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第1325回 夏競馬でも注目! ロードカナロア産駒を分析する

2019/6/10(月)

日本ダービーのサートゥルナーリア、安田記念のアーモンドアイとも1番人気に推されながら敗れてしまったものの、春競馬を大いに盛り上げたロードカナロア産駒。ディープインパクト産駒らサンデーサイレンス後継種牡馬に並んで現在の日本競馬における主流となりつつある。今回は2017年に産駒がデビューした種牡馬ロードカナロアに注目し、その特徴を探っていきたい。なお、データの集計・分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ロードカナロア産駒の芝距離別成績(〜2019/6/2)

芝距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000m 4-  2-  1-  7/ 14 28.6% 42.9% 50.0% 419% 155%
1200m 40- 27- 25-174/266 15.0% 25.2% 34.6% 76% 76%
1400m 33- 21- 20-160/234 14.1% 23.1% 31.6% 61% 61%
1500m 2-  2-  1-  8/ 13 15.4% 30.8% 38.5% 55% 47%
1600m 51- 43- 29-234/357 14.3% 26.3% 34.5% 94% 77%
1800m 12- 16- 13-106/147 8.2% 19.0% 27.9% 24% 61%
2000m 9- 13-  7- 66/ 95 9.5% 23.2% 30.5% 50% 55%
2200m 1-  2-  1- 12/ 16 6.3% 18.8% 25.0% 37% 62%
2400m 2-  0-  0-  4/  6 33.3% 33.3% 33.3% 51% 36%
2500m 0-  0-  1-  0/  1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 320%
2600m 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2018/10/20 新潟11R 飛翼特別 1着 6番 ジョーカナチャン

まず表1はロードカナロア産駒の芝レースにおける距離別成績。ロードカナロア自身も活躍した1200〜1600mの出走数が多い。1200m、1400m、1600mの比較では、勝率・複勝率では1200m戦、連対率では1600m戦がトップとなっている。

1800m以上になると勝率・連対率ともにやや下がる傾向にある。2400m戦の2勝はアーモンドアイのオークス、ジャパンC。日本ダービーのサートゥルナーリアは4着に敗れており、個体差はあるものの、2400mはやや距離が長いのだろう。

注目したいのが黄色で強調した1000m戦。この中で新潟の芝直線1000m戦は【4.2.1.5】で、連対率50.0%・複勝率58.3%まで上がる。昨秋の1000万下・飛翼特別では13番人気の伏兵ジョーカナチャンが勝利。同馬は今春の1600万下・駿風Sも勝利している。今年の夏競馬でもロードカナロア産駒が直線1000m戦に出走してきたら注目したい。

■表2 ロードカナロア産駒のダート距離別成績(〜2019/6/2)

ダート距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000m 4-  5-  4- 18/ 31 12.9% 29.0% 41.9% 157% 348%
1150m 1-  3-  1- 10/ 15 6.7% 26.7% 33.3% 42% 59%
1200m 14- 17- 13- 94/138 10.1% 22.5% 31.9% 129% 84%
1300m 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 11%
1400m 18- 11- 16- 90/135 13.3% 21.5% 33.3% 103% 89%
1600m 4-  3-  2- 20/ 29 13.8% 24.1% 31.0% 71% 61%
1700m 3-  7-  2- 30/ 42 7.1% 23.8% 28.6% 36% 74%
1800m 4-  7-  7- 81/ 99 4.0% 11.1% 18.2% 16% 54%
1900m 1-  3-  0-  9/ 13 7.7% 30.8% 30.8% 35% 38%
2000m 0-  0-  1-  4/  5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 38%
2100m 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2はダート戦における距離別成績。黄色で強調した1000m戦が複勝率41.9%と優秀で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。この中で札幌ダート1000m戦は【3.2.1.3】で連対率55.6%・複勝率66.7%と非常に高い。小倉ダート1000m戦も【1.3.2.9】で複勝率40.0%と高い。

