データde出〜た
第1374回 波乱の目はあるか!? チャンピオンズCを分析する
2019/11/28(木)
日曜中京メインはダートG1のチャンピオンズカップ。以前のレース名はジャパンカップダートだったが、2014年に中京競馬場へ舞台を移し、現在の名称で行われるようになった。今回のデータde出〜たでは2014年以降・近5年のデータから馬券的に狙える馬を探っていきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 チャンピオンズC 近5年の3着以内馬一覧
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半1000m通過 |
2018 (良/15頭) |
1 | ルヴァンスレーヴ | 1分50秒1 | 1 | 3 | 35秒6 | 61秒9 |
2 | ウェスタールンド | 2馬身1/2 | 8 | 13 | 34秒4 | ||
3 | サンライズソア | クビ | 3 | 5 | 35秒9 | ||
2017 (良/15頭) |
1 | ゴールドドリーム | 1分50秒1 | 8 | 11 | 35秒2 | 61秒6 |
2 | テイエムジンソク | クビ | 1 | 2 | 36秒1 | ||
3 | コパノリッキー | クビ | 9 | 1 | 36秒3 | ||
2016 (良/15頭) |
1 | サウンドトゥルー | 1分50秒1 | 6 | 13 | 35秒8 | 60秒6 |
2 | アウォーディー | クビ | 1 | 5 | 37秒0 | ||
3 | アスカノロマン | 1/2馬身 | 10 | 2 | 37秒4 | ||
2015 (良/16頭) |
1 | サンビスタ | 1分50秒4 | 12 | 6 | 37秒4 | 60秒2 |
2 | ノンコノユメ | 1馬身1/2 | 3 | 15 | 36秒7 | ||
3 | サウンドトゥルー | クビ | 5 | 16 | 36秒6 | ||
2014 (良/16頭) |
1 | ホッコータルマエ | 1分51秒0 | 2 | 2 | 36秒4 | 62秒3 |
2 | ナムラビクター | 1/2馬身 | 8 | 4 | 36秒3 | ||
3 | ローマンレジェンド | 3/4馬身 | 3 | 2 | 36秒6 |
まず表1はチャンピオンズC近5年の3着以内馬一覧。すべて良馬場で行われており、勝ちタイムは近3年いずれも1分50秒1と安定している。今年も良馬場ならば、1分50秒前後の勝ち時計になりそうだ。
レース展開としては、スローペースだった14年は4コーナー4番手以内の先行馬が上位を占めたが、近4年は4コーナー10番手以下の追い込み馬が続けて連対している。一方、4コーナー先頭の馬は一昨年3着のコパノリッキーしか好走できていない。
また、上位好走馬の人気を見ると、1番人気馬は【1.2.0.2】で昨年のルヴァンスレーヴの1勝のみだが、近3年は続けて連対している。ただ、昨年8番人気ウェスタールンドが2着と激走しているように、8番人気以下の伏兵が毎年1頭は3着以内に入っている。人気薄の好走が目立つ一戦だ。
■表2 チャンピオンズC 近5年の年齢別成績
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
3歳 | 1- 1- 0- 7/ 9 | 11.1% | 22.2% | 22.2% | 21% | 34% |
4歳 | 1- 0- 1-18/20 | 5.0% | 5.0% | 10.0% | 65% | 35% |
5歳 | 1- 2- 2-13/18 | 5.6% | 16.7% | 27.8% | 32% | 104% |
6歳 | 2- 2- 1-11/16 | 12.5% | 25.0% | 31.3% | 514% | 141% |
7歳 | 0- 0- 1- 7/ 8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0% | 70% |
8歳以上 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表2は年齢別成績。黄色で強調した6歳馬が16年サウンドトゥルーら2勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は2着ウェスタールンドが該当し、一昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。3着以内に入った6歳馬は5頭中3頭が6番人気以下で複勝回収率でも100%を超えている。
5歳馬は14年ホッコータルマエが勝利し、複勝率はトップの6歳馬に迫っている。3歳馬は昨年のルヴァンスレーヴが優勝。連対馬2頭はいずれも前走で古馬相手に重賞で勝利していた。4歳馬は一昨年のゴールドドリームが勝利するも、連対率・複勝率ともに低い。
