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第1415回 平成の天皇賞(春)優勝馬を振り返る

2020/4/27(月)

今週は天皇賞(春)が行われる。ちょうど1年前の同レースは平成最後のJRA・G1という位置づけだった。よって今年は令和最初の天皇賞(春)ということになる。具体的なレース展望は週半ばに行うことにして、今回は平成の天皇賞(春)を優勝馬の顔ぶれを思い出しながら振り返ってみることにする。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 平成に行われた天皇賞(春)優勝馬

年号 西暦 馬名 性別 年齢 騎手 人気 馬場 タイム 着差 単勝配当
平成31年 2019年 フィエールマン 4 ルメール 1 3150 0.0 280
平成30年 2018年 レインボーライン 5 岩田康誠 2 3162 0.0 600
平成29年 2017年 キタサンブラック 5 武豊 1 3125 -0.2 220
平成28年 2016年 キタサンブラック 4 武豊 2 3153 0.0 450
平成27年 2015年 ゴールドシップ 6 横山典弘 2 3147 0.0 460
平成26年 2014年 フェノーメノ 5 蛯名正義 4 3151 0.0 1150
平成25年 2013年 フェノーメノ 4 蛯名正義 2 3142 -0.2 620
平成24年 2012年 ビートブラック 5 石橋脩 14 3138 -0.7 15960
平成23年 2011年 ヒルノダムール 4 藤田伸二 7 3206 -0.1 1690
平成22年 2010年 ジャガーメイル 6 ウィリアムズ 2 3157 -0.1 590
平成21年 2009年 マイネルキッツ 6 松岡正海 12 3144 0.0 4650
平成20年 2008年 アドマイヤジュピタ 5 岩田康誠 3 3151 0.0 580
平成19年 2007年 メイショウサムソン 4 石橋守 2 3141 0.0 450
平成18年 2006年 ディープインパクト 4 武豊 1 3134 -0.6 110
平成17年 2005年 スズカマンボ 4 安藤勝己 13 3165 -0.2 3510
平成16年 2004年 イングランディーレ 5 横山典弘 10 3184 -1.1 7100
平成15年 2003年 ヒシミラクル 4 角田晃一 7 3170 -0.1 1610
平成14年 2002年 マンハッタンカフェ 4 蛯名正義 2 3195 0.0 290
平成13年 2001年 テイエムオペラオー 5 和田竜二 1 3162 -0.1 200
平成12年 2000年 テイエムオペラオー 4 和田竜二 1 3176 -0.1 170
平成11年 1999年 スペシャルウィーク 4 武豊 1 3153 -0.1 230
平成10年 1998年 メジロブライト 4 河内洋 2 3236 -0.3 230
平成9年 1997年 マヤノトップガン 5 田原成貴 2 3144 -0.2 370
平成8年 1996年 サクラローレル 5 横山典弘 3 3178 -0.4 1450
平成7年 1995年 ライスシャワー 6 的場均 4 3199 0.0 580
平成6年 1994年 ビワハヤヒデ 4 岡部幸雄 1 3226 -0.2 130
平成5年 1993年 ライスシャワー 4 的場均 2 3171 -0.4 520
平成4年 1992年 メジロマックイーン 5 武豊 2 3200 -0.4 220
平成3年 1991年 メジロマックイーン 4 武豊 1 3188 -0.4 170
平成2年 1990年 スーパークリーク 5 武豊 1 3219 -0.1 150
平成元年 1989年 イナリワン 5 武豊 4 3188 -0.8 930

・1994年は阪神芝3200mで施行。

表1は平成に行われた天皇賞(春)優勝馬の一覧。平成元年(1989年)から平成31年(2019年)まで31年分の結果だ。筆者は1993年あたりからリアルタイムで結果を知るようになった。ライスシャワーがメジロマックイーンの3連覇を阻んだレースはよく記憶している。そしてその後はずいぶん多くのレースが行われたものだとしみじみと感じる。個人的にはサクラローレルが勝利した平成8年のレースも印象深い。圧倒的な「2強」と思われていたナリタブライアンとマヤノトップガンを負かした末脚は強烈だった。翌年(平成9年)のレースでマヤノトップガンがサクラローレルとマーベラスサンデーを下し、リベンジを果たしたのもまたドラマチックだった。この時のマヤノトップガンの末脚も素晴らしく、名勝負と呼ぶにふさわしいレースだったと思う。

