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第1266回 連覇なるか、それとも? エリザベス女王杯を分析

2018/11/8(木)

今週のG1はエリザベス女王杯。古馬からは昨年の勝ち馬モズカッチャン、悲願のG1制覇を目指すリスグラシュー、3歳馬からは秋華賞3着のカンタービレ、絶好調のC・ルメール騎手が騎乗予定のノームコアがエントリーしてきた。もちろん、伏兵陣も虎視眈々と戴冠を狙っていることだろう。今年はどの馬が女王の座に就くのか、過去10年の結果からレースを展望してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 1-  4-  2-  3/ 10 10.0% 50.0% 70.0% 27% 87%
2番人気 1-  2-  2-  5/ 10 10.0% 30.0% 50.0% 39% 79%
3番人気 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 129% 66%
4番人気 2-  0-  2-  6/ 10 20.0% 20.0% 40.0% 217% 96%
5番人気 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 77% 109%
6番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 152% 117%
7番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 230% 38%
8番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 63%
10番人気〜 1-  2-  0- 81/ 84 1.2% 3.6% 3.6% 91% 56%

表1は人気別成績。1番人気は複勝率70.0%、2番人気も同50.0%と3着以内に入る確率は高いのだが、ともに1勝ずつというのは少々気がかり。3〜7番人気が計7勝と、このあたりの人気の馬が勝つケースが多いようだ。人気薄に関しては、単勝100倍以上は【0.0.0.37】とさすがに苦しい。狙うにしても、100倍未満に収まっている馬にとどめるのが正解か。

■表2 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今走 逃げ 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 771% 141%
先行 2-  7-  1- 28/ 38 5.3% 23.7% 26.3% 55% 150%
中団 7-  3-  7- 58/ 75 9.3% 13.3% 22.7% 88% 49%
後方 0-  0-  1- 46/ 47 0.0% 0.0% 2.1% 0% 7%
マクリ 0-  0-  1-  2/  3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 36%
前走
逃げ 0-  3-  0- 10/ 13 0.0% 23.1% 23.1% 0% 223%
先行 3-  3-  1- 28/ 35 8.6% 17.1% 20.0% 259% 106%
中団 4-  4-  6- 57/ 71 5.6% 11.3% 19.7% 68% 46%
後方 1-  0-  3- 44/ 48 2.1% 2.1% 8.3% 27% 21%
マクリ 0-  0-  0-  0/  0          
※脚質の分類は TARGET frontier JV による。前走の集計対象は日本馬のみ

表2は脚質別成績で、上半分は今走(エリザベス女王杯)、下半分は前走を示している。今走で目につくのが、「中団」が7勝を挙げるなど計17頭の好走馬を送り出している点。前走で見ても「中団」が4勝、計14頭の好走馬はいずれも最多で、エリザベス女王杯では中団から差してくる馬が中心となっているようだ。これに次ぐのが「先行」。また、「逃げ」は回収率が高く、穴馬に注意したい。「後方」は苦しく、極端な追い込みはなかなか届かない。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 4-  4-  3- 37/ 48 8.3% 16.7% 22.9% 69% 48%
4歳 4-  3-  6- 42/ 55 7.3% 12.7% 23.6% 56% 83%
5歳 2-  2-  1- 47/ 52 3.8% 7.7% 9.6% 192% 43%
6歳 0-  1-  0- 11/ 12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 179%
7歳以上 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は年齢別成績。成績がいいのは3歳馬と4歳馬で、特に複勝率は5歳以上の馬より明確に高い。5歳馬は好走率では3歳馬や4歳馬に見劣るものの、09年11番人気1着のクィーンスプマンテ、12年7番人気1着のレインボーダリアと、ときおり激走を見せる点に注意したい。6歳以上は合計して【0.1.0.18】と苦戦傾向だ。

