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第1448回 真夏のG2・札幌記念を占う!

2020/8/20(木)

今週日曜日は札幌記念が行われる。全国的に暑い日が続いており、夏競馬らしい雰囲気でレースが行われそうだ。同レースはサマー2000シリーズの4戦目にあたると同時に、定量のG2ということで実績馬が出走してきやすい。過去10年ではブラストワンピース(2019年)やネオリアリズム(16年)、ハープスター(14年)といった馬たちが優勝している。今年勝つのはどの馬か。

いつものように過去10年の札幌記念のデータを分析し、今年のレースを占っていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 札幌記念の脚質別成績(函館開催を除く過去10年)

脚質・上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
平地・逃げ 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 172 32
平地・先行 3-  4-  3- 28/ 38 7.9% 18.4% 26.3% 43 56
平地・中団 4-  2-  4- 34/ 44 9.1% 13.6% 22.7% 95 81
平地・後方 0-  2-  2- 33/ 37 0.0% 5.4% 10.8% 0 40
平地・マクリ 1-  1-  0-  0/  2 50.0% 100.0% 100.0% 185 125
3F  1位 2-  4-  4-  1/ 11 18.2% 54.5% 90.9% 155 303
3F  2位 2-  1-  1-  5/  9 22.2% 33.3% 44.4% 262 121
3F  3位 3-  1-  2-  4/ 10 30.0% 40.0% 60.0% 226 164
3F 〜5位 1-  1-  0- 16/ 18 5.6% 11.1% 11.1% 28 17
3F 6位〜 1-  2-  2- 78/ 83 1.2% 3.6% 6.0% 13 17

表1は過去10年(2013年の函館開催を除く、以下同様)の札幌記念の脚質別成績だ。3着以内に入った馬の頭数は先行と中団がそれぞれ10頭だった。勝率は中団、連対率と複勝率は先行の方が良く、先行と中団とでは甲乙がつけ難い。逃げは単勝回収率こそ172%だが、1頭(16年1着ネオリアリズム)しか好走例がない。後方は2着と3着が2回ずつあるが、未勝利だ。しかし、まくりが1勝2着1回となっており、末脚自慢の馬が通用しないわけではない。まくりで好走した2頭(14年1着ハープスターと2着ゴールドシップ)は1コーナー通過こそ10番手以下だったが、4コーナーは4番手で並んでいた。道中後方待機は基本的に厳しいが、途中から動いて位置取りを上げて行くことができれば勝機も生まれてくる。

また、メンバー中上がり3ハロン1位だった馬の成績は【2.4.4.1】だった。勝率18.2%、連対率54.5%、複勝率はなんと90.9%と非常に高かった。同2〜3位の好走率も比較的優秀であり、ラストの3ハロンで速い脚を使える馬が上位で入線しやすい。

■表2 札幌記念の4角位置別成績(函館開催を除く過去10年)

4角位置 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
4角1番手 1-  1-  0-  7/  9 11.1% 22.2% 22.2% 191 47
2番手以内 4-  3-  0- 17/ 24 16.7% 29.2% 29.2% 140 65
3番手以内 4-  3-  0- 26/ 33 12.1% 21.2% 21.2% 102 47
4番手以内 5-  5-  3- 37/ 50 10.0% 20.0% 26.0% 74 54
5番手以内 5-  5-  3- 40/ 53 9.4% 18.9% 24.5% 70 51
7番手以内 8-  6-  4- 50/ 68 11.8% 20.6% 26.5% 109 57
10番手以内 9-  7-  7- 71/ 94 9.6% 17.0% 24.5% 84 67
1/3頭以内 5-  5-  3- 39/ 52 9.6% 19.2% 25.0% 71 52
1/2頭以内 8-  6-  4- 56/ 74 10.8% 18.9% 24.3% 100 52
2/3頭以内 9-  7-  7- 71/ 94 9.6% 17.0% 24.5% 84 67

表2は札幌記念の4角位置別成績。札幌芝コースの最後の直線距離は270m弱(今週はCコースで269.1m)しかないので、4角で後方はどうしても苦しい。勝ち馬の過半数である5頭は4角で前から4番手以内にいた。また、出走頭数の1/3頭以内にいた場合は【5.5.3.39】、1/2頭以内にいた場合は【8.6.4.56】で、単勝回収率は100%という成績が出た。

■表3 札幌記念の3角位置別成績(函館開催を除く過去10年)

3角位置 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
3角1番手 1-  0-  0-  8/  9 11.1% 11.1% 11.1% 191 35
2番手以内 2-  2-  0- 17/ 21 9.5% 19.0% 19.0% 134 52
3番手以内 4-  3-  0- 24/ 31 12.9% 22.6% 22.6% 108 50
4番手以内 4-  4-  1- 37/ 46 8.7% 17.4% 19.6% 73 41
5番手以内 4-  4-  2- 41/ 51 7.8% 15.7% 19.6% 66 40
7番手以内 6-  4-  3- 56/ 69 8.7% 14.5% 18.8% 85 45
10番手以内 8-  6-  7- 75/ 96 8.3% 14.6% 21.9% 70 62
1/3頭以内 4-  4-  1- 39/ 48 8.3% 16.7% 18.8% 70 39
1/2頭以内 6-  4-  3- 56/ 69 8.7% 14.5% 18.8% 85 45
2/3頭以内 8-  5-  5- 71/ 89 9.0% 14.6% 20.2% 75 51

