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第1591回 2021年JRA最高勝率を誇る川田将雅騎手を分析する!

2022/1/10(月)

昨年199勝をあげてJRA最多勝を獲得したのはC.ルメール騎手。ただ、同騎手を差し置いて、2019年から3年連続で最高勝率を維持しているのが川田将雅騎手だ。今回のデータde出〜たでは、川田将雅騎手の勝率の高さをデータから分析し、今年の馬券作戦に生かしていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 2021年JRA騎手リーディング勝利数TOP5(JRAのみ)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ルメール 199-134- 78-391/802 24.8% 41.5% 51.2% 71 77
川田将雅 136- 62- 59-221/478 28.5% 41.4% 53.8% 99 81
松山弘平 130-109- 77-575/891 14.6% 26.8% 35.5% 76 73
福永祐一 123- 92- 92-380/687 17.9% 31.3% 44.7% 67 76
横山武史 104- 90- 68-521/783 13.3% 24.8% 33.5% 79 72

表1は昨年のJRA騎手リーディング勝利数トップ5。C.ルメール騎手が199勝をあげて5年連続で最多勝利騎手に輝き、川田将雅騎手は2位の136勝。以下、松山騎手、福永騎手、横山武史騎手までが100勝を超えていた。黄色で強調した川田騎手は他の4名と比べて、騎乗数が少ないことがハッキリとわかる。勝率ではルメール騎手を3.7ポイント上回る28.5%、複勝率でも53.8%でトップに立っている。騎乗の半数以上は馬券に絡んでいるので、予想する上で絶対にチェックしなければならない騎手だ。

また、1着数が2着や3着の2倍以上であるというのが驚異的で、それだけ勝ちにこだわった騎乗ができているという証明だろう。単勝回収率・複勝回収率ともにトップ5の中で最も高い数値となっている。馬券を買う際にアタマとして信頼できる騎手といえる。

■表2 川田将雅騎手の年度別成績(2017年〜21年)

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
2021年 136- 62- 59-221/478 28.5% 41.4% 53.8% 99 81
2020年 167-111- 62-254/594 28.1% 46.8% 57.2% 85 84
2019年 152-102- 75-256/585 26.0% 43.4% 56.2% 86 87
2018年 93-101- 71-296/561 16.6% 34.6% 47.2% 74 93
2017年 91- 94- 73-334/592 15.4% 31.3% 43.6% 69 90

表2は2017年から昨年までの川田騎手の年度別成績。黄色で強調したように勝率は17年から年々上昇しており、特に19年は26.0%と前年から10ポイント近い伸びを見せている。19年から昨年までは3年連続で最高勝率をキープ、13年・14年も最高勝率を叩き出しており、計5回目となった。19年以降は連対率40%以上、複勝率50%以上をマークしており、トップジョッキーとして熟練の域に達していることがわかる。

■表3 川田将雅騎手の芝レース枠番別成績(2021年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 6- 1- 6-10/23 26.1% 30.4% 56.5% 77 92
2枠 12- 6- 7-15/40 30.0% 45.0% 62.5% 89 89
3枠 8- 8- 1-17/34 23.5% 47.1% 50.0% 60 67
4枠 7- 7- 4-21/39 17.9% 35.9% 46.2% 72 74
5枠 22- 9- 5-18/54 40.7% 57.4% 66.7% 114 90
6枠 13- 4- 8-17/42 31.0% 40.5% 59.5% 131 87
7枠 14- 3- 6-19/42 33.3% 40.5% 54.8% 211 99
8枠 15- 2- 6-20/43 34.9% 39.5% 53.5% 101 76

2021/6/6 東京11R 安田記念(G1) 1着 11番 ダノンキングリー

ここからは昨年の川田騎手を個々のデータから分析してみよう。まず表3は芝のレースにおける枠番別成績。外の5〜8枠での勝率が高く、単勝回収率も軒並み100%を超えている

国内のG1は昨年高松宮記念のダノンスマッシュ(7枠14番)、大阪杯のレイパパレ(6枠8番)、安田記念のダノンキングリー(7枠11番)と3勝しており、いずれも6・7枠での勝利だった。安田記念では8番人気(単勝47.6倍)のダノンキングリーに騎乗し、圧倒的1番人気のグランアレグリアをアタマ差抑えて勝利したのは記憶に新しい。

外枠から内の馬たちをみながらレースを進めて勝ち切るというのは、状況判断や追い出すタイミングなどが優れている結果だろう。今年も外枠での川田騎手の騎乗は興味深く見ていきたい。

■表4 川田将雅騎手のダート戦における馬体重別成績(2021年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
400〜419kg 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
420〜439kg 0-  0-  1-  0/  1 0.0% 0.0% 100.0% 0 170
440〜459kg 9-  5-  3- 14/ 31 29.0% 45.2% 54.8% 96 82
460〜479kg 6-  6-  3- 16/ 31 19.4% 38.7% 48.4% 50 73
480〜499kg 11-  7-  5- 34/ 57 19.3% 31.6% 40.4% 60 62
500〜519kg 7-  3-  1- 12/ 23 30.4% 43.5% 47.8% 100 69
520〜539kg 6-  1-  2-  5/ 14 42.9% 50.0% 64.3% 155 118
540kg以上 0-  0-  1-  1/  2 0.0% 0.0% 50.0% 0 75

