第1196回 昨年は久々に桜花賞馬を輩出! フィリーズレビュー分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1196回 昨年は久々に桜花賞馬を輩出! フィリーズレビュー分析

2018/3/8(木)

今週日曜には阪神競馬場で桜花賞トライアル・フィリーズレビューが行われる。08年のレジネッタ以降、桜花賞馬をなかなか輩出できなかったが、昨年はこのレース2着のレーヌミノルが8番人気で桜花賞を制覇。今年、強力なチューリップ賞組に挑戦状を叩きつけるのはどの馬か、過去の傾向からみていこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年
1 2-3-0-5/10 20.0% 50.0% 50.0% 71% 75% 1-2-0-0
2 2-0-2-6/10 20.0% 20.0% 40.0% 94% 75% 1-0-2-0
3 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 121% 87% 0-0-0-3
4 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 69% 0-0-0-3
5 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 59% 0-0-0-3
6 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 185% 169% 0-0-1-2
7 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 125% 0-1-0-2
8 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 272% 89% 1-0-0-2
9 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 262% 50% 0-0-0-3
10 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-3
11〜 1-1-2-62/66 1.5% 3.0% 6.1% 80% 146% 0-0-0-24

2016/3/13 阪神11R フィリーズレビュー(G2) 1着 2番 ソルヴェイグ (8番人気)

過去10年、1番人気の連対率50.0%は悪くないが、3着がなく複勝率も50.0%止まり。2番人気以下も広く好走馬が分散しており、複勝回収率では6〜8番人気あたりに妙味がある。ここ3年の上位3頭は、1、2番人気馬と、6〜8番人気から1頭という組み合わせ。中位人気勢には注目しておきたいレースだ。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 2-2-0-16/20 10.0% 20.0% 20.0% 164% 82%
2枠 2-0-2-16/20 10.0% 10.0% 20.0% 39% 46%
3枠 1-2-1-16/20 5.0% 15.0% 20.0% 131% 85%
4枠 2-0-1-17/20 10.0% 10.0% 15.0% 358% 91%
5枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 33%
6枠 1-1-0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 38% 287%
7枠 0-3-3-17/23 0.0% 13.0% 26.1% 0% 162%
8枠 2-1-1-19/23 8.7% 13.0% 17.4% 32% 60%
1〜4 7-4-4-65/80 8.8% 13.8% 18.8% 173% 76%
5〜8 3-6-6-71/86 3.5% 10.5% 17.4% 17% 133%

枠番別では、1〜4枠が【7.4.4.65】勝率8.8%で、優勝馬7頭中4頭は6番人気以下。対して5〜8枠は【3.6.6.71】同3.5%。勝ち馬3頭すべて3番人気以内で、単勝回収率は17%にとどまる。ただ、2桁人気の好走馬4頭中3頭は5〜8枠から出るなど2〜3着の人気薄は多く、複勝回収率では5〜8枠のほうが高い。3連単を買うなら1着候補は内から選びたいが、2〜3着候補や3連複なら外のほうから選びたい印象だ。

■表3 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 6番人気以下
逃げ 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 660% 0-1-1-4/6
先行 4-2-4-29/39 10.3% 15.4% 25.6% 140% 131% 2-0-2-24/28
中団 0-5-1-56/62 0.0% 8.1% 9.7% 0% 28% 0-2-0-40/42
後方 6-2-3-44/55 10.9% 14.5% 20.0% 179% 75% 2-2-2-34/40
※TARGET frontier JVによる分類

脚質別の成績を見ると、該当馬のもっとも多い「中団」からの勝利がない。その分、他のほとんどのレースでは苦戦する「追込」が6勝を挙げるなど好結果を出している。昨年は3コーナー17番手のカラクレナイが勝ち、3着には同18番手のゴールドケープ。内回りコースでも、しっかりした末脚を繰り出せれば後方からでも十分に勝負になる。