なお、7歳以上の馬からは連対馬が出ておらず、苦戦傾向にある。
■表3 チャンピオンズC 近5年の枠番別成績
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
1枠 | 0- 1- 2- 5/ 8 | 0.0% | 12.5% | 37.5% | 0% | 141% |
2枠 | 2- 2- 0- 6/10 | 20.0% | 40.0% | 40.0% | 683% | 186% |
3枠 | 0- 0- 1- 9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0% | 65% |
4枠 | 1- 0- 0- 9/10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 59% | 19% |
5枠 | 2- 0- 1- 7/10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% | 289% | 95% |
6枠 | 0- 0- 1- 9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0% | 27% |
7枠 | 0- 2- 0- 8/10 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0% | 67% |
8枠 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は枠番別成績。2枠に入った馬が15年サンビスタら2勝をあげ、連対率・複勝率40%と高い。昨年は1着ルヴァンスレーヴが該当し、一昨年を除いて毎年連対馬が出ている。1枠は勝ち馬こそ出ていないものの、複勝率37.5%は2枠に次いで高い。内目の1・2枠の複勝率が高いわけだ。
また、5枠の馬は一昨年のゴールドドリームら2勝で、複勝率30%と優秀だ。対して、8枠からは3着以内馬が出ていない。馬番では外目の14〜16番はのべ【0.0.0.12】と苦戦傾向にある。なお、偶数馬番だった馬は【4.3.3.28】で連対率18.4%・複勝率26.3%。これに対して、奇数馬番だった馬は【1.2.2.34】で同7.7%・同12.8%。まだ馬番発表前ではあるが、内の1・2枠で偶数馬番に入った馬はチェックしておきたい。
■表4 チャンピオンズC 近5年の前走レース別成績
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
JBCクラシック(地方) | 2- 1- 1-16/20 | 10.0% | 15.0% | 20.0% | 109% | 47% |
マイルCS南部杯 | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 496% | 203% |
JBCレディスクラシック(地方) | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 3320% | 590% |
みやこS | 0- 2- 1-14/17 | 0.0% | 11.8% | 17.6% | 0% | 77% |
武蔵野S | 0- 2- 0-13/15 | 0.0% | 13.3% | 13.3% | 0% | 42% |
JBCクラシック(京都) | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0% | 33% |
JBCスプリント | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0% | 280% |
エルムS | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 270% |
その他のレース | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
※()内は開催地
表4は前走レース別成績。一番上のJBCクラシック組は16年サウンドトゥルーら2勝。3着以内馬は前走で4着以内に入っていた。出走じたいは少数ながら、マイルCS南部杯組からは一昨年のゴールドドリーム、昨年のルヴァンスレーヴと近2年勝ち馬が出ている。両馬はその年のダート1600m・G1で勝利した経験があった。JBCレディスクラシック組は15年サンビスタが優勝。以上のとおり、勝ち馬は前走地方の3レースから出ている。
出走数が多いみやこS組と武蔵野S組からは、勝ち馬こそ出ていないものの、チャンピオンズC3着以内馬の人気を見ると、みやこS組が8・10・1番人気、武蔵野S組は3・8番人気と人気薄の激走が目立っている。
■表5 チャンピオンズC 近5年の前走人気別成績
