データde出〜た
第1181回 フェブラリーSへ注目の前哨戦! 東海Sを分析する
2018/1/15(月)
2018年の年明けから早くも3週目の競馬を迎える。今週は日曜に中山でアメリカJCC、中京で東海Sと2鞍の重賞が行われる。今回のデータde出〜たでは、2月のフェブラリーSに向けて注目の一戦である東海Sをピックアップ。現在の1月開催に替わった2013年以降の過去5年のデータから好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 東海S近5年の上位3着以内馬一覧
年/馬場 | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 性齢 | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 1000m通過 | レース上がり |
2017 (良) |
1 | グレンツェント | 1分53秒2 | 牡4 | 1 | 6 | 36秒7 | 63秒7 | 37秒1 |
2 | モルトベーネ | 1/2馬身 | 牡5 | 12 | 4 | 36秒9 | |||
3 | メイショウウタゲ | 1/2馬身 | 牡6 | 10 | 9 | 36秒7 | |||
2016 (良) |
1 | アスカノロマン | 1分51秒9 | 牡5 | 4 | 2 | 36秒7 | 62秒9 | 36秒8 |
2 | モンドクラッセ | 2馬身 | 牡5 | 2 | 1 | 37秒1 | |||
3 | ロワジャルダン | 3馬身1/2 | 牡5 | 1 | 5 | 37秒2 | |||
2015 (良) |
1 | コパノリッキー | 1分50秒9 | 牡5 | 1 | 1 | 37秒5 | 61秒2 | 37秒5 |
2 | グランドシチー | 4馬身 | 牡8 | 9 | 8 | 37秒5 | |||
3 | インカンテーション | ハナ | 牡5 | 3 | 13 | 36秒7 | |||
2014 (良) |
1 | ニホンピロアワーズ | 1分50秒4 | 牡7 | 1 | 4 | 37秒5 | 60秒4 | 37秒9 |
2 | グランドシチー | 2馬身 | 牡7 | 3 | 6 | 37秒3 | |||
3 | マイネルバイカ | 2馬身1/2 | 牡5 | 8 | 9 | 37秒8 | |||
2013 (良) |
1 | グレープブランデー | 1分51秒0 | 牡5 | 4 | 7 | 37秒3 | 60秒4 | 38秒2 |
2 | ナムラタイタン | 3馬身 | 牡7 | 8 | 2 | 38秒5 | |||
3 | ホッコータルマエ | 1/2馬身 | 牡4 | 1 | 4 | 38秒2 |
まず表1は東海S近5年の3着以内馬一覧。13年勝ち馬グレープブランデー、15年勝ち馬コパノリッキーの2頭が続くフェブラリーSを制しており、最注目の前哨戦といえるだろう。勝ち時計はかなりのスローペースだった昨年を除いて、1分50秒台〜51秒台でおさまっている。年々スローペースに変わってきているものの、一昨年・昨年でも3着以内馬の上がり3Fは36秒7以上掛かっていた。
また、これら好走馬の4コーナー通過順は15年3着インカンテーションを除いて、10番手以内につけている。道中の位置取りが後ろ過ぎると、直線では間に合わない一戦といえそうだ。
最後に人気順を見ると、1番人気馬は【3.0.2.0】で昨年のグレンツェントら過半数の3勝をあげ、複勝率100%と崩れていない。レース傾向から1番人気を軽視するのは危険といえそうだ。その他は4番人気馬が一昨年のアスカノロマンら2勝。以下、5〜7番人気馬は好走馬がおらず、8番人気以下から2・3着馬が5頭激走している。昨年は2着に12番人気モルトベーネ、3着に10番人気メイショウウタゲが好走したように、一昨年以外は8番人気以下の伏兵が1頭は馬券圏内に絡んでいる。1番人気馬と伏兵の組合せが多いレースといえる。
■表2 東海S近5年の年齢別成績
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
4歳 | 1- 0- 1- 8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 26% | 25% |
5歳 | 3- 2- 3- 9/17 | 17.6% | 29.4% | 47.1% | 92% | 155% |
6歳 | 0- 0- 1-19/20 | 0.0% | 0.0% | 5.0% | 0% | 45% |
7歳以上 | 1- 3- 0-23/27 | 3.7% | 14.8% | 14.8% | 5% | 45% |
続いて表2は年齢別成績。5歳馬が一昨年のアスカノロマンら過半数の3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は2着モルトベーネが該当するなど毎年1頭は3着以内に好走しており、複勝率は47.1%と非常に高い。また、7歳以上の高齢馬は14年ニホンピロアワーズが勝利しており、2着3回と侮れない。
対して、4歳馬は昨年のグレンツェントの1勝のみ。6歳馬も好走したのは昨年3着メイショウウタゲのみと苦戦傾向にある。5歳馬が中心、6歳馬は不振というのは気になるデータではある。
■表3 東海S近5年の前走レース別成績
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
東京大賞典 | 2- 1- 0- 4/ 7 | 28.6% | 42.9% | 42.9% | 58% | 95% |
