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第1245回 注目の2歳重賞! 札幌2歳Sを分析する

2018/8/27(月)

今週の土日から9月に入り、中央競馬も夏競馬ラストウィークを迎えた。土曜には札幌競馬場で注目の2歳重賞、札幌2歳Sが行われる。過去にはジャングルポケットやロジユニヴァースといったダービー馬が勝利し、近年では3歳クラシックを制したゴールドシップやレッツゴードンキも出走している。将来性だけでなく、馬券的にも注目の一戦を札幌開催の14年以降の近4年ならびに今年の札幌芝1800m戦の傾向から分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 札幌2歳S近4年の上位3着以内馬一覧 

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 1000m通過 レース上がり
2017
(良/14頭)
1 ロックディスタウン 1分51秒4 1 4 36秒1 62秒4 36秒6
2 ファストアプローチ クビ 4 2 36秒4
3 ダブルシャープ アタマ 7 4 35秒3
2016
(良/13頭)
1 トラスト 1分49秒9 5 1 36秒0 61秒6 36秒0
2 ブラックオニキス 2馬身1/2 10 5 35秒9
3 アドマイヤウイナー クビ 7 7 35秒7
2015
(稍重/14頭)
1 アドマイヤエイカン 1分50秒8 2 4 35秒9 61秒9 36秒8
2 プロフェット ハナ 1 4 36秒2
3 クロコスミア 1馬身1/4 8 8 36秒2
2014
(良/14頭)
1 ブライトエンブレム 1分50秒0 5 8 35秒8 61秒2 36秒6
2 マイネルシュバリエ 1馬身1/4 11 3 36秒6
3 レッツゴードンキ クビ 7 4 36秒4

まず表1は札幌2歳S近4年の成績をまとめたもの。勝ちタイムを見ると、洋芝のレースらしく1分49秒9〜51秒4と時計が掛かっている。直近の札幌開催でも開催が進んできたことに加えて雨の影響もあり、勝ち時計は掛かり気味で推移しており、今年も良馬場でも1分50〜51秒台の決着になりそうだ。

前半1000m通過が速くなくても上がりが掛かるレースとなっており、上位馬は4コーナー8番手以内から上位の上がりで好走しているのが特徴となっている。道中のポジションが重要な一戦で、後方の9番手以下だとほぼノーチャンスといえるだろう。

最後に人気順を見ると、1番人気馬は昨年のロックディスタウンの1勝のみ。以下、2番人気馬が1勝、5番人気馬が2勝。昨年は3着に7番人気ダブルシャープが入っており、近4年で毎年1頭は7番人気以下の伏兵が激走している。時計が掛かる洋芝の適性が問われることが多く、人気薄でも好走することが多い一戦だ。

■表2 札幌2歳Sの枠番別成績(近4年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2枠 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 277% 112%
3枠 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 380%
4枠 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 121% 46%
5枠 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 52%
6枠 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 17%
7枠 2- 1- 0- 5/ 8 25.0% 37.5% 37.5% 108% 147%
8枠 0- 2- 2- 4/ 8 0.0% 25.0% 50.0% 0% 298%

続いて表2は近4年の枠番別成績。黄色で強調したように外枠の7枠・8枠が好成績をあげている。7枠は昨年のロックディスタウンら2勝をあげ、連対率トップ。8枠は勝ち星こそないものの、昨年2着のファストアプローチが好走するなど複勝率50%と優秀だ。

小回りでコーナー4回だけに内枠有利をイメージさせるが、最終週ということもあって馬場の荒れ方が進んでいない外スタートの方が追走しやすいのだろう。外の7〜8枠が優勢というのは頭に入れておきたい。逆に最内の1枠のみ馬券圏内に入っていない。

■表3 札幌2歳Sの前走距離別成績(近4年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1200m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1500m 1- 2- 1- 5/ 9 11.1% 33.3% 44.4% 107% 250%
1600m 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 277% 112%
1700m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1800m 2- 2- 3-31/38 5.3% 10.5% 18.4% 22% 66%

