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第1342回 前走からの斤量増減に着目! 関屋記念を分析する

2019/8/8(木)

今週は日曜に札幌競馬場でダート重賞のエルムS、新潟競馬場でマイル重賞の関屋記念が行われる。今回は新潟の関屋記念をピックアップし、2009年以降・過去10年のデータから馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 関屋記念の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 2-  3-  1-  4/ 10 20.0% 50.0% 60.0% 69% 94%
2番人気 2-  2-  0-  6/ 10 20.0% 40.0% 40.0% 94% 73%
3番人気 1-  0-  3-  6/ 10 10.0% 10.0% 40.0% 61% 99%
4番人気 3-  1-  0-  6/ 10 30.0% 40.0% 40.0% 278% 115%
5番人気 0-  2-  1-  7/ 10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 85%
6番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 146% 115%
7番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 121% 88%
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 37%
9番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 67%
10番人気以下 0-  0-  2- 69/ 71 0.0% 0.0% 2.8% 0% 20%

まず表1は関屋記念の人気別成績。1番人気馬は昨年のプリモシーンら2勝で、連対率50%・複勝率60%はトップの数字だ。4番人気馬が14年クラレントら最多の3勝をあげており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。その他では2番人気馬が2勝、3・6・7番人気馬が1勝ずつをあげ、連対馬は上位7番人気以内におさまっている。

3着馬は下位人気まで幅広く分布しており、3連複での万馬券は4回、3連単で10万円以上の配当は3回。大波乱こそなかったものの、小〜中波乱はあるレースだ。

ちなみに、「夏は牝馬」の格言があるが、牝馬は過去10年で【2.2.3.19】で連対率15.4%・複勝率26.9%と、牡馬・セン馬の連対率11.9%・複勝率17.0%を上回っている。

■表2 関屋記念の年齢別成績(過去10年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
3歳 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 41% 120%
4歳 3-  4-  1- 13/ 21 14.3% 33.3% 38.1% 64% 76%
5歳 4-  5-  4- 50/ 63 6.3% 14.3% 20.6% 66% 61%
6歳 1-  1-  1- 38/ 41 2.4% 4.9% 7.3% 22% 31%
7歳以上 1-  0-  2- 23/ 26 3.8% 3.8% 11.5% 30% 46%

続いて表2は年齢別成績。4歳馬が16年ヤングマンパワーら3勝をあげ、連対率33.3%・複勝率38.1%と優秀だ。出走数最多の5歳馬は一昨年のマルターズアポジーら4勝をあげ、3着以内数も13頭と多い。3歳馬は昨年のプリモシーンが勝利し、複勝率30.0%と4歳馬に次いで高い。

なお、6歳馬、7歳以上の馬はともに1勝のみで、連対率も低い傾向が出ている。

■表3 関屋記念の枠番別成績(過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 1- 0- 1-15/17 5.9% 5.9% 11.8% 45% 31%
2枠 1- 1- 1-15/18 5.6% 11.1% 16.7% 67% 55%
3枠 0- 0- 1-17/18 0.0% 0.0% 5.6% 0% 12%
4枠 0- 2- 1-15/18 0.0% 11.1% 16.7% 0% 38%
5枠 0- 1- 3-16/20 0.0% 5.0% 20.0% 0% 59%
6枠 0- 3- 0-17/20 0.0% 15.0% 15.0% 0% 40%
7枠 5- 0- 2-18/25 20.0% 20.0% 28.0% 126% 103%
8枠 3- 3- 1-18/25 12.0% 24.0% 28.0% 101% 85%

表3は枠番別成績。7枠が昨年のプリモシーンら最多の5勝をあげ、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。8枠も16年ヤングマンパワーら3勝をあげており、連対率はトップ、複勝率もトップタイだ。これら外目の7・8枠で大半の8勝をあげており、好成績を残している。一方で、中枠の3〜6枠は勝ち星なしに終わっている。現時点で枠順は発表されていないが、外目の7・8枠に入った馬を1着候補として組み立ててみたい。

■表4 中京記念組の前走人気別成績(過去10年)

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1人気 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走2人気 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 382% 130%
前走3人気 0- 1- 2- 1/ 4 0.0% 25.0% 75.0% 0% 212%
前走4人気 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 100%
前走5人気 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 170%
前走6〜9人気 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10番人気以下 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は出走数が抜けて多い前走中京記念組の前走人気別成績。前走1番人気馬は2頭とも馬券圏外に敗れているものの、前走2番人気〜5番人気の馬の複勝率が軒並み高く、複勝回収率も100%以上となっている。中京記念組は前走5番人気以内、特に前走2〜5番人気以内だった馬が狙いといえるだろう。

なお、この組で前走6番人気以下からは1頭も3着以内に入っておらず、不振傾向にある。

■表5 関屋記念の馬体重別成績(過去10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
420〜439kg 1-  0-  1-  7/  9 11.1% 11.1% 22.2% 31% 55%
440〜459kg 0-  2-  2- 16/ 20 0.0% 10.0% 20.0% 0% 50%
460〜479kg 1-  1-  1- 23/ 26 3.8% 7.7% 11.5% 56% 36%
480〜499kg 4-  4-  2- 51/ 61 6.6% 13.1% 16.4% 39% 45%
500〜519kg 1-  2-  1- 23/ 27 3.7% 11.1% 14.8% 34% 30%
520〜539kg 2-  1-  2-  9/ 14 14.3% 21.4% 35.7% 130% 155%
540kg以上 1-  0-  1-  2/  4 25.0% 25.0% 50.0% 195% 225%

