まさかのキャリア1戦馬が優勢!? 京成杯分析
2024/1/11(木)
今週は土曜に小倉で愛知杯、日曜に中山で京成杯、京都で日経新春杯と3鞍の重賞が組まれている。今回は日曜中山メインの京成杯をピックアップ。昨年はソールオリエンスが勝利し、続く皐月賞も制している。クラシックへ向けて注目の一戦を過去10年のデータから分析し、今年馬券で狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
キャリア1戦、特に前走上がり最速馬が好成績
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1戦 | 4- 1- 3- 11/ 19 | 21.1% | 26.3% | 42.1% | 167 | 110 |
(前走3F1位) | 2- 1- 3- 5/11 | 18.2% | 27.3% | 54.5% | 218 | 160 |
(前走3F2位) | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 130 | 53 |
(前走3F3位以下) | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2戦 | 1- 3- 3- 32/ 39 | 2.6% | 10.3% | 17.9% | 9 | 56 |
3戦 | 4- 4- 3- 28/ 39 | 10.3% | 20.5% | 28.2% | 85 | 65 |
4戦 | 1- 2- 0- 9/ 12 | 8.3% | 25.0% | 25.0% | 60 | 143 |
5戦以上 | 0- 0- 1- 29/ 30 | 0.0% | 0.0% | 3.3% | 0 | 6 |
(表1 京成杯過去10年のキャリア別成績)
表1は京成杯過去10年のキャリア別成績。1戦の馬が昨年のソールオリエンスら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。この組の3着以内馬8頭中6頭は近5年に集中しており、1戦で臨んで好走しているケースが増えている。1戦の馬における前走上がり3ハロンの順位別成績では、前走上がり1位だった馬が複勝率54.5%と非常に高い。前走上がり2位の馬も2勝をあげており、これら前走上がり2位以内に注目だ。
キャリア2戦の馬は1勝のみ。3戦の馬は4勝をあげ、複勝率でも1戦の馬に次ぐ28.2%と高い。4戦の馬は複勝率25.0%も、5戦以上になると3着1回のみと苦戦傾向にある。
前走1勝クラスでは葉牡丹賞組に注目
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
新馬 | 4- 1- 3- 11/ 19 | 21.1% | 26.3% | 42.1% | 167 | 110 |
未勝利 | 0- 4- 2- 24/ 30 | 0.0% | 13.3% | 20.0% | 0 | 70 |
1勝 | 3- 2- 3- 30/ 38 | 7.9% | 13.2% | 21.1% | 33 | 41 |
(葉牡丹賞) | 2- 2- 1- 4/ 9 | 22.2% | 44.4% | 55.6% | 81 | 90 |
(エリカ賞) | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% | 53 | 78 |
(その他のレース) | 0- 0- 0-19/ 19 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
オープン特別 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% | 113 | 144 |
G3 | 0- 1- 0- 15/ 16 | 0.0% | 6.3% | 6.3% | 0 | 21 |
G2 | 0- 1- 1- 13/ 15 | 0.0% | 6.7% | 13.3% | 0 | 24 |
G1 | 2- 0- 1- 7/ 10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% | 205 | 82 |
(表2 京成杯過去10年の前走クラス別成績)
表2は前走クラス別成績。表1で示したキャリア1戦の馬はすべて前走新馬戦組で、クラス別でもトップだ。前走重賞組は前走G1組の複勝率30.0%が優秀で、G2組・G3組は低調。前走オープン特別組も16年プロフェットの1勝のみで、連対率・複勝率20.0%。
出走数が最も多いのが前走1勝クラス組だが、好走馬の前走レースは葉牡丹賞とエリカ賞に限られている。なかでも葉牡丹賞組は18年ジェネラーレウーノら2勝をあげており、連対率44.4%・複勝率55.6%と非常に高い。この組の好走馬5頭はいずれも前走葉牡丹賞で連対を果たしていた。京成杯と同コースを経験しているアドバンテージが大きいのだろう。
前走1着で継続騎乗の馬が5勝
前走騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
同騎手 | 8- 3- 3-45/59 | 13.6% | 18.6% | 23.7% | 105 | 67 |
(前走1着) | 5- 3- 3-19/30 | 16.7% | 26.7% | 36.7% | 126 | 105 |
