関連度合いが高い前走コースは? 朝日杯FS分析
2023/12/14(木)
先週の阪神JFと同じ阪神芝1600mで今週は朝日杯FSが行われる。一昨年は後に日本ダービーを制するドウデュースが優勝。マイル路線のみならず、来年のクラシック戦線を見据えても注目の一戦だ。今回は阪神開催となった2014年以降・過去9回のレース傾向から今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
上位3番人気以内では前走1600m組が好成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 4- 2- 2- 1/ 9 | 44.4% | 66.7% | 88.9% | 133 | 113 |
2番人気 | 2- 3- 1- 3/ 9 | 22.2% | 55.6% | 66.7% | 116 | 104 |
3番人気 | 1- 1- 2- 5/ 9 | 11.1% | 22.2% | 44.4% | 86 | 81 |
1〜3番人気 | 7- 6- 5- 9/ 27 | 25.9% | 48.1% | 66.7% | 112 | 99 |
(前走1400m) | 0- 1- 1- 2/ 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% | 0 | 80 |
(前走1600m) | 5- 5- 4- 5/19 | 26.3% | 52.6% | 73.7% | 87 | 104 |
(前走1800m) | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 260 | 66 |
(前走2000m) | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 590 | 180 |
4番人気 | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 25 |
5番人気 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
6番人気 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 157 | 43 |
7番人気 | 1- 1- 0- 7/ 9 | 11.1% | 22.2% | 22.2% | 194 | 81 |
8番人気 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
9番人気 | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% | 0 | 54 |
10番人気以下 | 0- 1- 3- 62/ 66 | 0.0% | 1.5% | 6.1% | 0 | 77 |
(表1 朝日杯FS過去9年の人気別成績)
※脚質はTarget frontier JVによる分類
表1は朝日杯FS過去9年の人気別成績。1番人気馬が昨年のドルチェモアら最多の4勝をあげており、連対率66.7%・複勝率88.9%と高い。2番人気馬は18年アドマイヤマーズら2勝をあげ、複勝率66.7%。3番人気馬は一昨年のドウデュースが勝利し、複勝率44.4%。上位3番人気以内の好走馬が多いことが大きな特徴といえる。
これら上位3番人気以内の前走距離別成績では、出走数が多い前走1600m組が連対率52.6%・複勝率73.7%と高い。前走2000m組は15年リオンディーズが優勝している。
なお、4番人気以下では6・7番人気馬が1勝ずつ。近2年の3着以内馬はいずれも4番人気以内と堅めだが、過去9年中6年は6番人気以下の伏兵が1頭は好走している。
好走馬はキャリア4戦以内、前走マイル組に注目
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1戦 | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% | 118 | 78 |
2戦 | 4- 4- 3- 32/ 43 | 9.3% | 18.6% | 25.6% | 35 | 96 |
3戦 | 3- 4- 1- 34/ 42 | 7.1% | 16.7% | 19.0% | 63 | 38 |
4戦 | 1- 1- 4- 28/ 34 | 2.9% | 5.9% | 17.6% | 41 | 101 |
4戦以内 | 9- 9- 9- 97/124 | 7.3% | 14.5% | 21.8% | 50 | 77 |
(前走1200m) | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(前走1400m) | 1- 2- 3- 42/ 48 | 2.1% | 6.3% | 12.5% | 36 | 87 |
(前走1600m) | 6- 6- 5- 37/ 54 | 11.1% | 22.2% | 31.5% | 57 | 80 |
(前走1800m) | 1- 1- 1- 14/ 17 | 5.9% | 11.8% | 17.6% | 45 | 54 |
(前走2000m) | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 147 | 45 |
5戦以上 | 0- 0- 0- 23/ 23 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 朝日杯FS過去9年のキャリア別成績)
表2はキャリア別成績。勝ち馬を含めて3着以内馬はすべて4戦以内の馬だった。新馬戦を勝ったばかりの1戦の馬は出走数が少ないものの、複勝率40.0%。以下、キャリアが多くなるにつれて、勝率・連対率・複種率いずれも下降傾向にある。
これら4戦以内の馬の前走距離別成績でも前走1600m組が過半数の6勝をあげ、複勝率31.5%でトップ。ここでも前走1600m組の優位性が見てとれる。
前走東京芝1600m戦1着馬は複勝率100%
