【神戸新聞杯 × 過去データ分析】前走ダービー組&条件戦組の狙いどころ!
2024/9/19(木)
今週は日曜に中山でオールカマー、中京で神戸新聞杯と芝2200m重賞が2鞍組まれている。今回は菊花賞トライアルの神戸新聞杯をピックアップ、過去10年のうち中京競馬場で行われた2020〜22年のデータから今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
好走馬9頭中8頭は上がり3位以内
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半1000m通過 |
2022 (良/17頭) |
1 | ジャスティンパレス | 2分11秒1 | 5 | 3 | 34秒4 | 60秒0 |
2 | ヤマニンゼスト | 3馬身1/2 | 12 | 11 | 34秒5 | ||
3 | ボルドグフーシュ | 1/2馬身 | 4 | 16 | 34秒3 | ||
2021 (不良/10頭) |
1 | ステラヴェローチェ | 2分18秒0 | 2 | 9 | 35秒6 | 63秒8 |
2 | レッドジェネシス | 1/2馬身 | 5 | 6 | 35秒9 | ||
3 | モンテディオ | 3馬身 | 8 | 2 | 36秒8 | ||
2020 (良/18頭) |
1 | コントレイル | 2分12秒5 | 1 | 6 | 35秒6 | 59秒9 |
2 | ヴェルトライゼンデ | 2馬身 | 3 | 16 | 35秒4 | ||
3 | ロバートソンキー | クビ | 14 | 10 | 35秒7 |
(表1 中京芝2200mで行われた神戸新聞杯過去3年の3着以内馬)
表1は中京開催だった2020〜22年の3着以内馬。2021年は不良馬場だったために勝ちタイムが遅いものの、良馬場の20年が2分12秒5、22年は2分11秒1と速めの時計が出ている。上位好走馬の上がりに着目すると最速でも34秒3で、33秒台はいない。上がり順位別成績では、1位【1.1.1.0】、2位【2.1.0.0】、3位【0.1.1.1】と好走馬9頭中8頭が上がり3位以内だった。つまり上がり3位以内の脚を使える馬を探すレースといえる。
4コーナー通過順で見ると、逃げた馬が1頭も3着以内に入っておらず、良馬場の20年・22年では10番手以下の馬が2・3着に入っている。不良馬場の21年でも10頭立てで9番手だったステラヴェローチェが勝利しており、4コーナー後方からでも届くレースだ。
人気別成績を見ると1番人気馬で3着以内に入ったのは20年コントレイル1着のみ。5番人気以下が5頭好走しており、うち10番人気以下が2頭。22年には3連単45万3670円と波乱となっており、人気薄の激走に注意しておきたい。
好走馬の前走は日本ダービーと1・2勝クラス
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
未勝利 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1勝 | 0- 0- 2- 8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 165 |
2勝 | 0- 1- 1- 5/ 7 | 0.0% | 14.3% | 28.6% | 0 | 264 |
オープン特別 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G2 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G1 | 3- 2- 0-10/15 | 20.0% | 33.3% | 33.3% | 100 | 105 |
(表2 中京開催の神戸新聞杯過去3回の前走クラス別成績)
前走クラス別成績を見ると、好走馬はG1組と1・2勝クラス組から出ている。G1組はすべて前走日本ダービー組で連対馬6頭中5頭と大半を占めている。その他前走G2・G3・オープン特別組は不振傾向で、1・2勝クラス組から2・3着馬が出ている。過去3回とサンプル数が少ないとはいえ、傾向はハッキリしている。
日本ダービー組の連対馬5頭中4頭は2走前皐月賞
施行年 | 着順 | 馬名 | 前走成績 | 2走前成績 |
