データde出〜た
第1518回 日本ダービーの前哨戦・青葉賞を分析する
2021/4/26(月)
5月1週目となる今週末は土曜に青葉賞、日曜に天皇賞(春)と2鞍の重賞が組まれている。今回は土曜東京メインの青葉賞をピックアップ。日本ダービーの前哨戦で、上位2着までに同レースの優先出走権が与えられる。今回は2016年以降・近5年の青葉賞のレース傾向から今年馬券で狙えそうなタイプを探し出していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 青葉賞近5年の3着以内馬一覧
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半1000m通過 |
2020 (良/18頭) |
1 | オーソリティ | 2分23秒0 | 3 | 6 | 34秒1 | 60秒4 |
2 | ヴァルコス | クビ | 4 | 3 | 34秒3 | ||
3 | フィリオアレグロ | クビ | 1 | 10 | 33秒9 | ||
2019 (稍重/16頭) |
1 | リオンリオン | 2分25秒0 | 5 | 1 | 36秒3 | 59秒9 |
2 | ランフォザローゼス | ハナ | 1 | 4 | 35秒8 | ||
3 | ピースワンパラディ | 2馬身 | 3 | 6 | 35秒3 | ||
2018 (良/18頭) |
1 | ゴーフォザサミット | 2分24秒4 | 6 | 5 | 34秒1 | 60秒8 |
2 | エタリオウ | 2馬身 | 7 | 4 | 34秒6 | ||
3 | スーパーフェザー | ハナ | 1 | 9 | 34秒0 | ||
2017 (良/12頭) |
1 | アドミラブル | 2分23秒6 | 1 | 4 | 34秒6 | 59秒7 |
2 | ベストアプローチ | 2馬身1/2 | 4 | 9 | 34秒7 | ||
3 | アドマイヤウイナー | 1馬身1/4 | 8 | 7 | 35秒1 | ||
2016 (良/13頭) |
1 | ヴァンキッシュラン | 2分24秒2 | 4 | 5 | 34秒5 | 61秒3 |
2 | レッドエルディスト | 1馬身1/4 | 5 | 10 | 33秒9 | ||
3 | レーヴァテイン | 3馬身 | 1 | 8 | 34秒7 |
表1は近5年の青葉賞の3着以内馬一覧。稍重で行われた一昨年以外は良馬場で、勝ちタイムも2分23秒0〜24秒4と速い。17年以降は前半1000m通過61秒を切るペースで流れており、良馬場ならば上がりの速い馬が好走しやすい傾向にある。逃げ馬で好走したのは一昨年1着のリオンリオンだけで、毎年4コーナー6番手以降の馬が1頭は3着以内に入っている。
人気順では1番人気馬が【1.1.3.0】で17年アドミラブルが勝利し、複勝率100%。対して、2番人気馬はすべて4着以下に敗れている。以下、3〜6番人気馬が1勝ずつ。3着以内馬はすべて8番人気以内におさまっていた。
■表2 青葉賞近5年のキャリア別成績
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
2戦 | 0- 0- 3- 3/ 6 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 90 |
3戦 | 1- 2- 0-14/17 | 5.9% | 17.6% | 17.6% | 8 | 28 |
4戦 | 1- 0- 1-14/16 | 6.3% | 6.3% | 12.5% | 26 | 18 |
5戦 | 1- 3- 0-12/16 | 6.3% | 25.0% | 25.0% | 91 | 75 |
6戦 | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% | 102 | 88 |
7戦 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 210 | 54 |
8戦以上 | 0- 0- 0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表2はキャリア別成績。3〜7戦の馬が1勝ずつあげている。なかでも5戦の馬は4連対と最多で、連対率25.0%と最も高い。複勝率では2戦の馬が50.0%とトップで、6戦の馬も40%と高い。なお、8戦以上の馬は12頭出走してすべて4着以下に敗れている。
■表3 青葉賞近5年の前走クラス別成績
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
未勝利 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1勝クラス | 3- 3- 4-32/42 | 7.1% | 14.3% | 23.8% | 40 | 54 |
OPEN特別 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 0- 1- 1- 8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0 | 28 |
G2 | 2- 1- 0- 7/10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 189 | 68 |