表4は昨年のダート戦における馬体重別成績。黄色で強調した500kg以上の大型馬での勝率が高い。500kg以上全体では勝率33.3%、単勝回収率も115%。特に520kg以上では単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えていた

大型馬でもきっちり追う技術に優れており、特性を生かした騎乗ができるということだろう。今年もこの傾向が続くのかチェックしていきたい。

■表5 川田将雅騎手騎乗馬の前走からの斤量増減別成績(2021年)

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
増減無し 67- 33- 25-114/239 28.0% 41.8% 52.3% 106 86
今回増 30- 17- 16- 59/122 24.6% 38.5% 51.6% 72 70
今回減 21-  5-  9- 19/ 54 38.9% 48.1% 64.8% 134 96

表5は川田騎手の騎乗馬における前走からの斤量増減別成績。該当数は少ないものの、前走から斤量減となる馬が好成績をあげている。勝率38.9%と非常に高く、複勝率も64.8%と優秀だ。単勝回収率も134%と100%を大きく超えている。斤量が軽くなった馬を好走しやすい状況にもっていくのも川田騎手の技術の高さだろう。

斤量増減なしでも勝率28.0%と高く、単勝回収率は100%を超えている。ただ、前走から斤量増の場合は勝率・連対率・複勝率とも低下傾向にある。騎乗馬の前走からの斤量増減は細かくチェックしたいところだ。

■表6 川田将雅騎手の調教師別成績(2021年)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
(栗)中内田充正 30-11-11-32/84 35.7% 48.8% 61.9% 113 90
(栗)友道康夫 15- 4- 4-15/38 39.5% 50.0% 60.5% 109 83
(栗)高野友和 7- 4- 2- 6/19 36.8% 57.9% 68.4% 137 107
(栗)安田隆行 7- 2- 4- 7/20 35.0% 45.0% 65.0% 124 98
(栗)音無秀孝 6- 0- 0- 1/ 7 85.7% 85.7% 85.7% 220 117
(栗)矢作芳人 5- 4- 2- 6/17 29.4% 52.9% 64.7% 73 91
(栗)安田翔伍 5- 1- 0- 5/11 45.5% 54.5% 54.5% 134 70
(栗)森秀行 4- 1- 1- 4/10 40.0% 50.0% 60.0% 118 102

※4勝以上を掲載。

表6は昨年の調教師別成績。トップは中内田厩舎で30勝をあげている。昨年54勝でリーディングトレーナーに輝いた中内田厩舎の勝ち星は半数以上が川田騎手とのコンビによるものだった。川田騎手×中内田厩舎は一大ブランドとしてすでに確立されているが、今年もその傾向が間違いなく続いていくだろう。人気になりやすい組み合わせとはいえ、それでも単勝回収率100%超えは素晴らしいとしか言いようがない。

友道厩舎でも15勝と勝ち星が多く、高野厩舎・安田隆行厩舎の7勝と続く。音無厩舎では現オープンのダノンハーロックの3連勝を含む7戦6勝と好相性。表の中では矢作厩舎のみ単勝回収率で100%を下回っているが、同厩舎でBCフィリー&メアターフ、香港カップと海外G1を連勝したラヴズオンリーユーとの活躍は昨年の名場面だった。

■表7 川田将雅騎手×中内田厩舎の年齢別成績(2021年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
2歳 6- 3- 4- 3/16 37.5% 56.3% 81.3% 103 89
3歳 17- 5- 5-12/39 43.6% 56.4% 69.2% 142 107
4歳 5- 2- 2-15/24 20.8% 29.2% 37.5% 62 59
5歳 2- 1- 0- 2/ 5 40.0% 60.0% 60.0% 162 104

2021/8/29 新潟11R 新潟2歳ステークス(G3) 1着 1番 セリフォス

最後に表7は川田騎手×中内田厩舎の年齢別成績。勝利数が多いのは2・3歳戦で、勝率も高い。2歳戦では複勝率が81.3%と非常に高く、馬券では当然組み込まなければならない。昨年はセリフォスで新潟2歳Sを勝利。明け3歳の今年も同馬への期待は高い。

3歳馬で過半数の17勝をあげ、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。4歳馬では率が下がるが、5歳馬ではダノンファンタジーのスワンS、アンドラステの中京記念と重賞を2勝している。

今後は中内田厩舎とのコンビでクラシックを制覇する場面を見たいところだ。今年もすでに5勝をあげ(1月9日現在)、C.デムーロ騎手ともにリーディングトップに立つ川田将雅騎手。2022年もその騎乗ぶりから目が離せそうにない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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