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第1641回 G1は1番人気が未勝利! 今年上半期のJRA平地重賞を振り返る

2022/7/4(月)

今年上半期の中央競馬は、いろいろな出来事があった。一つ話題になったのは、G1で1番人気が1勝もできずに終わったということ。そこで今回はその点に関するデータを中心に、上半期のJRA平地重賞を振り返ってみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 2022年上半期のJRA平地重賞の人気別成績(6/26・宝塚記念まで)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1番人気 11-  14-   8-  33/  66 16.7% 37.9% 50.0% 43 73
2番人気 16-   7-   8-  35/  66 24.2% 34.8% 47.0% 115 85
3番人気 8-   9-   9-  40/  66 12.1% 25.8% 39.4% 73 85
4番人気 9-   7-   9-  41/  66 13.6% 24.2% 37.9% 110 97
5番人気 5-   5-   7-  49/  66 7.6% 15.2% 25.8% 66 76
6番人気 3-   2-   9-  52/  66 4.5% 7.6% 21.2% 49 73
7番人気 6-   6-   3-  51/  66 9.1% 18.2% 22.7% 138 105
8番人気 3-   2-   7-  54/  66 4.5% 7.6% 18.2% 158 104
9番人気 1-   5-   3-  57/  66 1.5% 9.1% 13.6% 104 90
10番人気 1-   1-   0-  64/  66 1.5% 3.0% 3.0% 22 17
11番人気 1-   3-   0-  60/  64 1.6% 6.3% 6.3% 42 68
12番人気 1-   3-   0-  55/  59 1.7% 6.8% 6.8% 87 50
13番人気 0-   2-   2-  51/  55 0.0% 3.6% 7.3% 0 90
14番人気 0-   0-   0-  50/  50 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
15番人気 1-   0-   0-  46/  47 2.1% 2.1% 2.1% 207 42
16番人気 0-   0-   0-  37/  37 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
17番人気 0-   0-   1-  16/  17 0.0% 0.0% 5.9% 0 264
18番人気 0-   0-   1-  12/  13 0.0% 0.0% 7.7% 0 367

2022/6/26 阪神11R 宝塚記念(G1) 1着 6番 タイトルホルダー 2022/6/26 阪神11R 宝塚記念(G1)
1着 6番 タイトルホルダー

表1は2022年上半期のJRA平地重賞の人気別成績(6/26・宝塚記念まで、以下同様)。1番人気と2番人気の成績がかなり良く、3番人気以下を少し引き離している印象。1番人気と2番人気の比較では、勝率は2番人気の方が高く、連対率や複勝率はあまり差がない。回収率は1番人気よりも2番人気の方が優秀だった。

3番人気と4番人気の間にもあまり差がない印象。5番人気以下では7〜9番人気の回収率が優秀で、馬券的な妙味がある。10番人気以下も好走例は数多くあるが、好走率は上位人気に比べると、当然ガクンと落ちる。

■表2 2022年上半期のJRA平地G1の人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1番人気 0-  1-  1- 10/ 12 0.0% 8.3% 16.7% 0 21
2番人気 3-  2-  0-  7/ 12 25.0% 41.7% 41.7% 118 79
3番人気 2-  5-  0-  5/ 12 16.7% 58.3% 58.3% 89 140
4番人気 3-  0-  4-  5/ 12 25.0% 25.0% 58.3% 175 166
5番人気 1-  3-  0-  8/ 12 8.3% 33.3% 33.3% 75 101
6番人気 0-  0-  2- 10/ 12 0.0% 0.0% 16.7% 0 63
7番人気 1-  0-  2-  9/ 12 8.3% 8.3% 25.0% 120 167
8番人気 2-  0-  1-  9/ 12 16.7% 16.7% 25.0% 720 193
9番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
10番人気 0-  1-  0- 11/ 12 0.0% 8.3% 8.3% 0 60
11番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
12番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
13番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
14番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
15番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
16番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
17番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 450
18番人気 0-  0-  1-  7/  8 0.0% 0.0% 12.5% 0 597

表2は2022年上半期のJRA平地G1の人気別成績。冒頭に述べたように1番人気は勝つことができなかった。成績は【0.1.1.10】で2着・3着もそれぞれ1回しかなかった。勝ち切れなかった、あるいは取りこぼしたという感じではなく、明らかに不振だった。表1の1番人気成績に比べると、今年上半期のG1における1番人気成績が異常だったことがわかる。

