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第1679回 フェブラリーSに向けて重要な根岸Sを展望する

2023/1/26(木)

2022/11/12 東京11R 武蔵野ステークス(G3) 1着 11番 ギルデッドミラー2022/11/12 東京11R 武蔵野ステークス(G3)
1着 11番 ギルデッドミラー
(Photo by JRA)

今週末の重賞は、東京の根岸Sと中京のシルクロードSの2レース。今回は、3週後のフェブラリーSを目標とする馬が多数出走する根岸Sを取り上げたい。前年の覇者、デビュー以来オール連対馬、初ダート馬など多士済々のメンバーが揃いそうな一戦を、過去10年のデータから分析していこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4- 3- 0- 3/10 40.0% 70.0% 70.0% 111% 93%
2番人気 1- 1- 3- 5/10 10.0% 20.0% 50.0% 43% 92%
3番人気 1- 2- 0- 7/10 10.0% 30.0% 30.0% 99% 68%
4番人気 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 75% 80%
5番人気 1- 0- 2- 7/10 10.0% 10.0% 30.0% 128% 103%
6番人気 2- 1- 0- 7/10 20.0% 30.0% 30.0% 220% 94%
7番人気 0- 0- 0- 10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 49%
9番人気 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 45%
10番人気〜 0- 1- 3-63/67 0.0% 1.5% 6.0% 0% 50%

表1は人気別成績。1着馬が出ているのは1〜6番人気で、7番人気以下から勝ち切った馬は過去10年いない。また、連対率や複勝率も6番人気以内と7番人気以下で差がついている。オッズでいえば、単勝15倍以内で【10.8.6.35】、単勝15倍を超えると【0.2.4.92】となっており、単勝15倍のラインが分水嶺という見方もできそうだ。

■表2 牡牝・年齢・所属別成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
性別 牡馬・セン馬 10-10-10-121/151 6.6% 13.2% 19.9% 44% 63%
牝馬 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
年齢 4歳 2- 2- 0- 9/13 15.4% 30.8% 30.8% 50% 46%
5歳 4- 2- 2-21/29 13.8% 20.7% 27.6% 102% 58%
6歳 3- 3- 3-31/40 7.5% 15.0% 22.5% 59% 57%
7歳 1- 1- 1-35/38 2.6% 5.3% 7.9% 19% 36%
8歳 0- 2- 4-19/25 0.0% 8.0% 24.0% 0% 144%
9歳〜 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
所属 関東 1- 0- 0-26/27 3.7% 3.7% 3.7% 38% 10%
関西 9-10-10-90/119 7.6% 16.0% 24.4% 47% 78%
地方 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は、牡牝別、年齢別、東西の所属別の成績をまとめたもの。「牡牝別」では、牡馬(セン馬)の出走が大半を占め、1〜3着もすべて牡馬から出ている。一方、牝馬は出走が少ないこともあるが、過去10年は一度も好走を記録していない。

「年齢別」では、4歳が勝率、連対率、複勝率でトップの数値をマークし、これに5歳が続く。6歳は好走率に関する数値が少し落ちるものの、1〜3着9回は年齢別で最多。さらに7歳の1着馬がいて、8歳も複勝率24.0%、複勝回収率144%を記録している。こうして見ると、好走率自体は4歳や5歳が優位ながら、6〜8歳も軽視はできず、先入観を持ちすぎないほうがよさそうだ。

「所属別」では、関東のレースでありながら、地元の関東馬の好走は18年1着のノンコノユメだけ。残りの1〜3着29回を記録した関西馬が圧倒している。

■表3 4角通過順別成績

4角通過順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今走 1番手 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2番手 0- 1- 0-12/13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 10%
3〜4番手 1- 3- 2-22/28 3.6% 14.3% 21.4% 7% 81%
5〜6番手 1- 2- 0- 9/12 8.3% 25.0% 25.0% 35% 55%
7〜9番手 2- 1- 3-27/33 6.1% 9.1% 18.2% 64% 87%
10〜12番手 4- 1- 1-27/33 12.1% 15.2% 18.2% 72% 43%
13番手〜 2- 2- 4-20/28 7.1% 14.3% 28.6% 56% 78%
前走 1番手 0- 1- 0-12/13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 20%
2番手 0- 1- 0-18/19 0.0% 5.3% 5.3% 0% 8%
3〜4番手 3- 4- 1-17/25 12.0% 28.0% 32.0% 68% 86%
5〜6番手 1- 1- 0-23/25 4.0% 8.0% 8.0% 51% 32%
7〜9番手 1- 1- 5-24/31 3.2% 6.5% 22.6% 31% 96%
10〜12番手 2- 0- 2-16/20 10.0% 10.0% 20.0% 50% 59%
13番手〜 3- 2- 2-13/20 15.0% 25.0% 35.0% 89% 101%

