【チャンピオンズC×過去データ分析】今年は3歳に斤量の恩恵!?
2024/11/28(木)
今週末のG1はダートのチャンピオンズC。昨年の覇者レモンポップの引退レースとしても注目される一戦を、過去10年のデータから読み解いていきたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
安定感では3歳馬が一歩リード
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
3歳 | 2- 2- 2-12/18 | 11.1% | 22.2% | 33.3% | 35 | 118 |
4歳 | 2- 1- 1-36/40 | 5.0% | 7.5% | 10.0% | 40 | 66 |
5歳 | 4- 2- 3-26/35 | 11.4% | 17.1% | 25.7% | 88 | 81 |
6歳 | 2- 4- 2-25/33 | 6.1% | 18.2% | 24.2% | 249 | 122 |
7歳 | 0- 1- 2-17/20 | 0.0% | 5.0% | 15.0% | 0 | 105 |
8歳以上 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表1 年齢別成績)
年齢別で安定しているのは3歳。通常古馬との斤量差は1キロだが、今年は日程の関係で2キロ軽い56キロ(牡馬)で出走可能で、例年より有利という見方もできる。なお、前回3歳が古馬より2キロ軽い斤量で出走できた19年は、3歳のクリソベリルが勝利した。4歳の成績は案外で、好走率で5歳や6歳の後塵を拝している。6歳は単複、7歳は複勝の回収値が高く、高齢馬の激走にも注意したい。
前走地方出走が過去10年で9勝
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
オープン特別 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
リステッド競走 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
中央G3 | 1- 4- 5-63/73 | 1.4% | 6.8% | 13.7% | 10 | 57 |
中央G2 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0 | 890 |
中央G1 | 0- 0- 1-10/11 | 0.0% | 0.0% | 9.1% | 0 | 18 |
地方 | 9- 6- 3-43/61 | 14.8% | 24.6% | 29.5% | 209 | 138 |
海外 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 前走クラス別成績)
前走クラス別の成績を見ると、地方のダートグレード競走を使っていた馬の好走例が計18回と圧倒的。次いで、中央G3を走っていた馬の好走例も計10回と多いが、好走率はあまり高くない。この場合、前走中央G3の4角通過順が1〜2番手なら【0.2.3.8】、複勝率38.5%で、先行力を備えた馬なら狙いやすそうだ。ほかに、中央G2(23年セントライト記念)と中央G1(京都で開催された18年JBCクラシック)から3着に入った例が1回ずつある。
前走JBCクラシックと南部杯が主力
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
JBCクラシック | 4- 4- 1-27/36 | 11.1% | 22.2% | 25.0% | 106 | 103 |
南部杯 | 3- 2- 1- 7/13 | 23.1% | 38.5% | 46.2% | 143 | 217 |
JBCレディスクラシック | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 1660 | 295 |
日本テレビ盃 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 146 | 56 |
JBCスプリント | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0 | 186 |
白山大賞典 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
浦和記念 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表3 前走地方戦・レース別成績)
地方戦に限った前走レース別成績を確認したい。主力となるのはJBCクラシック組と南部杯組で、前者の好走例が9回、後者が6回を記録。この両レースについては別途データを後述する。そのほか、前走JBCレディスクラシックのサンビスタが15年に1着、前走日本テレビ盃のクリソベリルが19年に1着、前走JBCスプリントのコパノリッキーが17年に3着に入った例がある。いずれも単発的な好走ではあるが、JBCクラシック組と南部杯組以外にもチャンスはある。
前走JBCクラシック1着馬は不振
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
前走1着 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 18 |
前走2着 | 0- 1- 1- 4/ 6 | 0.0% | 16.7% | 33.3% | 0 | 121 |
前走3着 | 2- 1- 0- 4/ 7 | 28.6% | 42.9% | 42.9% | 417 | 102 |
前走4着 | 2- 0- 0- 3/ 5 | 40.0% | 40.0% | 40.0% | 184 | 66 |
前走5着 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 364 |
前走6着〜 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表4 前走JBCクラシック出走馬・前走着順別成績)
前走JBCクラシック出走馬に関しては、前走着順をチェックしたい。表4の通り、JBCクラシック組は1、2着馬より3、4着馬のほうが好成績というのがポイントで、特にJBCクラシック1着馬は【0.1.0.6】と意外なほど振るわない。該当する延べ7頭中5頭はチャンピオンズCで1番人気に推されており、かなりの不振と言わざるをえない。
前走南部杯1、2番人気が好成績
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
前走1番人気 | 1- 1- 0- 0/ 2 | 50.0% | 100.0% | 100.0% | 190 | 170 |
前走2番人気 | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 496 | 203 |
前走3番人気〜 | 0- 1- 1- 6/ 8 | 0.0% | 12.5% | 25.0% | 0 | 235 |
(表5 前走南部杯出走馬・前走着順別成績)
前走南部杯出走馬に関しては、前走人気をチェックしたい。南部杯で1、2番人気なら【3.1.0.1】の好成績で、該当すれば有力だ。一方、3番人気以下だった場合は【0.1.1.6】といささかトーンダウンしてしまう。
【結論】
連覇に向けて視界良好のレモンポップ
前走JBCクラシック組は、そこで1着のウィルソンテソーロと2着のメイショウハリオの2頭が登録してきたが、後者は回避予定となっている。ウィルソンテソーロは昨年のチャンピオンズC2着馬ながら、JBCクラシック1着から臨む今年は不振のデータに該当し、データ分析からは推しづらい馬となった。
前走南部杯組は、そこで1、2番人気に推されているとチャンピオンズCで有力。今年1番人気だったのはレモンポップで、連覇に向けて視界よし。また、2番人気だったペプチドナイルも今回は南部杯2着からの逆転を狙っているだろう。
前走中央G3組は、その前走で4角1、2番手だった馬が4割近い複勝率を記録している。前走プロキオンSを4角1番手から制し、デビュー5連勝を飾ったヤマニンウルスはこの点でも注目の存在だが、本稿執筆時点では除外対象で、他馬の回避がない限り出走できない。もう1頭、サンライズジパングは前走みやこSが4角3番手でわずかに条件を満たさないが、3歳馬という点も考慮して名前を挙げておきたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。