その他では1300m戦と1800m戦を除いて、複勝率30%前後となっている。2000m以上となると連対馬が出ておらず、苦戦傾向にある。

■表3 芝のレースにおけるロードカナロア産駒の母父別成績(〜2019/6/2)

母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
サンデーサイレンス 23- 22- 16- 96/157 14.6% 28.7% 38.9% 50% 79%
クロフネ 11-  4-  9- 45/ 69 15.9% 21.7% 34.8% 105% 73%
ディープインパクト 10-  6-  6- 53/ 75 13.3% 21.3% 29.3% 66% 54%
ハーツクライ 9-  6-  0- 21/ 36 25.0% 41.7% 41.7% 90% 97%
ファルブラヴ 9-  4-  3- 21/ 37 24.3% 35.1% 43.2% 109% 78%
フジキセキ 7-  6-  7- 53/ 73 9.6% 17.8% 27.4% 51% 54%
フレンチデピュティ 7-  6-  3- 16/ 32 21.9% 40.6% 50.0% 110% 81%
スペシャルウィーク 7-  2-  4- 38/ 51 13.7% 17.6% 25.5% 29% 61%
ダンスインザダーク 5-  8-  5- 31/ 49 10.2% 26.5% 36.7% 24% 68%
シンボリクリスエス 5-  5-  7- 34/ 51 9.8% 19.6% 33.3% 100% 87%
ネオユニヴァース 5-  2-  3- 16/ 26 19.2% 26.9% 38.5% 258% 93%
Hard Spun 5-  2-  0-  5/ 12 41.7% 58.3% 58.3% 115% 90%

※5勝以上を掲載。

表3は芝のレースにおけるロードカナロア産駒の母父別成績。母父サンデーサイレンスの馬が最多の23勝をあげている。代表例がアーモンドアイで、複勝率も38.9%と高い。次いで出走数が多い母父ディープインパクトは10勝をあげているものの、勝率・連対率・複勝率いずれも母父サンデーサイレンスより低かった。

上位にサンデーサイレンスならびにその後継種牡馬が並ぶ中にあって、注目したいのがクロフネ、ファルブラヴ、フレンチデピュティ、Hard Spunといったノーザンダンサー系の馬たち。いずれも単勝回収率は100%を超えている。母父ファルブラヴからは昨秋のマイルCSを勝利したステルヴィオ、母父Hard Spunからは今年のシルクロードSを制して高松宮記念でも1番人気(4着)に推されたダノンスマッシュが出ている。

出走数ではサンデーサイレンス系が多い中でノーザンダンサー系、特に黄色で強調した母父が出走してくればアタマから狙っていきたい

■表4 ロードカナロア産駒の前走からの距離増減別成績(〜2019/6/2)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
同距離 73-  76-  66- 395/ 610 12.0% 24.4% 35.2% 69% 86%
今回延長 39-  35-  24- 299/ 397 9.8% 18.6% 24.7% 65% 65%
今回短縮 47-  40-  29- 228/ 344 13.7% 25.3% 33.7% 107% 86%

※芝・ダートともに含む。

表4は前走からの距離増減別成績。前走と同距離の成績を基準にすると、距離短縮組は勝率・連対率で上回っており、単勝回収率は100%を超えている。特に芝での距離短縮組は勝率15.5%とさらに高くなる。

逆に距離延長組は勝率・連対率・複勝率いずれも同距離組・距離短縮組を下回っている。日本ダービーでのサートゥルナーリアもこの一例で、ロードカナロア産駒の距離延長はあまり良い材料とはいえないだろう。

