【共同通信杯×過去データ分析】クラシックに繋がる一戦を制する馬は?
2025/2/13(木)
今週は日曜日に東京競馬場で共同通信杯が行われる。過去10年の勝ち馬を見ると、リアルスティール、ディーマジェスティ、スワーヴリチャード、ダノンキングリー、エフフォーリア、ファントムシーフ、ジャスティンミラノの計7頭が皐月賞や日本ダービーで好走。今や共同通信杯は春のクラシックに向けた最重要レースになっている。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。
前走新馬の成績が優秀
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
新馬 | 3- 3- 2- 7/15 | 20.0% | 40.0% | 53.3% | 110 | 150 |
未勝利 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1勝 | 4- 2- 1-16/23 | 17.4% | 26.1% | 30.4% | 133 | 77 |
OPEN非L | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
OPEN(L) | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 1- 1- 6-22/30 | 3.3% | 6.7% | 26.7% | 10 | 158 |
G2 | 1- 0- 1- 5/ 7 | 14.3% | 14.3% | 28.6% | 322 | 100 |
G1 | 1- 4- 0-10/15 | 6.7% | 33.3% | 33.3% | 27 | 67 |
JRA重賞 | 3- 5- 7-37/52 | 5.8% | 15.4% | 28.8% | 57 | 124 |
地方 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表1 共同通信杯の前走クラス別成績、過去10年)
過去10年の前走クラス別成績を調べたところ、新馬【3.3.2.7】が勝率20.0%、連対率40.0%、複勝率53.3%、単勝回収値110、複勝回収値150と優秀だった。対照的に未勝利【0.0.0.10】は好走例がなかった。前走JRA重賞【3.5.7.37】(前走ホープフルS取消のディーマジェスティも含む)や前走1勝クラス【4.2.1.16】と比較しても、新馬の方が明らかに成績優秀だった。力があればキャリア1戦馬でも、重賞実績馬に勝つことができる一戦だ。
新馬を1〜2番人気で勝ちたい
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
前走1人気 | 2- 3- 2- 4/11 | 18.2% | 45.5% | 63.6% | 90 | 185 |
前走2人気 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 660 | 210 |
前走3人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走4人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
前走5人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9人 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 新馬組の前走人気別成績、過去10年)
新馬組の前走人気別成績を調べたところ、前走1番人気【2.3.2.4】だったケースが圧倒的に多く、成績も優秀だった。前走2番人気【1.0.0.0】はわずか1頭で、該当馬はジャスティンミラノだ。前走3番人気以下【0.0.0.3】は好走がなく、1〜2番人気で新馬を勝っていることが大事だ。なお、共同通信杯当日の人気はあまり重要ではない。2番人気に支持された21年シャフリヤールは3着、23年タスティエーラは4着に敗退するなど、後の日本ダービー馬でも敗れている。一方、21年2着ヴィクティファルスは7番人気で連対を果たしており、伏兵の食い込みも見込める。
ホープフルS組と東スポ杯2歳S組が有力
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
東京スポG3 | 1- 0- 1- 2/ 4 | 25.0% | 25.0% | 50.0% | 77 | 62 |
ホープフG2 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 452 | 114 |
ホープフG1 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 102 | 37 |
フューチG1 | 0- 4- 0- 7/11 | 0.0% | 36.4% | 36.4% | 0 | 78 |
京成杯G3 | 0- 1- 2-10/13 | 0.0% | 7.7% | 23.1% | 0 | 188 |
京都2歳G3 | 0- 0- 2- 5/ 7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% | 0 | 231 |
シンザンG3 | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0 | 110 |
東京スポG2 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 65 |
新潟2歳G3 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
札幌2歳G3 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表3 JRA重賞組の前走レース別成績、過去10年)
前走JRA重賞組の前走レース別成績を調べたところ、ホープフルS組と東京スポーツ杯2歳S組の成績が優秀だった。ホープフルS組は、前走1着馬ハートレーが共同通信杯で9着、3着だったステイフーリッシュは10着と敗れたのに対し、ホープフルSを取消になったディーマジェスティ(その前走は未勝利戦1番人気1着)と4着だったファントムシーフが共同通信杯を勝利した。前走着順はあまり気にしなくてよさそうだ。
東スポ杯2歳S組の6頭はすべて前走3着以内に好走していた。このうち前走2着のスワーヴリチャードが17年1着、ダノンザタイガーが23年3着、前走3着のムーヴザワールドが17年3着。東スポ杯2歳Sは21年にG2へと格上げされたが、傾向の違いはあまりなく「前走3着以内に好走していた馬」に注目すべきといえそうだ。
前走朝日杯フューチュリティS【0.4.0.7】は勝ち馬こそ出ていないが、連対率・複勝率は36.4%と優秀だ。あとは、京成杯【0.1.2.10】や京都2歳S【0.0.2.5】といった芝2000m重賞組が2〜3着候補だ。
前走1勝クラス組は6番人気以内にチャンス
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1番人気 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 130 |
2番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
3番人気 | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 340 | 156 |
4番人気 | 1- 0- 1- 1/ 3 | 33.3% | 33.3% | 66.7% | 226 | 163 |
5番人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
6番人気 | 1- 1- 0- 1/ 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% | 453 | 233 |
7番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
8番人気 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
9番人気 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
10番人気 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
11番人気 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
12番人気 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表4 1勝クラス組の人気別成績、過去10年)
最後に前走1勝クラス組の今回人気別成績を調べたところ、3番人気【2.0.0.1】が好成績だった。また4〜6番人気【2.1.1.3】が勝率28.6%、連対率42.9%、複勝率57.1%、単勝回収値291、複勝回収値170と配当的にも狙い目だ。2番人気は該当馬がなく、1番人気【0.1.0.0】も連対はしているので、6番人気以内の馬にチャンスがある。一方、7番人気以下【0.0.0.12】は厳しい。
【結論】
連軸はレッドキングリーか
まず前走JRA重賞組はレッドキングリーが最有力だろう。東京芝2000mの新馬を完勝し、前走東スポ杯2歳Sで3着と好走。その東スポ杯2歳Sを勝利したクロワデュノールは次走ホープフルSも制してクラシックで本命視されている。また2着サトノシャイニングも先日のきさらぎ賞を3馬身差で快勝したことで、レッドキングリーに対する評価も高まった。
ネブラディスクは前走京都芝2000mの新馬を2番人気で勝利。1戦1勝ながら打倒レッドキングリーに挑む。もし勝利することができれば、皐月賞や日本ダービーでも大いに楽しみになる。
前走1勝クラス組はカラマティアノス、リトルジャイアンツ、ワンモアスマイルあたりが有力か。中でも配当妙味がありそうな4〜6番人気の馬に注目してみたい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。