データde出〜た
第1309回 波乱傾向が強いフローラSの狙いどころは?
2019/4/15(月)
皐月賞が終わり、今週から東西の開催は東京と京都に舞台を移す。日曜東京のメインレースは、オークストライアルのフローラS。以前は上位3着までにオークスの優先出走権が与えられていたが、昨年から2着までに変更された。また、ここ5年、高配当が連発しているレースでもある。今回のデータde出〜たでは、2014年以降・近5年のデータから荒れるフローラSの狙いどころを探っていきたい。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 フローラS近5年の上位3着以内馬一覧
年/馬場 | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半1000m通過 |
2018 (良/16頭) |
1 | サトノワルキューレ | 1分59秒5 | 1 | 14 | 33秒4 | 61秒1 |
2 | パイオニアバイオ | クビ | 13 | 3 | 34秒4 | ||
3 | ノームコア | クビ | 5 | 2 | 34秒6 | ||
2017 (良/18頭) |
1 | モズカッチャン | 2分1秒3 | 12 | 8 | 33秒9 | 61秒5 |
2 | ヤマカツグレース | クビ | 10 | 2 | 34秒4 | ||
3 | フローレスマジック | アタマ | 2 | 3 | 34秒3 | ||
2016 (良/18頭) |
1 | チェッキーノ | 1分59秒7 | 3 | 8 | 34秒6 | 59秒7 |
2 | パールコード | 3馬身 | 2 | 7 | 35秒3 | ||
3 | アウェイク | 1/2馬身 | 13 | 8 | 35秒3 | ||
2015 (良/17頭) |
1 | シングウィズジョイ | 2分1秒8 | 2 | 2 | 34秒3 | 62秒6 |
2 | ディアマイダーリン | クビ | 1 | 3 | 34秒1 | ||
3 | マキシマムドパリ | クビ | 3 | 7 | 33秒9 | ||
2014 (良/18頭) |
1 | サングレアル | 2分0秒0 | 4 | 13 | 34秒3 | 60秒7 |
2 | ブランネージュ | アタマ | 6 | 3 | 35秒3 | ||
3 | マイネオーラム | 1馬身1/2 | 13 | 10 | 34秒8 |
まず表1はフローラS近5年の3着以内馬一覧。近5年はすべて良馬場で行われているが、勝ち時計は1分59秒5〜2分1秒8まで年によってかなり異なる。勝ち馬は先行した15年のシングウィズジョイ以外すべて差し・追い込み馬で、上がり最速の脚を使っていた。ただ、2・3着には先行勢も多く入っている。なお、逃げ馬は馬券に絡んでいない。
上位馬の人気を見ると、15年以外は10番人気以下の人気薄が毎年1頭は3着以内に入っている。昨年は13番人気パイオニアバイオが2着に激走し、馬連万馬券となった。14年には3着に13番人気マイネオーラムが入り、3連単108万8940円の大波乱。3連単は近5年中4年が10万円以上の配当となっており、波乱傾向が強い一戦だ。
■表2 フローラS出走馬の所属別成績(過去5年)
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
美浦 | 1- 2- 4-41/48 | 2.1% | 6.3% | 14.6% | 11% | 103% |
栗東 | 4- 3- 1-31/39 | 10.3% | 17.9% | 20.5% | 141% | 74% |
表2は出走馬の所属別成績。栗東所属の関西馬が昨年のサトノワルキューレら大半の4勝をあげており、勝率・連対率では関東馬を圧倒している。ただし、昨年1番人気で勝利したサトノワルキューレをはじめ、3着以内に入った関西馬8頭中5頭は上位4番人気以内だった。
対して、関東馬は16年チェッキーノの1勝のみ。ただし、昨年は2着・3着に来るなど、毎年1頭は3着以内に入っている。3着以内馬7頭中3頭がいずれも13番人気と人気薄の激走が目立ち、複勝回収率も100%を超えている。
■表3 フローラSの前走クラス別成績(過去5年)
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
新馬 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
未勝利 | 0- 1- 0-16/17 | 0.0% | 5.9% | 5.9% | 0% | 68% |
500万下 | 4- 3- 2-28/37 | 10.8% | 18.9% | 24.3% | 148% | 113% |
OPEN特別 | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 95% | 38% |
G3 | 0- 1- 3-20/24 | 0.0% | 4.2% | 16.7% | 0% | 96% |
G2 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
G1 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は前走クラス別成績。黄色で強調した前走500万下組が昨年のサトノワルキューレら大半の4勝をあげており、連対率は18.9%、複勝率は24.3%でトップだ。この組の3着以内馬9頭中3頭は10番人気以下の人気薄で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
その他ではオープン特別組が16年チェッキーノ(前走アネモネS1着)の1勝。経験で優位に立つはずの前走重賞組からは勝ち馬が出ておらず、波乱の要因のひとつとなっている。なお前走G3組からは2・3着馬が計4頭出ているが、そのうちの3頭は前走フラワーC組だった。