■表5 ロードカナロア産駒の調教師別成績(〜2019/6/2)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
(栗)安田隆行 33- 28- 11- 79/151 21.9% 40.4% 47.7% 80% 91%
(美)田村康仁 6- 11-  4- 35/ 56 10.7% 30.4% 37.5% 37% 59%
(美)木村哲也 6-  5-  4- 12/ 27 22.2% 40.7% 55.6% 134% 97%
(美)国枝栄 6-  3-  1-  4/ 14 42.9% 64.3% 71.4% 88% 82%
(栗)藤原英昭 5-  5-  6- 23/ 39 12.8% 25.6% 41.0% 47% 65%
(栗)浅見秀一 5-  4-  1- 21/ 31 16.1% 29.0% 32.3% 65% 66%
(栗)矢作芳人 5-  3-  8- 45/ 61 8.2% 13.1% 26.2% 71% 76%
(栗)松下武士 5-  2-  3- 17/ 27 18.5% 25.9% 37.0% 313% 148%
(美)上原博之 5-  2-  2- 18/ 27 18.5% 25.9% 33.3% 202% 93%
(栗)池江泰寿 5-  2-  1- 12/ 20 25.0% 35.0% 40.0% 64% 48%

※5勝以上を掲載。芝・ダートともに含む。

2019/1/27 京都11R シルクロードS(G3) 1着 2番 ダノンスマッシュ

表5は調教師別成績。ロードカナロアを管理していた栗東の安田隆行厩舎の出走が多く、勝利数もダントツの33勝をあげている。同厩舎には秋の短距離路線でも楽しみなダノンスマッシュ、安土城Sを勝利したダイアトニック、ダートでオープン入りしたミッキーワイルドといった実力馬が多数在籍している。

美浦ではステルヴィオを管理する木村哲也厩舎、アーモンドアイを管理する国枝栄厩舎が好成績をあげている。他では先述したジョーカナチャンを管理する松下武士厩舎が単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

■表6 ロードカナロア産駒の騎手別成績(〜2019/6/2)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ルメール 26-17- 6-20/69 37.7% 62.3% 71.0% 86% 88%
北村友一 18-12-11-37/78 23.1% 38.5% 52.6% 74% 96%
福永祐一 13- 5- 8-31/57 22.8% 31.6% 45.6% 93% 84%
M.デムーロ 11- 7- 3-18/39 28.2% 46.2% 53.8% 63% 68%
戸崎圭太 8- 9- 4-26/47 17.0% 36.2% 44.7% 68% 89%
鮫島克駿 7- 6- 6-32/51 13.7% 25.5% 37.3% 190% 111%
岩田康誠 7- 5- 7-44/63 11.1% 19.0% 30.2% 38% 63%
池添謙一 7- 2- 2-25/36 19.4% 25.0% 30.6% 186% 68%
武豊 6- 4- 5-19/34 17.6% 29.4% 44.1% 73% 73%
三浦皇成 5- 9- 6-33/53 9.4% 26.4% 37.7% 137% 115%
和田竜二 5- 8- 7-32/52 9.6% 25.0% 38.5% 53% 72%
川田将雅 5- 6- 4-20/35 14.3% 31.4% 42.9% 65% 65%
浜中俊 5- 2- 1-17/25 20.0% 28.0% 32.0% 193% 78%
石橋脩 4- 3- 1-10/18 22.2% 38.9% 44.4% 80% 128%

※4勝以上を掲載。芝・ダートともに含む。

最後に表6は騎手別成績。アーモンドアイなどに主戦として騎乗するルメール騎手が最多の26勝をあげており、連対率62.3%・複勝率71.0%と抜群の数字を残している。それでも複勝回収率88%に留まるのは騎乗69回中61回が上位2番人気以内だったためだ。今後もルメール騎手とロードカナロア産駒のコンビはかなり注目されるだろう。

ルメール騎手に次ぐ18勝をあげているのが北村友一騎手。安田隆行厩舎の管理馬に騎乗するケースが多く、【11.10.4.16】で連対率51.2%・複勝率61.0%と特に優秀だ。

他ではM.デムーロ騎手の率が高く、鮫島克駿騎手・三浦皇成騎手・石橋脩騎手が複勝回収率で100%を超えていた。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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