前走コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
東京・芝1600 | 5- 1- 3- 0/ 9 | 55.6% | 66.7% | 100.0% | 291 | 178 |
京都・芝1600外 | 1- 1- 0- 2/ 4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% | 115 | 60 |
阪神・芝1400 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 194 | 35 |
東京・芝1800 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 390 | 100 |
京都・芝2000 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 295 | 90 |
東京・芝1400 | 0- 2- 1- 9/12 | 0.0% | 16.7% | 25.0% | 0 | 60 |
阪神・芝1600外 | 0- 1- 1- 6/ 8 | 0.0% | 12.5% | 25.0% | 0 | 31 |
阪神・芝1800外 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 115 |
京都・芝1400 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0 | 2360 |
その他のコース | 0- 0- 0-30/30 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表3 前走1着馬の前走コース別成績(過去9年))
表3は出走馬の半数以上を占める前走1着馬の前走コース別成績。前走1着馬は【9.5.7.58】で、すべての勝ち馬を含め3着以内数は21頭と多い。この中で前走東京芝1600m組は昨年のドルチェモアら過半数の5勝をあげ、該当馬9頭すべてが3着以内に入っている。左回りから右回りの変化はあっても、同じ直線が長い1600mということで非常に関連性が高く、成績が直結している。ちなみに先週の阪神JFでも前走東京芝1600mの赤松賞を勝利していたステレンボッシュが2着と好走している。
東京芝1600m以外では京都・阪神・東京で前走1着だった馬が上位を占めており、中山や中京、ローカルからは好走馬が出ていない。
穴なら前走上がり最速の1着馬
前走上がり順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3F 1位 | 2- 1- 1-22/26 | 7.7% | 11.5% | 15.4% | 121 | 133 |
(前走1着) | 2- 1- 1-18/22 | 9.1% | 13.6% | 18.2% | 144 | 158 |
(前走2着以下) | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
3F 2位 | 0- 0- 0-15/15 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
3F 3位 | 0- 0- 1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% | 0 | 65 |
3F 〜5位 | 0- 1- 0-22/23 | 0.0% | 4.3% | 4.3% | 0 | 46 |
3F 6位〜 | 0- 1- 1-21/23 | 0.0% | 4.3% | 8.7% | 0 | 60 |
(表4 朝日杯FS6番人気以下の前走上がり順位別成績(過去9年))
表4は朝日杯FSにおける6番人気以下【2.3.3.94】の前走上がり順位別成績。前走上がり1位の馬が20年グレナディアガーズら2勝をあげ、複勝率15.4%。好走した4頭はすべて前走上がり最速で勝利しており、該当馬は複勝率18.2%で単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。穴なら前走のクラスに関係なく、上がり最速で1着だった馬を狙っていきたい。
【結論】
唯一の前走東京芝1600m勝ち馬オーサムストロークに注目
2023/11/26 東京 8R ベゴニア賞
1着 7番 オーサムストローク(Photo by JRA)
馬名 | 前走成績 |
エコロヴァルツ | コスモス賞 1着 |
エンヤラヴフェイス | デイリー杯2歳S 2着 |
オーサムストローク | ベゴニア賞 1着 |
シュトラウス | 東京スポーツ杯2歳S 1着 |
ジャンタルマンタル | デイリー杯2歳S 1着 |
セットアップ | 札幌2歳S 1着 |
タガノエルピーダ | 2歳新馬(京都1600m) 1着 |
ダノンマッキンリー | 秋明菊賞 1着 |
(表5 今年の朝日杯FSの注目馬)
(表5は12/13時点)
上位3番人気以内に支持されるのは前走デイリー杯2歳S勝ちのジャンタルマンタル、前走東京スポーツ杯2歳S1着のシュトラウス、そして前走1勝クラスの秋明菊賞を勝利して2戦2勝のダノンマッキンリーの3頭だろう。
この3頭の比較では好成績の前走1600m組(表1)であるジャンタルマンタルを筆頭としたい。前走デイリー杯2歳Sは内ラチ沿いから抜け出して2馬身差の快勝。無傷の3連勝でのG1制覇の可能性も十分だ。
オーサムストロークは今回の出走馬中唯一の前走東京芝1600m1着馬(表3)。前走の1勝クラス・ベゴニア賞は勝ちタイムが1分37秒0と遅かったが、少頭数で超がつくスローペースだった。2走前の未勝利戦では緩みのない流れで逃げて5馬身差の完勝を決めている。前走の勝ち時計の遅さが嫌われるようなら逆に妙味がありそうだ。
表4で示した穴候補ではタガノエルピーダ。前走京都芝1600mの新馬戦では上がり最速の脚で差し切って、デビュー勝ち。牝馬でもレースセンスが高く、好走の可能性を秘めている。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。