2013/4/28 京都11R 天皇賞(春)(G1) 1着 6番 フェノーメノ

思い出話はこれぐらいにして平成の天皇賞(春)を全体的に少し振り返ってみたい。まずは複数回優勝している馬にスポットを当てる。古馬による芝3000m以上のJRA・G1は天皇賞(春)しかなく、このタイトルには独特の重みがある。キタサンブラック、フェノーメノ、テイエムオペラオー、ライスシャワー、メジロマックイーンが2回優勝を果たした。この5頭は平成を代表する名ステイヤーと呼んで差し支えないだろう。

特にメジロマックイーンとライスシャワー、キタサンブラックは菊花賞も勝利しており、長距離での実績・実力は抜きんでていた。テイエムオペラオーは3歳時こそ勝ち切れなかったが、古馬になり本格化してからは長距離に限らず重賞を勝ちまくった。フェノーメノは他の馬とは違い、芝3000m以上の長距離初挑戦が天皇賞(春)と遅かった。3歳秋はセントライト記念を勝利したのだが、菊花賞ではなく天皇賞(秋)に挑戦したのだ。もしあのとき菊花賞に出走していたらどうなっていたか。元々能力は高く、ステイヤーとしての資質も秀でていたので勝利していた可能性は十分あったのではないだろうか。

優勝馬の性別はすべて牡馬。平成の天皇賞(春)における牝馬成績は【0.0.0.18】。優勝どころか好走例が全くない。現在はG1での牝馬の活躍は当たり前になっているだけに意外な結果だ。そもそも31年間で出走頭数18頭というのが少なすぎる。

優勝馬の年齢は4歳と5歳が多い。6歳以上になると好走率が大きく下がり、7歳以上は優勝馬がいない。昨年のステイヤーズSはモンドインテロ、今年のダイヤモンドSはミライヘノツバサと7歳馬が優勝しているように、長距離ではむしろベテランの馬は侮れない。しかし、G1の天皇賞(春)だけは事情が違うようだ。

騎手では武豊騎手が8回も優勝している。平成元年から平成4年にかけていきなり4連覇を達成した。次に多く勝利しているのは3勝の横山典弘騎手と蛯名正義騎手。武豊騎手と年齢が近い関東のベテランが上位にきた。

2006/4/30 京都11R 天皇賞(春)(G1) 1着 7番 ディープインパクト

優勝馬の人気は年代によって傾向が明らかに違う。平成元年から平成14年までは上位人気馬の勝利が目立った。「2強」あるいは「3強」と言われる勢力図の中、人気を集めた強い馬が好レースを演じた。実力馬でも崩れることはあったが、驚くような人気薄が勝つことはなかった。

しかし、平成15年からは一変した。ヒシミラクルが7番人気で勝利したのを皮切りに、イングランディーレやスズカマンボ、マイネルキッツは二けた人気で激走。平成24年は14番人気のビートブラックが勝利し、単勝配当は1万5960円の大波乱となった。このあたりの年代に1番人気で勝利したのは平成18年のディープインパクトだけだ。ちなみにこの年の勝ち時計3分13秒4(良)は当時のレコード。単勝は110円という低配当だった。

そして平成25年からはまた一変。上位人気馬の勝利が多くなってきた。近5年は1〜2番人気馬が優勝。かつての傾向に戻っている印象だ。ただ、昨年はクビ差2着に6番人気のグローリーヴェイズがきて、平成28年はハナ差の2着に13番人気カレンミロティックが激走している。勝ったのは人気馬だが、その差は紙一重だ。3200mの距離を走り切り、手に汗握る接戦が多いというのは素晴らしいことだ。

時代は令和となり、果たして今年はどのようなドラマが生まれるか。平成と令和を股にかけて連覇を狙うフィエールマンの存在は特に注目と言えるだろう。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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