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第1326回 ダート界の登竜門! ユニコーンSを分析する

2019/6/13(木)

今週から函館開催が始まり、東京・阪神と合わせて3場開催となる。東京競馬場の日曜メインは3歳ダート重賞のユニコーンS。近年の勝ち馬からはノンコノユメ、ゴールドドリーム、ルヴァンスレーヴといったG1ウイナーが次々に輩出しており、ダート界の登竜門的な一戦といえる。今回はユニコーンSをピックアップし、2014年以降・近5年のデータから馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データの集計・分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ユニコーンS近5年の上位3着以内馬一覧

年(馬場/頭数) 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半800m通過
2018
(重/16頭)
1 ルヴァンスレーヴ 1分35秒0 1 4 35秒2 47秒1
2 グレートタイム 3馬身1/2 3 9 35秒6
3 エングローサー アタマ 7 13 35秒2
2017
(良/16頭)
1 サンライズノヴァ 1分35秒9 2 10 35秒4 46秒4
2 ハルクンノテソーロ 4馬身 5 10 36秒1
3 サンライズソア 2馬身 3 6 36秒8
2016
(良/16頭)
1 ゴールドドリーム 1分35秒8 2 4 35秒9 47秒3
2 ストロングバローズ クビ 1 2 36秒2
3 グレンツェント 3馬身 3 11 35秒7
2015
(稍重/16頭)
1 ノンコノユメ 1分35秒9 2 14 35秒5 46秒8
2 ノボバカラ 2馬身1/2 9 2 37秒3
3 アルタイル 2馬身1/2 3 11 36秒6
2014
(稍重/16頭)
1 レッドアルヴィス 1分36秒0 3 2 36秒4 46秒6
2 コーリンベリー 2馬身1/2 4 1 36秒9
3 バンズーム クビ 7 13 36秒2

まず表1はユニコーンS近5年の3着以内馬一覧。馬場状態は良から重馬場までさまざまだが、勝ち時計はいずれも1分36秒0以内と速い時計の決着となっている。過去5年すべてフルゲートで、前半からペースが流れるというのが要因だろう。15年以降の近4年は勝ち馬がすべて上がり35秒台の脚を使っている。

4コーナー先頭の馬で馬券に絡んだのは14年2着のコーリンベリーのみ。逆に4コーナー10番手以下の馬が毎年1頭は3着以内に入っている。速い時計の決着に対応でき、後方からでも速い上がりを使える馬が馬券での狙いどころといえそうだ。

上位人気の成績は、1番人気馬【1.1.0.3】、2番人気馬【3.0.0.2】、3番人気馬【1.1.3.0】となっている。2番人気馬が一昨年のサンライズノヴァら最多の3勝をあげており、3番人気馬は複勝率100%とすべて馬券圏内に入っている。勝ち馬は3番人気以内、3着以内馬は9番人気以内にすべておさまっており、10番人気以下の激走はなかった。

■表2 ユニコーンSの枠番別成績(過去5年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 30%
2枠 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 78%
3枠 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 43%
4枠 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 49% 17%
5枠 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 46% 18%
6枠 2- 0- 1- 7/10 20.0% 20.0% 30.0% 160% 136%
7枠 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 23% 37%
8枠 0- 2- 1- 7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 184%

表2は枠番別成績。黄色で強調したように外目の6〜8枠に入った馬がそれぞれ複勝率30%と優秀だ。東京ダート1600mはスタート部分が芝で、外目の枠は芝部分が長いことももちろんあるが、被されにくいというのも好走要因としてあるだろう。外目の6〜8枠に入った馬は要チェックだ。なお、勝ち馬5頭は4〜7枠から出ていた。

■表3 ユニコーンSの前走クラス別成績(過去5年)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
500万下 0- 0- 1-29/30 0.0% 0.0% 3.3% 0% 19%
1000万下 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1310% 670%
オープン特別 3- 5- 4-29/41 7.3% 19.5% 29.3% 28% 99%
G3 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は前走クラス別成績。黄色で示した前走オープン特別組が昨年のルヴァンスレーヴ(前走伏竜S2着)ら3勝をあげ、3着以内数12頭と多数を占めている。前走レース別では、青竜S組【1.2.3.12】、鳳雛S組【1.1.1.8】、伏竜S組【1.1.0.1】、端午S組【0.1.0.6】となっている。

前走1000万下組は14年レッドアルヴィス(前走三浦特別4着)が勝利しているが、前走500万下組の好走は昨年3着のエングローサーのみで不振傾向にある。また前走中央重賞組からも好走馬が出ていない。

■表4 ユニコーンSの前走からの距離増減別成績(過去5年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
同距離 2- 2- 3-22/29 6.9% 13.8% 24.1% 61% 85%
今回延長 0- 1- 1-22/24 0.0% 4.2% 8.3% 0% 60%
今回短縮 3- 2- 1-21/27 11.1% 18.5% 22.2% 37% 54%

表4は前走からの距離増減別成績。同距離の前走1600m組は15年ノンコノユメら2勝をあげ、複勝率24.1%でトップだ。今回短縮の馬は昨年のルヴァンスレーヴら近3年続けて勝ち馬を出しており、勝率・連対率が最も高い

