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第1550回 前走内容にヒントあり! 北九州記念を分析する

2021/8/16(月)

今週は日曜に札幌記念、北九州記念と2鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは、小倉競馬場芝1200mで行われるハンデ重賞・北九州記念をピックアップ。2017年には3連単100万円以上の高配当が飛び出すなど波乱の要素が強い一戦を2016年以降近5年のデータから分析し、馬券的に狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 北九州記念近5年の3着以内馬一覧

年(馬場/頭数) 着順 馬名 性齢 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半600m通過
2020
(稍重/18頭)
1 レッドアンシェル 牡6 1分7秒8 8 8 34秒2 32秒4
2 モズスーパーフレア 牝5 1馬身3/4 1 1 35秒7
3 アウィルアウェイ 牝4 アタマ 10 14 34秒2
2019
(良/18頭)
1 ダイメイプリンセス 牝6 1分8秒2 9 8 34秒5 32秒7
2 ディアンドル 牝3 1馬身 3 4 35秒2
3 アンヴァル 牝4 クビ 5 14 34秒4
2018
(良/17頭)
1 アレスバローズ 牡6 1分6秒6 6 6 33秒5 32秒4
2 ダイメイプリンセス 牝5 1馬身1/2 4 6 33秒9
3 ラブカンプー 牝3 1/2馬身 7 2 34秒5
2017
(良/18頭)
1 ダイアナヘイロー 牝4 1分7秒5 3 2 34秒6 32秒8
2 ナリタスターワン 牡5 3/4馬身 14 3 34秒4
3 ラインスピリット 牡6 1/2馬身 15 3 34秒7
2016
(良/12頭)
1 バクシンテイオー 牡7 1分8秒5 8 10 34秒2 33秒6
2 ベルカント 牝5 1馬身 1 2 35秒0
3 オウノミチ 牡5 1馬身 3 4 34秒8

2020/8/23 小倉11R テレビ西日本賞北九州記念(G3) 1着 4番 レッドアンシェル

表1は北九州記念近5年の3着以内馬一覧。2016〜19年は良馬場、昨年は稍重で行われており、勝ちタイムは1分6秒6〜8秒5と年にとってかなり差がある。16年は12頭立て(当初13頭立てから1頭除外)と他の年に比べて出走頭数が少なく、前半3ハロンが33秒6と遅かったが、近4年は前半32秒台と速めの流れになった。

勝ち時計が1分7秒5以内の17年、18年は4コーナー6番手以内の馬が上位を占めているが、その他の年は4コーナー10番手以下の馬が1頭ずつ3着以内に入っている。昨年は中団の内で脚を溜めたレッドアンシェルが抜け出して1着。2着には逃げたモズスーパーフレア、3着には後方から伸びたアウィルアウェイが入った。

今年は前の3回小倉開催の時計が非常に速く、2日目に行われたCBC賞は1分6秒0のレコード決着。ただ、4回開催の開幕週だった先週は雨の影響が強く、内を空けるコース取りが目立ち、時計も掛かり気味だった。今週、良馬場で行われたとして時計がどの程度出るのか、土曜メインの3勝クラス・佐世保Sに注目しておきたい。

人気面では1番人気【0.2.0.3】、2番人気【0.0.0.5】でともに勝ち星がなく、3番人気【1.1.1.2】で複勝率は60%のトップ。前述したように17年は2・3着に人気薄が入り、3連単107万8270円の大波乱となった。伏兵の激走が目立つ一戦となっている。

■表2 北九州記念近5年の枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2枠 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 165 46
3枠 1- 1- 0- 7/ 9 11.1% 22.2% 22.2% 96 60
4枠 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0 11
5枠 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 57 77
6枠 1- 2- 3- 4/10 10.0% 30.0% 60.0% 217 251
7枠 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
8枠 1- 0- 1-12/14 7.1% 7.1% 14.3% 220 155

表2は枠番別成績。黄色で強調した6枠に入った馬は16年バクシンテイオーが勝利し、複勝率60%と非常に高い。昨年は3着アウィルアウェイが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。枠順はまだ出ていないが、6枠に入った馬はチェックしておきたい。

