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第1446回 真夏のハンデ重賞! 小倉記念を分析する

2020/8/13(木)

今週から開幕する小倉競馬の日曜メインには真夏のハンデ重賞、小倉記念が組まれている。七夕賞、函館記念に続くサマー2000シリーズの3戦目に指定されており、注目の一戦だ。今回は小倉記念をピックアップし、2010年以降・近10年のレース傾向から馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 小倉記念の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 2-  1-  2-  5/ 10 20.0% 30.0% 50.0% 59 77
2番人気 0-  3-  1-  6/ 10 0.0% 30.0% 40.0% 0 81
3番人気 3-  0-  1-  6/ 10 30.0% 30.0% 40.0% 197 88
4番人気 2-  2-  0-  6/ 10 20.0% 40.0% 40.0% 147 109
5番人気 0-  1-  2-  7/ 10 0.0% 10.0% 30.0% 0 84
6番人気 1-  2-  2-  5/ 10 10.0% 30.0% 50.0% 88 164
7番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 49
9番人気 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 197 120
10番人気以下 1-  1-  0- 51/ 53 1.9% 3.8% 3.8% 69 40

表1は小倉記念・近10年の人気別成績。1番人気馬は一昨年トリオンフ、昨年メールドグラースと近2年続けて勝利しているものの、連対率30%・複勝率50%とやや低め。以下、3番人気馬が3勝、4番人気馬が2勝、6・9・11番人気馬が1勝ずつをあげている。11番人気馬は16年クランモンタナが勝利している。

上位6番人気まで複勝率は30〜50%で、ほぼ横並びの様相を示している。近3年は6番人気以内の馬が3着以内を占めており、堅めの決着が続いている。

■表2 小倉記念の枠番別成績(過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 0- 0- 2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0 30
2枠 1- 0- 2-11/14 7.1% 7.1% 21.4% 50 62
3枠 2- 1- 1-11/15 13.3% 20.0% 26.7% 290 116
4枠 0- 1- 1-15/17 0.0% 5.9% 11.8% 0 32
5枠 0- 3- 1-15/19 0.0% 15.8% 21.1% 0 111
6枠 2- 3- 1-14/20 10.0% 25.0% 30.0% 37 70
7枠 1- 1- 0-20/22 4.5% 9.1% 9.1% 35 19
8枠 4- 1- 2-16/23 17.4% 21.7% 30.4% 171 102

表2は枠番別成績。外めの6〜8枠に入った馬が過半数の7勝をあげている。特に大外の8枠は一昨年のトリオンフら最多の4勝をあげ、勝率・複勝率トップだ。連対率が最も高いのは6枠で、複勝率でも30.0%と8枠の馬に迫っている。これに続くのが3枠の馬で、13年メイショウナルトら2勝。なお、最内の1枠からは連対馬が出ていない。

■表3 小倉記念の斤量別成績(過去10年)

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
〜48kg 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
50kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
51kg 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
52kg 1-  0-  0-  8/  9 11.1% 11.1% 11.1% 78 28
53kg 1-  1-  1- 16/ 19 5.3% 10.5% 15.8% 36 37
54kg 1-  2-  1- 15/ 19 5.3% 15.8% 21.1% 192 78
55kg 2-  1-  2- 25/ 30 6.7% 10.0% 16.7% 51 90
56kg 2-  3-  1- 20/ 26 7.7% 19.2% 23.1% 109 85
57kg 2-  3-  2- 16/ 23 8.7% 21.7% 30.4% 35 62
57.5kg 1-  0-  1-  3/  5 20.0% 20.0% 40.0% 52 66
58kg 0-  0-  2-  2/  4 0.0% 0.0% 50.0% 0 177

表3は斤量別成績。勝ち馬は52〜57.5キロまで幅広く出ているが、黄色で強調した56キロ以上の馬の複勝率が高い。これら56キロ以上の馬が近10年の3着以内馬30頭中17頭と過半数を占めている。なお、51キロ以下の軽量馬は3着以内に入っていない。

■表4 小倉記念の前走クラス別成績(過去10年)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1000万下 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
1600万下 2-  1-  1- 15/ 19 10.5% 15.8% 21.1% 82 50
OPEN特別 0-  1-  1- 25/ 27 0.0% 3.7% 7.4% 0 32
G3 7-  5-  6- 60/ 78 9.0% 15.4% 23.1% 108 85
G2 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
G1 1-  3-  2-  5/ 11 9.1% 36.4% 54.5% 44 127

表4は前走クラス別成績。前走G1組が好成績をあげているが、今年は出走予定馬がいない。出走数が抜けて多い前走G3組は16年クランモンタナら近4年続けて勝ち馬を出しており、過半数の7勝をあげている。昨年は1着メールドグラースが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。

また、前走1600万下(現3勝クラス)組は15年アズマシャトルら2勝をあげ、連対率では前走G3組を上回っている。この組の3着以内馬4頭はいずれも前走で4着以内に入っていた。なお、前走G2組、前走オープン特別(リステッド競走を含む)組は不振傾向にある。