※前走については、障害戦、海外戦、競走除外の馬は集計外

表3は、4角通過順別成績を今走(根岸S)と前走に分けて表したもの。まず「今走の4角通過順別成績」から見ていくと、4角を1番手で回った馬の好走例はなく、2番手も2着1回しか好走がない点が目につく。つまり、根岸Sは4角1番手(逃げ馬)や2番手からレースを進めると、結果を出すのが非常に難しいレースと言える。さらに、4角3〜4番手や5〜6番手から勝ったのも各1頭にとどまる。残りの1着馬8頭は4角を7番手以降で回った馬から出ており、そのうち10番手以降が6頭を占める。このデータを見る限り、根岸Sは差し馬優勢と考えて間違いないのではないか。

続いて「前走の4角通過順別成績」を見ていくと、前走1番手は【0.1.0.12】、前走2番手も【0.1.0.18】と根岸Sで厳しい結果に終わっている。先に確認した今走の成績からすれば当然かもしれない。前走で4角を1、2番手で回り、高い先行力を披露していた馬は、根岸Sでは苦戦を覚悟しなくてはならないかもしれない。ただし、前走4角3〜4番手だった馬の成績はよく、1、2番手でなければ大丈夫そう。そして、前走4角13番手以降が勝率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率でベストの数値を記録しており、前走でかなり後ろから行っていた馬にも十分チャンスはありそうだ。

■表4 上がり3Fタイム順別成績

上がり3F順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今走 1位 4- 2- 3- 2/11 36.4% 54.5% 81.8% 278% 250%
2位 4- 1- 2- 3/10 40.0% 50.0% 70.0% 249% 163%
3位 2- 1- 1- 6/10 20.0% 30.0% 40.0% 121% 89%
4位 0- 3- 2-10/15 0.0% 20.0% 33.3% 0% 106%
5位 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 171%
6位〜 0- 3- 1-99/103 0.0% 2.9% 3.9% 0% 15%
前走 1位 3- 1- 3- 9/16 18.8% 25.0% 43.8% 153% 121%
2位 1- 1- 1-14/17 5.9% 11.8% 17.6% 17% 69%
3位 3- 0- 1-12/16 18.8% 18.8% 25.0% 102% 45%
4位 0- 2- 0-11/13 0.0% 15.4% 15.4% 0% 20%
5位 1- 3- 0- 5/ 9 11.1% 44.4% 44.4% 24% 114%
6位〜 1- 2- 4-47/54 1.9% 5.6% 13.0% 18% 55%

※前走については、障害戦、地方戦、海外戦、競走除外の馬は集計外

表4は、上がり3Fタイム順別成績を今走と前走に分けて表したもの。「今走上がり順別成績」から見ていくと、1着馬は10頭とも上がり1〜3位を記録。また、上がり4位や5位でも複勝回収率100%以上をマークしている。そして、根岸Sで上がり6位以下にとどまると、3着以内に入る確率が大幅にダウンする様子が見て取れる。

次に「前走上がり順別成績」を確認すると、前走上がり1位馬は勝率から複勝回収率まで軒並み高い数値を残し、該当馬は有望な存在となりそう。また、前走上がり1〜3位馬が計7勝を挙げ、合わせて勝率14.3%を記録している一方、前走上がり4位以下だと合わせて勝率2.6%までダウンする。勝ち切るためには前走で上がり1〜3位を記録しておきたい。そして、3着以内を目指すのであれば、表4を見る限り、前走上がり1〜5位には収まりたいところだ。

■表5 前走距離との比較

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回延長 2- 2- 1-40/45 4.4% 8.9% 11.1% 15% 30%
同距離 2- 5- 4-56/67 3.0% 10.4% 16.4% 36% 52%
今回短縮 6- 3- 5-27/41 14.6% 22.0% 34.1% 89% 115%

※前走が障害戦、海外戦、競走除外だった馬は集計外

表5は、前走から距離が「今回延長」「同距離」「今回短縮」での出走となる馬の成績を比較したもの。この3つのパターンのうち有利と思われるのは「今回短縮」で、勝率から複勝回収率までの5項目すべての数値で明らかに優位に立っている。

一方、「今回延長」と「同距離」は苦戦の傾向ではあるものの、一定以上の好走を記録しており、無視するわけにもいかない。そこでデータをそれぞれ補足しておきたい。まず「今回延長」の好走5回は、すべて前走がカペラSという共通項がある。そして、カペラSで「上がり1〜5位を記録して1〜3着」なら【2.2.1.5】と、該当すれば一気に有力候補となりうる。「同距離」の場合、前走4着以下だと【0.0.1.26】とかなり苦戦。レースを問わず、前走で1〜3着には入っておきたい。