2番人気以下の成績を見てみると、3番人気の連対率・複勝率、4番人気の複勝率が58.3%と非常に高いのが目立つ。5番人気や8番人気の成績も、表1の同人気と比較するとやや高い。また、17番人気と18番人気で3着に入った馬がそれぞれ1頭いた。1番人気が不振だった分、中穴や大穴の馬がよく馬券に絡んだということになる。

■表3 2022年上半期のJRA平地G1で1番人気に支持された馬

日付 レース名 馬名S 性別 年齢 人気 着順 備考
220626 宝塚記念G1 エフフォーリア 4 1 6 2021年JRA賞年度代表馬ほか
220605 安田記念G1 イルーシヴパンサー 4 1 8  
220529 東京優駿G1 ダノンベルーガ 3 1 4  
220522 優駿牝馬G1 サークルオブライフ 3 1 12 2021年JRA賞最優秀2歳牝馬
220515 ヴィクトG1 レイパパレ 5 1 12 21年大阪杯1着
220508 NHKマG1 セリフォス 3 1 4 21年朝日杯FS2着
220501 天皇賞春G1 ディープボンド 5 1 2 21年天皇賞(春)2着
220417 皐月賞G1 ドウデュース 3 1 3 2021年JRA賞最優秀2歳牡馬
220410 桜花賞G1 ナミュール 3 1 10  
220403 大阪杯G1 エフフォーリア 4 1 9 2021年JRA賞年度代表馬ほか
220327 高松宮記G1 レシステンシア 5 1 6 21年高松宮記念2着
220220 フェブラG1 レッドルゼル 6 1 6  

表3には2022年上半期のJRA平地G1で1番人気に支持された馬を記した。昨年、JRA賞の年度代表馬・最優秀3歳牡馬に輝いたエフフォーリアだが、今年は大阪杯に続いて宝塚記念でも人気を裏切ってしまった。また昨年、最優秀2歳牝馬に輝いたサークルオブライフは1番人気に支持されたオークスで12着と大敗してしまった。

そして、高松宮記念のレシステンシアは前年の同レースで2着と好走していたが、今年は6着と敗れてしまった。このように前年にG1で好成績を挙げた実績馬が、今年のG1で凡走というケースが目立った。

■表4 2022年上半期のJRA平地重賞の種牡馬成績

順位 種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 ロードカナロア 9-  1-  6- 54/ 70 12.9% 14.3% 22.9% 129 125
2 ハーツクライ 6-  3-  4- 51/ 64 9.4% 14.1% 20.3% 159 65
3 ドゥラメンテ 6-  2-  3- 22/ 33 18.2% 24.2% 33.3% 109 92
4 キングカメハメハ 4-  8-  4- 40/ 56 7.1% 21.4% 28.6% 63 97
5 ディープインパクト 4-  6-  8- 93/111 3.6% 9.0% 16.2% 70 51
6 キズナ 3-  4-  7- 29/ 43 7.0% 16.3% 32.6% 63 108
7 ミッキーアイル 3-  2-  1-  6/ 12 25.0% 41.7% 50.0% 76 270
8 オルフェーヴル 2-  5-  1- 30/ 38 5.3% 18.4% 21.1% 275 110
9 モーリス 2-  3-  0- 19/ 24 8.3% 20.8% 20.8% 38 81
10 ハービンジャー 2-  2-  2- 14/ 20 10.0% 20.0% 30.0% 29 70
35 エピファネイア 0-  4-  4- 29/ 37 0.0% 10.8% 21.6% 0 76

ここからはG1だけでなく、すべての平地重賞のデータを見ていく。表4は2022年上半期のJRA平地重賞の種牡馬成績。1位はロードカナロアで9勝をマーク。代表産駒はダノンスコーピオンで、アーリントンCとNHKマイルCを勝利した。3位に入ったドゥラメンテ産駒は、今年上半期のG1で大爆発。スターズオンアースが桜花賞・オークスの牝馬クラシック2冠に輝き、タイトルホルダーは日経賞、天皇賞(春)、宝塚記念を制した。