(前走2着) | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 63 | 23 |
(前走3着) | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(前走4着) | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(前走5着) | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(前走6〜9着) | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 104 | 38 |
(前走10着以下) | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 220 | 70 |
乗替り | 2- 7- 7-64/80 | 2.5% | 11.3% | 20.0% | 17 | 59 |
(表3 京成杯過去10年における前走から継続騎乗or乗り替わりの比較)
表3は騎手が前走から継続騎乗か乗り替わりかの比較で、継続騎乗の場合は前走の着順別成績も示している。継続騎乗の馬が大半の8勝をあげており、特に勝率は乗り替わりの馬を大きく上回っている。継続騎乗の馬の前走着順別成績では、前走1着馬が21年グラティアスら5勝をあげ、複勝率36.7%と優秀、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。なお、乗り替わりの馬は昨年のソールオリエンスら2勝で、2・3着が各7回と多い。
前走新馬戦1番人気1着馬を探せ
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1人気 | 3- 5- 1- 11/ 20 | 15.0% | 40.0% | 45.0% | 54 | 96 |
(1戦) | 3- 1- 1- 4/ 9 | 33.3% | 44.4% | 55.6% | 121 | 102 |
(2戦) | 0- 3- 0- 3/ 6 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0 | 108 |
(3戦以上) | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 72 |
前走2人気 | 3- 0- 3- 18/ 24 | 12.5% | 12.5% | 25.0% | 99 | 92 |
前走3人気 | 1- 2- 3- 17/ 23 | 4.3% | 13.0% | 26.1% | 90 | 66 |
前走4人気 | 1- 1- 0- 6/ 8 | 12.5% | 25.0% | 25.0% | 43 | 62 |
前走5人気 | 0- 0- 0- 11/ 11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9人 | 2- 2- 3- 32/ 39 | 5.1% | 10.3% | 17.9% | 43 | 66 |
前走10人以下 | 0- 0- 0- 14/ 14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表4 京成杯過去10年の前走人気別成績)
最後に表4は前走人気別成績。前走1番人気馬が19年ラストドラフトら3勝をあげ、複勝率は45.0%と高い。前走1番人気馬のキャリア別成績では、前走新馬勝ちしたキャリア1戦の馬が全3勝をあげており、複勝率55.6%と優秀だ。2戦の馬も2着3回で、連対率・複勝率50.0%となっている。
前走2番人気以下からも好走馬が出ているが、連対率・複勝率で前走1番人気馬に差をつけられている。
【結論】
新馬戦を1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーが筆頭
馬名 | 前走成績 |
アーバンシック | 百日草特別 1着 |
キャントウェイト | 芙蓉S 2着 |
グローリーアテイン | 新馬(東京芝1800m)1着 |
ジュンゴールド | 紫菊賞 1着 |
ダノンデサイル | 京都2歳S 4着 |
ドゥレイクパセージ | 芙蓉S 3着 |
ニシノフィアンス | 新馬(中山芝1800m)1着 |
バードウォッチャー | 新馬(東京芝1800m)1着 |
マイネルフランツ | 葉牡丹賞 2着 |
(表5 今年の京成杯の注目馬)
表5は1/11時点
今年の京成杯の出走予定馬で前走重賞組はエコロマーズ(前走サウジアラビアRC5着)とダノンデサイル(ラジオNIKKEI賞京都2歳S4着)の2頭のみ。ともに前走G3組で表2のデータからすると重視できない。
前走新馬戦で1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーを一番手で推奨したい。前走は東京芝1800mの新馬戦で、ルメール騎手が騎乗して勝利。今回も継続してルメール騎手が騎乗予定で、2戦目での重賞制覇に期待したい。
もう一頭推奨したいのはマイネルフランツ。表2で示した好相性の前走葉牡丹賞組で、その葉牡丹賞では2着に入っている。勝利したトロヴァトーレは強かったが、中団から上がり2位タイの脚で混戦の2着争いから抜け出している。馬券的な妙味では最も面白い一頭だ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。