■表4 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜5番人気 同複勝率 6番人気以下 同複勝率
新馬 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-4 0.0%
未勝利 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6 0.0%
500万下 4-3-3-50/60 6.7% 11.7% 16.7% 65% 62% 3-1-2-9 40.0% 1-2-1-41 8.9%
(500万平場) 1-0-2-32/35 2.9% 2.9% 8.6% 77% 30% 0-0-2-5/7 28.6% 1-0-0-27/28 3.6%
(500万特別) 3-3-1-18/25 12.0% 24.0% 28.0% 47% 108% 3-1-0-4/8 50.0% 0-2-1-14/17 17.6%
OPEN特別 2-2-2-30/36 5.6% 11.1% 16.7% 220% 86% 0-1-1-7 22.2% 2-1-1-23 14.8%
G3 1-2-1-24/28 3.6% 10.7% 14.3% 27% 35% 1-1-0-8 20.0% 0-1-1-16 11.1%
G2 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1 0.0%
G1 3-3-4-17/27 11.1% 22.2% 37.0% 102% 361% 2-2-2-8 42.9% 1-1-2-9 30.8%
地方 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2 0.0% 0-0-0-2 0.0%

前走クラス別では、中央G1組(14年のベルカント・朝日杯FS以外は阪神JF)が好成績。人気馬はもちろん、6番人気以下の穴馬でも複勝率30.8%を記録しており、この組全馬の回収率は単勝102%、複勝361%を記録する。その他では、500万組の中でも特別レースに出走していた馬が複勝率28.0%をマークし、勝率、連対率ではG1組を上回っているので注目は欠かせない。なお、阪神JF以外のレース別では、エルフィンS【2.1.1.14】、クイーンC【1.1.1.14】など分散しているが、紅梅S組は【0.0.0.8】と結果が出ていない。

■表5 前年の阪神JF出走馬の成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
直行 2-3-4-17/26 7.7% 19.2% 34.6% 84% 365%
その他 1-1-2-21/25 4.0% 8.0% 16.0% 17% 38%

表5は、前年の阪神JF出走馬について、それ以来の休養明けだった馬と、他のレースを挟んだ馬の成績を調べたものである。その結果、休養明けだった馬は複勝率34.6%、間に出走していた馬は同16.0%。単複の回収率にも大きな差がついており、直行馬を重視したい。本競走過去10年全馬の成績は【10.10.10.136】で勝率6.0%、複勝率18.1%のため、阪神JFから間にレースを挟んだ馬は平均以下の成績に落ちることになる。「G1出走経験」だけでは特にプラスには働かない。

■表6 前年の阪神JFに出走していた好走馬

馬名 フィリーズR 前走 阪神JF
人気 着順 レース 人気 着順 人気 着順
08 レジネッタ 4 3 エルフィンS 2 3 7 6
09 ワンカラット 6 1 5 12
レディルージュ 15 3 12 10
10 ラナンキュラス 1 2 4 4
12 アイムユアーズ 1 1 8 2
プレノタート 7 3 クイーンC 9 4 15 7
13 メイショウマンボ 3 1 こぶし賞 2 1 14 10
14 ニホンピロアンバー 13 2 14 17
15 ムーンエクスプレス 2 3 12 4
16 アットザシーサイド 1 2 4 5
キャンディバローズ 2 3 5 9
17 レーヌミノル 1 2 クイーンC 3 4 3 3
ゴールドケープ 6 3 14 6

過去10年の3着以内好走馬のうち、阪神JFに出走していたのは表6の13頭。昨年の2着馬・レーヌミノルは同レース3着だったが、ほかに阪神JFで馬券に絡んでいたのは12年の優勝馬・アイムユアーズ(阪神JF2着)だけ。阪神JFで2桁着順の大敗を喫し、それ以来のレースでも3頭が好走している。表5で挙げたように直行馬なら高回収率になるため、あまり同レースでの着順は気にすることなく狙っていきたい。

