【セントライト記念 × 過去データ分析】今年は前走日本ダービー出走馬の争い!
2024/9/12(木)
今週の中央競馬は3日間開催。日曜には中京でローズS、そして月曜(祝)には中山でセントライト記念と、3歳G1へ向けたトライアル競走が組まれている。ローズSは中京での代替開催となるため、今回は例年通り中山で行われるセントライト記念を取り上げたい。菊花賞へ向けはずみをつけるのはどの馬か、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。
上位人気が安定
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 3-5-0-2/10 | 30.0% | 80.0% | 80.0% |
2 | 2-3-2-3/10 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
3 | 1-0-4-5/10 | 10.0% | 10.0% | 50.0% |
4 | 2-0-0-8/10 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
5 | 0-0-1-9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6 | 1-0-1-8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
7 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
9 | 1-1-0-8/10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
10 | 0-0-2-8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
11〜 | 0-0-0-47/47 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表1 人気別成績)
過去10年の人気別では、1番人気が【3.5.0.2】で複勝率80.0%、2番人気が【2.3.2.3】で同70.0%。そして3番人気は1連対ながら【1.0.4.5】で複勝率は50.0%と高く、上位人気が安定した結果を残している。過去10年のうち4回はこの1〜3番人気が1〜3着を独占しており、一昨年は3→1→2番人気、昨年は2→1→3番人気の決着だった。
前走はJRA重賞組が中心
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 4番人気以下 |
1勝クラス | 1-0-2-39/42 | 2.4% | 2.4% | 7.1% | 0-0-1-38 |
2勝クラス | 1-2-0-25/28 | 3.6% | 10.7% | 10.7% | 0-0-0-24 |
3勝クラス | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-2 |
OPEN | 0-0-1-5/6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0-0-0-5 |
中央G3 | 3-1-1-12/17 | 17.6% | 23.5% | 29.4% | 2-0-0-11 |
中央G2 | 0-0-0-6/6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-5 |
中央G1 | 5-7-6-26/44 | 11.4% | 27.3% | 40.9% | 2-2-3-20 |
地方 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-2 |
(表2 前走クラス別成績)
前走クラス別(中央)の成績は、G1組【5.7.6.26】とG3組【3.1.1.12】で好走馬30頭中23頭を占め、好走確率も高い。条件戦組の好走はほぼ人気馬ばかりで、セントライト記念4番人気以下かつ前走がJRA重賞以外だった馬は【0.0.1.71】と苦戦している。ちなみに本競走の前日に行われるローズSでは、4番人気以下の好走馬17頭中14頭が前走2勝クラス以下だった。同じ3歳G2戦でもまったく異なる傾向を示している点には注意したい。
日本ダービー組は大敗馬の巻き返しも
日本ダービー | 着別度数 | 連対率 | 複勝率 | |
着順 | 1〜5着 | 2-4-1-4/11 | 54.5% | 63.6% |
6〜9着 | 0-0-2-7/9 | 0.0% | 22.2% | |
10着以下 | 3-3-2-11/19 | 31.6% | 42.1% | |
人気 | 1〜5番人気 | 2-4-1-1/8 | 75.0% | 87.5% |
