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第1293回 前走での着差に注目! 阪急杯を分析する

2019/2/18(月)

フェブラリーSが終わり、今週から中山・阪神開催が開幕する。今年最初となる阪神開催の日曜メインは芝1400m重賞の阪急杯。高松宮記念の前哨戦としても注目の一戦で、ロードカナロアやコパノリチャードが同レースから大一番を制している。今回はこの阪急杯をピックアップし、2009年以降のデータから馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪急杯の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 2-  2-  1-  5/ 10 20.0% 40.0% 50.0% 54% 69%
2番人気 3-  1-  2-  4/ 10 30.0% 40.0% 60.0% 158% 118%
3番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 45%
4番人気 2-  3-  0-  5/ 10 20.0% 50.0% 50.0% 186% 167%
5番人気 0-  1-  3-  6/ 10 0.0% 10.0% 40.0% 0% 134%
6番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 3-  0-  1-  6/ 10 30.0% 30.0% 40.0% 536% 235%
8番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 37%
9番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 89%
10番人気以下 0-  0-  2- 68/ 70 0.0% 0.0% 2.9% 0% 54%

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は16年ミッキーアイルら2勝で、連対率40%・複勝率50%。2番人気馬は15年ダイワマッジョーレら最多タイの3勝をあげ、複勝率は60%でトップだ。以下、4番人気馬は2勝で連対率トップの50%、7番人気馬は昨年のダイアナヘイローら近2年の勝ち馬を含む3勝をあげている。

連対馬は上位8番人気以内におさまっているが、3着馬は下位人気まで幅広く分布している。一昨年は7番人気トーキングドラムが勝利し、3着には初めての芝だった最低12番人気のナガラオリオンが激走。3連単で248万3180円の大波乱となっている。比較的堅めの決着が多いものの、場合によっては大波乱となることもありえる一戦だ。

■表2 阪急杯の年齢別成績(過去10年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
4歳 1-  4-  6- 21/ 32 3.1% 15.6% 34.4% 15% 119%
5歳 7-  3-  1- 29/ 40 17.5% 25.0% 27.5% 140% 83%
6歳 1-  2-  1- 40/ 44 2.3% 6.8% 9.1% 15% 26%
7歳以上 1-  1-  2- 40/ 44 2.3% 4.5% 9.1% 58% 100%

2018/2/25 阪神11R 阪急杯(G3) 1着 13番 ダイアナヘイロー

表2は年齢別成績。5歳馬が昨年逃げ切ったダイアナヘイローら過半数の7勝をあげており、他の年代に比べて勝率が抜けて高い。7勝のうち、2勝が7番人気馬で単勝回収率も100%を大きく超えている。

また、4歳馬は14年コパノリチャードの1勝のみだが、複勝率は5歳馬を凌いで34.4%でトップだ。また4歳は3着以内馬11頭中6頭が5番人気以下の伏兵で、複勝回収率は100%を超えている。なお、6歳馬と7歳以上の馬はともに複勝率9.1%と低いが、7歳以上の3着以内馬は4頭中3頭が7番人気以下と人気薄の激走に注意しておきたい。

■表3 阪急杯の枠番別成績(過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 2- 3- 0-14/19 10.5% 26.3% 26.3% 48% 52%
2枠 3- 1- 3-12/19 15.8% 21.1% 36.8% 202% 134%
3枠 0- 2- 4-13/19 0.0% 10.5% 31.6% 0% 169%
4枠 0- 1- 1-17/19 0.0% 5.3% 10.5% 0% 52%
5枠 0- 0- 0-20/20 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6枠 1- 1- 0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 51% 25%
7枠 3- 1- 0-18/22 13.6% 18.2% 18.2% 123% 48%
8枠 1- 1- 2-18/22 4.5% 9.1% 18.2% 38% 155%

表3は枠番別成績。内目の1〜3枠と外目の6〜8枠の比較では、勝ち星はそれぞれ5勝ずつと互角だが、複勝率では内目の1〜3枠が優勢だ。1〜3枠では2着6回、3着7回と複勝圏内に入る頭数が多く、2枠・3枠は複勝回収率で100%を超えている。開幕週で内目の状態が良く、内枠の方が距離ロスの少ない分だけ有利になると考えられる。