■表6 前走競馬場別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
距離 競馬場
同距離 東京 0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 30%
中京 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
京都 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 45%
阪神 1- 3- 2-16/22 4.5% 18.2% 27.3% 58% 60%
地方 1- 1- 1-18/21 4.8% 9.5% 14.3% 54% 70%
今回短縮 東京 3- 1- 1- 7/12 25.0% 33.3% 41.7% 109% 198%
中山 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 88%
中京 2- 1- 3- 9/15 13.3% 20.0% 40.0% 90% 105%
京都 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 990% 320%
阪神 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
地方 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

※前走が障害戦、海外戦、競走除外だった馬は集計外

表6は、前走競馬場別成績を「同距離」と「今回短縮」に分けて表したもの。なお、「今回延長」の好走はカペラS組に限られることを前項で述べたため、表6では省略する。

好成績の「今回短縮」を先に確認すると、前走で東京、中山、中京を走っていた馬はいずれも複勝率40%以上を記録。そして、「今回短縮」における前走東京の好走例は武蔵野S組しかなく、同様に前走中京はチャンピオンズC組、前走中山は師走S組に限られる。また、前走京都の出走例は1頭だが、その20年モズアスコットはマイルCSからの臨戦で勝利を収めている。一方、前走阪神や地方からの好走例は見られない。

「同距離」の好走は、前走阪神か前走地方が多くを占める。「同距離」で前走阪神の場合、前走で1〜3着に入っていれば【1.3.2.7】の好成績を収めており、該当馬がいれば侮れない。前走地方の場合、関西馬が【1.1.1.12】とすべての好走を記録している。

【結論】

2022/10/30 東京10R ペルセウスステークス1着 13番 レモンポップ2022/10/30 東京10R ペルセウスステークス
1着 13番 レモンポップ
(Photo by JRA)

今年の根岸Sには18頭がエントリー(フルゲート16頭)。そのなかから上記のデータ分析にもとづく有力馬を、前走から距離が「今回延長」「同距離」「今回短縮」の3グループに分けて紹介していきたい。

最初に取り上げるのは、根岸Sでの成績がもっともよい「今回短縮」。この場合、前走東京だと武蔵野S組、前走中京だとチャンピオンズC組、前走中山だと師走S組しか好走例がないことを表6の項で述べた。今年該当するのは、前走武蔵野S1着のギルデッドミラー、同2着のレモンポップ、同7着のアドマイヤルプスと、前走チャンピオンズC10着のタガノビューティーの4頭となる。

そして、根岸Sでは差し馬が優勢であることを表3の項で、前走の上がり3F順は5位までには入っておきたいことを表4の項でそれぞれ述べた。これらのことを勘案すると、ダート転向後の3戦でいずれも差して連対を果たし、前走武蔵野Sで上がり1位を記録しているギルデッドミラーは、過去10年で好走がない牝馬ではあるものの、馬のタイプとしては根岸Sに合っていそうだ。

武蔵野S2着のレモンポップは、先行タイプの馬である点が少々気がかり。ただし、過去9戦中6戦で上がり1位を記録し、武蔵野Sでも4角3番手から上がり3位と、前に行ってなおかつ速い上がりを使える点は強みと言える。先行争いに巻き込まれず上手に脚を溜めて、速い上がりを使うことができるかどうかが好走の鍵を握るのではないか。

一方、アドマイヤルプスの武蔵野Sは4角2番手から上がり10位・7着という結果で、差し馬優勢かつ上がりの脚が求められる根岸Sとは適性がズレそう。むしろ、多くのレースで4角を10番手以降で回っているタガノビューティーのほうが展開としては合いそうで、そのことは昨年3着好走の実績が示す通りだ。ただし、同馬は出走馬決定順が低く、除外の可能性がある。

今回短縮馬ではホウオウアマゾンにも触れておきたい。前走マイルCSかつ今回が初ダートというのは20年1着のモズアスコットと同じパターン。ただし、差し馬だったモズアスコットとは違い、先行タイプである点は気になるところで、仮にダート適性があったとしても脚質が合わないかもしれない。

「同距離」の場合、前走で1〜3着に入っておきたいことを表5の項で、特に前走阪神で1〜3着だと好成績であることを表6の項でそれぞれ述べた。つまり今年の注目は、前走阪神のギャラクシーSで1着のデンコウリジエールということになる。

最後に「今回延長」は、カペラS組で上がり1〜5位を記録して1〜3着なら有望な存在となるが、今年は該当する馬がいなかった。なお、昨年の覇者であるテイエムサウスダンは、今年は前走JBCスプリント(盛岡ダート1200m)から「今回延長」での出走となる。昨年は「同距離」で制しているが、このローテーションの違いはどのような影響を及ぼすのだろうか。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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