データde出〜た
第1639回 小倉競馬開幕! CBC賞が行われる小倉芝1200mを分析する
2022/6/27(月)
上半期を締めくくる宝塚記念が終わり、今週から福島と小倉に舞台が替わる。3回小倉開催の開幕週メインは日曜に行われるCBC賞。昨年は逃げたファストフォースが超のつく高速馬場で逃げ切り勝ちを決めている。今回は昨年の3回小倉開催で行われた芝1200m戦を分析し、好走馬の傾向を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 小倉芝1200mで行われた昨年のCBC賞の3着以内馬
開催年 | 着順 | 馬名 | 性齢 | 勝ちタイム | ハンデ(前走比) | 人気 | 前走成績 |
2021 (良/13頭) |
1 | ファストフォース | 牡5 | 1分6秒0 | 52(-3) | 8 | 桂川S(3勝クラス)8着 |
2 | ピクシーナイト | 牡3 | 1/2馬身 | 53(-4) | 2 | NHKマイルC 12着 | |
3 | アウィルアウェイ | 牝5 | 3/4馬身 | 55.5(0.5) | 6 | 高松宮記念 16着 |
2021/7/4 小倉11R CBC賞(G3)
1着 3番 ファストフォース
表1は今年同様に3回小倉の開幕週に行われた昨年のCBC賞における3着以内馬。良馬場の13頭立てで行われ、内から先手を奪ったファストフォースが1分6秒0のレコードタイムで逃げ切り勝ちを決めた。前半3ハロンは32秒3とハイペースで飛ばし、ゴール前は詰め寄られたものの、押し切った。開幕日の土曜は2勝クラスで1分6秒4のレコードタイムが出ていたが、それを翌日に塗り替える形となった。
2着は3歳馬ピクシーナイトで、芝1200m戦は初めてだったが好走。この後、セントウルS2着を経て、スプリンターズSを快勝する。牝馬のアウィルアウェイが3着。高速決着は未知数だったが、前年のスプリンターズS3着の力を示した。1番人気に推された3歳牝馬のヨカヨカは5着に敗退。しかし、同馬は続く北九州記念で勝利している。ハンデ戦で、1・2着馬はともに前走からの大幅斤量減も有利に働いた。
CBC賞はハナに行けそうな軽量馬、また距離短縮で変わり身がありそうな3歳馬に注目しておきたい。
■表2 昨年の3回小倉芝1200m戦における脚質別成績
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 6- 2- 0- 10/ 18 | 33.3% | 44.4% | 44.4% | 396 | 118 |
先行 | 9- 10- 10- 38/ 67 | 13.4% | 28.4% | 43.3% | 66 | 100 |
差し | 3- 5- 6- 68/ 82 | 3.7% | 9.8% | 17.1% | 55 | 60 |
追い込み | 0- 1- 2- 62/ 65 | 0.0% | 1.5% | 4.6% | 0 | 24 |
表2は3回小倉開催の芝1200m戦18レース(すべて良馬場)の脚質別成績。ハナに立った逃げ馬が6勝をあげ、勝率33.3%でトップ。先行馬は最多の9勝をあげ、複勝率では逃げ馬に迫っている。やはり平坦小回りらしく、逃げ先行馬が好走しやすい傾向が出ている。
差し馬は3勝、後方からの追い込み馬は勝ち星なしと、やはり前に行ける脚があるということが重要になってくる。
■表3 昨年の3回小倉芝1200m戦における枠番別成績
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1枠 | 1- 2- 3-19/25 | 4.0% | 12.0% | 24.0% | 7 | 38 |
2枠 | 1- 3- 3-18/25 | 4.0% | 16.0% | 28.0% | 46 | 78 |
3枠 | 4- 0- 2-20/26 | 15.4% | 15.4% | 23.1% | 241 | 71 |
4枠 | 0- 3- 2-23/28 | 0.0% | 10.7% | 17.9% | 0 | 42 |
5枠 | 3- 2- 4-19/28 | 10.7% | 17.9% | 32.1% | 50 | 86 |
6枠 | 0- 2- 1-28/31 | 0.0% | 6.5% | 9.7% | 0 | 11 |
7枠 | 6- 5- 2-23/36 | 16.7% | 30.6% | 36.1% | 88 | 118 |
8枠 | 3- 1- 1-28/33 | 9.1% | 12.1% | 15.2% | 120 | 73 |