一方で、不振傾向にあるのが真ん中付近の4枠、5枠に入った馬だ。特に5枠に関しては、20頭中1頭も3着以内に入っていなかった。

■表4 阪急杯の前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
阪神カップ 3- 3- 3-14/23 13.0% 26.1% 39.1% 86% 136%
シルクロードS 2- 2- 0-21/25 8.0% 16.0% 16.0% 108% 62%
香港スプリント 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 270% 140%
東京新聞杯 1- 1- 1-13/16 6.3% 12.5% 18.8% 27% 39%
京阪杯 1- 0- 1- 5/ 7 14.3% 14.3% 28.6% 158% 174%
洛陽S 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 642% 245%
京都金杯 0- 2- 0-10/12 0.0% 16.7% 16.7% 0% 28%
京都牝馬S 0- 2- 0- 3/ 5 0.0% 40.0% 40.0% 0% 142%
マイルCS 0- 0- 2- 6/ 8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 67%
雲雀S(1600万下) 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 95%
大和S 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 2930%
タンザナイトS 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 250%
その他のレース 0- 0- 0-54/54 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。阪神C組は15年ダイワマッジョーレら最多の3勝をあげ、連対率26.1%・複勝率39.1%と優秀だ。昨年はモズアスコットが2着に入っている。出走数最多のシルクロードS組は昨年のダイアナヘイローら2勝も、複勝率では阪神C組に大きく離されている。以下、香港スプリント組が16年ミッキーアイルら2戦2勝と相性が良く、東京新聞杯組・京阪杯組・洛陽S組が1勝ずつ。

なお、前走がJRAのG1だった馬はのべ【0.0.2.12】で連対馬が出ておらず、複勝率14.3%と不振傾向にある。

■表5 阪急杯の前走人気別成績(過去10年)

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1人気 2- 2- 2- 9/15 13.3% 26.7% 40.0% 186% 114%
前走2人気 1- 2- 0- 9/12 8.3% 25.0% 25.0% 40% 52%
前走3人気 0- 1- 3-12/16 0.0% 6.3% 25.0% 0% 216%
前走4人気 0- 0- 2- 8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 104%
前走5人気 2- 1- 0- 8/11 18.2% 27.3% 27.3% 293% 150%
前走6〜9人 3- 4- 1-38/46 6.5% 15.2% 17.4% 50% 66%
前走10番人気以下 0- 0- 2-46/48 0.0% 0.0% 4.2% 0% 19%

表5は前走人気別成績。前走1番人気だった馬が昨年のダイアナヘイローら2勝をあげ、複勝率40%と高い。特に前走重賞で1番人気だった馬は【2.2.0.3】で連対率57.1%と非常に優秀だ。

なお、前走6〜9番人気だった馬は12年マジンプロスパー(前走6番人気)ら3勝をあげているが、前走10番人気以下だった馬からは連対馬が出ていない。

■表6 阪急杯の前走着差別成績(過去10年)

前走着差 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
勝0.3〜0.5秒差 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 53% 100%
勝0.1〜0.2秒差 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
勝0.0秒差 0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 16%
負0.0秒差 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 165% 90%
負0.1〜0.2秒差 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 31% 99%
負0.3〜0.5秒差 4- 4- 3-34/45 8.9% 17.8% 24.4% 123% 146%
負0.6〜0.9秒差 2- 1- 3-31/37 5.4% 8.1% 16.2% 23% 58%
負1.0〜1.9秒差 1- 2- 1-28/32 3.1% 9.4% 12.5% 52% 56%
負2.0〜2.9秒差 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2011/2/27 阪神11R 阪急杯(G3) 1着 15番 サンカルロ

最後に表6は前走着差別成績。前走で勝利した馬は13年ロードカナロアの1勝のみ。【1.0.2.17】で連対率5.0%・複勝率15.0%と低い。馬券で狙うべきは前走負けている馬なのだが、その中でも勝ち馬とタイム差なし〜0.5秒差以内だった馬に注目。

黄色で強調したゾーンで過半数の6勝をあげ、3着以内馬17頭と全体の過半数を占めている。特に前走勝ち馬から0秒3〜0秒5差だった馬は一昨年のトーキングドラムら4勝と勝ち星が多い。11年の勝ち馬サンカルロも前走阪神C6着で勝ち馬とは0秒4差、阪急杯では差し切って勝利してみせた。これら前走0秒5差以内で惜敗した馬を積極的に狙っていきたい

今年の阪急杯(特別登録段階)では、前走阪神C組からは勝利したダイアナヘイローよりも僅差の2着ミスターメロディ、3着スターオブペルシャをデータからは上位に評価したい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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