データde出〜た
第1237回 今年も波乱となるか!? レパードSを分析する
2018/7/30(月)
今週は日曜に新潟競馬場で3歳ダート重賞のレパードS、小倉競馬場で伝統のハンデ戦の小倉記念と2鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは3歳馬限定としては最後となるダート重賞のレパードSをピックアップ、昨年は11番人気ローズプリンスダムが勝利して波乱となった一戦を2013年以降の近5年のデータから分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 レパードS近5年の上位3着以内馬一覧
年/馬場 | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 1000m通過 | レース上がり |
2017 (良) |
1 | ローズプリンスダム | 1分52秒9 | 11 | 7 | 37秒8 | 61秒7 | 38秒4 |
2 | サルサディオーネ | 1馬身1/4 | 12 | 1 | 38秒6 | |||
3 | エピカリス | 3/4馬身 | 1 | 4 | 38秒2 | |||
2016 (良) |
1 | グレンツェント | 1分50秒6 | 2 | 4 | 36秒6 | 60秒7 | 37秒3 |
2 | ケイティブレイブ | クビ | 1 | 1 | 37秒3 | |||
3 | レガーロ | 2馬身 | 6 | 7 | 36秒4 | |||
2015 (良) |
1 | クロスクリーガー | 1分51秒9 | 1 | 2 | 37秒8 | 61秒5 | 37秒9 |
2 | ダノンリバティ | 3/4馬身 | 3 | 4 | 37秒7 | |||
3 | タマノブリュネット | 1馬身3/4 | 11 | 11 | 36秒9 | |||
2014 (稍重) |
1 | アジアエキスプレス | 1分50秒4 | 1 | 2 | 35秒6 | 61秒9 | 35秒8 |
2 | クライスマイル | 3馬身1/2 | 7 | 1 | 36秒4 | |||
3 | ランウェイワルツ | クビ | 9 | 12 | 35秒6 | |||
2013 (稍重) |
1 | インカンテーション | 1分50秒3 | 1 | 2 | 36秒7 | 61秒0 | 37秒0 |
2 | サトノプリンシパル | 2馬身1/2 | 4 | 1 | 37秒4 | |||
3 | ケイアイレオーネ | 1馬身1/2 | 2 | 2 | 37秒3 |
まず表1は2013年以降の近5年の上位3着以内馬一覧。13・14年は稍重で行われたが、近3年は良馬場で勝ち時計も1分50秒6〜52秒9と差が開いている。ただ、近5年でほぼ共通しているのは連対馬の4コーナー通過順で、連対馬10頭中9頭は4コーナー4番手以内で直線を迎えていた。例外は昨年1着のローズプリンスダムのみで、前にいた組が勝ち負けになる可能性が高いことがわかる。ただ、近4年は昨年のローズプリンスダムのように4角7番手以降の差し・追い込み馬が1頭ずつ人気薄で馬券に絡んでいる。
前半1000m通過も60秒7〜61秒7でほぼ平均ペースで流れており、逃げ・先行馬もそれほど負担がなく、直線でも粘り込める結果となっていることが多い。昨年は上がりが掛かっているが、その他の年の上位馬は37秒台ではおさまっていた。
最後に上位馬の人気を分析すると、1番人気馬は【3.1.1.0】と複勝圏を外していない。昨年は圧倒的な1番人気のエピカリスが直線で前が詰まって3着に敗れて波乱となったが、基本的に1番人気は安定している。ただ、14年以降の近4年は6番人気以下の伏兵が半数の6頭激走しており、人気薄もチェックしておきたい一戦だ。それでは上位馬はどういう条件で好走したのか、個別に見ていこう。
■表2 レパードSの枠番別成績(近5年)
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
1枠 | 0- 0- 1- 4/ 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0% | 72% |
2枠 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 736% | 90% |
3枠 | 1- 0- 2- 6/ 9 | 11.1% | 11.1% | 33.3% | 36% | 90% |
4枠 | 0- 2- 0- 8/10 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0% | 29% |
5枠 | 2- 2- 0- 6/10 | 20.0% | 40.0% | 40.0% | 52% | 200% |
6枠 | 0- 0- 1- 9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0% | 16% |
7枠 | 1- 1- 1- 7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% | 33% | 135% |
8枠 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表2は枠番別成績。最内の1枠と大外の8枠を除いて、好走馬は中央寄りの2〜7枠に集中している。特に5枠は一昨年のグレンツェントら2勝をあげ、昨年も12番人気サルサディオーネが2着に激走するなど近4年続けて連対馬を出している。また、3枠・7枠も複勝率30%を超えており、注目だ。
なお、大外の8枠に入った馬は10頭すべて着外に敗れており、苦戦傾向にある。
■表3 レパードSの前走レース別成績(近5年)
