今年は6日に開幕! 中山金杯を分析する
2024/1/4(木)
例年より1日遅れとなる1月6日に開幕する今年の中央競馬。その6日には中山で中山金杯、京都では京都金杯の2重賞が行われる。京都金杯は4年ぶりの京都開催となるため、今回は過去10年すべて中山で行われている中山金杯にスポットを当てたい。ここで好発進を切るのはどの馬か、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。
優勝馬は5番人気以内
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 4-1-3-2/10 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3 | 2-0-0-8/10 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
4 | 2-0-1-7/10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
5 | 1-2-1-6/10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
6 | 0-2-0-8/10 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
7 | 0-3-0-7/10 | 0.0% | 30.0% | 30.0% |
8 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
9〜11 | 0-0-4-26/30 | 0.0% | 0.0% | 13.3% |
12〜 | 0-0-0-50/50 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表1 人気別成績)
過去10年の人気別では、1番人気が【4.1.3.2】複勝率80.0%の好成績。ほかに3、4番人気馬が各2勝を挙げるなど優勝馬はすべて5番人気以内から出ており、6番人気以下の優勝は2006年(ヴィータローザ・7番人気)までさかのぼる。また2着馬は8番人気以内、3着馬は11番人気以内で、人気が下がれば下がるほど上位には食い込みづらくなっている。
4・5歳馬、前走2000m出走馬が好成績
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4歳 | 3-3-2-19/27 | 11.1% | 22.2% | 29.6% |
5歳 | 3-3-2-20/28 | 10.7% | 21.4% | 28.6% |
6歳 | 3-4-3-36/46 | 6.5% | 15.2% | 21.7% |
7歳 | 1-0-3-35/39 | 2.6% | 2.6% | 10.3% |
8歳以上 | 0-0-0-20/20 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
〜1800m | 2-3-3-41/49 | 4.1% | 10.2% | 16.3% |
2000m | 7-6-6-60/79 | 8.9% | 16.5% | 24.1% |
2100m〜 | 1-1-1-29/32 | 3.1% | 6.3% | 9.4% |
(表2 年齢別、前走距離別成績)
年齢別では4、5歳が勝率11%前後、連対率22%前後、複勝率29%前後で拮抗している。また、前走距離別では本競走と同じ2000m戦に出走していた馬の好走確率が高い。この双方を満たす「4、5歳の前走2000m戦出走馬」は【4.5.3.16】複勝率42.9%。さらに「前走5着以内」の条件も加えると【4.5.3.6】同66.7%となるため該当馬がいれば見逃せない。
前走3勝クラス組が好成績も、今年はG3組に注目
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 前走芝20 | 前走その他 |
3勝クラス | 2-1-2-7/12 | 16.7% | 25.0% | 41.7% | 2-1-2-2 | 0-0-0-5 |
OPEN | 1-1-1-23/26 | 3.8% | 7.7% | 11.5% | 0-0-0-3 | 1-1-1-20 |
G3 | 1-3-2-30/36 | 2.8% | 11.1% | 16.7% | 1-3-2-29 | 0-0-0-1 |
G2 | 1-0-0-8/9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 0-0-0-0 | 1-0-0-8 |
G1 | 1-1-1-14/17 | 5.9% | 11.8% | 17.6% | 0-0-0-4 | 1-1-1-10 |