■表5 小倉記念の前走からの距離増減別成績(過去10年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
同距離 9-  6-  6- 64/ 85 10.6% 17.6% 24.7% 118 85
前走1人気 3- 1- 1- 4/ 9 33.3% 44.4% 55.6% 163 93
前走2人気 1- 1- 1- 3/ 6 16.7% 33.3% 50.0% 115 116
前走3人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 131 41
前走4人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走5人気 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0 27
前走6〜9人 3- 3- 3-14/23 13.0% 26.1% 39.1% 149 182
前走10人以下 1- 1- 0-27/29 3.4% 6.9% 6.9% 126 36
今回延長 0-  2-  2- 37/ 41 0.0% 4.9% 9.8% 0 35
今回短縮 1-  2-  2- 11/ 16 6.3% 18.8% 31.3% 30 71

表5は前走からの距離増減別成績。出走数が多い同距離組については前走での人気を記している。距離短縮組は14年サトノノブレスが勝利し、複勝率31.3%と優秀だ。

出走馬の半数以上を占める同距離組は大半の9勝をあげており、単勝回収率は100%を超えている。同距離組は黄色で強調したように前走1・2番人気馬と前走6〜9番人気だった馬に注目。前走1番人気馬は一昨年のトリオンフら3勝、前走2番人気馬は13年メイショウナルトが勝利し、それぞれ複勝率50%以上と非常に高い。

また、前走6〜9番人気だった馬は11年イタリアンレッドら3勝をあげ、複勝率39.1%と優秀だ。3着以内馬9頭はすべて前走で重賞を使われていた。前走が2000mの重賞で6〜9番人気だった馬は穴で狙い目といえるだろう。なお、距離延長組からは勝ち馬が出ておらず、連対率4.9%・複勝率9.8%と低い。

■表6 小倉記念の前走からの斤量増減別成績(過去10年)

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
増減無し 3-  5-  3- 59/ 70 4.3% 11.4% 15.7% 49 70
今回増 3-  1-  2- 11/ 17 17.6% 23.5% 35.3% 79 70
今回減 4-  4-  5- 43/ 56 7.1% 14.3% 23.2% 102 66
今回1〜1.5kg減 2-  2-  3- 12/ 19 10.5% 21.1% 36.8% 72 86
今回2〜2.5kg減 1-  0-  2- 10/ 13 7.7% 7.7% 23.1% 281 105
今回3kg以上減 1-  2-  0- 20/ 23 4.3% 13.0% 13.0% 30 31

最後に表6は前走からの斤量増減別成績。今回斤量増の馬は昨年のメールドグラースら3勝をあげ、連対率23.5%・複勝率35.3%でトップ。3着以内馬6頭中5頭は上位4番人気以内に支持されていた。

今回斤量減の馬は14年サトノノブレスら4勝をあげ、連対率・複勝率は斤量増の馬に次いで高い。この組は前走から1〜1.5キロ減の馬が好成績をあげており、複勝率は斤量増の馬を上回っている。なお、斤量増減なしの馬は10年ニホンピロレガーロら3勝も、連対率・複勝率ともに最も低い。

<結論>

■表7 今年の小倉記念の出走予定馬(8/12時点)

馬名 性齢/斤量 前走成績
アウトライアーズ 牡6/54(0) 七夕賞 14着
アメリカズカップ 牡6/55(-1) 米子S 13着
アールスター 牡5/53(-4) 垂水S(3勝クラス) 6着
サウンドバーニング 牡8/50(-3) 阿武隈S(3勝クラス) 16着
サトノガーネット 牝5/55(1) エプソムC 9着
サトノルークス 牡4/56(0) 鳴尾記念 8着
サマーセント 牝4/52(2) マーメイドS 1着
サラス 牝5/53(-1) マーメイドS 14着
ショウナンバルディ 牡4/53(-3) 阿武隈S(3勝クラス) 13着
タニノフランケル 牡5/55(0) 吾妻小富士S 13着
ノーブルマーズ 牡7/56(0) 七夕賞 13着
ブレスジャーニー 牡6/56(0) 都大路S 6着
ミスディレクション セン6/54(-2) 尼崎S(3勝クラス) 1着
ランブリングアレー 牝4/53(-2) 垂水S(3勝クラス) 1着
レイホーロマンス 牝7/51(0) 函館記念 5着
レオコックブルー 牝5/49(-6) マレーシアS(3勝クラス) 6着
ロードクエスト 牡7/57(0) 中京記念 11着

※フルゲート18頭。除外対象馬はなし。

2020/6/14 阪神11R マーメイドステークス(G3)  1着 13番 サマーセント 2020/6/21 阪神10R 垂水ステークス 1着 11番 ランブリングアレー  

今年の出走予定馬は表7のとおり。

これまでのデータから推奨したいのがサマーセントランブリングアレーの2頭。サマーセントは前走マーメイドSで重賞初制覇を果たしている。前走は今回と同距離の重賞で7番人気、斤量増もプラス材料だ。マーメイドS勝ちがフロック視されるようだと面白い。

ランブリングアレーは近2走で2勝クラス、3勝クラスを連勝。前走は今回と同じ芝2000m戦を1番人気で勝利している。斤量は前走から2キロ減の53キロ。本格化した今なら3連勝で重賞制覇も十分にありえる。

次いで前走2000mの鳴尾記念で2番人気だったサトノルークス、マーメイドSで8番人気だったサラス、七夕賞で9番人気だったノーブルマーズも連下候補で挙げておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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