馬1頭だ。
その他では、前走の阪神ジュベナイルフィリーズで5着だったスリールミニョン。前走がG1で5着だった馬は過去10年出走がないため判断は難しいが、好走馬が出ている前走4着以内と同じグループと考えれば軽視はできない。また紅梅Sを勝ってきたナムラクララも、リステッド競走組の好走条件を「前走2〜3着」ではなく「前走3着以内」とすれば候補に挙げられる。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。