【新潟記念×過去データ分析】8枠と左回り重賞実績に注目!
2024/8/29(木)
今週は日曜日に新潟記念が行われるが、台風が接近しているため、本稿執筆時点では今週末の開催がどうなるかわからない状況だ。仮に開催できても道悪競馬は避けられないかもしれない。それでも一応、いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。
3枠と8枠の成績が優秀
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1枠 | 2- 0- 0-16/18 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 76 | 30 |
2枠 | 1- 0- 1-16/18 | 5.6% | 5.6% | 11.1% | 50 | 83 |
3枠 | 2- 3- 1-13/19 | 10.5% | 26.3% | 31.6% | 142 | 130 |
4枠 | 1- 1- 2-16/20 | 5.0% | 10.0% | 20.0% | 31 | 126 |
5枠 | 0- 0- 1-19/20 | 0.0% | 0.0% | 5.0% | 0 | 52 |
6枠 | 0- 2- 1-17/20 | 0.0% | 10.0% | 15.0% | 0 | 58 |
7枠 | 1- 1- 2-22/26 | 3.8% | 7.7% | 15.4% | 17 | 33 |
8枠 | 3- 3- 2-20/28 | 10.7% | 21.4% | 28.6% | 192 | 110 |
(表1 新潟記念の枠番別成績、過去10年)
過去10年の新潟記念の枠番別成績を調べたところ、3枠と8枠の成績が優秀だった。脚質で見ると3枠は逃げ・先行、8枠は中団・後方から好走馬がよく出ている印象。夏の新潟開催最終日に行われる一戦なので、外からの差し・追い込みが決まりやすい馬場になりやすく、おのずと8枠は恵まれる。加えて道悪になれば、一層外枠が有利になっても不思議ではない。
3歳の成績が優秀
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
3歳 | 2- 0- 1- 6/ 9 | 22.2% | 22.2% | 33.3% | 75 | 77 |
4歳 | 2- 3- 4- 22/ 31 | 6.5% | 16.1% | 29.0% | 36 | 111 |
5歳 | 3- 4- 2- 41/ 50 | 6.0% | 14.0% | 18.0% | 45 | 59 |
6歳 | 2- 1- 1- 33/ 37 | 5.4% | 8.1% | 10.8% | 175 | 77 |
7歳以上 | 1- 2- 2- 37/ 42 | 2.4% | 7.1% | 11.9% | 21 | 76 |
(表2 新潟記念の年齢別成績、過去10年)
続いて年齢別の成績を調べたところ、出走頭数は二けたに満たなかったものの3歳は勝率・連対率22.2%、複勝率33.3%と最も優秀だった。4歳と5歳の比較では、勝率・連対率はあまり差がなかった。6歳と7歳以上の比較も連対率や複勝率は互角だった。3歳が強い一方、ベテランの馬も割と活躍している印象だ。
過半数に左回りの芝重賞実績
年 | 着順 | 馬名 | 左回り芝重賞実績 |
23年 | 1 | ノッキングポイント | 23年日本ダービー5着 |
23年 | 2 | ユーキャンスマイル | 新潟記念1勝2着1回 |
22年 | 1 | カラテ | 21年東京新聞杯1着 |
22年 | 2 | ユーキャンスマイル | 19年新潟記念1着 |
21年 | 2 | トーセンスーリヤ | 20年新潟大賞典1着 |
20年 | 1 | ブラヴァス | 20年新潟大賞典4着 |
20年 | 2 | ジナンボー | 19年新潟記念2着 |
19年 | 1 | ユーキャンスマイル | 19年ダイヤモンドS1着 |
18年 | 1 | ブラストワンピース | 18年日本ダービー5着 |
18年 | 2 | メートルダール | 17年中日新聞杯1着 |
18年 | 3 | ショウナンバッハ | 17年中日新聞杯4着 |
17年 | 2 | アストラエンブレム | 17年エプソムC2着 |
17年 | 3 | カフジプリンス | 17年ダイヤモンドS3着 |
16年 | 3 | ロンギングダンサー | 15年新潟記念4着 |
15年 | 1 | パッションダンス | 13年新潟大賞典1着 |
15年 | 2 | マイネルミラノ | 15年中日新聞杯3着 |
14年 | 1 | マーティンボロ | 14年中日新聞杯1着 |
14年 | 3 | ラストインパクト | 13年青葉賞3着 |
(表3 新潟記念の主な好走馬、過去10年)
表3は過去に左回りの芝重賞(2歳戦は除く)で好走・善戦実績があった馬をまとめた。まず、18年1着ブラストワンピースと23年ノッキングポイントは同年の日本ダービーで5着だった。16年3着ロンギングダンサーは前年の新潟記念で4着に善戦。また、ジナンボーやユーキャンスマイルは本競走で複数回好走したリピーターだった。同じ新潟芝2000mで行われる新潟大賞典も本競走とのつながりが強く、パッションダンスやトーセンスーリヤは両重賞で連対した。
それから14年1着マーティンボロや15年2着マイネルミラノは同年の中日新聞杯で好走。22年1着カラテは前年の東京新聞杯を勝っていた。このように、新潟記念好走馬30頭中18頭は、過去に左回りの芝重賞(2歳戦は除く)で好走・善戦した経験があった。
【結論】
ライトバックの取捨選択が鍵
今年の新潟記念の予想で鍵になるのは、3歳牝馬ライトバックの取捨選択だろう。本競走は3歳の成績は優秀だが、実は牝馬の成績は良くない。21年3着クラヴェルしか好走しておらず、23年は1番人気サリエラが7着に敗れた。こうした点を考慮すると、ライトバックは「狙い目」「危険な人気馬」どちらにもなりうる存在だろう。
ライトバックは重賞未勝利だが、桜花賞・オークス両方で3着に好走しており、過去の新潟記念で好走した3歳馬(ブラストワンピースやノッキングポイント)と遜色ない実績を持っていると判断しても良さそう。ちなみに3歳馬のうち前走5着以内だった場合は【2.0.1.3】という成績だ。また、17年に10番人気で4着と善戦したウインカナドルは前走ラジオNIKKEI賞2着だった。3歳馬は前走5着以内かどうかが、取捨の目安となりそう。
新潟大賞典2着のキングズパレス
前走芝2000mの重賞で連対しているレッドラディエンス(七夕賞1着)、キングズパレス(七夕賞2着)、アリスヴェリテ(マーメイドS1着)、エーデルブルーメ(マーメイドS2着)も有力視されそう。この中では今年の新潟大賞典でヤマニンサルバムとハナ差の2着と好走したキングズパレスを推奨したい。あと道悪になった際は、重馬場成績【2.0.0.0】のゴールドプリンセスをマークする。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。