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第1373回 平地最長距離の重賞・ステイヤーズSの狙いどころは?
2019/11/25(月)
ジャパンカップが終わり、今週から中山・阪神・中京の3場開催となる。開幕週を迎える中山競馬の土曜メインは芝3600mと平地最長距離の重賞、ステイヤーズS。長距離戦ならではの道中での駆け引きが面白い一戦だ。今回はステイヤーズSをピックアップし、2009年以降・過去10年のデータから馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 ステイヤーズS過去10年の人気別成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
1番人気 | 6- 0- 1- 3/ 10 | 60.0% | 60.0% | 70.0% | 147% | 93% |
2番人気 | 0- 3- 3- 4/ 10 | 0.0% | 30.0% | 60.0% | 0% | 94% |
3番人気 | 1- 1- 2- 6/ 10 | 10.0% | 20.0% | 40.0% | 52% | 68% |
4番人気 | 1- 3- 2- 4/ 10 | 10.0% | 40.0% | 60.0% | 82% | 145% |
5番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 149% | 31% |
6番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0% | 41% |
7番人気 | 0- 1- 1- 8/ 10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0% | 72% |
8番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 280% | 53% |
9番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
10番人気以下 | 0- 1- 1- 50/ 52 | 0.0% | 1.9% | 3.8% | 0% | 30% |
まず表1は人気別成績。1番人気馬が15〜17年に3連覇したアルバートを含め過半数の6勝。近6年はすべて3着以内と安定している。2番人気馬は勝ち星こそないものの、複勝率60%。以下、3・4・5・8番人気馬が1勝ずつをあげている。
2・3着馬は10頭中9頭が上位7番人気以内におさまっており、10番人気以下の激走は1頭ずつ。12年以降・近7年の3着以内馬はすべて8番人気以内から出ており、超人気薄の激走は期待しづらい。特に近3年は1番人気馬が勝利し、2・3着は4番人気以内の馬で、
堅い決着が続いている。
■表2 ステイヤーズS過去10年の所属別成績
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
美浦 | 5- 2- 5- 65/ 77 | 6.5% | 9.1% | 15.6% | 37% | 28% |
栗東 | 5- 8- 5- 47/ 65 | 7.7% | 20.0% | 27.7% | 64% | 82% |
表2は出走馬の所属別成績。勝ち星は関東馬、関西馬ともに5勝ずつで並んでいるが、関西馬は2着が8回と多く、連対率・複勝率では関東馬を大きく上回っている。関西馬は昨年1・2着馬が該当しており、一昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。
なお、関東馬の3着以内馬12頭中11頭はステイヤーズSで上位5番人気以内に支持されていた。
■表3 ステイヤーズS過去10年の前走レース別成績
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
アルゼンチン共和国杯 | 6- 1- 6-39/52 | 11.5% | 13.5% | 25.0% | 103% | 65% |
京都大賞典 | 1- 2- 1- 4/ 8 | 12.5% | 37.5% | 50.0% | 102% | 97% |
比叡S(1600万下) | 1- 1- 1- 8/11 | 9.1% | 18.2% | 27.3% | 29% | 73% |
丹頂S | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 78% | 30% |
菊花賞 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 66% | 40% |
アンドロメダS | 0- 2- 0- 5/ 7 | 0.0% | 28.6% | 28.6% | 0% | 131% |
古都S(1600万下) | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 70% |
ノベンバーS(1600万下) | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 165% |
アイルランドT | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 105% |
オクトーバーS(1600万下) | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 270% |
天皇賞・秋 | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0% | 42% |
八坂S(1600万下) | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 230% |
その他のレース | 0- 0- 0-44/44 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は前走レース別成績。出走数が抜けて多いアルゼンチン共和国杯組が一昨年のアルバートら過半数の6勝をあげており、単勝回収率でも100%を超えている。この組については次の表4で分析する。
京都大賞典組は11年マイネルキッツが勝利し、複勝率50%と高い。他では比叡S組、丹頂S組、菊花賞組がそれぞれ1勝ずつ。勝ち馬はすべて前走芝2400m以上の距離を使われていた。なお、前走1600万下(現3勝クラス)組の好走も多く、のべ【1.4.2.23】で15年アルバートが勝利している。
表4 アルゼンチン共和国杯組の斤量増減別成績(過去10年)
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
増減無し | 3- 0- 2- 8/13 | 23.1% | 23.1% | 38.5% | 248% | 101% |
今回増 | 1- 1- 2-28/32 | 3.1% | 6.3% | 12.5% | 46% | 24% |
今回減 | 2- 0- 2- 3/ 7 | 28.6% | 28.6% | 57.1% | 92% | 190% |
表4はアルゼンチン共和国杯組の前走からの斤量増減別成績。出走数が多い今回斤量増の馬は10年コスモヘレノスの1勝のみで、連対率6.3%・複勝率12.5%と低い。
対して、斤量増減なしの馬は13年デスペラードら3勝をあげ、複勝率38.5%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。また、今回斤量減の馬は一昨年のアルバートら2勝をあげ、複勝率57.1%と非常に高い。前走アルゼンチン共和国杯組については前走からの斤量増減をぜひチェックしていただきたい。
■表5 1600万下(現3勝クラス)組の前走着順別成績(過去10年)
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1着 | 1- 1- 1- 2/ 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% | 64% | 106% |
前走2着 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 240% |
前走3着 | 0- 2- 0- 3/ 5 | 0.0% | 40.0% | 40.0% | 0% | 148% |
前走5着 | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 135% |
前走6〜9着 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走10着以下 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表5は前走1600万下(現3勝クラス)組の前走着順別成績。この組から出た3着以内馬7頭は、いずれも前走で5着以内に入っていた。前走1着馬は、先述の通り15年アルバートが勝利しているほか、昨年はアドマイヤエイカン(前走古都S)が2着と好走している。同馬のように前走芝2400mの1600万下で5着以内だった馬は【1.3.1.3】で連対率50%・複勝率62.5%と非常に高い。
対して、前走6着以下だった馬はすべて4着以下に敗れている。この組は前走で掲示板を確保できているかどうかをチェックしておきたい。
■表6 ステイヤーズS過去10年の騎手所属別成績
騎手分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
美浦 | 6- 7- 7- 90/110 | 5.5% | 11.8% | 18.2% | 57% | 55% |
栗東 | 0- 2- 1- 16/ 19 | 0.0% | 10.5% | 15.8% | 0% | 28% |
外国 | 4- 1- 2- 6/ 13 | 30.8% | 38.5% | 53.8% | 60% | 70% |
最後に表6は騎手所属別成績。黄色で強調した外国人騎手(JRA所属のミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手は含まない)の騎乗馬が、09年フォゲッタブル(スミヨン騎手)、15〜17年に3連覇したアルバート(ムーア騎手)とのべ4勝をあげ、連対率38.5%・複勝率53.8%と非常に優秀だ。一昨年は1〜3着を外国人騎手の騎乗馬が独占。昨年もモンドインテロ(ビュイック騎手)が3着と好走している。
この時期は短期免許で海外の有力騎手が来日している。陣営にとっても外国人騎手に騎乗依頼するのは勝負気配が強く、上位人気でも狙っていきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。