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
ジャパンダートダービー | 2- 1- 2- 7/12 | 16.7% | 25.0% | 41.7% | 573% | 147% |
ユニコーンS | 2- 0- 0-10/12 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 50% | 26% |
濃尾特別(1000万下) | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 82% | 35% |
500万下 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0% | 106% |
500万下・牝 | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 615% |
白百合S | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 230% |
御嶽特別(1000万下) | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 180% |
兵庫チャンピオンS | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0% | 180% |
ベルモントS | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 110% |
スパーキングナイトCH | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 910% |
その他のレース | 0- 0- 0-32/32 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は前走レース別成績。一番上に黄色で強調したジャパンダートダービー組が昨年のローズプリンスダムら2勝をあげ、複勝率41.7%と好成績をあげている。毎年この組から1頭は3着以内に入っており、ぜひチェックしておきたい。なお、昨年のローズプリンスダムら好走馬5頭はいずれもダートのオープンもしくは交流重賞で勝利した経験があった。
ユニコーンS組は一昨年のグレンツェントら2勝も、連対率・複勝率は低い。この組の勝ち馬2頭はともに前走3番人気以内でレパードSでも2番人気以内に支持されていた。その他は条件戦組や地方交流レースからも好走馬が出ている。
■表4 レパードSの前走人気別成績(近5年)
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1人気 | 3- 1- 1-11/16 | 18.8% | 25.0% | 31.3% | 56% | 120% |
前走2人気 | 0- 2- 0- 7/ 9 | 0.0% | 22.2% | 22.2% | 0% | 156% |
前走3人気 | 1- 1- 2- 4/ 8 | 12.5% | 25.0% | 50.0% | 33% | 142% |
前走4人気 | 0- 1- 0- 5/ 6 | 0.0% | 16.7% | 16.7% | 0% | 38% |
前走5人気 | 0- 0- 1- 6/ 7 | 0.0% | 0.0% | 14.3% | 0% | 22% |
前走6〜9人 | 1- 0- 0-15/16 | 6.3% | 6.3% | 6.3% | 414% | 50% |
前走10番人気以下 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表4は前走人気別成績。黄色で強調したように前走1〜3番人気だった馬の成績が良く、複勝回収率でも100%を超えている。特に前走1番人気だった馬は15年クロスクリーガーら過半数の3勝をあげている。この中には14年7番人気2着クライスマイルや15年11番人気3着タマノブリュネットのような伏兵も含まれている。これら前走3番人気以内だった馬で3着以内馬15頭中11頭を占めている。
なお、前走6番人気以下から好走したのは昨年1着のローズプリンスダム(前走ジャパンダートダービー6番人気8着)のみ。今回人気薄であっても、前走3番人気以内だった馬から選びたいところだ。
■表5 レパードS近5年の6番人気以下での好走馬一覧
年度 | 馬名 | 人気 | 着順 | 前走成績 |
2017 | ローズプリンスダム | 11 | 1 | ジャパンダートダービー8着 |
サルサディオーネ | 12 | 2 | 500万下1着 | |
2016 | レガーロ | 6 | 3 | 兵庫CS4着 |
2015 | タマノブリュネット | 11 | 3 | スパーキングNC1着 |
2014 | クライスマイル | 7 | 2 | 500万下1着 |
ランウェイワルツ | 9 | 3 | ジャパンダートダービー5着 |
最後に表5は6番人気以下で激走した馬をまとめたもの。ローズプリンスダム・レガーロ・ランウェイワルツの前走交流重賞組、サルサディオーネ・タマノブリュネット・クライスマイルの上がり馬組の2パターンに大きく分けることができる。前者の3頭はすでにダートのオープン勝利や交流重賞での連対実績があり、後者の3頭は前走左回りのダート1600〜1800mで勝利をおさめていた。
ただし、これら6頭はいずれも前走で逃げ・先行しており、前走で見せた先行力が生きた結果となっている。注目したい穴馬は前走先行した馬で、地方交流組もしくは左回りのダート1600〜1800mのレースを勝利した馬から積極的に選びたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。