6〜9番人気 | 3-2-2-7/14 | 35.7% | 50.0% | |
10番人気以下 | 0-1-2-14/17 | 5.9% | 17.6% | |
4角 | 先頭 | 1-1-0-0/2 | 100.0% | 100.0% |
2〜3番手 | 3-2-2-3/10 | 50.0% | 70.0% | |
4〜5番手 | 0-1-0-4/5 | 20.0% | 20.0% | |
6〜9番手 | 0-2-0-5/7 | 28.6% | 28.6% | |
10番手以下 | 1-1-3-10/15 | 13.3% | 33.3% |
(表3 前走日本ダービー組の各種成績)
前走G1組の好走馬18頭のうち、2021年3着のオーソクレース(前走ホープフルS2着)以外は前走で日本ダービーに出走していた。その日本ダービー組について前走着順、前走人気、前走4コーナー通過順別の成績を調べたのが表3である。
前走着順は5着以内なら複勝率63.6%だが、前走10着以下でも同42.1%と大敗からの巻き返しも多い。前走人気は高いほうが好結果を残しやすい。また前走の4コーナー通過順をみると、3番手以内だった馬が【4.3.2.3】で複勝率75.0%を記録している。
ラジオNIKKEI賞組は人気と着順、実績をチェック
年 | 馬名 | セントライト | ラNIKKEI賞 | 前走以外の主な実績 | ||
人気 | 着順 | 人気 | 着順 | |||
2016 | ゼーヴィント | 2 | 2 | 1 | 1 | プリンシパルS3着 |
2017 | サトノクロニクル | 3 | 3 | 1 | 6 | 京都新聞杯2着 |
2020 | バビット | 4 | 1 | 8 | 1 | 早苗賞1着 |
2021 | アサマノイタズラ | 9 | 1 | 5 | 12 | スプリングS2着 |
2023 | レーベンスティール | 2 | 1 | 1 | 3 | 1勝クラス1着 |
(表4 前走ラジオNIKKEI賞からの好走馬)
前走G3組の好走馬はすべてラジオNIKKEI賞に出走していた。この組は同レースで1番人気または1着だった馬が好走馬5頭中4頭。また同レースで馬券圏外だった2頭はともに、G2での連対実績を持っていた。前走も含め少なくとも重賞3着以内の実績が必須だ。
皐月賞好走馬も見逃せない
皐月賞着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1着 | 2-2-0-0/4 | 50.0% | 100.0% | 100.0% |
2着 | 0-1-0-1/2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
3着 | 2-0-1-0/3 | 66.7% | 66.7% | 100.0% |
4〜5着 | 0-2-0-3/5 | 0.0% | 40.0% | 40.0% |
6〜9着 | 0-1-2-8/11 | 0.0% | 9.1% | 27.3% |
10着以下 | 1-1-1-11/14 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
(表5 皐月賞着順別のセントライト記念成績)
表2〜4では前走との関係を見てきたが、セントライト記念は皐月賞との関連性も強いレースだ。皐月賞で3着以内に好走した馬がセントライト記念に出走すると【4.3.1.1】複勝率88.9%で、2021年のタイトルホルダー(皐月賞2着、本競走13着)以外はすべて馬券に絡んでいる。皐月賞4〜5着馬も連対率40.0%と上々の成績だ。
【結論】
前走日本ダービー組3頭の争い
今年のセントライト記念は前走JRA重賞組が上位人気を占めそうで、条件戦組やオープン特別組は4番人気以下になってしまうと苦しい(表2)。また、前走ラジオNIKKEI賞組の2頭はともに同レース2番人気以下かつ2着以下で、重賞連対実績も持たないため減点が必要(表4)。よって前走日本ダービー組のアーバンシック、エコロヴァルツ、コスモキュランダの3頭による争いになりそうだ。
この3頭はそれぞれ好材料を持っており、アーバンシックは日本ダービー4番人気(5番人気以内なら複勝率87.5%)で、11着という着順も悪くない。エコロヴァルツは日本ダービーでハナを切り、4コーナーを2番手で通過(3番手以内なら複勝率75.0%)していたことが大きなプラスになる。そしてコスモキュランダはダービーの内容にこそ特筆すべき点はないが、皐月賞2着(3着以内なら複勝率88.9%)の実績は見逃せない。当日の人気は恐らくコスモキュランダ、アーバンシックが1、2番人気で、やや離れてエコロヴァルツとなりそう。過去10年の1、2番人気の安定感(表1)を重視する方ならコスモキュランダとアーバンシック、配当妙味重視ならエコロヴァルツを軸に考えるといいだろう。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。