2022 | 1 | ジャスティンパレス | 日本ダービー9着 | 皐月賞9着 |
2021 | 1 | ステラヴェローチェ | 日本ダービー3着 | 皐月賞3着 |
2 | レッドジェネシス | 日本ダービー11着 | 京都新聞杯1着 | |
2020 | 1 | コントレイル | 日本ダービー1着 | 皐月賞1着 |
2 | ヴェルトライゼンデ | 日本ダービー3着 | 皐月賞8着 |
(表3 前走日本ダービー組の連対馬5頭)
表3には前走日本ダービー組の連対馬5頭について前走成績と2走前成績を示した。2021年2着のレッドジェネシスを除く4頭は2走前に皐月賞を使われていた。2走前皐月賞、前走日本ダービーとクラシック2戦を使われた馬を中心に考えた方が良いだろう。ただし該当4頭は、皐月賞、日本ダービーとも一ケタ着順に入っていた。
1・2勝クラス組は中京芝連対実績に注目
施行年 | 着順 | 馬名 | 前走成績 | 中京芝連対実績 |
2022 | 2 | ヤマニンゼスト | 藻岩山特別6着 | 未勝利戦(2000m)1着 |
3 | ボルドグフーシュ | 一宮特別(2200m)1着 | 一宮特別(2200m)1着 | |
2021 | 3 | モンテディオ | ルスツ特別1着 | 未勝利戦(2000m)2着 |
2020 | 3 | ロバートソンキー | 1勝クラス2着 | なし |
(表4 前走1・2勝クラス組好走馬の中京芝連対実績)
表4には前走1・2勝クラス組の前走成績と中京芝連対実績を示した。2・3着に好走した4頭中3頭は中京芝2000〜2200mで連対した実績があった。22年2着ヤマニンゼストは前走札幌の藻岩山特別で6着敗退も、今回2着と巻き返している。またこれら好走馬4頭はいずれも前走で上がり3位以内の脚を使っていた。1・2勝クラス組は中京芝連対実績のある馬ならびに前走上がり3位以内の馬を狙っていきたい。
【結論】
前走日本ダービー組中心も、穴で注目はヤマニンステラータ
今年の神戸新聞杯の注目馬は表5のとおり。
馬名 | 前走成績 |
ウエストナウ | 京都新聞杯2着 |
ヴェローチェエラ | ルスツ特別(1勝クラス)1着 |
オールセインツ | 月岡温泉特別(2勝クラス)1着 |
ジューンテイク | 日本ダービー10着 |
ショウナンラプンタ | 日本ダービー15着 |
ビザンチンドリーム | 日本ダービー17着 |
ミスタージーティー | 日本ダービー16着 |
メイショウタバル | 皐月賞17着 |
メリオーレム | 西部スポニチ賞(2勝クラス)1勝 |
ヤマニンステラータ | 揖斐川特別(1勝クラス)1着 |
(表5 今年の神戸新聞杯の注目馬)
(表5は9/18時点)
出走予定馬16頭中7頭がキズナ産駒という今年の神戸新聞杯。前走日本ダービー組はジューンテイク、ショウナンラプンタ、ビザンチンドリーム、ミスタージーティーの4頭だが、表3からするとビザンチンドリーム、ミスタージーティーの2頭を上位に狙ってみたい。
ビザンチンドリームは前走日本ダービー17着、2走前皐月賞13着とともに2ケタ着順に敗れているが、新馬戦・きさらぎ賞と連勝した素質馬。夏を休養に充てて立て直されていれば、いきなりから走れてもいい。ミスタージーティーも前走日本ダービーは16着と大敗しているが、上がりは2位タイの脚を使っている。今回中団で脚を溜められれば、一変も十分にありえる。
先日のセントライト記念では前走日本ダービーで6着以下だった馬たちが上位3着以内を独占。スローの瞬発力勝負となった日本ダービーで後方のまま敗れたジューンテイクとショウナンラプンタだが、この2頭も当然評価しておきたい。
前走1・2勝クラス組からはヤマニンステラータ、オールセインツの2頭を評価。ヤマニンステラータは前走中京芝2200mの1勝クラス・揖斐川特別を差し切り勝ち。前走では上がり2位の馬(34秒6)を0秒7上回る33秒9の脚を使っている。重賞初挑戦でまだ格下の存在だが、穴で狙って面白い。オールセインツは前走新潟芝2000mの2勝クラス・月岡温泉特別を勝利、上がり最速タイの32秒3で差し切っている。デビュー戦となった今年3月の中京芝2200mの未勝利戦を勝利しており、中京芝実績もある。1・2勝クラス組ではこの2頭、とりわけ人気薄のヤマニンステラータの激走に期待したい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。