第1787回 【フェブラリーS×過去データ分析】ふたつの東京ダートG3の内容に注目!|競馬情報ならJRA-VAN

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【フェブラリーS×過去データ分析】ふたつの東京ダートG3の内容に注目!

2025/2/20(木)

中央競馬で1年最初のG1は、もちろん今年もフェブラリーS。マイル前後で無類の強さを誇ったレモンポップが引退し、このカテゴリーの次期王座を巡る一戦を、過去10年のデータから展望する。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

根岸S組の好走は前走1、2着馬のみ

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走着順 前走1着 4- 1- 1- 2/ 8 50.0% 62.5% 75.0% 260 151
前走2着 0- 1- 2- 2/ 5 0.0% 20.0% 60.0% 0 184
前走3着〜 0- 0- 0-38/38 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走上がり順 上がり1〜5位 4- 2- 3-16/25 16.0% 24.0% 36.0% 83 85
上がり6位〜 0- 0- 0-26/26 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表1 前走根岸S出走馬に関するデータ)

過去10年のフェブラリーS1着馬の前走は、根岸Sが4勝、チャンピオンズCとプロキオンS(注:24年までの東海Sに相当)が各3勝となっている。そこで、この3レースにまつわるデータを確認したい。

上記3レースのうち、もっとも明確な傾向が出ているのが前走根岸S組だ。表1のとおり、この組は、根岸Sで1〜2着および上がり1〜5位を記録していることがフェブラリーS好走の必須条件と言っていい。

前走チャンピオンズC出走馬は若い馬ほど有望

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走着順 前走1〜2着 0- 2- 0- 0/ 2 0.0% 100.0% 100.0% 0 125
前走3〜5着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走6〜9着 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 55 115
前走10着〜 2- 0- 2- 3/ 7 28.6% 28.6% 57.1% 144 144
年齢 4歳 2- 1- 1- 0/ 4 50.0% 75.0% 100.0% 207 222
5歳 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 72 78
6歳〜 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0 85

(表2 前走チャンピオンズC出走馬に関するデータ)

前走チャンピオンズC組は10着以下からの巻き返しが好走の半数を占め、前走着順は気にしなくてよさそう。傾向が出ているのは年齢別成績(フェブラリーS出走時)だ。4歳馬は【2.1.1.0】とオール好走を果たし、5歳馬も【1.1.1.4】と悪くない。しかし、6歳以上馬は【0.1.0.5】と、このローテーションを採用したケースでは若い馬ほど好結果という傾向が見て取れる。

前走プロキオンSで先行して勝ち切った馬

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走着順 前走1着 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 78 113
前走2着〜 1- 1- 0-12/14 7.1% 14.3% 14.3% 271 82
前走4角 1〜3番手 3- 0- 1- 8/12 25.0% 25.0% 33.3% 355 127
4番手以下 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0 37

(表3 前走プロキオンS出走馬に関するデータ)

前走プロキオンS組のデータは、24年までの東海Sを準用する。この場合、前走1着ならフェブラリーSで複勝率50.0%を誇る一方、2着以下だと複勝率14.3%にダウン。また、全3勝を前走4角1〜3番手だった馬が挙げ、4番手以降だった馬は数値を落とす。両方を満たす「前走プロキオンSで4角1〜3番手から1着」だった馬の成績は【2.0.1.2】となる。

前走地方戦なら距離延長馬

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走着順 前走1着 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走2着〜 0- 3- 3-32/38 0.0% 7.9% 15.8% 0 109
前走距離 今回延長 0- 1- 1- 5/ 7 0.0% 14.3% 28.6% 0 180
同距離 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
今回短縮 0- 2- 2-34/38 0.0% 5.3% 10.5% 0 76

(表4 前走地方戦出走馬に関するデータ)

前走が地方戦という馬の出走も少なくないが、全体で【0.3.3.44】と苦戦気味。興味深いのは前走着順で、前走1着馬は【0.0.0.12】と好走がなく、前走2着以下馬がすべての2〜3着をマーク。また、距離に関しては「今回延長」が複勝率28.6%と悪くない。そして、「前走2着以下」かつ「今回延長」に該当した馬は【0.1.1.1】という成績で、馬券圏外の1頭も4着まで来ており、該当すれば侮れない存在となりうる。

前年の武蔵野S1〜5着馬は要注目

前年の武蔵野Sで 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
着順 1〜5着 4- 2- 5-15/26 15.4% 23.1% 42.3% 88 110
6着〜 0- 1- 1-12/14 0.0% 7.1% 14.3% 0 95
上がり順 上がり1〜5位 4- 2- 5-13/24 16.7% 25.0% 45.8% 95 152
上がり6位〜 0- 1- 1-14/16 0.0% 6.3% 12.5% 0 33

(表5 前年の武蔵野S出走馬に関するデータ)

フェブラリーSでは、前年秋に同条件の武蔵野Sに出走した馬が好走するケースが目立つ。そこでチェックしたいのが、武蔵野Sの着順と上がり順だ。表5のとおり、着順なら1〜5着、上がり順なら1〜5位だった馬が、どちらもフェブラリーSで複勝率40%以上を記録し、有望な存在となりうる。

【結論】

エンペラーワケアとコスタノヴァはデータも申し分ない

以上の分析に基づき、今年のフェブラリーSで期待できそうな馬を紹介していこう。

前走根岸S組は、そこで1〜2着に入り、上がり1〜5位を記録しておくことが必須。今年該当するのは根岸S1着、上がり2位のコスタノヴァである。

前走チャンピオンズC組は、フェブラリーS出走時4歳ならオール好走というデータがあるが、今年は該当馬なし。また、5歳のセラフィックコールは除外対象となっている。ほかに6歳以上が4頭おり、昨年1着のペプチドナイル、2着のガイアフォースも含まれる。該当馬は苦戦のデータを覆し、2年連続好走を果たせるか。

前走プロキオンS組は、そこで4角1〜3番手から1着だった馬の好走率が高く、今年逃げ切ったサンデーファンデーはこの条件に合致。そのほか、4角6番手から2着のサンライズジパングより、4角3番手から3着のドゥラエレーデのほうがデータには沿っている。

前走地方戦の場合、前走1着だと好走例がなく、距離延長が悪くない成績だった。今年の登録馬では、前走兵庫ゴールドT(1400m)で2着のサンライズホークと12着のヘリオスがこのパターンに該当する。ただし、除外対象の前者はかきつばた賞に出走予定と報じられ、後者は過去10年で好走例がない地方所属馬である。

前年の武蔵野S出走馬は、そこで1〜5着に入るか、上がり1〜5位を記録していると有望で、エンペラーワケアは1着、上がり5位で文句なし。4着のペイシャエスと5着のサンライズホークもいるが、両馬とも除外対象となっている。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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