■表7 前走着順・人気別成績(前走中央G1以外)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1着 3-3-4-49/59 5.1% 10.2% 16.9% 20% 62%
2着 0-1-0-6/7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 44%
3着 0-0-1-8/9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 34%
4着 2-2-1-6/11 18.2% 36.4% 45.5% 552% 194%
5着 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 272% 89%
6〜9着 1-0-0-23/24 4.2% 4.2% 4.2% 109% 20%
10着〜 0-0-0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1人気 2-0-3-25/30 6.7% 6.7% 16.7% 103% 54%
2人気 2-2-1-19/24 8.3% 16.7% 20.8% 33% 66%
3人気 2-1-1-11/15 13.3% 20.0% 26.7% 226% 116%
4人気 0-2-0-11/13 0.0% 15.4% 15.4% 0% 66%
5人気 1-1-0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 442% 115%
6〜9人 0-1-1-23/25 0.0% 4.0% 8.0% 0% 26%
10人〜 0-0-0-20/20 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
連闘 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中1週 0-0-1-8/9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 28%
中2週 2-0-0-23/25 8.0% 8.0% 8.0% 126% 26%
中3週 0-2-1-19/22 0.0% 9.1% 13.6% 0% 37%
中4〜8週 4-4-3-46/57 7.0% 14.0% 19.3% 158% 92%
中9〜24週 1-1-1-17/20 5.0% 10.0% 15.0% 19% 43%
半年以上 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は、前走G1以外の馬について、前走着順・人気、そしてレース間隔別の成績をまとめたものである。G1以外で前走6番人気以下や同6着以下の馬は苦戦。そして間隔は中4〜8週あたりが良い。もっとも間隔が開いた好走馬は、昨年優勝したカラクレナイの万両賞(阪神JFの前週)で、前走11月以前は【0.0.0.11】。休養期間の長い馬が人気になることは少なかった影響もありそうだが、一応12月あたりまでを目安としたい。ほかに前走との関係では、1200m戦に出走していた馬は【0.0.0.26】と好走がない。

■表8 前走中央G1以外からの好走馬(過去5年)

馬名 人気 着順 前走 人気 着順
13 メイショウマンボ 3 1 こぶし賞 2 1
ナンシーシャイン 4 2 春菜賞 5 1
ティズトレメンダス 11 3 はこべら賞 3 1
14 エスメラルディーナ 6 3 ジュニアC 1 1
15 クイーンズリング 1 1 菜の花賞 2 1
ペルフィカ 7 2 こぶし賞 2 1
16 ソルヴェイグ 8 1 500万下 1 5
17 カラクレナイ 2 1 万両賞 1 1
レーヌミノル 1 2 クイーンC 3 4

最後に表8は、同じく前走中央G1以外に出走していた過去5年の好走馬で、表にある通り、9頭中7頭は前走1着馬。08〜12年は前走G1以外・2着以下でも【3.2.1.28】複勝率17.6%と好走馬も少なからずいたが、13年以降は【1.1.0.37】同5.1%と大幅に落ち込んでいる。好走したソルヴェイグは前走で1番人気、レーヌミノルはこのレースでの1番人気馬。前走1着馬を基本としつつ、前走2着以下を狙うなら前走か今回の1番人気馬になる。

【結論】

中位人気勢からも好走馬が多く出ているフィリーズレビュー。前走クラス別ではG1組が良く、その他では500万特別出走馬に注目。G1組なら着順は問わず好成績、その他のレースなら前走6着以下や6番人気以下は苦しく、あまり間隔が詰まったり開いたりしていない馬のほうが好成績だ。

2017/7/2 中京1R 2歳未勝利 1着 7番 コーディエライト

本年の登録馬のうち、前走クラス別で好成績のG1(表4、5)だった馬は、コーディエライトとナディア(抽選対象)の2頭だ。コーディエライトは、09年の優勝馬・ワンカラット(6番人気)と同じく、この距離でファンタジーS連対、マイルの阪神JF大敗というパターン。ナディアは、14年の13番人気2着馬・ニホンピロアンバーと同じく、前々走の秋明菊賞で連対(距離は当時と異なる)して阪神JF大敗と、ともにこのレースで波乱を演出した馬と同じステップを踏んでいる。恐らく人気薄になりそうだが、重賞2着で賞金面はクリアしているコーディエライトはもちろん、出走してくれば1勝馬のナディアにも注目したい。

その他では、本文でも触れた前走1200m【0.0.0.26】、紅梅S【0.0.0.8】、11月以前【0.0.0.11】などで減点が必要になる馬が、人気馬の中にも多い。そんな中では、500万特別戦の1着馬(表4、8)から、アリア、アルモニカ、アンコールプリュの3頭を挙げておきたい。ほかに上位人気馬も加えるなら、レース直前のオッズを見て1〜2番人気馬(表1、近3年すべて馬券圏内)が候補になる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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