■表4 前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
秋華賞G1 3- 3- 3-26/35 8.6% 17.1% 25.7% 70% 44%
府中牝馬S・G2 2- 3- 4-56/65 3.1% 7.7% 13.8% 44% 58%
オールカマー・G2 2- 1- 0- 3/ 6 33.3% 50.0% 50.0% 366% 106%
京都大賞典・G2 1- 2- 0-10/13 7.7% 23.1% 23.1% 593% 283%
鳴滝特別・1000万下 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 530%
宝塚記念・G1 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 80%
ヴィクトリアマイル・G1 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 150%
1000万下 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 360%
※好走例があるレースのみで、集計対象は日本馬のみ。府中牝馬Sは2010年までG3。

表4は前走レース別成績。出走例、好走例が多いのは秋華賞と府中牝馬Sで、この両レースに関しては表5や表7でデータを見ていく。この2レース以外で注目したいのは、前走でオールカマー、京都大賞典、宝塚記念といった2200mや2400mの牡馬混合重賞を使っていた馬。09年には、京都大賞典で3秒2も負けていたテイエムプリキュアが12番人気2着という例もあり、出走していただけでも要注意だ。1000万下から好走した馬も2頭(12年5番人気3着ピクシープリンセス、13年6番人気2着ラキシス)おり、ピクシープリンセスの前走は京都芝2400m、ラキシスの前走は京都芝2200mで、ともに勝利していた。また、この両馬はいずれもディープインパクト産駒という共通項もあった。

■表5 前走秋華賞出走馬の各種データ

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着順 1着 1- 1- 1- 2/ 5 20.0% 40.0% 60.0% 78% 94%
2着 0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 32%
3着 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 256% 123%
4着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 1- 0- 1- 5/ 7 14.3% 14.3% 28.6% 188% 65%
10着〜 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
人気 1番人気 0- 1- 2- 2/ 5 0.0% 20.0% 60.0% 0% 74%
2番人気 0- 2- 1- 2/ 5 0.0% 40.0% 60.0% 0% 96%
3番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 65% 33%
4番人気 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 128% 43%
6〜9番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 220% 41%
10番人気〜 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走秋華賞出走馬の前走着順別成績と前走人気別成績を示したもの。まず言えるのは、秋華賞で3着以内に入っていた馬の好走率が高いこと。そして、巻き返しがあるとすれば9着までで、10着以下に大敗していると苦戦が予想される。

また、人気も興味深い傾向が出ている。好走率が高いのは秋華賞で1、2番人気に推されていた馬だが、エリザベス女王杯を勝ち切った3頭はいずれも秋華賞で3番人気以下だったのだ。ただし、こちらも10番人気以下では苦しく、9番人気以内には収まっておきたい。

■表6 同年オークスにおける成績

オークス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着順 1着 1- 1- 2- 2/ 6 16.7% 33.3% 66.7% 65% 95%
2着 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 192% 95%
3〜5着 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6着〜 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 146% 27%
人気 1番人気 1- 0- 2- 2/ 5 20.0% 20.0% 60.0% 264% 96%
2番人気 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 65%
3〜5番人気 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気〜 2- 0- 0-10/12 16.7% 16.7% 16.7% 96% 38%

3歳馬に関しては、データをもうひとつ見ておきたい。表6は同年オークスの着順と人気について調べたもの。まず着順に関しては、基本的にはオークスで1、2着だった馬がエリザベス女王杯でも好走を果たしている。例外は08年のリトルアマポーラだが、オークスで7着に敗れたものの1番人気に推されていた。次に人気を見ていくと、オークスで1、2番人気に推されていた馬の好走率は高いが、3番人気以下になると数値が下がってしまう。そのなかで例外となったのは13年のメイショウマンボと17年のモズカッチャンで、前者はオークス9番人気1着、後者もオークス6番人気2着と連対を果たしている。すなわち、オークスに出走していた3歳馬に関しては、そこで1、2着か1、2番人気に推されていることを条件としてみたい。