地方 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-0 | 0-0-0-1 |
(表3 前走クラス別成績(2018年〜))
過去10年の本競走では前走金鯱賞(11〜12月)出走馬が【2.1.0.4】連対率42.9%を記録していたが、同レースは2017年より春へと移動。またこの年からチャレンジCが芝1800mのハンデ戦から芝2000mの別定戦へと変わるという大きな変更があった。そのため表3〜表5はその翌年にあたる2018年以降のデータを見ていきたい。
表3は前走クラス別成績。3勝クラス組が【2.1.2.7】複勝率41.7%の好成績を残しているが、この組は前走芝2000m組【2.1.2.2】に対し、他の距離だった組は【0.0.0.5】。今年の登録馬には前走で3勝クラスの芝2000m戦に出走していた馬がいないため、芝2000mのG3に出走していた馬を中心視したい。
G3組はチャレンジC組が有力
年 | 馬名 | 中山金杯 | 前走 | |||
人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | ||
2018 | ウインブライト | 2 | 2 | 福島記念 | 2 | 1 |
2019 | ステイフーリッシュ | 7 | 2 | チャレンジC | 5 | 3 |
2020 | トリオンフ | 2 | 1 | チャレンジC | 8 | 2 |
テリトーリアル | 11 | 3 | チャレンジC | 9 | 12 | |
2022 | スカーフェイス | 7 | 2 | チャレンジC | 8 | 5 |
ヒートオンビート | 1 | 3 | チャレンジC | 4 | 2 |
(表4 前走G3からの好走馬(2018年〜))
表4は前走G3からの好走馬で、6頭中5頭はチャレンジC組から出ている。このチャレンジC組は2018年以降【1.2.2.8】複勝率38.5%、中でも同レース5着以内馬なら【1.2.1.2】同66.7%と優秀だ。その他では福島記念組が【0.1.0.7】、中日新聞杯組は【0.0.0.13】と苦しい。前走チャレンジC以外から唯一好走したウインブライトは、前走の福島記念で2000mの重賞勝ち、そして5走前のスプリングSでは中山の重賞勝ちも収めていた。
G1組は前走着順不問
年 | 馬名 | 性齢 | 中山金杯 | 前走 | |||
人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
2018 | セダブリランテス | 牡4 | 1 | 1 | AR共和国杯 | 3 | 3 |
2019 | ウインブライト | 牡5 | 3 | 1 | マイルCS | 14 | 9 |
2020 | ウインイクシード | 牡6 | 6 | 2 | ディセンバーS | 2 | 2 |
2021 | ウインイクシード | 牡7 | 11 | 3 | ディセンバーS | 3 | 5 |
2022 | レッドガラン | 牡7 | 4 | 1 | リゲルS | 2 | 3 |
2023 | クリノプレミアム | 牝6 | 7 | 2 | エ女王杯 | 17 | 11 |
フェーングロッテン | 牡4 | 2 | 3 | 菊花賞 | 11 | 15 |
(表5 前走G1・G2・オープン特別からの好走馬(2018年〜))
最後に表5は前走G3と3勝クラス以外(G1・G2・オープン特別)からの好走馬である。過去10年の中山金杯では4、5歳馬が好成績を残しているが(表2)、2018年以降に前走オープン特別から好走した3頭はいずれも6、7歳馬。そして前走3番人気以内かつ5着以内で共通している。この「6、7歳」で「前走オープン特別3番人気以内かつ5着以内」を満たす馬は【1.1.1.2】になるが、今年は該当馬不在だ。
よって今年はG3組以外ならG1〜G2組。G1組は前走着順不問。G2組は好走馬が1頭しかいないが、過去10年の好走馬4頭中3頭は前走4着以内だった。またG1〜G2組の好走馬4頭のうち、4歳の2頭は福島のラジオNIKKEI賞優勝馬で、5歳以上の2頭は中山の重賞勝ち馬。直線が短いコースでの重賞実績がチェックポイントになりそうだ。
【結論】
チャレンジC4、5着のエピファニーとマテンロウレオが有力
表2本文で触れたように、中山金杯は前走2000m戦で5着以内だった4、5歳馬が好成績を残している。今年はG3・チャレンジCで4、5着だった5歳馬、エピファニーとマテンロウレオが有力だ(表4)。どちらも表1で優勝馬が出ている5番人気以内に支持されそうな点もプラス材料になる。少し穴っぽいところから1頭挙げれば、前走・秋華賞で7着だったエミュー。中山での重賞優勝実績(フラワーC)を持つ前走G1組で、そのG1組なら前走着順は不問だ(表5)。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。