師走S | 1- 1- 1- 5/ 8 | 12.5% | 25.0% | 37.5% | 32% | 192% |
ジャパンカップダート | 1- 1- 0- 4/ 6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% | 110% | 66% |
ベテルギウスS | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 95% | 24% |
みやこS | 0- 2- 0- 4/ 6 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0% | 218% |
チャンピオンズC | 0- 0- 2- 4/ 6 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 51% |
フェアウェルS | 0- 0- 1- 4/ 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0% | 26% |
初夢S(1600万下) | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 170% |
ポルックスS | 0- 0- 0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
その他のレース | 0- 0- 0-14/14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は前走レース別成績。東京大賞典組が15年コパノリッキーら2勝をあげ、連対率・複勝率42.9%と非常に高い。この組の連対馬3頭はいずれも前走4着以内に入っていた。 また、オープン特別の師走S組からは昨年のグレンツェントが勝利。昨年は上位1・3・4着がこの組で、好相性だ。その他ではジャパンカップダート組からは13年グレープブランデー、ベテルギウスS組からは一昨年のアスカノロマンとそれぞれ勝ち馬が出ている。
対して、重賞のみやこS組は2着止まり、同コースで行われるチャンピオンズC組は3着止まりと勝ち切れていない。特にチャンピオンズC組の出走馬5頭はいずれも上位5番人気以内に支持されていても、連対圏に入っていない。チャンピオンズCへ全力投球した後にやや間隔が空いており、意外に調整が難しいことが考えられる。
■表4 前走オープン特別組の前走着順別成績(13年以降の近5年)
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1着 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 86% | 40% |
前走2着 | 1- 0- 1- 2/ 4 | 25.0% | 25.0% | 50.0% | 167% | 75% |
前走3着 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走4着 | 0- 1- 1- 1/ 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% | 0% | 473% |
前走5着 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走6〜9着 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走10着以下 | 0- 0- 0-16/16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表4は出走数が最も多い前走オープン特別組の前走着順別成績。表の黄色で強調したように一昨年のアスカノロマン、昨年のグレンツェントと勝ち馬2頭は前走で連対を果たしていた。また、この組の3着以内馬5頭は前走でいずれも4着以内で、出走数11頭中5頭が3着以内と狙って面白い臨戦過程といえる。
逆に前走5着以下となると24頭出走して、いずれも4着以下と不振。前走オープン特別大敗からの巻き返しは厳しく、前走で少なくとも掲示板(できれば4着以内)を確保した馬から狙っていきたい。
■表5 東海S近5年の8番人気以下の好走馬と前走からの間隔
年度 | 馬名 | 人気 | 着順 | 前走成績 | 間隔 |
2017 | モルトベーネ | 12 | 2 | みやこS 6着 | 中10週 |
メイショウウタゲ | 10 | 3 | 師走S 4着 | 中3週 | |
2015 | グランドシチー | 9 | 2 | 師走S 4着 | 中3週 |
2014 | マイネルバイカ | 8 | 3 | 初夢S 1着 | 中2週 |
2013 | ナムラタイタン | 8 | 2 | 東京大賞典 4着 | 中2週 |
最後に表5は8番人気以下で好走した馬と前走からの間隔をまとめたもの。昨年2着のモルトベーネ以外の4頭は前走から中2週もしくは中3週で東海Sへと臨んでいた。前走から休み明けで出走するタイプではなく、年末年始に出走して中2・3週で使ってきたタイプが激走しやすい穴馬といえそうだ。
今年の出走予定馬では断然人気が予想されるテイエムジンソクは不振傾向の6歳馬、チャンピオンズC組が気になるところ。複勝率100%の1番人気で崩れることはないかもしれないが、2・3着へ敗れる場面は想定できそうだ。他では前走の東京大賞典で4着だったアポロケンタッキー、前走師走Sを快勝したディアデルレイのアタマの目を狙ってみたいところだ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。