表3は枠番別成績。外の7枠に入った馬が最多の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。複勝回収率では唯一100%を超えている。また、大外の8枠も3勝をあげ、7・8枠で半数の9勝をあげている。高速決着の小回りということで内枠有利が想像されるが、小倉芝1200mはスタートから3コーナーまでの距離が約480mと長く、外枠でも不利にならない。表1で挙げた昨年のCBC賞でも2・3着馬はともに7枠の馬だった。
■表4 昨年の3回小倉芝1200m戦における馬体重別成績
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
〜399kg | 1- 0- 0- 10/ 11 | 9.1% | 9.1% | 9.1% | 13 | 10 |
400〜419kg | 0- 2- 1- 21/ 24 | 0.0% | 8.3% | 12.5% | 0 | 55 |
420〜439kg | 1- 5- 4- 36/ 46 | 2.2% | 13.0% | 21.7% | 4 | 69 |
440〜459kg | 5- 7- 4- 35/ 51 | 9.8% | 23.5% | 31.4% | 134 | 76 |
460〜479kg | 5- 0- 2- 42/ 49 | 10.2% | 10.2% | 14.3% | 39 | 23 |
480〜499kg | 5- 0- 5- 22/ 32 | 15.6% | 15.6% | 31.3% | 163 | 126 |
500〜519kg | 1- 3- 1- 10/ 15 | 6.7% | 26.7% | 33.3% | 121 | 78 |
520〜539kg | 0- 1- 1- 2/ 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% | 0 | 125 |
表4は出走時の馬体重別成績。黄色で強調した480kg以上の複勝率がいずれも30%を超えている。昨年のCBC賞を勝ったファストフォースも当日馬体重518kgの大型馬で、これら480kg以上の大型馬があげた6勝中3勝は6番人気以下の伏兵だった。
直線は293mと短いので、大型馬がスピードに乗って先行するとそのまま残ってしまうケースが多いのだろう。小倉芝1200mは480kg以上の大型馬に注目しておきたい。
■表5 昨年の3回小倉芝1200m戦における騎手成績
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
福永祐一 | 5- 3- 1- 5/14 | 35.7% | 57.1% | 64.3% | 105 | 110 |
松山弘平 | 2- 2- 2-10/16 | 12.5% | 25.0% | 37.5% | 56 | 88 |
鮫島克駿 | 2- 0- 1- 7/10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% | 275 | 65 |
岩田望来 | 1- 3- 1- 1/ 6 | 16.7% | 66.7% | 83.3% | 488 | 286 |
川須栄彦 | 1- 2- 0- 6/ 9 | 11.1% | 33.3% | 33.3% | 55 | 91 |
富田暁 | 1- 1- 1-10/13 | 7.7% | 15.4% | 23.1% | 14 | 41 |
酒井学 | 1- 1- 1- 8/11 | 9.1% | 18.2% | 27.3% | 135 | 241 |
浜中俊 | 1- 1- 1- 2/ 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% | 64 | 164 |
※1勝2連対以上を掲載。
2021/7/17 小倉9R 雲仙特別
1着 16番 ダノンシティ
最後に表5は騎手成績。最多の5勝をあげているのが福永祐一騎手で、勝率35.7%と断然トップだ。連対率・複勝率も高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
その福永騎手を連対率・複勝率で上回るのが岩田望来騎手。3回小倉を通して騎乗数6回と少ないものの、そのうち5回を馬券圏内へと導いている。5日目の2勝クラス・雲仙特別では9番人気ダノンシティに騎乗して差し切り勝ち。このときの2着が福永騎手でともにペース判断、追い出すタイミングに優れた騎手といえる。単勝回収率・複勝回収率ともに非常に高く、今夏の小倉でも注目しておきたい。
また浜中俊騎手も複勝率60.0%と高く、複勝回収率で100%を大きく超えている。ご当地の騎手で、やはり要チェックだ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。