表5は関屋記念出走時の馬体重別成績。黄色で強調したように、520キロ以上の大型馬が一昨年のマルターズアポジーら3勝をあげており、好成績を残している。この組の3着以内馬7頭中5頭は5番人気以下の伏兵だった。穴は520キロ以上の大型馬から多く出ており、馬体重には注目しておきたい。

■表6 関屋記念の前走からの斤量増減別成績(過去10年)

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
増減無し 1-  8-  4- 49/ 62 1.6% 14.5% 21.0% 23% 64%
今回増 0-  1-  0- 40/ 41 0.0% 2.4% 2.4% 0% 6%
今回減 9-  1-  6- 42/ 58 15.5% 17.2% 27.6% 107% 83%
今回1〜1.5kg減 2-  0-  4- 31/ 37 5.4% 5.4% 16.2% 46% 52%
今回2〜2.5kg減 3-  1-  0-  6/ 10 30.0% 40.0% 40.0% 136% 69%
今回3kg以上減 1-  0-  2-  4/  7 14.3% 14.3% 42.9% 58% 171%

表6は前走からの斤量増減別成績。関屋記念はハンデ戦ではなく別定戦だが、前走からの斤量増減でハッキリとした傾向が出ている。今回斤量減の馬が昨年のプリモシーンら大半の9勝をあげ、勝ち切るケースが多い。また、斤量減の中でも今回2キロ以上斤量が減る馬の複勝率が高い

斤量増減なしの馬は10年レッツゴーキリシマの1勝のみで、2着が8回と多い。1着候補は斤量減の馬、2・3着候補に増減なしと斤量減の馬を据えるのがレース傾向に沿った狙い目といえるだろう。なお、斤量増の馬は2着1回のみと苦戦傾向にある。

<結論>

■表7 今年の関屋記念の出走予定馬(8/7現在)

出走予定馬 性齢 前走成績 斤量
ケイデンスコール 牡3 NHKマイルC 2着 53(-4)
ロードクエスト 牡6 中京記念 11着 57(0)
ソーグリッタリング 牡5 エプソムC 3着 57(0)
ミッキーグローリー 牡6 マイルCS 5着 56(-1)
ヤングマンパワー 牡7 ダービー卿CT 15着 57(1)
オールフォーラヴ 牝4 米子S 1着 54(0)
マイネルアウラート 牡8 障害未勝利 10着 57(-3)
フローレスマジック 牝5 マーメイドS 13着 54(-1)
ハーレムライン 牝4 谷川岳S 1着 54(0)
エントシャイデン 牡4 中京記念 7着 56(2)
サラキア 牝4 エプソムC 2着 54(0)
リライアブルエース 牡6 福島テレビOP 1着 56(0)
ミエノサクシード 牝6 中京記念 4着 54(0)
サンマルティン セン7 都大路S 6着 56(-2)
ファストアプローチ セン4 巴賞 15着 56(0)
ディメンシオン 牝5 米子S 7着 54(0)
トミケンキルカス 牡7 パラダイスS 5着 56(2)
ロシュフォール 牡4 七夕賞 11着 56(1)
ランガディア 牡5 米子S 8着 56(0)
アストラエンブレム セン6 巴賞 4着 56(-1)
キョウワゼノビア 牝6 CBC賞 4着 54(2)
ボールライトニング 牡6 六甲S 10着 56(0)
ストーミーシー 牡6 パラダイスS 4着 56(2)
ブレスジャーニー 牡5 エプソムC 5着 56(0)

※フルゲート18頭。ランガディア以下は除外対象。

2018/8/26 新潟11R 新潟2歳ステークス(G3)1着 6番 ケイデンスコール 2018/10/2 阪神11R ポートアイランドステークス 1着 7番 ミエノサクシード

今年の出走予定馬は表7のとおり。

これまでのデータからまず推奨したいのが、前走NHKマイルC2着のケイデンスコール。前走を含めて左回りのマイル戦ではすべて連対しており、昨夏の新潟2歳Sも勝利している。3歳馬は昨年優勝しており、斤量4キロ減も傾向から有利。1着候補に挙げておきたい。

前走中京記念組からは前走4番人気だった牝馬ミエノサクシードを取り上げる。中京記念では3歳馬が1、2着を占める中、中団から勝ち馬とは0秒1差の4着まで差してきた。新潟芝マイルでは未勝利戦を制しており、長い直線は合う。前走と同斤量ということで勝ち切れないケースはあるかもしれないが、馬券圏内に好走する可能性は十分だろう。

ルメール騎手騎乗で人気を集めそうなミッキーグローリーは昨年のマイルCS以来となる長期休養明けで仕上がりが不安。前走エプソムCで逃げて2着と好走したサラキアは、成績が良い4歳馬、かつ牝馬ということで連下候補としたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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