2022/5/14 東京11R 京王杯スプリングカップ(G2) 1着 12番 メイケイエール 2022/5/14 東京11R 京王杯スプリングカップ(G2)
1着 12番 メイケイエール

7位のミッキーアイル産駒は勝率25.0%、連対率41.7%、複勝率50.0%とかなり優秀な成績。メイケイエールがシルクロードSと京王杯スプリングCを優勝。ナムラクレアがフィリーズレビュー2着、桜花賞3着、函館スプリントS1着と好走。ピンハイはチューリップ賞を13番人気で2着と激走した。ミッキーアイル産駒はスピード能力に長けた馬が多く、今後も芝マイル以下の重賞で目が離せない存在になりそうだ。

一方、エピファネイアの成績は【0.4.4.29】。やはりエフフォーリアやサークルオブライフが走らなかったことが大きく影響している印象だ。血統的には早熟タイプとは思えず、いきなり成績がガタ落ちになるとは考えづらい。不振の理由はわからないが、見限らずに見守りたいところだ。

■表5 2022年上半期のJRA平地重賞の騎手成績

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 川田将雅 5- 4- 7-17/33 15.2% 27.3% 48.5% 103 110
2 岩田康誠 5- 1- 1-13/20 25.0% 30.0% 35.0% 215 109
3 横山和生 5- 1- 0-12/18 27.8% 33.3% 33.3% 105 73
4 池添謙一 5- 0- 1-26/32 15.6% 15.6% 18.8% 94 38
5 浜中俊 4- 2- 2- 8/16 25.0% 37.5% 50.0% 128 108
6 松山弘平 4- 0- 2-16/22 18.2% 18.2% 27.3% 110 57
7 武豊 3- 3- 4-28/38 7.9% 15.8% 26.3% 62 89
8 横山典弘 3- 2- 1-18/24 12.5% 20.8% 25.0% 91 58
9 田辺裕信 3- 1- 1-21/26 11.5% 15.4% 19.2% 98 55
10 M.デムーロ 2- 4- 5-24/35 5.7% 17.1% 31.4% 33 102
11 菅原明良 2- 2- 2-18/24 8.3% 16.7% 25.0% 138 284
12 和田竜二 2- 2- 0-22/26 7.7% 15.4% 15.4% 60 40
13 福永祐一 2- 2- 0-24/28 7.1% 14.3% 14.3% 50 28
14 岩田望来 2- 1- 1-25/29 6.9% 10.3% 13.8% 85 49
15 吉田隼人 2- 0- 2-13/17 11.8% 11.8% 23.5% 378 119
16 藤岡佑介 2- 0- 1-20/23 8.7% 8.7% 13.0% 36 26
17 ルメール 1- 9- 1-16/27 3.7% 37.0% 40.7% 24 74
18 松岡正海 1- 2- 1-18/22 4.5% 13.6% 18.2% 442 215
19 レーン 1- 2- 1- 8/12 8.3% 25.0% 33.3% 40 140
20 横山武史 1- 1- 7-21/30 3.3% 6.7% 30.0% 7 67

表5は2022年上半期のJRA平地重賞の騎手成績。川田将雅騎手、岩田康誠騎手、横山和生騎手、池添謙一騎手がそれぞれ5勝をマーク。川田騎手はG1(フェブラリーS、ヴィクトリアマイル、日本ダービー)で1番人気に支持されて好走できなかったイメージがあるかもしれないが、重賞全体としてはいい成績だし、回収率も高かった。岩田康誠騎手は東京の成績が【2.1.1.2】と特に良かった。

4勝を挙げて5位だった浜中俊騎手は連対率(37.5%)と複勝率(50.0%)が優秀で、単・複の回収率も100%を超えていた。また、JRA以外のレースだが、先日の帝王賞(大井)では5番人気のメイショウハリオを勝利に導いた。終わってみれば、今年上半期の重賞で最も勢いがあり、馬券的にも妙味があったのは浜中俊騎手だったようだ。

一方、ルメール騎手の成績は【1.9.1.16】。勝利はスターズオンアースのオークスだけだった。しかし、2着は9回と非常に多く、連対率37.0%、複勝率40.7%という数字は非常に優秀なので、トップジョッキーの意地は見せた。今年上半期は重賞で勝利に恵まれなかったが、下半期のビッグレースで期待したい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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