データde出〜た
第1640回 波乱傾向が強いラジオNIKKEI賞の狙い目は?
2022/6/30(木)
今週から始まる夏の福島開催、日曜のメインは3歳限定重賞のラジオNIKKEI賞。3歳限定戦で唯一のハンデ重賞だ。夏のハンデ戦らしく波乱傾向が強いレースで、近5年中4年で3連単の配当が10万円以上となっている。一筋縄ではいかないが、配当妙味がありそうなラジオNIKKEI賞の狙い目を2017年以降・近5年のデータから探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 ラジオNIKKEI賞近5年の人気別成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 26 |
2番人気 | 2- 0- 0- 3/ 5 | 40.0% | 40.0% | 40.0% | 170 | 76 |
3番人気 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 168 | 56 |
4番人気 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 156 | 56 |
5番人気 | 0- 0- 1- 4/ 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 72 |
6番人気 | 0- 0- 1- 4/ 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 80 |
7番人気 | 0- 1- 1- 3/ 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% | 0 | 198 |
8番人気 | 1- 1- 0- 3/ 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% | 404 | 180 |
9番人気 | 0- 1- 2- 2/ 5 | 0.0% | 20.0% | 60.0% | 0 | 318 |
10番人気以下 | 0- 1- 0-23/24 | 0.0% | 4.2% | 4.2% | 0 | 34 |
表1は近5年の人気別成績。1番人気馬は勝ち星がなく、2着1回のみで連対率・複勝率はともに20%と低い。2番人気馬は18年メイショウテッコンら2勝、3番人気馬は19年ブレイキングドーン、4番人気馬は昨年のヴァイスメテオールがそれぞれ勝利しているが、1着か4着以下か、ハッキリしている。
その他の1勝は一昨年8番人気で勝利したバビット。これら黄色で強調した7〜9番人気馬の好走が目立っており、それぞれ複勝回収率は100%を大きく超えている。これら中位〜下位人気の馬に注意しておきたい。なお、10番人気以下は昨年のワールドリバイバル(11番人気)の2着1回のみで、好走確率は低くなっている。
■表2 ラジオNIKKEI賞近5年の脚質別成績
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 1- 1- 2- 1/ 5 | 20.0% | 40.0% | 80.0% | 404 | 350 |
先行 | 2- 3- 0-12/17 | 11.8% | 29.4% | 29.4% | 50 | 135 |
差し | 2- 0- 1-26/29 | 6.9% | 6.9% | 10.3% | 55 | 31 |
追い込み | 0- 1- 2-15/18 | 0.0% | 5.6% | 16.7% | 0 | 64 |
表2は脚質別成績。逃げ馬は一昨年のバビットが勝利し、複勝率80%と非常に高い。馬券圏外の1回も19年のダディーズマインドの4着で、毎年上位に粘れている。近5年の逃げ馬はいずれも7〜9番人気で、逃げられそうな人気薄の馬は要チェックだ。
先行馬は17年セダブリランテスら2勝で、毎年1頭ずつ連対している。近3年は9・7・11番人気馬が連対しており、逃げ馬も合わせて前に行く人気薄が穴を開けている状況だ。
差し馬は昨年のヴァイスメテオールら2勝。追い込み馬は勝ち星がなく、2・3着止まりとなっている。開幕週で小回りのコーナー4回というコース形態もあって、データからは前有利の傾向が出ている。人気薄でも逃げ・先行馬を狙っていきたい。
■表3 ラジオNIKKEI賞近5年の枠番別成績
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1枠 | 2- 1- 1- 3/ 7 | 28.6% | 42.9% | 57.1% | 400 | 275 |
2枠 | 1- 0- 1- 5/ 7 | 14.3% | 14.3% | 28.6% | 58 | 77 |
3枠 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
4枠 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
5枠 | 0- 2- 1- 7/10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% | 0 | 139 |
6枠 | 0- 1- 0- 9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 40 |
7枠 | 1- 0- 2- 7/10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% | 84 | 109 |
8枠 | 1- 1- 0- 8/10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% | 44 | 78 |
表3は枠番別成績。最内の1枠から昨年のヴァイスメテオールら近2年続けて勝ち馬が出ており、連対率42.9%・複勝率57.1%と非常に高い。3着以内馬4頭のうち、昨年1着のヴァイスメテオールだけ4番人気で、あとの3頭は8〜9番人気と穴を開けている点に注意。枠順で1枠の馬はぜひチェックしていただきたい。