■表7 前走府中牝馬S出走の1〜3着馬

人気 着順 馬名 府中牝馬S
人気 着順 間隔
08年 1 2 カワカミプリンセス 1 2 中19週
2 3 ベッラレイア 3 3 中16週
11年 4 3 アパパネ 1 14 中18週
12年 7 1 レインボーダリア 9 4 中10週
13年 5 3 アロマティコ 1 7 中7週
14年 6 3 ディアデラマドレ 4 1 中10週
16年 3 1 クイーンズリング 3 1 中16週
12 2 シングウィズジョイ 8 7 中30週
17年 9 2 クロコスミア 5 1 中6週

表7は前走で府中牝馬Sに出走し、エリザベス女王杯で1〜3着した馬の一覧。府中牝馬Sの着順や人気はまちまちで明確な傾向は見られないのだが、注目したいのは出走間隔。この組で好走した9頭中7頭は休み明け初戦で府中牝馬Sを使い、叩き2戦目でエリザベス女王杯に出走していたのだ。そして、府中牝馬Sが休み明けではなかった2頭に関しては、その前走で勝利を収めていたという共通点がある(13年のアロマティコは佐渡S、17年のクロコスミアはワールドオールスタージョッキーズ第2戦と、いずれも1600万下で1着)。府中牝馬S組に関しては、この観点で狙ってみると面白いのではないか。

■表8 同年の芝1800m以上牡馬混合重賞の実績

レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜5着あり 3- 4- 2-22/31 9.7% 22.6% 29.0% 113% 116%
1〜5着なし 1- 0- 0-25/26 3.8% 3.8% 3.8% 296% 54%

表8は、同年の芝1800m以上古馬混合重賞に出走していた馬に関して、そこで1〜5着に入ったことがあった馬、なかった馬の成績を比較したもの。好走率の差は歴然で、もちろん1〜5着に入った実績を持つ馬のほうが好成績を残している。唯一の例外は09年1着のクィーンスプマンテだが、同馬は芝2600mのオープン特別・みなみ北海道Sで牡馬を相手に0秒6差をつけて1着の実績を持っていた。今年に入って牡馬相手に中距離以上で実績を残した馬がいれば狙ってみたいところだ。

【結論】

2018/9/16 阪神11R 関西テレビ放送賞ローズS(G2) 1着 13番 カンタービレ

ここまでのデータ分析に従って、今年のエリザベス女王杯で有力と思われる馬を見ていこう。

まずは3歳馬から。秋華賞組は1〜3着馬の好走率が高く、9番人気以内かつ9着には入っておきたいところだった。今年は秋華賞組のエントリーが1頭しかないが、そのカンタービレは秋華賞で3番人気3着と好走圏内の成績を残した。オークスで7番人気13着だった点は無視できないものの、春に比べてかなり成長している印象もあり、なんとかデータを克服したいところだろう。

もう1頭の3歳馬はノームコア。トライアルの紫苑Sを0秒5差で圧勝しながら秋華賞には出走せず、ここまで待機する異例のローテーションで、過去のデータにも参照しづらい面はある。とはいえ、仮定の話にはなるが、秋華賞出走なら9番人気以内かつ9着以内には収まっていた可能性は十分。以前は先行していたが、紫苑Sを中団からの競馬で快勝したこともプラスといえる。

2017/11/12 京都11R エリザベス女王杯(G1) 1着 5番 モズカッチャン

古馬に目を移すと、出走例が多い府中牝馬S組に関しては、エリザベス女王杯が叩き2戦目になる馬か、続戦中の場合は府中牝馬Sの前走で1着の馬がよかった。今年はアドマイヤリード、フロンテアクイーン、ミスパンテール、リスグラシューの4頭が叩き2戦目での出走となる。なお、後者に該当する馬はいなかった。

同年の牡馬混合実績を重視するなら、昨年の覇者で札幌記念3着のモズカッチャン、京都大賞典でサトノダイヤモンドの半馬身差まで迫ったレッドジェノヴァ、函館記念3着があるエテルナミノルの3頭に注目。また、2600mのオープン特別・丹頂Sで2着のコルコバードもマークはしておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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