【根岸S × 過去データ分析】前走上位人気で連対した馬に注目!
2025/1/30(木)
1年のうちでもっとも寒い時期を迎えているが、中央競馬では早くもG1へ向けたステップレースがスタート。今週は東京競馬場でフェブラリーSの前哨戦・根岸S、京都競馬場では高松宮記念の前哨戦・シルクロードSが行われる。今回は2月末の「本番」に近い根岸Sについて、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析したい。
1、2番人気が高複勝率
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 6-2-0-2/10 | 60.0% | 80.0% | 80.0% |
2 | 1-2-4-3/10 | 10.0% | 30.0% | 70.0% |
3 | 1-2-0-7/10 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
4 | 0-1-2-7/10 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5 | 0-0-1-9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6 | 2-2-0-6/10 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
7 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9 | 0-0-1-9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
10 | 0-1-1-8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
11〜 | 0-0-1-56/57 | 0.0% | 0.0% | 1.8% |
(表1 人気別成績)
過去10年、1番人気が【6.2.0.2】で勝率60.0%、連対率・複勝率80.0%をマーク。2番人気も複勝率70.0%の好成績だ。3、4、6番人気は同30.0〜40.0%で、3着以内の好走馬30頭中26頭は6番人気以内に収まっている。7番人気以下の馬が同一年に複数好走したことはない。
4〜6歳馬が中心、8歳の穴馬を警戒
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 7番人気以下 |
4歳 | 3-2-2-11/18 | 16.7% | 27.8% | 38.9% | 0-0-0-65 |
5歳 | 4-2-2-25/33 | 12.1% | 18.2% | 24.2% | |
6歳 | 3-3-3-31/40 | 7.5% | 15.0% | 22.5% | |
7歳 | 0-1-0-32/33 | 0.0% | 3.0% | 3.0% | |
8歳 | 0-2-3-18/23 | 0.0% | 8.7% | 21.7% | 0-1-3-18 |
9歳以上 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-10 |
(表2 年齢別成績)
年齢別では4歳が複勝率38.9%でトップ。5歳が最多の4勝、6歳も複勝率は22.5%と上々で、優勝馬はすべて6歳以下。この4〜6歳馬が中心になる。ただ勝ち馬不在とはいえ、7番人気以下の好走馬4頭はすべて8歳から出ているため、穴を狙うなら8歳馬への注目は欠かせない。
狙いは年明け初戦馬
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
連闘 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
中1週 | 0-0-0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
中2週 | 0-0-2-14/16 | 0.0% | 0.0% | 12.5% |
中3週 | 0-0-0-7/7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
中4〜8週 | 6-6-6-61/79 | 7.6% | 15.2% | 22.8% |
中9〜24週 | 4-4-2-29/39 | 10.3% | 20.5% | 25.6% |
半年以上 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表3 レース間隔別成績)
表3は前走からのレース間隔別の成績である(便宜上、表3以降は競走除外も前走扱いとする)。中3週以下だった馬は計【0.0.2.35】と連対がなく、3着馬も2頭のみ。前走から中4週以上半年未満だった馬に好走馬が集中している。根岸Sは1月末から2月初旬に行われているため、年明け初戦の馬が狙いだ。
前走はJRAのオープン・重賞
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3勝 | 1-0-0-4/5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
OPEN | 0-5-6-53/64 | 0.0% | 7.8% | 17.2% |
中央G3 | 5-3-1-29/38 | 13.2% | 21.1% | 23.7% |
中央G2 | 0-0-0-4/4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
中央G1 | 3-1-3-11/18 | 16.7% | 22.2% | 38.9% |
障害 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
地方 | 1-1-0-24/26 | 3.8% | 7.7% | 7.7% |
海外 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表4 前走クラス別成績)
前走はJRAのオープン・重賞だった馬が計【8.9.10.97】と好走馬の大半を占め複勝率21.8%。対してダートグレード競走を中心とした地方競馬のレースに出走していた馬は【1.1.0.24】同7.7%にとどまる。この組で好走した2頭は前走で1番人気に支持されて連対していた。なお、今年は前走3勝クラス出走馬の登録はなかった。
前走1〜2番人気で連対した馬は信頼性抜群
前走人気・着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 5-2-3-6/16 | 31.3% | 43.8% | 62.5% |
2番人気 | 0-3-1-5/9 | 0.0% | 33.3% | 44.4% |
3〜5番人気 | 0-2-3-28/33 | 0.0% | 6.1% | 15.2% |
6〜9番人気 | 1-1-2-27/31 | 3.2% | 6.5% | 12.9% |
10番人気以下 | 1-1-1-20/23 | 4.3% | 8.7% | 13.0% |
1着 | 1-5-2-16/24 | 4.2% | 25.0% | 33.3% |
2着 | 3-2-1-9/15 | 20.0% | 33.3% | 40.0% |
3〜5着 | 2-1-3-21/27 | 7.4% | 11.1% | 22.2% |
6〜9着 | 1-1-3-21/26 | 3.8% | 7.7% | 19.2% |
10着以下 | 0-0-1-19/20 | 0.0% | 0.0% | 5.0% |
(表5 前走人気、前走着順別成績 前走JRAダートのOP、重賞出走馬)
表4で好走馬の多かった前走JRAのオープン・重賞組について、前走がダート戦だった馬にかぎって前走人気・前走着順別成績を調べたのが表5である。前走1〜2番人気馬や前走1〜2着馬の成績が良く、そのどちらも満たす「1〜2番人気で連対」してきた馬は【4.5.3.3】複勝率80.0%と信頼性は抜群だ。
なお、2022年以降にかぎると好走馬9頭中8頭が前走2番人気以内で、同じく8頭が前走で連対していた。前走がJRAダートのオープン・重賞ではなかったとしても、前走「1〜2番人気で連対」は重要なチェックポイントになっている。
【結論】
前走霜月S1番人気1着のロードフォンスが最有力!
表5本文で記したように、根岸Sは前走でJRAダートのオープン・重賞に出走し「1〜2番人気で連対」してきた馬の信頼性が高い。今年の登録馬ではバトゥーキ、フリームファクシ、そしてロードフォンスの3頭が該当する。しかしバトゥーキは本稿執筆時点では除外対象で、フリームファクシは年明けのすばるSから中2週と間隔が詰まっている(表3)。よって、前走の霜月S(11月)を1番人気で勝ってきたロードフォンスが最有力だ。2022年には本馬と同じく前走霜月S1番人気1着のヘリオスが4番人気で2着に入っている。フリームファクシはレース間隔こそ不安だが、単に「前走1〜2番人気で連対」というだけでもプラス評価は可能で(表5本文)、2番人気以内に推される可能性がかなり高そうな点も好材料になる(表1)。
その他では年明け初戦馬のうち、前走が中央で1〜2着だったアルファマムやアームズレイン、クロジシジョー、前走中央で2番人気だったサンライズフレイムあたりが候補。穴狙いなら8歳のメイショウテンスイ(ベルダーイメルは除外対象、タガノビューティーは6番人気以内か)や、前走が芝ではあるが「1〜2番人気で連対」は満たすバルサムノートがおもしろそうだ。なお、前走が海外(BCスプリント)だったドンフランキーはデータ以外の要素から取捨を考えたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。