その他では5・7枠が複勝率30%と優秀。なお、内めでも3・4枠に入った馬からは3着以内馬が出ていない。
■表4 ラジオNIKKEI賞近5年の斤量別成績
斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
49kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
50kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
51kg | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
52kg | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0 | 120 |
53kg | 1- 2- 3-15/21 | 4.8% | 14.3% | 28.6% | 96 | 151 |
54kg | 2- 3- 1-16/22 | 9.1% | 22.7% | 27.3% | 55 | 96 |
55kg | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 168 | 56 |
56kg | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 58 | 25 |
57kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表4は斤量別成績。勝ち馬は53〜56kgの馬から出ており、3着以内馬は出走数が多い53〜54kgに集中している。特に53kgの馬は、昨年2着のワールドリバイバルが該当するほか、毎年1頭は3着以内に入っている。3着以内馬6頭はすべて6番人気以下の伏兵だった。54kgの馬は17年セダブリランテスら2勝で、連対馬5頭中3頭は上位4番人気以内だった。
55kgは19年ブレイキングドーン、56kgは18年メイショウテッコンがそれぞれ勝利しているが、好走したのは1頭ずつ。一方で、52kg以下の軽量馬も3着1回のみと苦しい。
なお、牝馬は11頭出走して【0.0.0.11】。最高順位も4着が1回だけで、他の10頭は着外に敗れている。
■表5 ラジオNIKKEI賞近5年の前走クラス別成績
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1勝クラス | 2- 3- 3-24/32 | 6.3% | 15.6% | 25.0% | 76 | 94 |
2勝クラス | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 315 |
オープン特別 | 2- 0- 0- 9/11 | 18.2% | 18.2% | 18.2% | 108 | 41 |
G3 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G2 | 1- 0- 1- 8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 84 | 69 |
G1 | 0- 2- 0- 9/11 | 0.0% | 18.2% | 18.2% | 0 | 121 |
表5は前走クラス別成績。前走重賞組は19年ブレイキングドーン(前走京都新聞杯6着)の1勝のみで、複勝率17.4%とそれほど高くない。オープン特別組は18年メイショウテッコン(前走白百合S1着)、昨年のヴァイスメテオール(前走プリンシパル4着)と2勝している。
前走1勝クラス組は一昨年のバビットら2勝で、複勝率は前走重賞組を上回っている。これら前走条件戦組の3着以内馬9頭中7頭は前走で勝利をおさめていた。
<結論>
■表6 今年のラジオNIKKEI賞の出走予定馬
馬名 | 斤量 | 前走成績 |
オウケンボルト | 52 | 青葉賞 12着 |
クロスマジェスティ | 53 | 桜花賞 13着 |
グランディア | 54 | プリンシパルS 5着 |
ゴーゴーユタカ | 54 | 1勝クラス(1600m) 1着 |
サトノヘリオス | 55 | 皐月賞 17着 |
ショウナンマグマ | 53 | プリンシパルS 11着 |
ソネットフレーズ | 54 | NHKマイルC 17着 |
タガノフィナーレ | 51 | 1勝クラス(1600m) 1着 |
フェーングロッテン | 55 | 白百合S 1着 |
ベジャール | 56 | 毎日杯 2着 |
ホウオウノーサイド | 53 | 1勝クラス(1400m) 1着 |
ボーンディスウェイ | 55 | 皐月賞 14着 |
ミッキーブンブン | 52 | 山藤賞(1勝クラス) 8着 |
※フルゲート16頭。除外対象馬なし。
2022/3/26 中山6R 1勝クラス
1着 4番 ショウナンマグマ
2022/5/29 中京11R 白百合ステークス
1着 7番 フェーングロッテン
前走皐月賞組のサトノヘリオスやボーンディスウェイ、前走毎日杯2着のベジャールらが上位人気に推されそうだが、前走重賞組はそれほど信頼度が高くない。
これまでのデータからショウナンマグマとフェーングロッテンの2頭を推奨したい。ショウナンマグマは前走プリンシパルSで11着と大敗したが、最内枠からのスタートで内に包まれて実力を出せていない。2走前の1勝クラスでは2着に8馬身差をつけて逃げ切り勝ち。スタートさえまともなら今回こそ前に行くはずで、斤量は53kg。前走大敗で人気落ちの今回が狙い目と見る。
フェーングロッテンは前走白百合Sを逃げ切り勝ち。こちらもスムーズに先行できると強さを発揮するタイプで、前走勝利に導いた松若騎手が騎乗予定。
これら前に行ける2頭を中心に「行った行った」の展開まで想定しておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。