複勝率では5枠、3枠と続き、1枠と7枠からはともに3着以内馬が出ていない。

■表3 北九州記念近5年の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
CBC賞 2- 0- 1-16/19 10.5% 10.5% 15.8% 124 62
アイビスSD 1- 3- 2-15/21 4.8% 19.0% 28.6% 146 187
バーデンバーデンC 1- 0- 2-11/14 7.1% 7.1% 21.4% 155 53
佐世保S(3勝クラス) 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 285 125
高松宮記念 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0 66
葵S 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0 52
その他のレース 0- 0- 0-20/20 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

表3は前走レース別成績。出走数が多いのは上位3レースで、そのなかではアイビスSD組の連対率・複勝率が最も高い。ただし、今年はCBC賞が中京ではなく小倉で行われており、傾向は変わるかもしれない。

アイビスSD組以外の好走馬はすべて前走芝1200m組で、好走馬9頭中8頭は前走で3着以内に入っていた。

■表4 北九州記念近5年の前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1着 2- 4- 1- 9/16 12.5% 37.5% 43.8% 90 100
前走2着 0- 0- 2- 8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0 57
前走3着 2- 0- 0- 3/ 5 40.0% 40.0% 40.0% 732 148
前走4着 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走5着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走6〜9着 1- 1- 2-19/23 4.3% 8.7% 17.4% 133 156
前走10着以下 0- 0- 0-20/20 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

表4は前走着順別成績。黄色で強調した前走3着以内の馬が好走馬15頭中11頭を占めている。前走1着だった馬は18年アレスバローズら2勝をあげ、複勝率43.8%と優秀だ。昨年は2着モズスーパーフレアが該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。前走3着馬は昨年のレッドアンシェルら2勝。前走で馬券圏内に入っている馬は引き続き注意したい。

前走6〜9着から3着以内に巻き返した4頭中3頭は前走アイビスSD組だった。なお、前走2ケタ着順から巻き返した馬は出ていない。

■表5 北九州記念近5年の前走人気別成績

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1人気 0- 3- 1- 3/ 7 0.0% 42.9% 57.1% 0 127
前走2人気 2- 0- 1- 6/ 9 22.2% 22.2% 33.3% 405 131
前走3人気 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 165 46
前走4人気 1- 0- 1- 9/11 9.1% 9.1% 18.2% 79 46
前走5人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走6〜9人 1- 1- 2-18/22 4.5% 9.1% 18.2% 98 114
前走10番人気以下 0- 1- 0-20/21 0.0% 4.8% 4.8% 0 48

表5は前走人気別成績。前走1・2番人気だった馬が好成績をあげている。前走1番人気の馬は勝ち星こそないものの、連対率42.9%・複勝率57.1%と非常に高い。前走2番人気の馬も一昨年のダイメイプリンセスら2勝をあげ、複勝率33.3%。これら前走2番人気以内の馬が出走してくれば、ぜひともチェックしていただきたい。

なお、前走10番人気以下だった馬は17着2着ナリタスターワン(前走12番人気)しか好走馬が出ていない。

■表6 北九州記念近5年の前走からの斤量増減別成績

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
増減無し 3- 0- 4-32/39 7.7% 7.7% 17.9% 172 100
今回増 1- 3- 1- 5/10 10.0% 40.0% 50.0% 87 114
今回減 1- 2- 0-31/34 2.9% 8.8% 8.8% 16 43

2018/8/19 小倉11R テレビ西日本賞北九州記念(G3) 1着 5番 アレスバローズ

最後に表6は前走からの斤量増減別成績。今回斤量増の馬は18年アレスバローズが勝利し、連対率40%・複勝率50%と非常に高い。複勝回収率も100%を超えている。この組の3着以内馬5頭はすべて前走で勝利をおさめていた。

斤量増減なしの馬は昨年のレッドアンシェルら近2年の勝ち馬を含む最多の3勝。3勝は8、9、8番人気での勝利で、伏兵の一発がある。なお、斤量減の馬は17年ダイアナヘイローの1勝のみで、複勝率は8.8%と最も低かった。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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