表3は札幌記念の3角位置別成績。札幌を含む小回りのローカル競馬場のコース形態を考えると、ラストスパートのタイミングは4角位置よりももっと早い。札幌競馬場の場合は、残り約800mが3角入り口付近になる。その3角で前から3番手以内にいた馬の成績は【4.3.0.24】。4角で3番手以内【4.3.0.26】とさほど変わらなかった。そして出走馬の1/3頭以内にいた場合は【4.4.1.39】、1/2頭以内にいた場合は【6.4.3.56】だった。焦って3角位置で前目につける必要はなさそうだが、過去10年の連対馬18頭中10頭は隊列の真ん中よりも前にいたことになる。先団から真ん中あたりにつけられる馬の方がチャンスはあると言えるだろう。

■表4 札幌記念の枠順別成績(函館開催を除く過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 3- 0- 1- 8/12 25.0% 25.0% 33.3% 248 89
2枠 0- 2- 0-11/13 0.0% 15.4% 15.4% 0 98
3枠 1- 3- 4- 8/16 6.3% 25.0% 50.0% 15 143
4枠 1- 1- 0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 68 18
5枠 1- 1- 0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 20 28
6枠 1- 1- 3-13/18 5.6% 11.1% 27.8% 61 83
7枠 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 95 17
8枠 1- 1- 1-15/18 5.6% 11.1% 16.7% 16 27

2019/8/18 札幌11R 札幌記念(G2) 1着 1番 ブラストワンピース

表4は札幌記念の枠順別成績。1枠が【3.0.1.8】で最も成績がいい。例えば、2019年は1枠1番のブラストワンピースが6枠10番のサングレーザーや、同枠9番のフィエールマンとの追い比べを制して優勝した。実力が拮抗している馬同士の戦いになった場合は、こうした枠順も勝敗に影響しそうだ。

■表5 札幌記念の前走クラス別成績(函館開催を除く過去10年、前走中央競馬のみ)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
2勝 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
3勝 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
OPEN非L 0-  0-  0- 15/ 15 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
OPEN(L) 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
G3 4-  2-  1- 46/ 53 7.5% 11.3% 13.2% 114 54
G2 1-  1-  0-  5/  7 14.3% 28.6% 28.6% 67 140
G1 4-  5-  7- 20/ 36 11.1% 25.0% 44.4% 39 100

表5は札幌記念の前走クラス別成績。前走2勝や3勝クラス出走馬の好走例はない。そしてオープン特別も非リステッドが【0.0.0.15】、リステッドが【0.0.0.1】で好走馬が1頭もいない。出走馬のレベルが高い定量G2ならではの傾向という気もする。よって、基本的には前走重賞組のみが勝負になると考えられる。重賞(中央競馬)の内訳はG3組が【4.2.1.46】、G2組が【1.1.0.5】、G1組が【4.5.7.20】といずれの組からも好走馬は出ているが、G1組の複勝率が44.4%と高いのが目に付く。特にその年に重賞を勝っていた馬が強い。前走G1組で3着以内に入った16頭中11頭が、同年に芝1600m以上の重賞を勝利していた。このタイプの馬が出てきた場合は、非常に有力と考えたい。

それでは今年の札幌記念を占っていくことにする。出走予定馬は表6の通り。

■表6 今年の札幌記念の出走予定馬(8/19午前時点)

馬名 前走レース名 前着 前人 前脚質 備考
アドマイヤジャスタ 函館記念HG3 1 15 差し  
イェッツト STVH・3勝 2 3 追込  
カウディーリョ 函館記念HG3 7 1 先行  
トーセンスーリヤ 宝塚記念G1 7 14 逃げ 新潟大賞典1着
トーラスジェミニ 函館記念HG3 4 5 逃げ  
ドレッドノータス 阪神大賞G2 10 8 先行  
ノームコア 安田記念G1 4 7 追込  
ブラックホール 東京優駿G1 7 17 後方  
ペルシアンナイト 宝塚記念G1 15 13 中団  
ポンデザール 札幌日経(L) 1 2 先行  
ラッキーライラック 宝塚記念G1 6 3 先行 大阪杯1着
ルミナスウォリアー 札幌日経(L) 7 13 中団  

2020/4/5 阪神11R 大阪杯(G1) 1着 5番 ラッキーライラック

今年はフルゲート(16頭)に満たない13頭の登録数のうえ、マカヒキが回避し寂しい頭数のレースになりそうだ。そして前走重賞組に絞り込むと9頭が候補馬となる。さらにG1組に注目するとトーセンスーリヤ、ノームコア、ブラックホール、ペルシアンナイト、ラッキーライラックが挙がる。そのうち今年重賞で勝利しているのがトーセンスーリヤラッキーライラックだ。

前者は2走前に新潟大賞典で重賞初制覇を飾った。ハンデ戦で54キロという斤量も味方につけて10番人気での勝利だった。前走宝塚記念は相手関係的に惨敗しても仕方がないようにもみえたが、逃げて7着に踏みとどまった。この点を高く評価してみたい。今回札幌記念ではハナへ行くとは限らないが、積極的に前へ行く競馬はしてくれそうだ。

後者は前走宝塚記念で3番人気に支持されたが6着に終わった。稍重馬場となり、道中は相当体力を消耗してしまったようだ。2走前の大阪杯ではクロノジェネシスらを下して優勝している。実績的・実力的にも今回のメンバーでは一枚上であり、ここは巻き返しの期待がかかるところ。先行・差しどちらでも対応できるのも心強い。札幌は初めてだが、あらためて注目だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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