一方、今回延長の馬からは勝ち馬が出ておらず、連対率・複勝率ともに低かった。

■表5 ユニコーンSの前走着順別成績(過去5年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 1- 1- 3-33/38 2.6% 5.3% 13.2% 12% 31%
前走2着 2- 3- 1- 4/10 20.0% 50.0% 60.0% 52% 184%
前走3着 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 111%
前走4着 2- 1- 0- 2/ 5 40.0% 60.0% 60.0% 360% 326%
前走5着 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着以下 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走着順別成績。前走1着馬の連対率・複勝率が低いのは、前走500万下勝ちの馬が多く入っているため。前走オープンクラスで1着だった馬は【1.1.2.4】で連対率25.0%・複勝率50.0%と高い。

好成績をあげているのが、前走2着と前走4着だった馬。ともに2勝ずつをあげ、複勝率60%と非常に高い。前走3着馬は3着1回のみとやや不振傾向。なお、前走5着以下だった馬からは3着以内馬が出ていない

■表6 ユニコーンSの種牡馬別成績(過去5年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ゴールドアリュール 3- 0- 0- 4/ 7 42.9% 42.9% 42.9% 298% 135%
シンボリクリスエス 1- 0- 2- 1/ 4 25.0% 25.0% 75.0% 57% 267%
トワイニング 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 460% 180%
キングカメハメハ 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 38%
ファスリエフ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 300%
サウスヴィグラス 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 880%
アドマイヤオーラ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 790%
Mineshaft 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 110%
ネオユニヴァース 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 46%
トランセンド 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 580%
カネヒキリ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 240%
その他の種牡馬 0- 0- 0- 54/54 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は種牡馬別成績。ゴールドアリュール産駒が一昨年のサンライズノヴァら最多の3勝をあげているが、今年は出走予定馬がいない。シンボリクリスエス産駒は昨年ルヴァンスレーヴが勝利し、複勝率75.0%と非常に高い。複勝回収率も267%と優秀だ。トワイニング産駒は15年ノンコノユメが勝利。他でも複勝率100%のファスリエフ、サウスヴィグラス、アドマイヤオーラ、Mineshaft、トランセンド、カネヒキリ各産駒も出走馬がいれば、要チェックだ。

<結論>

■表7 今年のユニコーンSの出走予定馬(6/12現在)

馬名 前走成績 種牡馬
ワイドファラオ NHKマイルC 9着 ヘニーヒューズ
デュープロセス 青竜S 1着 ダイワメジャー
ノーヴァレンダ 伏竜S 5着 ダイワメジャー
ヴァニラアイス 端午S 1着 キンシャサノキセキ
デアフルーグ 青竜S 2着 ベーカバド
ヴァイトブリック 兵庫CS 2着 シンボリクリスエス
アシャカトブ 青竜S 7着 シニスターミニスター
アッシェンプッテル 500万下(1800m) 1着 バトルプラン
イメル 500万下(1400m) 1着 キンシャサノキセキ
エルモンストロ 500万下(1800m) 1着 ルーラーシップ
オンザウェイ 500万下(1600m) 1着 アサクサキングス
ザディファレンス 500万下(1400m) 1着 アドマイヤムーン
サトノギャロス 500万下(1200m) 1着 ヘニーヒューズ
ダンツキャッスル 500万下(1800m) 1着 ルーラーシップ
ニューモニュメント 青竜S 3着 ヘニーヒューズ
ブルベアイリーデ 青竜S 4着 キンシャサノキセキ
ロードグラディオ NHKマイルC 18着 キングカメハメハ

※フルゲート16頭。アシャカトブ以下は抽選対象。

2018/12/8 中山7R 2歳500万下 1着 2番 ヴァイトブリック 2019/3/31 中山10R 伏竜ステークス 1着 8番 デアフルーグ

今年の出走予定馬は表7のとおり。

人気を集めそうなのは前走青竜S1着のデュープロセス、2着デアフルーグの2頭。今回は再戦となるが、2頭の比較ではデアフルーグを上に取りたい。今回と同じ東京ダート1600mの前走青竜Sは前半800m47秒9のスローペース。デュープロセスは外枠スタートで4番手追走からスムーズに抜け出したのに対し、デアフルーグは最内1番ゲートから後方寄りを追走し、メンバー中上がり最速の35秒2の脚でクビ差まで詰め寄っている。前走より頭数が増えて前半から流れやすいユニコーンSではデアフルーグの決め脚が勝ると見る。

これまでのデータから推奨したいのがシンボリクリスエス産駒のヴァイトブリック。前走園田の兵庫チャンピオンシップで2着に敗れているが、前走2着は表5で示した好成績のデータに合致している。2走前にはヒヤシンスS2着で東京ダート1600mも経験済み。前走から距離短縮も好材料で、馬券圏内に食い込む可能性は高い。

今回延長となる前走端午S勝ちのヴァニラアイスは評価を下げて、デアフルーグとヴァイトブリックが中心。その次にデュープロセスといった評価で馬券を組み立ててみたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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