また、未勝利戦組からは昨年2着のパイオニアバイオしか好走馬が出ていない。
■表4 前走500万下組の前走距離別成績(過去5年)
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
1600m | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
1700m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
1800m | 2- 2- 1- 8/13 | 15.4% | 30.8% | 38.5% | 332% | 169% |
2000m | 1- 1- 1-13/16 | 6.3% | 12.5% | 18.8% | 56% | 115% |
2400m | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 270% | 150% |
表4は、表3で好成績を示していた前走500万下組の前走距離別成績。フローラSで3着以内に入った9頭はすべて前走1800m以上の距離を使われていた。前走1800m組は15年シングウィズジョイ、一昨年モズカッチャンの2勝。なかでもシングウィズジョイをはじめとする前走君子蘭賞(阪神芝1800m)組は【1.2.1.4】で連対率37.5%・複勝率50.0%と好相性を示している。
なお、前走2000m組からは14年サングレアル(前走福寿草特別4着)、前走2400m組からは昨年のサトノワルキューレ(前走ゆきやなぎ賞1着)とそれぞれ勝ち馬が出ている。
■表5 フローラSの前走着順別成績(過去5年)
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1着 | 4- 3- 0-24/31 | 12.9% | 22.6% | 22.6% | 166% | 96% |
前走2着 | 0- 1- 1- 9/11 | 0.0% | 9.1% | 18.2% | 0% | 87% |
前走3着 | 0- 1- 2- 5/ 8 | 0.0% | 12.5% | 37.5% | 0% | 75% |
前走4着 | 1- 0- 0- 9/10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 91% | 34% |
前走5着 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走6〜9着 | 0- 0- 2-13/15 | 0.0% | 0.0% | 13.3% | 0% | 199% |
前走10着以下 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表5は前走着順別成績。前走1着だった馬が昨年のサトノワルキューレら近4年続けて勝利しており、連対率も22.6%と高い。この組の連対馬7頭中5頭は前走500万下を勝利した馬だった。
なお、近5年の連対馬10頭はすべて前走で4着以内に入っていた。前走5着以下から巻き返したのは14年3着マイネオーラム(前走フラワーC6着)、16年3着アウェイク(前走フリージア賞8着)の2頭のみだった。
■表6 フローラSの種牡馬別成績(過去5年)
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
ハービンジャー | 1- 1- 1- 3/ 6 | 16.7% | 33.3% | 50.0% | 620% | 286% |
ディープインパクト | 1- 0- 2- 8/11 | 9.1% | 9.1% | 27.3% | 24% | 148% |
キングカメハメハ | 1- 0- 1- 5/ 7 | 14.3% | 14.3% | 28.6% | 81% | 65% |
マンハッタンカフェ | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 120% | 38% |
ゼンノロブロイ | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 303% | 113% |
ハーツクライ | 0- 1- 0-12/13 | 0.0% | 7.7% | 7.7% | 0% | 10% |
ルーラーシップ | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 580% |
シンボリクリスエス | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 160% |
ヴィクトワールピサ | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 110% |
ステイゴールド | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 570% |
その他の種牡馬 | 0- 0- 0-33/33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
最後に表6は種牡馬別成績。ハービンジャー産駒は一昨年モズカッチャンが勝利し、2着ヤマカツグレースとワンツーフィニッシュ。昨年も3着にノームコアが入っており、連対率33.3%・複勝率50.0%と好相性だ。今年も同産駒はチェックしておきたい。
ディープインパクト産駒は昨年のサトノワルキューレの1勝のみだが、近3年は1頭ずつ3着以内に入っている。なお、出走数最多のハーツクライ産駒は15年ディアマイダーリンの2着1回のみと不振傾向にある。他ではキングカメハメハ産駒から複数の好走馬が出ており、同系のルーラーシップ産駒からも昨年2着のパイオニアバイオが好走している。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。