2016/9/3 札幌11R 札幌2歳ステークス(G3) 1着 5番 トラスト

表3は前走距離別成績。近4年の出走馬の半数以上が前走1800m組で昨年のロックディスタウンら2勝をあげている。この組から毎年1頭は3着以内に入っているが、近2年は1頭ずつと少ない。近2年で2頭ずつ好走馬を出しているのが前走1500m組。一昨年にトラストが勝利し、昨年は出走したファストアプローチ、ダブルシャープの2頭とも馬券に絡んでいる。好走した4頭はいずれも4〜10番人気とそれほど人気はなかった。

他では前走1600mから14年ブライトエンブレムが勝利している。今回出走予定のウィクトーリアはブライトエンブレムの半妹で兄妹制覇なるかも注目ポイントだ。

■表4 札幌2歳Sの前走人気別成績(近4年)

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1人気 3- 2- 1-14/20 15.0% 25.0% 30.0% 92% 108%
前走2人気 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 46%
前走3人気 1- 1- 2- 5/ 9 11.1% 22.2% 44.4% 123% 262%
前走4人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5人気 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9人 0- 0- 1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 38%
前走10人気以下 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2017/9/2 札幌11R 札幌2歳ステークス(G3) 1着 11番 ロックディスタウン

表4は前走人気別成績。近4年の好走馬が黄色で強調した前走3番人気以内に集中していることがわかる。特に前走1番人気だった馬は昨年のロックディスタウンら近3年続けて勝利しており、連対率25.0%・複勝率30.0%と高い。前走2番人気馬は2着1回だが、前走3番人気馬は14年ブライトエンブレムが勝利し、複勝率44.4%と非常に高い。

なお、前走4番人気以下で好走したのは昨年3着のダブルシャープのみ。同馬は初芝の前走クローバー賞で6番人気ながら勝利をおさめていた。

■表5 今年の札幌芝1800m戦の種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 3- 1- 2-11/17 17.6% 23.5% 35.3% 29% 42%
ハービンジャー 2- 1- 2- 5/10 20.0% 30.0% 50.0% 194% 96%
キングカメハメハ 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 100% 45%
ハーツクライ 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 181% 51%
ローエングリン 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 200% 106%
ステイゴールド 1- 0- 2- 3/ 6 16.7% 16.7% 50.0% 61% 266%
Frankel 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 56% 93%
エイシンフラッシュ 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 90% 40%
ダノンバラード 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 510% 90%
ダノンシャンティ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 60% 50%
シンボリクリスエス 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 230% 110%
ブラックタイド 0- 6- 2- 2/10 0.0% 60.0% 80.0% 0% 161%

表5は今年の札幌芝1800m戦の種牡馬別成績。出走数最多のディープインパクト産駒が3勝をあげているが、いずれも1番人気によるもので適性の高さはそれほど感じられない。ハービンジャー産駒はクイーンSでディアドラが勝利するなど2勝で、複勝率50%と高い。 また、黄色で強調したローエングリン・ステイゴールド・Frankel産駒も1勝かつ複数回好走しており、注目だ。また、勝ち星こそないものの、ブラックタイド産駒が連対率60%・複勝率80%と好相性。特に2歳戦では複勝率100%と適性の高さを示している

■表6 今年の札幌芝1800m戦の脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 3-  7-  1-  4/ 15 20.0% 66.7% 73.3% 128% 117%
先行 4-  6- 11- 36/ 57 7.0% 17.5% 36.8% 41% 83%
差し 5-  2-  3- 31/ 41 12.2% 17.1% 24.4% 50% 43%
追い込み 1-  0-  0- 36/ 37 2.7% 2.7% 2.7% 8% 3%
マクリ 2-  0-  0-  2/  4 50.0% 50.0% 50.0% 80% 55%

最後に表6は札幌芝1800m戦の脚質別成績。逃げた馬が連対率66.7%・複勝率73.3%と非常に好成績を残している。逃げそうな馬は上位人気になることが多いが、それでも複勝回収率で100%を超えている。ハナに行った馬が逃げ粘る可能性が高いコースといえる。

先行馬と差し馬は勝率では差し馬、複勝率では先行馬の方が高い。なお、追い込み馬は37頭で1勝のみと苦戦傾向で、表1で示した札幌2歳Sのレース傾向とも合致している。 今回の札幌2歳Sでもハナを切れそうな馬を連軸で据えるのがコース傾向に合った馬券作戦といえるだろう。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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