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1人気 | 1- 0- 2-10/13 | 7.7% | 7.7% | 23.1% | 510% | 149% |
前走2人気 | 2- 3- 1- 9/15 | 13.3% | 33.3% | 40.0% | 99% | 121% |
前走3人気 | 0- 1- 1- 9/11 | 0.0% | 9.1% | 18.2% | 0% | 64% |
前走4人気 | 1- 1- 1- 7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% | 59% | 100% |
前走5人気 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 397% | 62% |
前走6〜9人気 | 0- 0- 0-15/15 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走10人気以下 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表5は前走人気別成績。前走1番人気だった馬は15年サンビスタの1勝のみで、連対率7.7%と案外低い。対して、前走2番人気だった馬が昨年のルヴァンスレーヴら2勝をあげ、連対率・複勝率トップだ。3着以内馬はすべて前走5番人気以内の馬から出ている。
■表6 チャンピオンズC 近5年で8番人気以下で好走した馬一覧
年度 | 馬名 | 性齢 | 人気 | 着順 | 当該年のフェブラリーS出走 |
2018 | ウェスタールンド | セ6 | 8 | 2 | なし |
2017 | ゴールドドリーム | 牡4 | 8 | 1 | フェブラリーS 1着 |
コパノリッキー | 牡7 | 9 | 3 | フェブラリーS 14着 | |
2016 | アスカノロマン | 牡5 | 10 | 3 | フェブラリーS 3着 |
2015 | サンビスタ | 牝6 | 12 | 1 | フェブラリーS 7着 |
2014 | ナムラビクター | 牡5 | 8 | 2 | なし |
表6は8番人気以下で好走した馬について、該当年のフェブラリーS出走有無をまとめてみた。6頭中4頭は、該当年のフェブラリーSに出走していた。また、ゴールドドリーム以外の5頭は5歳以上である点も穴馬選定の際には踏まえておきたい。
<結論>
■表7 今年のチャンピオンズCの出走予定馬(11/27現在)
馬名 | 性齢 | 前走成績 |
ヴェンジェンス | 牡6 | みやこS 1着 |
ワンダーリーデル | 牡6 | 武蔵野S 1着 |
ゴールドドリーム | 牡6 | マイルCS南部杯 3着 |
オメガパフューム | 牡4 | JBCクラシック 2着 |
チュウワウィザード | 牡4 | JBCクラシック 1着 |
インティ | 牡5 | みやこS 15着 |
ミツバ | 牡7 | マイルCS南部杯 6着 |
クリソベリル | 牡3 | 日本テレビ盃 1着 |
ロンドンタウン | 牡6 | マイルCS南部杯 5着 |
ワイドファラオ | 牡3 | みやこS 5着 |
タイムフライヤー | 牡4 | 武蔵野S 2着 |
サトノティターン | 牡6 | ブラジルC 1着 |
ウェスタールンド | セ7 | みやこS 3着 |
キングズガード | 牡8 | みやこS 2着 |
モズアトラクション | 牡5 | シリウスS 12着 |
テーオーエナジー | 牡4 | みやこS 12着 |
アナザートゥルース | セ5 | みやこS 6着 |
カフジテイク | 牡7 | 武蔵野S 8着 |
メイショウワザシ | 牡4 | シリウスS 3着 |
コマビショウ | 牡4 | 平城京S 1着 |
※フルゲート16頭。アナザートゥルース以下は除外対象。
今年のチャンピオンズCの出走予定馬は表7のとおり。
1番人気に支持されそうなのはデビューから5連勝の3歳馬クリソベリル。初の古馬との対戦となった前走船橋・日本テレビ盃でも2着ロンドンタウンに4馬身差をつける快勝。昨年のチャンピオンズCを勝利したルヴァンスレーヴと同じく前走で古馬相手に勝利をおさめており、まだ底を見せていない。前走から一気に相手は強化されるが、ここも好勝負必至だろう。
上位人気の中ではゴールドドリームは前走南部杯組で、2走前にダート1600m・G1のかしわ記念を勝利している点も強調材料だ。クリソベリルに次ぐ対抗評価としたい。
穴候補としてはワンダーリーデルを推奨したい。前走の武蔵野Sを上がり最速の脚で差し切り勝ち。人気はないだろうが、好成績を示している6歳馬で今年のフェブラリーSにも出走している。近走は距離延長で勝利しており、ダート1800mにも対応できるだろう。前走で勝利に導いた横山典弘騎手が騎乗予定で、激走の資格ありと見ている。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。