表3は前走クラス別成績。黄色で強調した前走G2組が18年ゴーフォザサミット、昨年のオーソリティと2勝をあげ、連対率・複勝率30%と高い。昨年勝利したオーソリティは前走弥生賞3着からの臨戦だった。
出走数の半数以上を占める前走1勝クラス組は一昨年のリオンリオンら最多の3勝をあげ、昨年はヴァルコスが2着に入っている。複勝率は前走G2組に次ぐ23.8%で、毎年4番人気以下の伏兵が1頭は3着以内に入っている。
その他は前走G3組が2・3着1回ずつも、好走したのは1番人気馬のみ。なお、オープン特別組、未勝利組は不振傾向にある。
■表4 前走1勝クラス組の前走着順別成績
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1着 | 3- 2- 4-16/25 | 12.0% | 20.0% | 36.0% | 68 | 74 |
前走2着 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 58 |
前走3着 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走4着 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走5着 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9着 | 0- 0- 0- 0/ 0 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走10着以下 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表4は前走1勝クラス組における前走着順別成績。前走1着馬が17年アドミラブルら3勝をあげており、複勝率36.0%と非常に高い。3着以内馬9頭中8頭は前走2200mか2400mのレースを勝利していた。今年も該当馬がいれば、ぜひともチェックしておきたい。
前走2着から好走したのは18年2着エタリオウのみで、前走3着以下から好走した馬はいなかった。
■表5 青葉賞近5年の馬体重別成績
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
420〜439kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
440〜459kg | 0- 1- 2-12/15 | 0.0% | 6.7% | 20.0% | 0 | 54 |
460〜479kg | 0- 1- 1-23/25 | 0.0% | 4.0% | 8.0% | 0 | 14 |
480〜499kg | 3- 2- 2-14/21 | 14.3% | 23.8% | 33.3% | 143 | 74 |
500〜519kg | 2- 1- 0- 8/11 | 18.2% | 27.3% | 27.3% | 52 | 44 |
520〜539kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表5は青葉賞出走時の馬体重別成績。黄色で強調したように勝ち馬5頭はすべて480キロ以上の馬だった。480キロ以上の馬は計【5.3.2.24】で、連対率23.5%・複勝率29.4%と高い。昨年は上位3着以内すべてが該当していた。
対して、479キロ以下の馬は【0.2.3.38】で、連対率4.7%・複勝率11.6%と差をつけられている。今年も馬体重480キロ以上の馬を積極的に狙っていきたい。
■表6 青葉賞近5年の生産者別成績
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
ノーザンファーム | 3- 4- 4-19/30 | 10.0% | 23.3% | 36.7% | 54 | 76 |
社台ファーム | 1- 0- 0-10/11 | 9.1% | 9.1% | 9.1% | 46 | 14 |
矢野牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 1460 | 320 |
Car Colston Hall Stud | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 210 |
高山牧場 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0 | 250 |
その他の生産者 | 0- 0- 0-33/33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
最後に表6は生産者別成績。出走数が抜けて多いノーザンファーム生産馬が17年アドミラブルら3勝をあげ、複勝率36.7%と優秀だ。昨年は上位3着までを独占しており、毎年2頭は3着以内に入っている。近5年の1番人気馬はすべてノーザンファーム生産馬で、表1でも示したように【1.1.3.0】と安定して3着以内に入っている。上位5番人気以内に支持された馬が【3.3.3.8】で、複勝率52.9%と非常に高い。社台ファーム生産馬も11頭と多く出走しているものの、16年ヴァンキッシュランの1勝に終わっている。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。